日本の高齢者、生活費軽減のため犯罪人生へと転落――アベノミクスがつくりだしたもの

総合文化(2016/04/06)、アベノミクス、民営化・規制緩和、市場原理主義、新自由主義経済、新保守主義(Neoconservatism、ネオ・コンサバティズム, 略称:ネオコン)


日本の高齢の囚人たち 万引きの35%が60歳以上の高齢者によるものだ
高齢者の囚人グラフ
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/fbd435a6-f3d7-11e5-803c-d27c7117d132.html#axzz44im6fXy6


 東京に拠点をおく研究所カスタム・プロダクツ・リサーチ(Custom Products Research)のマイケル・ニューマン氏がおこなった「高齢者犯罪の経済学」による調査・研究によれば、日本の刑務所における高齢者の収容者数がこのところ激増しつつあります。
 この研究が示すところによると、万引きの約35%が60歳で、そのうち、再犯者の40%が同じ犯罪を6回以上も犯しています。これを単に法律にたいする軽蔑と説明するのは、その裏にひそむ真の原因を覆い隠すことになってしまうことになります。
 というのは、いま日本では生活保護を受給する人の割合が戦後で最大になっていて、しかも高齢者の約4割が独りで暮らしていますから、刑務所を出ても、所持金や家族がないため、すぐに犯罪に手を出して、刑務所に戻ることになるからです。
 これについてニューマン氏は「刑務所では1日3食のちゃんとした食事、無料の医療、宿泊施設が保証される。これでは悪循環だ」と述べています。
 これは安倍政権を初めとする歴代自民党政権が進めてきた「規制緩和と民営化」「庶民への増税と福祉や医療費の削減」というアメリカ流の経済政策が何をもたらすかを如実に示しています(しかもこれはアメリカから強制された政策でもある)。
 とりわけ安倍政権がすすめている経済政策は、アメリカから強制された日本の軍備拡張と一体になっていますから、「庶民増税」「金持ち企業大減税」「介護医療費・生活保護削減」そして「防衛省軍事費の激増」が手を携えて驀進(ばくしん)することになっていますから、ますます庶民の購買力が減少し、景気が回復する兆しは全く見られません。
 これを称して大手メディアは「アベノミクス」ともてはやしていますが、同志社大学の浜矩子氏は「アホノミクス」と言っています。まさにさもありなんと言うべきでしょう。
 このまま事態が進行すると、2060年までには、高齢者の犯罪者数は65歳以上人口の40%になるだろうと予想されています。
 この調査が発表されると、テレグラフ紙やフィナンシャル・タイムズ紙など世界の大手メディアがこれを取り上げて紹介しましたから、安倍政権は世界中にその恥をさらすことになりました。
 そこで、フィナンシャル・タイムズ紙のレオ・ルイス記者による配信記事を、以下に訳出して紹介させていただきます。


日本の高齢者、生活費軽減のため犯罪人生へと転落
Japan’s elderly turn to life of crime to ease cost of living
レオ・ルイス(Leo Lewis、東京) March 27, 2016

講習を受ける高齢の囚人たち
高齢者の囚人
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/fbd435a6-f3d7-11e5-803c-d27c7117d132.html#axzz44im6fXy6

日本の刑務所制度は財政危機に追い込まれつつある―人口動態、福祉費不足、そして新しく致命的な犯罪者つまり定年退職者の常習犯によって。銀髪の窃盗犯たちが刑務所に入ることを切望している、と専門家は言う。

犯罪総計が示すところによると、万引きの約35%が60歳以上だ。そのうち、再犯者の40%が同じ犯罪を6回以上も犯している。

ある研究報告書(後述)の結論によれば、とくに万引き犯の急増は、有罪判決を受けて刑務所に入れられることをねらった行為ではないかと推測できる充分な理由がある。刑務所は無料の食事、宿泊施設、医療を提供してくれるところだからだ。

常習犯的犯行の数字は、有罪判決を願っている老人の暗く切迫した願いを示している。食費を削り、安くて汚らしい部屋に住んだところで、最小限の貯えしか持っていない独り身の定年退職者は、貧弱な国民基礎年金の年額78万円(6900ドル)では生活できない。彼らの生活費は、それよりさらに25%以上も必要だからだ。以上の数値は、東京を拠点とする研究所カスタム・プロダクツ・リサーチ(Custom Products Research)のマイケル・ニューマンがおこなった「高齢者犯罪の経済学」によるものだ。
http://www.custprd.com/rsch/Crime%20in%20Japan%20-%20Geriatric%20Jailbirds.pdf

上記の報告書によれば、200円のサンドイッチを盗むだけで2年の禁固刑になりうる、そして国にとっては840万円の出費だ。

高齢者犯罪の数は加速している。そして専門家によれば、日本の刑務所は今後数十年間の増加に備えて拡張されたので最近の収容率は約70%だ。しかし法務省公表の最新統計(1991年から2013年)によれば、同じ犯罪を6回以上も犯して刑務所に収容されている高齢者の数字は460%も急増した。

高齢者の犯罪率上昇を単に法にたいする軽蔑と説明するのは、その裏にひそむ暗い傾向を覆い隠すものだ、と経済学者や犯罪学者たちは語る。定年退職者の犯罪は高齢者人口動態の一般的な上昇以上に急増しており、2060年までには、その犯罪者数は65歳以上人口の40%になるだろうと。

東京にある日本生命基礎研究所(NLI Research Institute)の土堤内昭雄(どてうち、あきお)主任研究員は、再犯者の比率は上昇し続けるだろうと予測している。
http://www.ft.com/intl/world/asia-pacific/japan
「日本の社会情勢は高齢者が犯罪を犯さざるを得なくさせている」と彼は述べる。
「生活保護を受給する人の割合が戦後で最大になっている。高齢者の約4割が独り暮らしだ。悪循環だ。刑務所を出ても、所持金や家族がないため、すぐに犯罪に頼る」

「高齢者の犯罪数は、政府による福祉への引き締め政策とその結末を示すものだ。世界第2位の経済大国が老化・劣化しつつあるのだ」と彼は付け加えて言う。
「刑務所予算をどのように操作しようが、最も必要としている人にたいする福祉支出を政府が削減対象にするのは、悲しく非能率的な方法である」。

「刑務所が満杯になるのを防ぐために単に高齢者の囚人を早期に釈放しようとするだけの政策は、すでに再犯率の増加という克服しがたい法的問題に直面している」と土堤内昭雄主任研究員は言う。
「現状の政策を続ければ、刑務所は、いずれ高齢者であふれかえることになるだろう」。

<註> 
 この記事を読みながら私は、市民の哀歓を描いて右に出るものがいないと言われる短編の名手オー・ヘンリーの、「警官と讃美歌」 (The Cop and The Anthem)という珠玉の作品を思い出していました。
 「あるホームレスが越冬策として、わざわざ刑務所に行こうと街でいろいろな悪事を試みるのだが……。」
 まだ未読の方はぜひ読んでいただきたいと思いますし、英語教師なら、いちどは教材として使っていただきたいと思います。
 そうすれば、ひたすら会話の文句を丸暗記し会話ごっこをするだけの英語授業、英検やTOEIC・TOEFLなどの受験勉強ばかりに追われる英語学習ではなく、豊かな内容にふれて人間性を回復する英語授業・英語学習の世界が開けてくるのではないでしょうか。
 今の文科省は、「文系排除、実用一点張りの教育」を声高に叫んでいますが、人間にとってやはり文学は必要なのです。




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マイナンバー(特定個人識別番号)、百害あって一利なし

総合文化[2015/12/24]、特定個人識別番号(略称「個人番号」、通称「マイナンバー」)、個人番号「通知カード」、個人番号カード(IC カード)、
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マイナンバー「通知カード」
個人番号通知カード


 マイナンバー「通知カード」の発送が始まって1ヶ月以上になりましたが、市町村に返送されたカードは501万通にのぼり、郵便局で保管中のカードは110万通に達しているそうです。この中には本人に手渡しできなかったものだけではなく、受け取り拒否によるものも多く含まれているものと思われます。
 というのは、庶民にとっては「これまでマイナンバーなしでやってこれたのに、なんで必要なのかわからない」という思いがあり、みんな腑に落ちてないからです。しかも、次のような思いも強いでしょう。
 「導入費用に約400億円かけた住基ネットは、10年以上が経過しても普及率は5%。マイナンバーは約2700億円の初期費用に加え、年間200億~300億円の運営費がかかる。そんなお金があるなら、もっと使うべきところがあるだろう。」
 だとすれば、現在のマイナンバーにたいする不満は、「住民基本台帳・共通番号制度」にたいする不満よりもはるかに大きいものであって当然ですから、受け取り拒否が増えても当然だからです。弁護士・岩月浩二氏は有名なブログ「街の弁護士日記」でそれを次のように述べています。

 「マイナンバー」は政府筋が実体とは不似合いな命名をしたもので、不適切である。以下、法律通り、特定個人識別番号、ないし個人番号と呼ぶ。
 特定個人識別番号法のうたい文句は、行政の効率化、負担と給付の公正、そして国民の負担軽減及び利便性の向上である(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第1条)。
 個人番号法では、国民一般には何の義務づけもしていない。負担軽減を謳う法律が、国民に負担を押しつけるのでは筋違いであるから当然である。したがって、個人番号「通知カード」を受け取る義務がないことはむろんである。
 したがって、不在中に届いていれば、取りに行かなくてもよいし、受取拒絶もできる。
 受け取らないという選択が賢明かであるが、将来どうしても個人番号が必要になったときには、個人番号の記載のある住民票を取り寄せればよいだけのことであることは、取手市役所が周知してくれた。受け取らないことによる不利益は何もない。
 他方で、個人番号「通知カード」を受け取ってしまうと、次のような義務が発生する。
* 紛失したときは、直ちに役場に届け出をしなければならない。(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律7条6項)
* 移転転入手続には、個人番号「通知カード」を提示しなければならない。(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律7条4項)
* 「通知カード」に記載された事項に変更がある場合は、14日以内に役場に届け出なければならない。(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律
7条5項)
 テレビを見ていると、自分の番号の管理は自己責任であるかのような解説もある。
 勝手に番号を割り振っておいて、国民に管理責任を負わせるかのような話は、そもそも国民の負担軽減を趣旨とする「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の精神に反している。
 前記した規定の違反には、制裁(罰則)規定こそないが、「通知カード」を受け取ると、義務が生じる構造になっているのであるから受け取らないに越したことはない。
 行政は勝手に個人番号を付して、勝手に個人番号を活用するというのであるから、行政が自分で個人番号を確認すればよいだけの話であって、国民がわざわざ行政のお手伝いをしなければならない筋はない。
 「通知カード」を受け取らない人が多いと行政事務が増えるかもしれないが、特定個人識別番号の導入で確実に行政の事務は増える。行政の事務が増えることを行政が自分からしようとしているのであるから、国民がこれに協力しなければならない筋合いはないのである。
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2015/10/post-ed2e.html



