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原発を稼働または再稼働させたり新設しようとしている町村は、放射能廃棄物の最終処分場となる覚悟をすべき

福島原発事故(2019/10/19) 関西電力、高浜原発、還流する原発マネー、森山栄治(福井県高浜町元助役)、稲田朋美(元防衛相、福井1区)、高木毅(元復興相、福井2区)、世耕弘成(前経産相)、「科学的特性マップ」、福島原発フレコンバッグ(Flexible Containers)、チェルノブイリ原発事故で住民は新しく建設された町スラブチチへ移住

世界が見た福島原発災害7 高レベル放射性廃棄物は増やさない、埋めない359


 去る2019年9月19日、東京地方裁判所は、東京電力の元経営陣3名の福島原発事故における業務上過失致死傷の罪について「被告人らは、いずれも無罪とする」という判決を下しました。
 このような不当判決に対する怒りが収まらないうちに、今度は高浜原発がある福井県高浜町では、森山栄治助役が「高浜原発のドン」として辣腕をふるっていたことが暴露されました。
 森山氏は、今年2019年3月に90歳で亡くなりましたが、この間、関西電力幹部に約3億2千万円の金品が渡っていた問題が発覚しました。この原発マネーは回り回って、また高浜町の原発関連企業に戻っていきます。
 その仕組みは次のようなものです。
 森山氏が非常勤顧問などに就いた特定の企業に、関電が原発関連事業を発注。その受注で潤った企業は森山氏を通じて関電に金品を贈る、といった具合です。こうして、この10年で売り上げが6倍以上に伸びた企業もあるそうです。
 それどころか、このような原発マネーは関電のみならずあらゆるところに流れていたことも暴露されました。政界にはおもに献金、官界へは贈答品という形で出てきました。
 政界で真っ先に表面化したのは福井を選挙区とする稲田朋美元防衛相(福井1区)と高木毅元復興相(福井2区)でした。
 森山氏が設立にたずさわり筆頭株主でもある警備会社「オーイング」(福井県高浜町)とその関連会社「アイビックス」(福井市)が、献金したり、逆に仕事をもらったりする関係にあったことが明らかになりつつあります。
 それを、デイリー新潮(2019/10/16) は次のように報じています。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191016-00587680-shincho-soci&p=2

福井県政担当記者が言う。
 「稲田さんが代表の自民党福井県第一選挙区支部に、オーイングとアイビックス、アイビックス会長個人が計146万円を献金。そして高木さんの第二支部はオーイングに警備費用約19万4千円を支払っていた。
 「こう報じられたので、詳しく調べてみると、稲田さんへの同種の献金はもう少しあって、総額は計218万円。高木さんは、アイビックスにも警備料10万3680円を支払っていた。2社で計約30万円だった。
 「関電の一件と関連づけて報じられてはいないが、実は安倍総理の最側近、世耕弘成前経産相も“森山銘柄”から献金を受けていた。
 「15年4月27日付の『赤旗』曰く、<原発設備会社5幹部、世耕官房副長官側に750万円/企業献金を個人で“分散”か>。世耕前経産相は、原発再稼働を推進する牽引役。彼の資金管理団体に、個人献金を装って“抜け道”的な企業献金をしているのではないか、というのである。」 


このように原発を誘致している町村は、政府の地方交付金だけでなく原発企業からも恩恵を受けているわけですから、いざ原発事故が起きたときは、その最終処分場となる覚悟が必要なのではないでしょうか。
 なぜなら原発事故が起きたときは、当該市町村はもちろんのこと、近隣の市町村に多大なる死の灰を撒き散らすことになるからです。福島の原発事故をみれば分かるように、死の灰は近隣の市町村どころか、その被害は東京にも及んでいます。
 だとすれば、何度も言うように、当該市町村住民は被害者であると同時に加害者にもなるのですから、その後始末も引きうける覚悟が必要なのではないでしょうか。放射性廃棄物は「異動させない、拡散させない」が原則なのですから。
 チェルノブイリ原発事故の場合も、この原則が貫かれています。だからこそ、チェルノブイリ原発からから半径30キロが立ち入り禁止区域に指定され、約15万の住民が強制避難となったのです。だから原発があったプリチャピ市は今も無人のままです。
 ところが、安倍政権はオリンピックを東京に誘致するため、福島から住民を避難させるどころか、避難していた住民への補助を打ち切って福島へ強制帰還させようとしているのです。これは一種の殺人行為ではないでしょうか。
 ましてや、福島第一原子力発電所の廃墟からわずか50kmしか離れていない福島市で、さまざまな全国大会を開いたり、オリンピックの野球やソフトボールの競技を開催するなどというのは、もっての外であり、許せないことです。
 ですから福島のひとたちは次のように叫ぶべきなのではないでしょうか。