 この岩月弁護士の意見を受け継いだのでしょうか、「What’s デモクラシー?」というサイトでは、「非暴力不服従、民主主義的アクショ」ンとしての「受け取り拒否」について、次のような二つの行動を呼びかけています。

 国家の企てや、その進めかたが民主的ではないとわたしたちが感じるとき、不安や不満を抱えたまま政府のやり方 に従うだけが唯一の選択肢ではありません。非暴力不服従のアクションで国に意思を示し、政府に再考を促すこともできます。ガンディーやマーティン・ルー サー・キングがリードし、ジーン・シャープ博士が提言し、世界各国の人々がその効果を実証してきました。

* アクション1 「通知カード」の受け取りを拒否する返却する
 「通知カード」そのものを受けとらず、「個人番号カード」を申請しないことで、「利用者が少ない」という既成事実をつくり、3年後に制度が見直される流れに持ち込みます。唯一できる、反対の意思表示です。
 在宅の場合は口頭で受け取りを拒否できます。受け取った場合は未開封のまま「受取拒否」と赤字で書いてポストに投函します。
 不在の場合、7日以内に郵便局へ取りに行くか再配達を指定しないと、管轄の市区町村へ返却されますが、その後も市区町村は配布する努力を行ないます。担当者の仕事を減らすためにも、はっきりと「受取拒否」する方がよさそうです(後略)。

* アクション2 「個人番号カード」を申請しない発行させない
 「通知カード」を受け取らなければ「個人番号カード」の発行はできません。マイナンバーそのものを拒否できるわけではありませんが、番号を自分で持ち歩くリスクを軽減することができます。カードを紛失すると、マイナンバーが悪用され、住民票の異動やクレジットカードの作成などに悪用される危険性もあります。
 多くの人が知らないのが、「個人番号カード」の発行は「任意」であることです。10月から送付される「通知カード」(図1)を持って、「個人番号カード」(図2)を申請する手順になっています。カード交付時には、顔認証されるので注意が必要です。すでにマイナンバー(個人番号)は一人ひとりにつけられてしまっていますが、この「個人番号カード」を申請・所持する必要はありません。
 政府IT戦略本部が示した「マイナンバー制度利活用推進ロードマップ(案)」を見ると、2018年の番号制度の見直しで、「個人番号カード」と運転免許証や健康保険証と一体化する計画が盛り込まれています。銀行口座や病歴など、民間情報との連携が危惧されることからも、受取拒否アクションでは、個人番号 カードは発行させずに、「利用実態が少ない」という既成事実をつくることをめざします。
 施行後の3年間で多くの人がカードを所持して利用していると判断(例えば8割以上の人がカードを所持)されると、さらにカード発行の義務化、常時携帯の義務化などに進み、顔認証システムを使って、街頭の防犯カメラから個人が特定できるようになる可能性が高いと言われています。すべての行動が逐一記録・蓄積され、国家による国民の監視がはじまるかもしれません。
http://whatsdemocracy.jp/reports/5101



 このようにマイナンバー制度は、主権者である国民の要求から生まれたものではなく、国家や企業の要求(国民監視あるいはいつ崩壊するか分からないアベノミクスを支える仕事など)から出たものである可能性が極めて強いものです。
 それを危惧し指摘する声は次のような多くのサイトで確認することができます(これも上記の「What’s デモクラシー?」に載せられていたリンク集から引用)。

▼マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚 - 日刊ゲンダイ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/166724
▼ふざけるな、マイナンバー!動くカネは4兆円以上、「完全なる徴税」のためだと?/役人がつくった、役人だけがトクをする制度 - 現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46010
▼マイナンバー検討委員の企業7社/
関連事業の8割を独占/制度設計から関与し178億円受注 - しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-15/2015101515_01_1.html
▼マイナンバー事業受注の4社、自民に2.4億円献金/09〜13年、政官財の癒着浮き彫り - しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-11-08/2015110801_04_1.html
▼「先進国は全てマイナンバーのような制度を入れている」のウソ (1)/ 自治体情報政策研究所のブログ
http://blog.jjseisakuken.jp/blog/2015/04/post-d673.html
▼マイナンバーの危険性!
「徴兵制度の復活」「預金封鎖の準備」で個人の権利・自由の制限!プライバシー侵害 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2141457032540346901
▼超危険なマイナンバー法!個人情報が93項目も管理される!
管理項目には家族所得や不動産、医療、保険、奨学金などが!既に全国民に番号は振られている件|真実を探すブログ
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-289.html
▼全国民必読;国税が笑っている、ついに「マイナンバー制度」がスタート
この10月からあなたの「収入と資産」は丸見えです 「銀行口座」はもちろん、不動産、株、債券……もう隠すことは一切できません
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42556



 しかし頭が痛いのは個人だけでなく事業者(とくに中小企業)も同様です。というのは、事業者も従業員の個人番号を取得すると過大な義務を負うことになるからです。それを岩月弁護士は下記のブログで詳しく説明しています。、

 法律上で雇用主が可能なのは、従業員に対して、「何とか、貴重な個人番号を、お教えいただけないでしょうか」と、お願いすることだけなのである。これは、あくまでも雇用主都合によるお願い事である。従業員が応じる必要は寸分もないし、応じないからといって、勤務上の不利益を課すことはできない。
 国税も提供が受けられないことがあることはわかっているので、別に個人番号が記載されていない源泉徴収票や支払い調書を受け付けないとは言っていない。番号欄空欄でもちゃんと受け付けるのである。
 しかし、提供された番号をいただいてしまうと、雇用主は他人の個人番号の提供を受けたが故に、一挙にどっさりと義務が拡大する構造になっている。(「地方公共団体等が保有する特定個人情報の保護」)
●漏えい、滅失又は毀損の防止その他の特定個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
●従業者に特定個人情報を取り扱わせるに当たっては、当該特定個人情報の安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

 もともと、特定個人識別番号は、お上が勝手に企て、お上が事務を効率化するために導入した制度である。
 お上ご都合の制度なのであるから、お上が個人番号を照合すればよいのであって、これを中小零細事業者に転嫁しようとか、IT企業や派遣会社に儲けさせようなどというのは、完全にお門違いである。
 ばからしくてやってられないというのが、マイナンバー騒動の真相である。という訳で、事業者にとって最も合理的な経営は、個人番号欄を空欄にして法定調書を提出することである。
 そうすれば、従業員に頭を垂れて、貴重な特定個人識別番号をお教えいただけませんかとお伺いお願いしなくてもよい。国税当局は、個人番号空欄でも税金処理上、法定調書を受け付けざるを得ないのである。
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2015/10/post-ca5e.html



 要するに、岩月氏によれば、NHKやIT産業、経理ソフトメーカーや、士業が言うことを信用して、従業員の番号を記載するために素直に従業員の個人番号を集め始めると、とたんに事業者に過大な義務が発生する仕組みになっているのです。年金機構でも無理だった個人情報の管理を、中小の一事業者ができる訳がないのですが、お国は下記のようなことをやれというわけです。

* 少なくともネットにつながない隔離されたパソコンを用意する。
* 個人番号を漏れないように管理する従業員を指定して監督する必要がある。
* 何だかややこしそうな社内規定も作らなければならない。
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2015/11/post-3c63.html


 しかも、岩月氏によれば、お上のお達しだと信じ込んで、こうした事務を始めると、とたんに事業者には次のような罰則が待っていることになります。

* 「個人番号関係事務実施者」になり、漏洩には4年以下の懲役。
* 管理体制が不十分だと、つまり特定個人情報保護委員会の是正命令を受けても是正できなかった場合、2年以下の懲役刑を課される可能性もある。
* しかも、個人番号の管理が十分になされているか、立ち入り質問検査を受ける義務が発生する。質問検査を断ると1年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2015/11/post-3c63.html



 ところが、ここに朗報が届きました。全国中小業者団体連絡会(全中連)が10月27、28の両日に行った省庁交渉で、マイナンバー(共通番号)制度実施の延期・中止を求めるとともに 「共通番号の記載がなくても提出書類を受け取り、不利益を与えないこと」などを要望しました。
 すると、公式の席で各省庁が、「役所に出す書類に個人番号が記載されていなくても受け付けるし、罰則がないのはもちろん、何の不利益も受けない」と確認したのです。詳しくは、下記を御覧ください。
「マイナンバー 記載なくても不利益ない 全中連に各省庁が回答」
http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/chouzei/151109-01/151109.html

 その結果、岩月弁護士が到達した結論は次のようなものでした。
「中小零細事業者にとって、最善の『マイナンバー』対策は、何もしないことである。従業員の方は、是非、雇い主に教えてあげましょう。」
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2015/11/post-3c63.html

 さて以上のような動きを踏まえて、サイト「What’s デモクラシー?」では次のような行動提起がなされています。

アクション1 従業員は事業主にマイナンバーを提出しない。
アクション2 事業主は従業員からマイナンバーを受け取らない。


 上記の「What’s デモクラシー?」によれば、こうした草根アクションを通じて、「マイナンバーは渡さない・受け取らない」という労使協働の動きが各地で出始めているそうです。
 このような動きが広がっていけば、3年後の見直しのとき、かつての住基ネットと同じように、マイナンバー制度も根本的な再検討を迫られることになるでしょう。しかし、そのために先ず求められているのが「番号カードを受け取らない」「個人カードを申請しない」ことだと、先述の「What’s デモクラシー?」は訴えています。


<追記> 調べていくうちに、先に紹介したリンク先の他にも下記のようなサイトがあることを知りました。時間があればぜひ参照していただければと思います。

* 東京新聞(2015年12月2日)
「マイナンバー、一斉提訴。プライバシー権を侵害、違憲」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120202000142.html
* 「マイナンバー違憲訴訟の意義」
http://blogos.com/article/148969/
http://www.magazine9.jp/article/hourouki/24499/
* 全商連ホームページ
「知っていますかマイナンバー 危険な狙いと重すぎる事業者負担」
http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/chouzei/150615-05/150615.html
 ここではQ&Aというかたちで、マイナンバーを通じて税の徴収強化や社会保障の削減が狙われていることも説明されています。
* テレビ朝日「そもそも総研」(2015.10.29)
「そもそもマイナンバーにあたる制度は海外ではうまくいっているのだろうか?」
http://www.dailymotion.com/video/x3bfblu(動画16分半)
 この番組では、個人情報が漏れれば漏れるほど儲かる企業利益が出てくる仕組みも、専門家にたいするインタビューを通じて解明されています。
* ニュース・コメンタリー (2015年10月10日)
「マイナンバー制度の暴走を防げるのは有権者だけだ」
https://www.youtube.com/watch?v=jdZ6f2SsKjw(動画77分)
 10月5日に施行されたマイナンバー制度の問題点と、昨年7月に内閣法制局が集団的自衛権の容認を決定した際にその議事録を作成していなかったとされる問題について、政府の情報公開に取り組むNPO情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長に、ジャーナリストの神保哲生氏がインタビューしたものです。


映画『鶴彬―こころの軌跡』と第3回「高松歴史街道フェスティバル」 

総合文化(2014/10/09)
『鶴彬―こころの軌跡』ビデオ『鶴彬―こころの軌跡』映画制作の記録
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 体の調子が思わしくないのでカテーテル検査のため二泊三日の検査入院しました。幸いにも再びバイパス手術をしたりステントを入れたりしなければならない箇所は見つからなかったのですが、体重が激減して仕事をする気力体力が出てこない原因は不明のままです。
 それはともかく、それやこれやでなかなかブログを書く力が湧いてこないのですが、放置しておくと、どんどん記憶から消えて行くので、今回は、映画『鶴彬(つる あきら)こころの軌跡』と第3回「鶴彬のふる里、高松歴史街道フェスティバル」について書くことにします。

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 さて今年のお盆に帰省した折、第3回「鶴彬のふる里、高松歴史街道フェスティバル」に参加しました。というのは、かほく市高松町(旧河北郡高松町)は、私の父母の墓がある能登半島(旧羽咋郡志雄町)へ帰省する途中にある街だからです。
 鶴彬については、まだ母が生きていた頃、生家に帰る途上の有料道路(高松パーキングエリア)で食事をしていた時ぐうぜん目にした「高松案内」に簡単な紹介があり、「そんな天才的川柳人が高松にいたのか」と小さな衝撃を受けました。
 衝撃を受けた理由はいくつかありますが、そのひとつは川柳で反戦歌を綴っただけで刑務所に入れられ、29歳のという若い人生を閉じなければならなかったという事実でした。しかも「川柳界の小林多喜二」ともいうべき人物が生家のすぐ近くにいたのにそれを私は今まで知らなかったのです。
 その紹介文には「彼の歌碑もすぐ近くにある」と書いてあったのですが、日本海側を走る有料道路ができてからは旧街道を通ることはほとんどなくなっていたので、歌碑を訪ねることもなく生家に帰ってしまいました。こうして私の記憶から鶴彬(つる あきら)のことはしばらく消えてしまっていました。

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 ところがある日とつぜん金沢から便りが岐阜に届き、鶴彬(つる あきら)の記憶が再び呼び起こされることになりました。というのは、鶴彬の映画をつくる予定だから援助して欲しいというのです。
 便りの送り主は私が高校教師をしていた頃の友人でした。彼は私の初任地=富来高校の同僚であり、生活指導・学級経営の研究会に私を誘ってくれた先輩でもありました。私が竹内常一という理論家や大西忠治という実践家を知ったのも彼のおかげです。
 後に彼は高教組教文部長になり組合運動の指導者になっていきましたが、私は途中で岐阜大学に異動し独自に英語教育研究会「記号研」をつくるようになりましたので、彼との関係は次第に疎遠なものとなっていました。
 しかも私はそのとき自分の組織する英語教育研究会の活動で忙しかったので、気にはしながらもカンパするため銀行あるいは郵便局に行くゆとりがとれないまま時間が過ぎてしまいました。ところがあるとき、映画『鶴彬―こころの軌跡』が完成したから見て欲しいという案内が届きました。
 会場は岐阜市繁華街から遠く離れた田舎の地にある老人保養センターの一室で、夕方から始まる上映会の集まりも閑散たるものでした。若者はほとんどいなくて老人や婦人が多かったように記憶しています。冬場も近かったせいか会場も寒々とした雰囲気が漂っていました。
 ところが映画を見終わったとき私はカンパの要請をしてきた板坂洋介氏に本当に申し訳ないという気持ちで一杯になりました。というのは、この映画で鶴彬(つる あきら)という人物の生きざまに心を大きく揺り動かされたからです。そしてこの映画づくりに何の貢献もできなかった自分に大きな後悔の念を覚えました。

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 それから私はきちんと鶴彬(つる あきら)について勉強しようと思い始めました。読んだ本は以下の三冊です。
* 深井一郎(1998)『反戦川柳作家 鶴彬』日本機関紙出版センター
* 木村哲也(編、2008)『鶴彬全川柳―手と足をもいだ丸太にしてかえし』邑書林
* 吉橋通夫 (2009)『小説 鶴彬―暁を抱いて』新日本出版社
 上記の深井一郎氏は金沢大学教育学部国文科の教授で、地元の研究者が鶴彬を取りあげて研究していることにとりわけ感慨深いものを感じました。
 また埋もれていた鶴彬を発掘するにあたって歌人・一叩人(いっこうじん)や作家・澤地久枝など多くの先人の血のにじむような努力があったことも知りました。
* 一叩人編『鶴彬全集』(初版:たいまつ社 1977年、増補改訂復刻版:復刻責任者=澤地久枝、1998年)
* 一叩人編『反戦川柳人・鶴彬―作品と時代』(たいまつ社 1978年)
 そして鶴彬(あきら)を知れば知るほど、たった五七五の十七文字で軍国主義政府を震え上がらせ鶴彬の生きざま、その川柳の凄さ・鋭さを、もっと世に知らせなくてはと思うようになりました。

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 作家・小林多喜二は『蟹工船』などの小説で当時の軍国主義日本を鋭く告発し、小説『一九二八年三月十五日』では当時の警察による過酷な拷問の実態を詳細に描写しました。しかし彼は、最後には特高に逮捕され拷問のすえ小説で描いたそのままの姿で死体になって牢獄から出てきました。
 それと同じように鶴彬も、何度も治安維持法違反で逮捕され、最後は豊多摩病院のベッドに縛り付けられたままその生涯を閉じました。赤痢にかかったからというのが理由だそうですが、殺すために赤痢菌をうつされたのか詳細は不明です。まだ29歳の若さでしたが、まさに鬼才としての生涯でした。
 いずれにしても鶴彬は、多喜二と同じように、国家にとっては生かしておけない存在であったことは確かでしょう。それほど彼の川柳=風刺は、時の政府の胸を鋭くえぐり、鋭く射抜くものだったのです。
 たとえば次の句は、イラクやアフガニスタンの戦場に送られた兵士の実状、その妻や親の(どうこく)を表した句だと言われても、何ら違和感が感じられないほどです。
   万歳とあげていった行った手を大陸においてきた
   手と足をもいだ丸太にしてかえし
   胎内の動き知るころ骨がつき

 とくに「手と足をもいだ丸太にしてかえし」の句は、名画『ジョニーは戦場へ行った』で描かれた世界、監督ドルトン・トランボが言いたかったことを、たった十七字でみごとに描写していると言えないでしょうか。
 また次の句も、日本の民衆運動の過去・現在・未来を暗示しているようで、私にとっては、一度読んだだけで忘れがたい句となりました。
   暁を抱いて闇にゐる蕾
   枯芝よ団結をして春を待つ

 ですから、鶴彬の生涯と彼の句を知れば知るほど、映画『鶴彬(つる あきら)』が自主上映運動でしか見られないというのが残念でたまらなくなりました。「早く映画をDVD化してほしい」「この映画をもっと多くのひとに見てほしい」と痛切に願っていたのは、たぶん私だけではなかったでしょう。
 ところが最近、やっと待望のDVD版が制作されたことを風の便りで知りました。しかし残念ながら調べてみても一般の書店やアマゾンでは購入できません。いろいろ問い合わせてみたら、「鶴彬を顕彰する会」で受け付けていることや下記サイトからも購入できることが分かりました。
「鶴彬―こころの軌跡」公式サイト
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<註1>  鶴彬を顕彰する会では、『鶴彬通信はばたき』を発行しています。「鶴よ、はばたけ!」という願いが込められているのでしょう。2014年5月現在、第16号まで発行されています。20頁だての実に充実した内容です。レイアウトも素人とは思えません。
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<註2> 名画『ジョニーは戦場へ行った』(原題: Johnny Got His Gun)は、ドルトン・トランボが1939年に発表した反戦小説で、ベトナム戦争最中の1971年、トランボ自身の脚本・監督により映画化されました。
 しかし鶴彬が「手と足をもいだ丸太にしてかえし」を発表したのは1937年、28歳の時でした。ここでも鶴彬の天才・鬼才ぶりがよく分かります。翌年1938年、鶴彬は官憲によって命を奪われましたが、これは国家総動員法が施行された年でもありました。
 ちなみに1933年、作家小林多喜二が築地署で拷問死させられたとき、奇しくも鶴彬と同じく29歳でした。軍国主義下の日本が才能ある若者の命を次々と奪っていったことを示す典型的事例ではないでしょうか。
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<註3> 実は、1953年のアカデミー授賞映画『ローマの休日』は、当時アメリカで吹き荒れた思想弾圧「赤狩り」で映画界を追放されたトランボが偽名で脚本したものでした。これもアメリカという国の実像を理解するために知っておいてよい事実だと思います。
 なお映画『ジョニーは戦場へ行った』は1971年のカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞しました。また小説『ジョニーは戦場へ行った』の一部はハワード・ジンが編集した『肉声でつづる民衆のアメリカ史』(明石書店)上巻の十四章に収録されています。

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 ところで、ここでもうひとつどうしても書いておきたい事実があります。それは映画の制作過程についてです。これは私にとって非常に慚愧に堪えない過去でもあります。
 というのは映画が出来上がってから、ロケ現地では高松町の浄専寺が監督たちの寝泊まりの場になったこと、板坂洋介氏がロケ現地では縁の下の力持ちになって奮闘していたことを知ったからです。
 これらのことをもっと以前に知っていたら!という思いが何度も私の頭に去来しました。というのは、先述のとおり板坂氏は私の初任校=富来高校での同僚であり、浄専寺住職の平野道雄さんは私が母校=羽咋高校で教えていたときの同僚だったからです。
 また神山征二郎(こうやま せいじろう)監督が岐阜の出身であることも、この時点で改めて再認識したのでした。考えてみれば私が高校教師のころテレビで感動した映画『ふるさと』も神山征二郎氏が監督したものであり、『ふるさと』の舞台はまさにダムで水没する岐阜県徳山村でした。
 ところが板坂氏から映画『鶴彬』の話があったとき、不思議なことに、私の頭ではこれらのことがひとつにまとまって明確に認識されていず、それらがバラバラに存在したようなのです。ところが映画が完成してからいろいろ情報が増え、そして初めて上記のことが明瞭にひとつの糸でつながったのでした。
 そして「鶴彬を顕彰する会」が発行する『鶴彬通信はばたき』第17号(2014/07/31)が届いて初めて、8月のお盆前後に「高松歴史街道フェスティバル」が開かれること、しかも今年は第3回目を迎えることも初めて知ったのです。そこでいつもは7月のお盆に帰郷していたのですが今年の墓参りは旧盆にすることに決めました。
 というのは、この「高松歴史街道フェスティバル」に参加すれば、とくに8月16日(土)午後から催される行事に参加すれば、額神社境内でおこなわれる万燈会(まんとうえ)を見ることもできるし、岐阜大学に赴任して以来ご無沙汰している板坂氏や平野さんにも会えると思ったからです。

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<註> これも不思議なことですが、『鶴彬―こころの軌跡』が長らくDVDにならなかったのと同じように、映画『ふるさと』(1983年)も長い間DVD化が実現しませんでした。文化庁優秀映画奨励賞など多数の賞を受賞し、主演の加藤嘉がモスクワ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞した作品であるにもかかわらず、これがDV化したのは、やっと30年後、2013年のことでした。