 私たちの町はもう住めなくなっています。どれだけ住居を除染しても山林に降り積もった放射能は、雨や風が吹くたびに河川に流れ込んだり空中を飛散してきます。
 除染廃棄物を詰め込んだ大きな黒い袋は今や福島全土に広がりつつあります。これらの袋も100%の安全を保証するものではありません。時間が経てば破れてくるでしょう。そこから飛散する死の灰から逃れることはできません。
 また河川の近くに仮置きされた大型袋も、洪水になれば河川に流れ込みます。これは結局、海に流れ込んで魚介類を汚染するだけでなく、一部は地下にしみこんで飲料水になります。ですから仮置きされた大型袋を一刻も早く処理しなければなりません。
 しかし、だからと言って、この除染廃棄物を政府が言うように、日本の全国に拡散させて土木工事に使うことを私たちは望んでいません。そんなことをすれば福島で広がっている小児癌などの病気を全国に拡散させることになります。
 政府や企業が「原発は安全だ」と言うのを信じて原発建設を受け入れた私たちですが、今となっては騙された私たちも悪かったのです。貧困に喘ぐ過疎地が政府の助成金や原発企業がばらまくお金で「町が潤うことになる」という甘言に載せられたことも否めません。
 しかしだからと言って、繰り返しになりますが、この除染廃棄物を日本の全国に拡散させることを私たちは望んでいません。福島では、原発事故から8年経った現在、白血病10.8倍、肺癌4.2倍、小児癌4倍という現実があります。
 除染廃棄物を日本全国に拡散させることで、このような状況を全国に広げたくありません。私たちが望むのは、避難を希望する住民に(旧ソ連がやったように)政府が責任をもって住宅や生活保障を提供することです。
 日本全国に死の灰を撒き散らすことになるくらいなら、私たちは喜んで自分たちの町を最終処分場として提供します。その代わり、あのアジア太平洋戦争のとき政府や自治体は責任をもって住民を全国に疎開させましたが、それと同じことを福島の住民におこなってほしいのです。
 そうすれば、いま原発を新しく建設したり再稼働しようと思っている市町村の人たちに、ひとつの大きな自覚と警告を促すことにもなるでしょう。「そうか、原発を引きうけることは、いざとなったら、最終処分場になることを引きうけることでもあるんだな」という自覚と警告です。
 日本のように地震が多発する国土に、そもそも原発はふさわしくありませんでした。しかも原発から出る核のごみも、いまだに科学的処理ができる見通しが立っていません。だとすれば、私たちが捨て石になって、日本から原発の脅威から解放されることになれば、これほど嬉しいことはありません。

<註1>
 事故から8年目を迎えた福島の、患者数激増の現実については、大沼安史『世界が見た福島原発災害7――ニッポン原子力帝国』(緑風出版、2019)を参照ください。
<註2>
 旧ソ連は、チェルノブイリから北東に約50キロの汚染が少ない地区にスラブチチという町を建設し、住民はプリピャチから新しし町へ移住することができました。崩壊直前のソ連でさえできたことを経済大国日本がなぜできないのでしょうか。新しい町をつくらなくても、せめて避難する権利や住宅くらいは永久保証すべきではないでしょうか。



福島を埋め尽くす汚染土
https://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/51c11a6af97c6e4214a2f75006d82c6d
「そんなに安全なら、汚染土の再生利用は、まず東京オリンピックのための工事に東京都で使えばよい」


 上記の訴えにもあったように、いま福島県では除染廃棄物を詰め込んだ大きな黒い袋は今や福島全土に広がりつつあります。ところが最近の台風19号で、この袋が冠水したり河川に流出したりしています。
 新聞各紙の報道によれは、次のような事実が明らかになっています。
 「福島県田村市で13日、約2700袋が保管されていた除染廃棄物が、仮置き場に浸水して袋が川に流出した。少なくとも11袋が流出した。」
 「市によると、大雨で水路があふれ、仮置き場の袋が古道川に流れ出たという。これまでに汚染された草木などを詰めた10袋を回収したが、シートで袋を覆うなどの対策は取られていなかった。古道川は高瀬川と合流し、浪江町から太平洋に注いでいる。」
 「同県飯舘村の仮置き場からも除染土が入った1袋が流出し、近くを流れる川の堤防で発見された。」
 以上の報道から分かることは、次のような恐ろしい事実です。