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 私が「高松歴史街道フェスティバル」のメイン行事のひとつ「鶴彬 かほく市民川柳」 入選作品発表会の会場=中町会館に着いたときは、雨が降り出しそうな気配で、夕方6時からおこなわれる万燈会(まんとうえ)が見れるかどうか不安な空模様でした。
 会場入口で車椅子の義母をどうやって会館内部に連れて行こうかと思案していたとき、すぐ駆けつけて援助してくれた人物がいました。なんとそれが「今日ここに来れば会えるはず」と思っていた平野道雄さんでした。
 話しているうちに、平野さんはすでに定年退職し、浄専寺住職の仕事も息子さんに譲っていることが分かりました。さらに驚いたことには、息子さんは地元の金沢大学で博士号を取得し非常勤講師として数学を教えているだけでなく、大谷大学に入り直し僧職を継ぐ勉強をしたうえで浄専寺を切り盛りしているとのことでした。
 しかし、「鶴彬 かほく市民川柳」 入選作品発表会が終わり、そのあとに続くアトラクションが修了しても雨は強くなる一方で止みそうにありません。主宰者からも「雨のため万燈会を断腸の思いで中止させていただきます」と発表がありました。
 私としては、フェスティバル案内ポスターに「平和を願い命を落とした先人たちに思いを馳せ、9千個の送り火を灯します」と書かれていて、そこに載せられていた額神社の幻想的な写真を見ていただけに、残念きわまりないものがありました。
 とはいえ、もっと残念だったのは主宰者の皆さんだったはずです。というのは中町会館に飾られていた万燈には、「鶴彬 かほく市民川柳」に応募された句がすべてみごとな直筆で書き込まれていたからです。
 そこで平野さんの勧めもあって浄専寺に移動して、さらに積もる話しに花を咲かせることにしました。着いてみて驚いたのは、広い本堂が「原爆パネル展」の会場としても使われていることでした。さらに浄専寺を会場にして講演会やコンサートさらには「ブッダ・カフェ」など様々な催し物が企画されていることも、私の驚きを倍加しました。
 アメリカでは1960年代に黒人運動が大きなうねりとなって爆発し、ついに公民権を勝ちとることに成功したのですが、その大きな原動力のひとつが教会であったこと、その指導者としてメキメキと頭角を現したのが、モントゴメリーの教会に赴任したばかりの若きキング牧師(当時25歳)であったことは、意外に知られていない事実です。
 またローマ法王から「解放の神学」として弾圧の対象となりながらも中南米で貧者のために活動し続けた聖職者や修道士も、グアテマラやエルサルバドルなど多くの地でアメリカが裏で支援する独裁政権・軍事政権によって暗殺されました。ハイチで初めて民衆によって選ばれた大統領=アリスティド氏も、元司祭で「解放の神学」の熱心な実践者でした。
 日本の仏教界になぜこのような寺院や人物が出てこないのかと残念でたまらなかったのですが、すでに浄専寺でそのような動きが始まっていることを知り、今回の高松訪問で大きな収穫を得た思いがしました。なお浄専寺の活動はホームページで知ることができます。
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<註> ハイチ大統領アリスティド氏は、選挙で2回とも勝利したにもかかわらず、アメリカが裏で支援した軍事クーデターで、結局その任務を全うできませんでした。1度目は1991年9月の軍事クーデターであり、2度目は2004年2月の元軍人が多数参加した反乱でした。これもアメリカという国を理解するためには欠かせない事実でしょう。

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 最後にもうひとつだけ書いておかねばないのは板坂洋介氏のことです。私は「鶴彬 かほく市民川柳」入選作品発表会の会場で板坂氏に会えるものと期待していたのですが、探してもそれらしき人物が見当たりません。
 そう思っていたら平野さんが「板坂さんも来ていますよ」と指さしてくれました。その指先の向こうに白いあごひげを伸ばした人物がいました。なるほどそう言われれば髭のうしろにかつての面影を見ることができます。
 氏は映画『鶴彬―こころの軌跡』を撮影するとき現地スタッフの大黒柱として大きな力を発揮したと聞いていましたから、何も援助できなかった私は恥ずかしくて話をするのが少し後ろめたい気もしていました。
 が、妻や義母を連れて岐阜からわざわざ高松のフェスティバルに参加した私の姿を見て驚いたようすでしたが、私の手にしていた『鶴彬通信はばたき』を見て、「これも読んでくれているのか」と大いに喜んでくれたようだったので正直ほっとしました。
 金沢からわざわざ高松まで来て地元の行事を盛り上げるべく奮闘している彼を見ていると、「初任地の高校で初めて出会って以来、何らぶれることなく一貫して活動し続けているひとりの素晴らしい実践家」という、何とも言えない感慨が私の胸に湧いてきました。
 また「鶴彬 かほく市民川柳」入選作品発表会の会場には下記のようなひとたちが東京から参加していましたが、その世話をしているのが板坂氏のようなのです。
* 東京都新宿区「旧豊多摩病院」跡地近くに鶴彬の句碑を建てようと運動している「東京鶴彬顕彰会」の世話人代表
* 演劇『手と足をもいだ丸太にしてかえし―鶴彬の生涯―』を東京で上演しようと頑張っているグループ演劇工房のひとたち
* そして「レイバーネット川柳」の乱鬼龍氏
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 私たちが浄専寺で平野道雄さんと話をしていたら、ちょうどそこへ東京から来た上記のひとたちが板坂さんに連れられて挨拶にきました。「今からどこかで夕食を食べて金沢に帰るから、ちょっと挨拶を」ということのようでした。
 そこで私たちも夕食時に長居しては申し訳ないので、これを機に浄専寺をあとにすることにしました。駐車場まで行く途中、平野さんは境内にある鶴彬の句碑まで私たちを案内してくれました。句碑には次の十七字が刻まれていました。
 「胎内の動き知るころ骨(こつ)がつき
 この句は神山征二郎監督に選んでいただいたものだそうです。また、この句碑の除幕式には大勢の住民や県内外の川柳愛好家が参加し、監督神山征二郎・作家澤地久枝・俳優池上リョヲマ(映画では鶴彬を演じた)といった著名人の手で除幕されたそうですから、さぞかし平野さんも感無量のことだったでしょう。
 そして私の方は、夕闇のなかを金沢に向かう車の中で、「いま日本の右傾化が急速に進行しているときだけに、若くして倒れた鶴彬の苦闘と偉業を多くのひとにどう伝えたらよいのか」とひたすら思案していました。
 体の調子が悪く、なかなか時間がとれなかったのですが、今このブログを書くことによって、やっとその責任の一端を果たすことができたのではないかと思っています。このブログが鶴彬を知るためのささやかな刺激になれば望外の幸せです。
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<註> 来たる11月6~9日に東京で上演される『手と足をもいだ丸太にしてかえし―鶴彬の生涯―』の詳しい情報については語り部集団「木偶の坊」HPを御覧ください。

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浄専寺境内の句碑                       大阪衛受監獄跡地の句碑
鶴彬 浄専寺句碑 鶴彬 暁を抱いて闇にゐる蕾 
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<註> 今のところ鶴彬の句碑は、石川県(鶴彬の郷里)、岩手県(兄の孝雄氏が住んでいた盛岡に遺骨が埋葬された)、大阪府(徴兵中に反戦運動したというかどで大阪衛戍監獄に収監された)の三府県しかありません。
 ただし石川県の句碑は、生誕地喜多家・高松歴史公園・浄専寺境内および金沢市卯辰山公園の四カ所にあります。それぞれの句碑に刻まれた句は次のとおりです。
* 「可憐なる母は私を産みました」鶴彬の生誕地(1925年・16歳)
* 「枯芝よ団結をして春を待つ」高松歴史公園 (1936年・27歳)
* 「胎内の動き知るころ骨がつき」浄専寺(1937年・28歳)
* 「暁を抱いて闇にゐる蕾」金沢市卯辰山公園(1937年・28歳)

 ちなみに鶴彬は石川県河北郡高松町(現かほく市)生まれで、本名は喜多一二(きた かつじ)。生家は現在、喜多義教氏が住んでいます。

迎春2014 「私の年賀はがき」

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世界で最も知られた二大英字紙(New York Times, The Guardian)がスノーデン氏の恩赦を要求

http://rt.com/usa/nytimes-guardian-snowden-clemency-089/
Newspapers urge US government to give clemency to Snowden

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「あけましておめでとうございます」と言いたいところですが、今の政治情勢を見ていると、とてもその気にはなれません。その憤りをこのブログで吐き出したいと思うのですが、昨年末から急に右目の白内障が悪化して、書けなくなってしまいました。

 書きたいことが山積しているので左の目だけで書こうとすると、今度は偏頭痛や肩こりがひどくなって、体の調子がおかしくなります。眼科医からも「パソコン画面を見て仕事をするは30分を限度にしてください」と言われて困っています。

 そんなわけで新年の挨拶として「安倍首相の靖国参拝」にたいする世界の反響など書きたいことが溜まっていたのですが、今回それは涙を呑んで断念することにしました。

Yasukuni shrine visit: Japan beating wardrums after years of pacifism
http://rt.com/op-edge/japan-crimes-fascism-wwii-948/(29.12.2013)
Japanese PM Revives Militarist Traditions. “Japan Closely Integrated into US War Preparations against China”
http://www.globalresearch.ca/japanese-pm-revives-militarist-traditions/5362767 (Dec27, 2013)

 その代わりに知人に送った年賀状をここに掲載することにしました。読者の皆さんのご了解をいただければ幸いです。
 (実は、この年賀状でさえ、左目だけで文章を作成し、筆を使い左目だけで宛名書きをするのに、昨年12月30日(火)丸一日を要してしまいました。)


<註> この1月21日に入院して白内障の手術をします。この手術が終われば、また元のようにブログに復帰できるのではないかと期待しています(ただし心臓のバイパス手術をしたあとの経過が必ずしもよくないので、少々徹夜しても平気だった元の体に戻るのは、残念ながら、もう叶わぬ夢かも知れません)。

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<註1> 上の年賀はがきに書かれている「寺島研究室ホームページ」のURLは、クリックしても該当箇所にリンクしていないようなので、代わりに下記URLを御覧ください。
http://www42.tok2.com/home/ieas/

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<註2> 2014年を「秘密保護法」廃止の年にしよう!の具体的な呼びかけは下記にあります。
http://www.himituho.com/ 
エネルギー基本計画案が現在、パブリック・コメントにかけられています。締め切り(不当に短い!)が迫っています
http://chn.ge/1fTOE7t
オンラインでは下記から提出できます。
http://p.tl/-Bh8

秘密保護法の参議院「強行採決」にあたって――「テロ国家アメリカ」(チョムスキーの言)を「国際標準」としたスパイ防止法は、国家の安全に役立たない

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国会前で抗議する1万5千人の大群衆
http://rt.com/news/japan-enacts-state-secrets-law-871/

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集会のようすや今後の活動については下記を御覧ください。
http://www.himituho.com/、http://www.labornetjp.org/、http://www.ourplanet-tv.org/

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 昨日(2013年12月6日)深夜、自民党と公明党は参議委員本会議で秘密保護法案を強行採決しました。日本の憲法が止まった歴史的瞬間でした。
 ヒトラー=ナチスがおこなった全権委任法で、当時、世界で最も民主的憲法と言われていたワイマール憲法が、一挙に死文化し、あっというまに民主国家ドイツが瓦解しました。
 その結果、ドイツ国内は監視国家となり、イタリアのムッソリーニと手を組んだナチスの全体主義が、ヨーロッパを席巻することになりました。アウシュビッツの悲劇もここから生まれたことは周知の事実です。
 スノーデン氏が暴露したように、いまアメリカも監視国家になりつつあります。その監視体制は、アメリカ国内のみならず、世界中の元首・企業・国民にまでおよんでいることも、スノーデン氏によって、日々、暴露されています。
 そして、この監視体制はオバマ氏が無人爆撃機Droneを使って、世界各地に宣戦布告なき戦争を拡大していることと併行しています。それは「無実の市民ひとりをDroneで殺すことによって40人の復讐に燃えたテロリストを生み出す」のですから(チョムスキーの言)、アメリカが監視体制を強化・拡大せざるをえなくなるのは当然とも言えます。
 いま日本は、このようなアメリカからの強い要請により特定秘密保護法を強行採決しました。「集団的自衛権を行使できる国にしろ」「そのためには秘密保護法が欠かせない」という強い要請です。こうして憲法9条をもったままでも、アメリカと一緒に軍事行動ができる国にする計画が出現したのでした。
 しかし、市民運動の旗手ラルフ・ネーダー氏が指摘しているように、今やアメリカは監視国家=アメリカ型ファシズム国家になっています。

American Fascism: Ralph Nader Decries How Big Business Has Taken Control of the U.S. Government
http://www.democracynow.org/2013/6/4/american_fascism_ralph_nader_decries_how

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警察官に囲まれてもひるまない女性たち

http://www.labornetjp.org/news/2013/1206shasin

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 今やアメリカは、元大統領アイゼンハワーが退職時の演説で警告した「軍産複合体」の国家、戦争で金儲けをする国、武器輸出で金儲けをする国になってしまっています。戦争をし続けないと経済を維持できない国になってしまっているのです。
 このようなアメリカと手を組んで、「集団的自衛権」を理由にした「戦争ができる国」にするということは、アメリカのおこなう戦争に、日本が自動的に巻き込まれることを意味します。
 したがって、この秘密保護法が可決されたということは、何度も言うように、9条をもつ平和憲法が死文化したということです。しかし逆にいえば、今後の闘い方によっては、彼らがやったと同じように、私たちが力を蓄えて議会の勢力比を逆転させれば、この秘密保護法を逆に死文化させることも可能だということをも意味します。
 秘密保護法の実質的行使をくい止め、憲法を生き返らせるために、今後は息の長い闘いを強いられるでしょう。しかし、安倍首相の祖父に当たる岸信介は、安保闘争という巨大な民衆運動のなかで辞職せざるを得なくなったわけですから、運動の作り方次第では、次の選挙を待たずとも安倍内閣を倒閣に追い込むことも可能だと言えるわけです。
 そのためには、この法案がどんなに恐ろしい法案であるかを、もっともっと具体的事実で明らかにする必要があるように思います。その一つの例が、南アフリカ共和国の元大統領ネルソン・マンデラ氏ではないでしょうか。
 マンデラ氏は、先日12月5日(木)、日本の国会が秘密保護法案をめぐって激しく揺れ動いている最中に、ヨハネスバーグの自宅で95歳の生涯を閉じました。今では民主化運動の旗手・英雄として世界中で賞賛されているマンデラ氏ですが、2008年6月に米国政府の監視リストから彼の名が削除されるまで、彼は「テロリスト」のままでした。
 これはアメリカの「愛国者法」「スパイ防止法」がいかに恣意的なものであり、いかにバカげたものであるかを示す典型例ではないでしょうか。しかも自分がテロリストのリストに載っているかどうかを知ることもできないし、そのリストから自分の名前を削除する方法もないのが、今のアメリカの実態です。
 下記の報道は、スタンフォード大学の博士課程に在学していた無実の学生が、娘を連れてマレーシアに一時帰国しようと飛行機に乗ろうとしていたところ、「監視リスト」に載っていたという理由で逮捕され、いまだに復学できずに8年間も裁判闘争を闘っていることを検証した論文と、それを報道した記事(New York Times、Democracy Now!)です。

“The Hidden Costs of Terrorist Watch Lists.” (Buffalo Law Review)
http://www.buffalolawreview.org/past_issues/61_3/Bernstein.pdf
"Who Is Watching the Watch Lists?" By Susan Stellin (NY Times)
http://www.nytimes.com/2013/12/01/sunday-review/who-is-watching-the-watch-lists.html?hp&rref=opinion
Watching the Watch List: Landmark Case Goes to Trial over Massive U.S. Terrorism "No-Fly" Database
http://www.democracynow.org/2013/12/2/watching_the_watch_list_landmark_case

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 安倍内閣は、こんなバカげた国のありようを「国際標準」であり、「国際社会」からの要請であるとして、日本版NSC(国家安全保障会議)と日本版スパイ防止法(=秘密保護法)をもうけようとしてきました。こんな国をモデルにした法律は、日本を戦前の「治安維持法」を復活した監視国家に連れ戻すことになるでしょう。
 なぜなら、このようにひどいアメリカでも、まだ情報公開法があり、大統領執務室の会話や電話すら、録音されていて将来は公開されることになっているのに、日本は情報公開法すらアメリカ並みになっていないのに、国民を監視する体制だけはアメリカ並みにしようとしているからです。
 しかし、当のアメリカは、こんな政策を続けようとしているオマバ氏を「羊の皮をかぶった狼」(映画監督オリバー・ストーンの言)として、鋭い批判の声が広がっていることは、前回のブログでも紹介したとおりです。
 何度も言いますが、アメリカの国家安全保障会議(NSC)、スパイ防止法(Espionage Act)、愛国者法(Patiot Act)などがアメリカの安全を保障するどころか、ますますアメリカのおこなっている汚い戦争(Dirty War)が復讐に燃えるテロリストを激増させていることは、有名な記者ジェレミー・スケイヒルの調査報道で見事に実証されています。

The World Is a Battlefield: Jeremy Scahill on "Dirty Wars" and Obama’s Expanding Drone Attacks
http://www.democracynow.org/2013/4/24/the_world_is_a_battlefield_jeremy
Video: Jeremy Scahill & Noam Chomsky on Secret U.S. Dirty Wars From Yemen to Pakistan to Laos
http://www.democracynow.org/blog/2013/5/23/video_jeremy_scahill_noam_chomsky_on_secret_us_dirty_wars_from_laos_to_yemen_to_pakistan


<註> NY Timesは、秘密保護法案が強行採決された12月6日付けで、下記のような論説を載せました。
*「1941年12月7日、あの日の残滓」
Dec. 7, 1941: The Remains of That Day

http://www.nytimes.com/2013/12/07/opinion/dec-7-1941-the-remains-of-that-day.html
 題名の「あの日」とは、日本が真珠湾を爆撃した1941年12月7日(日本時間では12月8日)です。選(よ)りにも選って、日本が敗戦の道を開始した日の前日、12月6日に、しかもA級戦犯・岸信介の孫が、戦前の「治安維持法」を復活させるかのような「特定秘密保護法」を強引に通したのですから、論説者の目からしても、安倍氏はまさに「あの日の残滓」と映ったのでしょう。

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 私たちは「テロ国家アメリカ」(チョムスキーの言)を模範にするのではなく、「占拠運動」 Occupy Movement が燎原の火の如く広がっていったアメリカを模範にして、一刻も早く、秘密保護法の撤廃を実現させねばなりません。
 その意味では、強行採決された翌日に、若者たちによって早くも次のような提案がされていることを知り、大きな驚きと大きな希望を抱いています。その企画の多彩さ見事さ躍動感に感動しました。
 *「大デモ」代々木公園ケヤキ並木
2013年12月7日(土)、集会 11:00〜12:30/大デモ 12:30〜15:00、
http://bigdemo.jp/#

 また「秘密保護法を廃案へ!実行委員会」の弁護士・海渡雄一氏は、強行採決された直後の7日未明に[連日の活動で疲労困憊しているはずなのに]、次のような、力強く希望に満ちた声明を発表しています。
 *「バーナムの森は動いた、
秘密保護法強行採決は安倍政権の終わりの始まりだ!」

http://www.himituho.com/
 私は大いなる感動を持って「バーナムの森は動いた」(シェークスピア『マクベス』)「終わりの始まり」(イギリス元首相チャーチル)の声明文を読みました。皆さんも是非ご一読ください。                              
 

国際社会は法案の「根本的修正」を求めている(2)――国連人権高等弁務官からの訴え、ニューヨークタイムズ「秘密法案は戦後の平和主義から日本を遠ざける」

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秘密保護法反対のキャンドル行動、12月2日午後6時半から参議院議員会館前

http://www.labornetjp.org/news/2013/1202hokoku
開始30分ほど前から、歩道を参加者が埋め始め、開始時には400人を超え、7時には用意したキャンドル50本、ペンライト500本が出払い、最終的には1500人が集まる大行動となった。

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事態は緊迫しています。今後の緊急行動については下記HPを御覧ください。
http://www.himituho.com/
http://www.labornetjp.org/

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前回のブログでは、安倍内閣が「特定秘密保護法は国際社会の要請である」と言っているにもかかわらず、その「国際社会」から聞こえてくるのは、「廃案」また「根本的修正」ばかりだということを、下記のように、幾つもの事例で紹介しました。

*アメリカ政府元高官ハルペリン氏【秘密保護法案、国際基準を逸脱】
http://www.47news.jp/47topics/e/247843.php(2013年11月23日、共同)
*国連人権理事会の特別報告者の二人特定秘密保護法案に強い懸念
http://www.un.org/apps/news/story.asp/html/story.asp?NewsID=46560&Cr=japan&Cr1=#.Upfweycw_P9(2013年11月22日)、以下、省略

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この国際社会からの強い懸念、法案の廃案または根本的見直しを要請する声は、弱まるどころか、ますます強くなっています。たとえば【共同通信】は昨日(2013/12/03)、次のような記事を配信しました。

日本の特定秘密保護法案に懸念 国連人権高等弁務官
http://www.47news.jp/CN/201312/CN2013120201002702.html

【ジュネーブ共同】国連のピレイ人権高等弁務官は2日の記者会見で、日本の特定秘密保護法案について「『秘密』の定義が十分明確ではなく、政府が不都合な情報を秘密扱いする可能性がある」と懸念を表明した。

ピレイ氏は「日本の憲法や国際人権法が定める情報へのアクセス権や表現の自由に対する適切な保護規定を設けずに、法整備を急ぐべきではない」と指摘。「政府と立法府に対し、国内外の懸念に耳を傾けるよう促す」と述べた。