*袋が流出した古道川は、高瀬川と合流し、浪江町から太平洋に注いでいる。
*除染廃棄物は驚いたことに、シートで袋を覆うなどの対策は取られていなかった。
*少なくとも11袋が流出した。だから合計それだけ流出したか不明。回収は10袋のみ。
*袋が流出した古道川は、高瀬川と合流し、浪江町から太平洋に注いでいる。


 福島では、原発事故現場から出る放射能汚染水でタンクがすぐ一杯になり、どれだけ多くのタンクを用意しても、それを溜めておく見通しがたたないので、政府はこれを太平洋に放出するということすら言い始めています。
 これは明らかな国際法違反ですから世界中から非難が押し寄せるでしょう。これだけ見てみても、安倍首相が「福島は完全にコントロールされている」と言ってオリンピックを誘致したことが、全くの大嘘であったことは歴然としています。
 更にいえば、放射能汚染水は凍土壁をつくって制御しようとしても成功していません。ですから、日本から輸入する農産物や魚介類に韓国が厳しい制限を課しているのも、ある意味で当然のこととも言えます。安倍政権はこれを口汚く非難していますが、今のような状態が続く限り、世界の世論から日本が孤立してしまうことは目に見えています。

 少し長くなりましたが、最後に「たんぽぽ舎」から次のような案内【通信2019年9月24日号】が届きましたので、下記に紹介させていただきます。
 というのは、政府は放射能汚染水を太平洋に放出するだけでなく原発から出てきた核のごみを日本全国で地層処分する計画だからです。
 原発施設を日本全国にばらまいただけでは飽き足らずに、今度は原発から出てきた核のごみを、またもや全国各地にばら撒く計画を密かに進行させているのです。
 この危険性を次のパンフレットは実に要領よくまとめています。

『ふやさない埋めない「高レベル放射性廃棄物」――「科学的特性マップ」の問題点』 
関根一昭 (「科学的特性マップ」を考える会)
 地学団体研究会の会員が主になって構成している「科学的特性マップ」を考える会より、「『高レベル放射性廃棄物』はふやさない、埋めない-『科学的特性マップ』の問題点-」を7月末に発行いたしました。
 「科学的特性マップ」と地層処分問題について、批判的な視点をベースにわかりやすく手軽な冊子の作成をめざして昨年から準備を重ねてきましたが、やっと完成の運びになりました。
 A5判、48頁、オールカラーで、できるだけ廉価で提供して市民・学生などのみなさんに幅広く普及したいと考え、1冊100円の価格(税込)としました。内容は3部構成で、
 A:「核のゴミ」の発生と地層処分、
 B:「科学的特性マップ」の問題点、
 C:「核のゴミ」の処分をどうするか、です。
 小冊子ながら図版も多く、コラム等も充実しており、学習会のテキストとしても適切と思います。初版3000部は3週間でなくなり、さらに3000部が増刷され、すでに1000部以上が普及されています。
 できれば10冊以上まとめてご購入いただき、周りの方々にお薦めいただけるとありがたく思います。お申し込みは以下のように電話・FAX・メールにてお願いいたします。なお頒価1冊100円。送料は9冊まで100円、10冊以上は送料無料です。
 書籍に請求書と郵便振替用紙を同封しますので、到着後、ご送金ください。
*申し込み先:地学団体研究会
*電話:03-3983-3378 FAX:03-3983-7525
*メールアドレス:chidanken@tokyo.email.ne.jp
*必要記入事項:ご氏名・送付先住所・電話番号・冊数

<追記1> 事故から8年目を迎えた福島の、患者数激増の現実については、大沼安史『世界が見た福島原発災害7――ニッポン原子力帝国』(緑風出版、2019)を参照ください。

<追記2> 旧ソ連は、チェルノブイリから北東に約50キロの汚染が少ない地区にスラブチチという町を建設し、住民はプリピャチから新しし町へ移住することができました。崩壊直前のソ連でさえできたことを経済大国日本がなぜできないのでしょうか。新しい町をつくらなくても、せめて避難する権利や住宅くらいは保証すべきではないでしょうか。

<追記3> チェルノブイリ原発事故で4万4000人の住民は、40人乗りのバス1200台で移動しました。しかしバスの運転手が「あんな危ないところは2度も行きたくない」というので、どのバスも新しい運転手が乗り込んで、結局、1200人の運転手が必要だったそうです(『神の爆弾』2019年11月号、20頁)。が、このような危機体制を準備している原発自治体は、私の知る限り、日本のどこにもありません。

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狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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