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先に社説で、この法案に強い疑念を提示していたNew York Timesも、同法案が衆議院で強行採決された翌日(11月28日)、巨大な写真入りで、次のような記事を載せました。

「秘密法案は、戦後の平和主義から日本を遠ざける恐れ」
Secrecy Bill Could Distance Japan From Its Postwar Pacifism
http://www.nytimes.com/2013/11/29/world/asia/secrecy-bill-could-distance-japan-from-its-postwar-pacifism.html?pagewanted=1&ref=asia&_r=0

ところがNHKは、声を上げて強行採決に抗議する傍聴者を強制的に排除するようすが映像に残らないようにするためでしょうか、審議を終えていよいよ強行採決する直前に放送を打ち切ってしまったのです。

NHKは公営放送であり、国民の税金と視聴者から集めた視聴料で運営されているのですから、審議の一部始終を国民に知らせる義務があるはずです。このような放送の仕方は「特定秘密保護法」のあり方を先取りするものと批判されても仕方がないのではないでしょうか。

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強行採決に抗議する傍聴者を排除する警備職員

Toru Hanai/Reuters、A protester was removed by security officers after Japan's lower house of Parliament passed a national secrets act on Tuesday.
http://www.nytimes.com/2013/11/29/world/asia/secrecy-bill-could-distance-japan-from-its-postwar-pacifism.html?pagewanted=1&ref=asia&_r=0

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以下ではNew York Timesの記事で私の目にとまった箇所を訳出しながら、若干のコメントを付けくわえたいと思います。記事は次のような書き出しで始まっています。

多くの人たちが街頭で表明している怒りや、民主主義の死を予言する一流紙の社説を、掃き捨てるかのように無視して、日本の保守的総理大臣安倍晋三氏は、いよいよ立法議案の最重要議題に王手をかけたようだ。戦後の国家をかたちづくってきた日本の平和主義を戦前に巻き戻そうとする国家機密法を、この国会で通そうとしているのだ。

Brushing past angry street protests and apocalyptic editorials in leading newspapers, Japan's conservative prime minister, Shinzo Abe, appears set to achieve one of the first items on his legislative agenda to roll back his nation's postwar pacifism: passing a national secrets law.


上記でNYタイムズ紙は、この法案を、「日本を戦前に巻き戻そうとする」ものだとしていることに注目していただきたいと思います。日本の大手新聞が今まで遠慮して言わなかったことを、NYタイムズ紙が明言しているのです。

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しかし(雷が避雷針を通って地上に落下するように)この国家機密法が国民の頭脳に衝撃波を送ることになったとタイムズ紙は述べています。この法案が強大な権力をもつ官僚に何が秘密かを決める権限を与えるからです。

しかし,この秘密法は反対する人たちにとって避雷針を流れる衝撃波となった。報道関係者や大学の研究者の多くは、この法案が強大な権力をもつ官僚に何が秘密かを決める一切の裁量権を与えることになりかねないと言う。それは同時に、今まででさえ不透明で有名だった政府に、いっそうの情報隠しを許すことになるからだ。

この法案が政府による権力の乱用を招きかねないと彼らは警告している。なかには、この法案を戦前の恐ろしい取締法[治安維持法]になぞらえるひともいる。治安維持法は、言論の自由をきびしく取り締まり、結局は軍部が日本を第2次世界大戦に引きずり込むことを許すことになったからだ。

But the secrecy bill has quickly become a lightning rod for opponents, many in the news media and at universities, who fear that it gives too much discretion to the nation's powerful bureaucrats to decide what is a state secret and allows a famously opaque government to provide even less information to the public.

Many have warned that the bill could lead to abuses of power by the government, and some critics have gone so far as to compare it to much more draconian prewar laws that placed severe restrictions on speech, and ultimately allowed the military to drag Japan into World War II.


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またタイムズ紙は、この秘密法がアメリカからの要請によるものであること、また学者のなかには「この法案により機密保護がアメリカのレベルになった」と言うものもいることを、次のように紹介しています。

今週の議会で安倍氏は、この法案が機密情報の扱いを強化することに役立つだけでなく、アメリカからの要請があったことに答えるものだと述べた。防衛上の秘密をめぐって[毎日新聞の西山記者による]漏洩事件などいろいろな問題が起きたからだ、という。

「これでやっと日本も機密の扱いがアメリカ並みになった」と東京大学(情報法)の長谷部恭男(やすお)教授は述べている。[訳註:タイムズ紙は長谷部氏の専門を「情報法」としているが、専門は「憲法」である。]

In Parliament this week, Mr. Abe said the bill was needed to help Japan strengthen its management of classified information, something he said the United States has asked Japan to do after scandals here over leaked or mishandled security secrets.

“I think this just brings Japan up to the levels of secrecy management of the United States,” said Yasuo Hasebe, a professor of information law at the University of Tokyo.


日本の大手メディアでは、日本がアメリカの属国になって、言われたとおりに行動していることを指摘するのにためらいがみられますが、NYタイムズ紙は意外と簡単にそれを暴露しています。中国包囲網を当然視しているから、その一貫として日本もそれに協力すべきだと考えているからでしょうか。

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それにしても東大教授がまたもや安倍内閣を援護射撃しているのを見ると、原発事故の時と同じく、「東京大学はやはり御用学者の巣窟か!?」という思いが強くなります。これでは東大卒であるひとたちは、恥ずかしくなってその肩書きを返上したくなるのではないでしょうか。

アメリカ政府の悪事を内部告発して告訴・投獄された政府高官がオバマ政権になってから激増していることを知っていて、長谷部氏は、このような発言をしているのでしょうか。知らないで発言しているのであればその無知を恥ずべきだし、知っていて発言しているのであれば悪辣の極みです。

オバマ氏が機密保護法=スパイ防止法を利用して告訴した人数は、それ以前の大統領によるものをすべて合計しても、その2倍を超えるのですから。またオバマ氏が無人爆撃機Droneを使って主権侵害の殺人行為(これは宣戦布告なしの戦争行為に等しい)はパキスタン、アフガニスタンを越えて、イエメンやソマリアまでにおよんでいます。

ですから、「テロ国家アメリカ」(チョムスキーの言)の要請にしたがって日本版NSCとセットで日本版スパイ防止法(=特定秘密保護法)をもうけ、アメリカと一緒になって「集団的自衛権」を行使するということは、アメリカが世界に撒き散らしているテロ行為=戦争に日本も巻き込まれることを意味します。

それどころか、アメリカが世界に撒き散らしているテロ行為の恨みを買って、日本もテロ攻撃の対象になるということです。なぜなら前回のブログでも書きましたが、「Droneで無実の民衆ひとりを殺すたびに、復讐の念に燃えた40人のテロリストが生まれる」(チョムスキーいわく)からです。 

ですから本当にテロ行為から日本を守りたいのであれば、日本をアメリカ並みの「普通の国」にしないことです。日本が憲法9条を掲げて平和外交に徹するかぎり、日本が攻撃される原因・理由は決して湧いてきません。また原発がテロ攻撃の対象になる恐れがあるのであれば、廃炉にするのが最良の国防政策になるでしょう。

(ただしアメリカ並みに武器輸出をしい勢力にとっては、意図的に紛争の種を周辺に撒き散らし、国民の危機感を煽りながら、国内の軍事産業を肥え太らせていくでしょう。そして集団的自衛権を行使できる国にしたいアメリカは、日本のこの動きを裏で支援することは間違いありません。)


ついに日本弁護士連合会まで「街頭宣伝」に立ち上がった!

http://www.labornetjp.org/news/2013/1385884402349staff01

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ところでNew York Timesの記事は次のような文章で終わっています。

しかし[アメリカ並みになりたいと言って]アメリカを模倣することは、まさに問題の上塗りだ、と多くの識者は指摘する。アメリカや他の国々が秘密をもっと減らして国家の透明性を高めたいという動きを押し進めているときに、よりにもよって、こんな法案を通そうとするのだから。

NSA(国家安全保障局)の契約職員だったエドワード・J・スノーデンのことにふれながら、上智大学の田島教授は次のように述べた。「スノーデンによる悪事の暴露はアメリカ国内の成人に自国の政策にたいする再考をうながした」「ところが今この日本ではまったく逆の方向に走り出している」

But imitating the United States is exactly the problem, many critics say, arguing that Japan should not pass such a bill when the United States and other nations are pushing for less secrecy from their own governments.

“The Snowden disclosures caused a major rethink in the United States,” said Mr. Tajima, the Sophia University professor, referring to the former National Security Agency contractor Edward J. Snowden.“And now here comes Japan, running in the wrong direction.”


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アメリカが五つの同盟国(Five Eyes)を道連れにして世界中の元首・市民・企業を盗聴していることが、スノーデンによって暴露され、今やオバマ大統領=アメリカ政府の権威は地に落ちつつあります。

映画『JFK』で有名になった映画監督オリバー・ストーンでさえ、「オバマ氏は羊の皮をかぶった狼だ」と評して話題を呼びましたが、この言い方を借りれば、「安倍氏は鼻の下に髭のないヒトラーだ」とでも言うべきでしょうか。

そう言えば、麻生副総理も「日本だってナチスの手口に学んだら」と発言していましたが、今度は自民党の石破茂幹事長がこの法案に反対する市民の抗議行動を「テロ行為と変わらない」とブログに書きみ、これに対して強い怒りの声が上がっています。
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1693

デモや集会における音楽やシュプレヒコールを「テロ行為」だと言うのですから、この法案が通過したらどのような社会になるか、それを石破発言は暗示しているのではないでしょうか。

「国際社会」は特定秘密保護法案の「廃案」または「根本的修正」を求めている!!

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http://www.himituho.com/

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新しい活動の情報は下記を御覧ください。
*中央運動情報
http://www.himituho.com/
*全国運動情報
http://www.himituho.com/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E9%81%8B%E5%8B%95%E6%83%85%E5%A0%B1/
*デモ・抗議運動まとめ
http://www57.atwiki.jp/demoinfo/
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安倍内閣は口を開くたびに「秘密保護法案は国際社会の要請である」と述べています。福島での公聴会でも、参考人のすべてが法案の廃案または根本的修正を求めているにもかかわらず、翌日の衆議院特別委員会では同じ主張を繰り返して、強行採決に踏み切りました。

同日の夜に開かれた衆議院本会議でも「国際社会の要請である」「テロ対策には欠かせない法案である」と繰り返し主張して、またもや採決を強行しました。違憲状態にある衆議院が、9万件のパブリックコメントのうち約9割の反対を無視しての、強行採決です。

しかも「国際社会の要請である」と言っているにもかかわらず、その「国際社会」から聞こえてくるのは、以下で紹介するように、「廃案」また「根本的修正」ばかりです。自民党や公明党の言う「国際社会」というのは、誰のことを指しているのでしょうか。

もし、それがアメリカ政府だとすれば、、チョムスキーが言っているように、無人爆撃機Droneで世界中に死の恐怖(テロ)を撒き散らしてるアメリカこそ「テロ国家」ではないでしょう。チョムスキーいわく「Droneで無実の民衆ひとりを殺すたびに、復讐の念に燃えた40人のテロリストが生まれる」。

このような「テロ国家アメリカ」(チョムスキーの言)の要請になぜ日本は答えなければならないのでしょうか。それとも日本もアメリカと同じように、世界に売るべき「国内の製造物」が原発や武器以外になくなってきているのでしょうか。武器輸出3原則の見直しは、そのことを暗示しているように思えてなりません。

以下に私が集めた世界の世論を紹介します。

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記者会見で強い懸念を表明する、国連人権委員会特別報告者フランク・ラ・リュ氏

http://www.un.org/apps/news/story.asp/html/story.asp?NewsID=46560&Cr=japan&Cr1=#.UphF7ycw_P-
Frank La Rue, Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression. Photo: Violaine Martin

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国際社会は「特定秘密保護法案」の廃案

または根本的修正を求めている!!




*国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチが秘密法の見直しを求めています。
http://www.hrw.org/ja/news/2013/11/25(2013年11月25日)

*アメリカ政府元高官ハルペリン氏【秘密保護法案、国際基準を逸脱】秘密多いと管理困難に
http://www.47news.jp/47topics/e/247843.php(2013年11月23日、共同)

*国連人権理事会(ジュネーブ)の特別報告者の二人が、日本国政府が国会に提出した特定秘密保護法案に関し、強い懸念を表明しました。
http://www.un.org/apps/news/story.asp/html/story.asp?NewsID=46560&Cr=japan&Cr1=#.Upfweycw_P9(2013年11月22日)

*国連フランク・ラ・リュ氏(言論および表現の自由の権利の保護・促進に関する特別報告者)、国連アナンド・グローバー氏(健康の権利に関する特別報告者)の抗議声明
Independent UN experts seriously concerned about Japan’s special secrets bill
http://www.un.org/apps/news/story.asp/html/story.asp?NewsID=46560&Cr=japan&Cr1=#.Upfv9ycw_P9(2013年11月22日)

*国際ジャーナリスト連盟(IFJ)が秘密法を批判しています。
http://www.ifj.org/en/articles/japanese-proposed-state-secret-law-undermines-the-publics-right-to-know (2013年11月21日)

*国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、特定秘密保護法案に深刻な懸念を表明し、同法の制定に強く反対しています。 http://hrn.or.jp/activity/topic/post-240/ (2013年11月19日)

*表現の自由のための国際人権団体ARTICLE19は、秘密保護法案を否決するよう、日本の国会に強く求めています。
Statement:Japanese Parliament must reject new secrets bill
http://www.article19.org/resources.php/resource/37346/en/japanese-parliament-must-reject-new-secrets-bill (2013年11月12日)

*日本外国特派員協会が「特定秘密保護法」に強い懸念を表明しました。
FCCJ "Designated Secrets Bill" Statement of Deep Concern
http://www.fccj.or.jp/images/FCCJ-State-Secrets-Protest-eng.pdf(2013年11月11日)
日本語訳「「秘密保護法案は廃案または大幅修正すべきである」
http://pub.ne.jp/tacktaka/?entry_id=5121978

*New York Timesの社説も「特定秘密保護法」に強い懸念を表明しました。
Editorial:Japan's Illiberal Secrecy Law
http://www.nytimes.com/2013/10/30/opinion/international/japans-illiberal-secrecy-law.html?_r=2& (2013年10月29日)
日本語訳「「自由主義」を標榜する国日本の、「不自由」を強制する秘密保護法案」
http://www42.tok2.com/home/ieas/NYTimesEditorialSecrecyLaw.pdf

*言論および表現の自由の権利の保護・促進に関する国連特別報告者フランク・ラ・リュ氏は、真実への権利についての報告を発表し、重大な人権侵害行為やそれにかかわる情報など、政府の情報非開示が許されない場合が存在すると強調した。
http://daccess-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/N13/464/76/PDF/N1346476.pdf?OpenElement
(2013年9月)

*国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)
http://www.opensocietyfoundations.org/sites/default/files/global-principles-national-security-10232013.pdf(2013年6月12日)

*日本弁護士連合会によるツワネ原則の日本語訳
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/statement/data/2013/tshwane.pdf

*国家安全、表現の自由、情報へのアクセスの自由に関するヨハネスブルグ原則
(国際法の専門家集団が、安全保障に関する情報への人権保護の適用について、1996年に定めた有力な原則である。)
http://www.article19.org/data/files/pdfs/standards/joburgprinciples.pdf

「秘密保護法案」をくい止めるために [新しい情報を冒頭に少し追加しました(2013/11/28)]


「わかりやすく伝えたい」。手作り漫画持参の「日本平和委員会」の若者たち

http://www.labornetjp.org/news/2013/1121shasin2


新しい活動の情報は下記を御覧ください。
*中央運動情報
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*全国運動情報
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*デモ・抗議運動まとめ
http://www57.atwiki.jp/demoinfo/
*日本ペンクラブ会長(浅田次郎)の抗議声明「深い失望、大いなる怒り」
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&ved=0CCsQFjAA&url=http%3A%2F%2Fwww.japanpen.or.jp%2Fstatement%2F2013%2Fpost_449.html&ei=biyXUsXHI4XSkwXL9ICIDg&usg=AFQjCNGyw3WK_8ttXvdEGLhyYyg1okvGhg&bvm=bv.57155469,d.dGI&cad=rja

国際社会からも次々と批判声明が発表されています。
STOP!「秘密保護法」ホームページの「各界抗議声明」の頁を参照ください。
http://www.himituho.com/
*国際ジャーナリスト連盟(IFJ)が秘密法を批判
*ヒューマン・ライツ・ウォッチが秘密法の見直しを求める


福島公聴会のあと、衆議院特別委員会の理事会が開かれ、与党は26日の特別委員会での採決を主張し、野党との激しいやりとりがおこなわれたということです。
 みんなの党は与党に屈服。与党は、委員会採決のみならず、午後にも本会議採決を狙っています。維新は26日の採決に反対。
 情勢が緊迫している折、東京の杉原浩司さん(「何が秘密?それが秘密」法に反対するネットワーク)から下記のような訴えがあり、[転送・転載歓迎]とありましたので大至急、転載させていただきます。
 東京に行って傍聴や抗議活動ができないひとでも、審議会・抗議活動のテレビ中継や「福島公聴会」の録画映像を見たり、ファックスや抗議電話をすることも、もう一つの運動ではないでしょうか。

<参考>
【必見!】アーカイブ動画(OurPlanet-TV)
*強行採決に対する緊急会見〜秘密保護法
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1685
*「アリバイ作りなのか」 秘密保護法・福島公聴会
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1683
*レイバーネット日本
http://www.labornetjp.org/

「福島地方公聴会~秘密保護法」
秘密保護法案 原発事故隠される 福島で公聴会 住民らデモ(11月25日、東京夕刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013112502000216.html

特定秘密保護法案 福島で地方公聴会(11月25日 16時14分、NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131125/t10013319291000.html

特定秘密保護法案 福島での地方公聴会・発言要旨(11月25日、朝日)
http://www.asahi.com/articles/TKY201311250098.html



【本日26日(火)政府与党が狙う

「秘密保護法案」衆院委員会&本会議
採決を食い止めよう!】

東京の杉原浩司(「何が秘密?それが秘密」法に反対するネットワーク)です。
遅い時間ですが、ぜひお読みください。[転送・転載歓迎/重複失礼]

政府与党は、野党の反対(みんなの党は「円満に」)を無視して、額賀委
員長の職権で26日(火)午前9時~11時に安倍首相出席、NHK中継入りの質
疑を強行します。朝8時30分からの理事会で採決するかどうかが協議され
ます。与党は、委員会採決のみならず、午後にも本会議採決を狙っていま
す。大ピンチにできる行動をすべてやりましょう!

◆以下、4つの行動提案です。ぜひご参加、ご協力ください!
1. 朝8時~9時、首相官邸前での抗議アピールに集まろう!
2. 正午~議員会館前抗議、14時~記者会見、19時~官邸前抗議へ!
3. 鍵を握る理事たちや維新、みんなにファックスを集中しよう!
4. 9時~11時の委員会を傍聴しよう!

 

何故それを改訳したか―外国特派員協会の声明「秘密保護法案は廃案または大幅修正すべきである」

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歴史の逆行を許すな!~「秘密保護法」反対集会 1万人の怒りと熱気

http://www.labornetjp.org/news/2013/1121shasin2


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「特定秘密保護法案」衆院採決の危機を前にして、大集会が開かれた11月21日の日比谷野外音楽堂は、怒りに立ち上がった1万人の人々で、集会開始6時30分の10分前にすでに満杯になり、音楽堂の外にも数千人の人々があふれました。

既に報道されている通り、維新の会は記名投票の末、賛成27人、反対23人で「修正合意」への賛成を決めました。秘密指定期限の基準が30年から60年へ倍増するという、「修正」どころか「改悪」へと突き進み、みんなの党とともに「翼賛政党」へと転落しました。

それでも、あと二人が反対に回れば、決議自体ができないほどの僅差でしたから、右翼政党と呼ばれる維新の会でさえこのような事態に追い込まれるほど、世論の力が大きかったと言うべきでしょう。もう一回り大きなうねりが日本全体を覆えば、廃案も不可能ではないとさえ思えるほど、大きな集会だったと思います。

集会の詳しい報告および今後の日程については下記を御覧ください。
*11月21日、活動報告
http://www.himituho.com/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%A0%B1%E5%91%8A/
*全国活動状況
http://www.himituho.com/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E9%81%8B%E5%8B%95%E6%83%85%E5%A0%B1/
*STOP!「秘密保護法」最新情報
http://www.himituho.com/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0-%E6%9C%80%E6%96%B0%E6%83%85%E5%A0%B1/
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いま日本政府が強行採決しようとしている「機密保護法」については、福島原発事故以来、秘密主義が横行してきたことから世界中の眼が日本に集まってきています。その一つが前回のブログで紹介したNYTimesの社説でしたが、今回は「日本特派員協会」の緊急声明を紹介したいと思います。

これについては前回のブログで下記のURLを紹介するのみにとどめまし。
http://www.fccj.or.jp/ (特派員協会ホームページ)
http://tkajimura.blogspot.jp/2013/11/designated-secrets-billprotest.html
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/11/foreign-correspondents-club-of-japan.html

しかし、「特派員協会ホームペーシに載っている日本語訳も、PeacePhilosophyに載せてある乗松氏の日本語訳も、この訳文では日本外国特派員協会々長ルーシー・バーミンガム氏が英文で発表した抗議声明の趣旨がよく分からない箇所がある」という声が私のところに届いてきました。

確かに読み直してみたら分かりにくいところが散見されますので、白内障が悪化して右目が不自由なのですが、情勢が緊迫しているだけに無理を押して改訳を試みました。この改訳が「特定秘密保護法案」を廃止または根本的修正に追い込む運動に少しでも貢献できたらと願っています。

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外国特派員協会が

『特定秘密保護法案』に強い懸念を表明


FCCJ "Designated Secrets Bill" Statement of Deep Concern
http://www.fccj.or.jp/images/FCCJ-State-Secrets-Protest-eng.pdf


日本外国特派員協会は、いま日本の国会で審議中の「特定秘密保護法案」について強い懸念を抱いている。

われわれが特に危惧しているのは、同法案の中にジャーナリストにたいする起訴や投獄を可能にする条文が含まれており、与党のなかに、それと同種の発言をおこなっている議員が少なからずいることである。

開かれた社会における調査報道の真髄は、政府の秘密活動を暴(あば)き、市民に伝えることにある。そのような報道活動は犯罪ではない。それどころか行政のありかたを点検し、その横暴・行き過ぎを抑えるという意味で、民主主義の根幹とも言うべきものである。

本法案は、報道の自由はもはや憲法で保障された権利ではなく、政府高官が「充分な配慮を示すべき」単なる考慮事項に過ぎない、と受け取られても仕方がない条文である。

その上、この「特定秘密保護法案」には、「不適切な方法」で政府の政策に関する調査・取材をしてはならないといった、ジャーナリストへの特別な警告まで含まれている。これは明らかに報道を職業とするものへの直接的な脅迫であり、しかも個々の事例でいかようにも解釈できる許しがたい条文となっている。このような曖昧模糊とした文言は、ジャーナリストを意のままに訴追する権限を政府に与えることになる。

日本外国特派員協会の会員には外国籍のみならず日本国籍を有するものもいる。1945年に設立された由緒ある当協会は、一貫して、報道の自由と情報の自由な交換を、日本と諸外国との間の友好関係や相互理解を維持・増進するための不可欠な手段とみなしてきた。

以上の趣旨をふまえて、われわれは国会に対し、「特定秘密保護法案」を廃案とするか、もしくは大幅に修正することを強く要請する。さもなければ、この法案は日本における民主主義の未来と報道活動にたいして重大な脅威となると考えるからである。

ルーシー・バーミンガム
日本外国特派員協会々長
平成25年11月11日

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『南ドイツ新聞』が「特定秘密保護法案」をきびしく批判


Süddeutsche Zeitung 11.Nov.2013


この法案の反民主性と危険性については、日本外国特派員協会(会員2000名)が、「特定秘密保護法案」の廃案ないしは大幅修正を求めて抗議声明を出した11月11日、ドイツでも、『南ドイツ新聞』が同法案をきびしく批判した記事を載せました。

ブログ「明日うらしま」によれば、「秘密事項原子力発電/日本市民はもはや核施設の安全性について知ってはならない」との見出しで、原発に関する情報秘匿を例に挙げて、民主主義の基本を否定するものであると解説しているそうです。
http://tkajimura.blogspot.jp/2013/11/designated-secrets-billprotest.html

同ブログでは、この記事についてさらに次のような解説を付けています。

 また、日本での権力の公文書の私物化と隠蔽の一例として、沖縄返還時の核付き返還の秘密協定文書が、政府の保管ではなく、安倍総理の大叔父である当時の佐藤栄作元総理の遺産の中から出てきたことを挙げています。
 その上で、このような酷い法案を安倍政権が実現しようとする裏にはアメリカの圧力があるのではないかとの見方を紹介しています。このような見解はすでに10月29日に、ニューヨーク・タイムズが社説で指摘しています。
 これらは報道の数例でしかありませんが、特派員協会の抗議声明に見られるように、特派員たちの自らの職業に対する弾圧法であるとの強い危機感は、民主主義擁護を基本とする者にとっては全く正当なものです。
 したがって同法案が可決成立するようなことになれば、日本の国会の世界の民主主義を脅かす行為として、全世界から集中的に批判の的になることは明らかです。
 要するに、日本の国会議員は世界から彼らの民主主義認識の常識を問われているのです。情けないことに、そのことすら認識していない無能な国会議員が多数であるようです。
 少なくとも、この法案成立と同時に、日本の報道の自由は、中国並みのランクに格付けされることだけは確実ですから、それくらいの自覚は持ってほしいものです。


上記で明日うらしま氏は「日本の報道の自由は、中国並みのランクに格付けされることだけは確実です」と書いていますが、リビアのカダフィ打倒のときもそうでしたが、今のシリア情勢を読んでいる限りでは、アメリカの大手メディアも中国並みのランクであることだけは、註記しておきたいと思います。

私が前回のブログ「NYTimes の社説も批判する秘密保護法案」で次のように書いたのは、そのような意味が込められていました。

それにしても、ニューヨークタイムズでさえ社説でこのような批判をおこなっているのに、そのことを日本の大手メディアは私たちに紹介していません。これもチョムスキーのいう「メディアの家畜化」の一例ではないでしょうか。


しかし、日本のメディアの流れもいま少しずつ変わり始めています。これも民衆運動の力によるものでしょう。

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<註> 海外の眼がいかに日本に注がれているかを示す記事は他にも次のようなものがあります。
*【秘密保護法案、国際基準を逸脱】
米政府元高官ハルペリン氏  秘密多いと管理困難に(11月23日、共同)
http://www.47news.jp/47topics/e/247843.php                  
*国際連合特別報告者「特定秘密保護法案は透明性を脅かすものである」
ジュネーブ(2013年11月21日):国際連合人権理事会の特別報告者の二人が、日本国政府が国会に提出した特定秘密保護法案に関し、強い懸念を表明した。
http://www.himituho.com/%E5%90%84%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%8A%97%E8%AD%B0%E5%A3%B0%E6%98%8E/

何故それを改訳したか ― NYTimes の社説も批判する秘密保護法案

「自由主義」を標榜する国日本の、

「不自由」を強制する秘密保護法


Japan's Illiberal Secrecy Law:
New York Times editorial (October 29, 2013)
http://www.nytimes.com/2013/10/30/opinion/international/japans-illiberal-secrecy-law.html?_r=1&

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http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/1372/

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<解説> 
 ニューヨークタイムズが10月29日の社説で、"日本の「秘密保護法案」が、日本版NSCとセットでアメリカ政府から要請されたものであり、それは自由と民主主義を根底から堀り崩すものである" ときびしく批判ていることを知りました。
 以下にその拙訳を紹介します。[ ]内の挿入語句は訳者による補足です。
 それにしても、ニューヨークタイムズでさえ社説でこのような批判をおこなっているのに、そのことを日本の大手メディアは私たちに紹介していません。これもチョムスキーのいう「メディアの家畜化」の一例ではないでしょうか。
 アメリカのNSCがCIA、NSAという諜報機関を使って、世界中を盗聴し世界中に殺戮と戦争をバラ捲いていることは、マニング氏やスノーデン氏によって今や天下周知の事実になっているにもかかわらず、そのアメリカのプードル犬となり日本版NSCと日本版スパイ防止法をつくろうとしていることは、日本国民として恥ずかしいかぎりです。
 というのは、オバマ氏以前は、1917年につくられた「スパイ防止法」で3人しか訴追されていないのに(悪法として名高いから当然でしょう)、彼が大統領になってからは、その2倍以上もの政府高官が裁判にかけられたり刑務所に送られたりしています。
 政府の悪行を暴いた人物が処罰され、悪行を働いた人物は誰ひとりとして処罰されていないのです。安倍氏は「第2のオバマ」になりたいのでしょうか。
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日本政府は、人々の知る権利を土台から堀り崩す秘密法案を、成立させようとしている。この法律は、すべての政府省庁に、防衛、外交、スパイ防止、テロ防止に関連する情報を秘密指定できる権利を与える。しかし何をもって秘密とするかの基準がない。このような基準なしでは、政府にとって不都合な情報は、すべて秘密指定できる。

この法案では、秘密をもらしたことが発覚したばあい、その政府職員は最高10年の懲役となる。このような条項は、不正行為を内部告発しようとする職員の意欲・勇気を奪い、情報を秘密指定することに拍車をかけることになろう[まさにそれがこの法案の狙いなのだ]。

これまでは情報を「防衛機密」として秘密指定する権限をもつのは防衛省だけだった。しかしその前科たるや凄まじいものだ。防衛省によって2006ー2011年に秘密指定された5万5千件の文書のうち、なんと3万4千件が、秘密指定期間が終わったとき破棄された。国民に知られては困るものだったわけだ。こうして、公開されたものは、たった1件だけだった。

この新法が通れば、秘密の指定期間も無期限延長が可能となる。しかもこの法案は政府の説明責任をいっそう限定し縮小させるものとなっている。選挙によって選ばれた国民の代表者[国会議員]に、秘密について議論する場を保証する、明確な条項がないからだ。

この法案は、もうすでに不透明な政府を、さらに不透明なものにするだろう。というのは、「不正」「不当」な方法で情報を得たばあいは最高5年の懲役にするぞ、と報道関係者を脅迫しているからだ。日本の新聞各社は、記者が政府職員に取材できなくなるのではないか、と懸念している。世論調査によると、国民もこの法案がもたらす悪影響について大きな不安、強い疑いを抱いている。にもかかわらず安倍晋三政権は、この法案を一刻も早く通すことにのみ熱心だ。

安倍氏がこの法案を必要としているのは [アメリカ政府の要請で] アメリカ型の国家安全保障会議NSCを設立するためだ。ワシントンが「日本が情報統制をもっと厳しくしないと、これ以上の情報を与えないぞ」と言っているからだ。安倍氏が提案しているNSCは6部門をもうけているが、他の部門は「同盟・友好国」「その他の地域」などとなっているのに、1部門だけは国名を名指しで「中国・北朝鮮」となっている。

このような動き [新たにNSCを設置し秘密法案をつくること] は、これまで安倍政権が中国にたいして取ってきた対決的姿勢を反映しているだけでなく、安倍政権のタカ派的外交政策を示すもうひとつの前兆となる。それは当然ながら、市民の人権を害するのみならず、東アジアに、日本政府にたいするいっそうの不信感を生み出すことになるだろう。


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<註> 上記のニューヨークタイムズ社説は下記ブログで知りました。このブログはドイツ在住の日本人が書いていて、興味深い記事がいっぱい載っています。
ブログ「明日うらしま」
http://tkajimura.blogspot.jp/

また下記に乗松聡子氏による上記社説の翻訳(Nov.13,2013)が載っていましたが、一般の読者にはやや分かりにくいと思われたので、全面的な改訳を試みたのが上記のものです。
PeacePhilosophy
http://peacephilosophy.blogspot.ca/2013/11/japans-illiberal-secrecy-law-new-york.html

<参考>
日本外国特派員協会:
「特定秘密保護法案」は報道の自由及び民主主義の根本を脅かす悪法であり、撤回、または大幅修正を勧告します。(平成25年11月11日)
ルーシー・バーミンガム。日本外国特派員協会々長
http://www.fccj.or.jp/ (特派員協会ホームページ)
http://tkajimura.blogspot.jp/2013/11/designated-secrets-billprotest.html
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/11/foreign-correspondents-club-of-japan.html
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