放射能汚染地図(4) ― マスクをして登校すると「いじめ」に会う子供たちを救え!、“6.11”で日本中に鳴り響いた脱原発ソング=“斉藤和義” と “制服向上委員会”


放射能拡散予測
http://www42.tok2.com/home/ieas/fukusima.html→「ドイツ気象局」
[原発は収まっていません。現在も毎日、放射能と汚染水を放出し続けています。]
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写真集 「チェルノブイリの子どもたち」
http://www.youtube.com/watch?v=_LA_PnAQONo&NR=1&feature=fvwp
[原発が何をもたらすか、この映像と音楽に大きく胸を揺さぶられます。前半の3分だけで結構です。ぜひ視聴ください]
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私の三つの提案
(1)汚染されたものを食べようと呼びかけるのではなく、逆に汚染されていない農産物や海産物を東北・関東地方に届けて住民の生命と生活を守ること、汚染された校庭の土を東電に引き取らせること
(2)国や自治体の力で住宅を用意し、高濃度の放射能に汚染されている地域の住民を一刻も早く集団疎開・集団移住させること、義援金や賠償金を「前倒し」して、それを一刻も早く被災者に届けること
(3)それと同時に、将来の「被曝訴訟」に備えて被災地の住民全員に「被曝手帳」を配布し、いつ・どこで何日間いたかを記録させること、既に移住してしまっている人たちにも、移住先を追跡調査して、「被曝手帳」を必ず届けること


脱原発パワーが炸裂!、「怒りの若者」で埋まった新宿アルタ前
http://www.labornetjp.org/image/2011/0611-03/viewd
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一般の報道によれば、海江田万里=経済産業相が18日、「各原発ではシビアアクシデント(過酷事故)対策が適切に取られている」とし、再稼働を地元自治体に要請する考えを示したそうです。

福島の原発事故で、福島の子供たちが毎日、被曝しながら学校に行っているというのに、そして、いまだに汚染水の処理ができずに困っているというのに(たとえ汚染処理ができたとしても出てきた汚泥の処分地の見通しすら立っていないというのに)、原発再稼働を要請する政府の神経には信じがたいものがあります。

しかもマスクをして学校に行くと「県や教育委員会・校長が安全だと言っているのに、なぜマスクをしてくるのか」という理由で、「いじめ」に会うという声すら聞こえてきます。それが元で今度は親と子で喧嘩になることも珍しくないそうです(出典:「被曝する大地と人々」『Days Japan』7月号)。

また浜岡原発を初めとして、日本全国どこの原発が暴走しても、福島と同じ規模の悲惨な事故になりかねません。チェルノブイリ事故の結果を見れば、福島の子供たちを一刻も早く強制避難させなければならないのに、それを放置したままで原発再稼働をを言い出すというのは、信じがたいことですが、それを裏で支えているのがNHKです。
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NHKは先日(6月13日)のクローズアップ現代「原発事故3か月 避難者たちは今」で、原発事故に最も近い浪江町で縫製工場を継続している工場主を、驚いたことに、あたかも復興の最先端に経って奮闘している英雄であるかのように描いていました。もっと驚いたのは、そこに勤務しているのは、ほとんどが若い女性でした。

まだ妊娠し子供をつくる可能性がある女性に線量計を持たせて労働させることに何の疑問や問題提起もせず、「将来、帰ってくる人たちのために産業の火を消さない」という美辞麗句を、そのまま報道するNHKの姿。

これは、かつて「欲しがりません勝つまでは」と国策放送を流し続けたアジア太平洋戦争中の旧NHKを彷彿とさせるものでした。これでは北朝鮮の報道ぶりと、どこが違うのでしょうか。

また線量計を手に縫製工場で働く女性の姿は、毎日、線量計を手に学校に通わされる子供たちの姿と全く瓜二つです。また高濃度汚染地帯でつくられた製品を、誰に売り、誰に使用してもらおうというのでしょうか。

国や県は国民や県民を守るためにあるはずですし、文科省や教育委員会・校長は子供たちを守るために存在するはずです。ところが、いま政府や自治体がやっていることは、東電などの電力産業や自分たちのメンツを守ることだけのように見えます。

かつて国家・軍隊がアジア太平洋戦争の敗戦時に、満州の開拓民を放置して見殺しにし、沖縄県民を守るどころか集団自決に追い込んだと同じことを、再び福島の地で繰り返そうとするのでしょうか。

どうせ戦前と同じことをするなら、なぜ「学童疎開」や満州開拓のような「集団移住」を、国や自治体の責任で企画・実施しないのでしょうか。かつてのように朝鮮・中国を侵略しなくても、いま日本のあちこちで過疎地や休耕地は有り余っているのですから。
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昨日(6月18日)の民放を見ていたら、福島どころか東京や神奈川の人たちが、驚いたことに石垣島にまで避難しているではありませんか。ゆとりのあるひと、インターネットで情報を集めることの出来るひとは、このようなこともできます

しかし、「本当は逃げたいけれど、友達をおいて自分だけ逃げるのは嫌だ。私は結婚しても子供は産みません。そういう覚悟でここに残っています」と泣きながら決意を語る女学生の心を、為政者たちはどのように受け止めているのでしょうか(『DAYS JAPAN』7月号)。

いま為政者にとって必要なのは、あたかも高濃度に汚染された地域に戻れるかのような幻想を振りまくのはなく、原発推進政策を強引に推し進めた自分たちの行為を素直に謝罪すると同時に、福島県民にこの厳しい現実を正直に提示して、生活立て直しのための見通しと、そのための援助策を提起することではないでしょうか。

さもなければ福島県民はいつまでも腰が定まらず避難所を転々とせざるを得ないでしょう。(下記の「たね蒔きジャーナル」→「最低300年は閉じ込める必要がある」を参照)
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/06/16/tanemaki-jun16/

以前のブログでも書きましたが、東電の正社員の家族は、そのかなりの部分が既に東京から疎開しているそうです。また大手メディアの記者は、強制避難区域の取材を禁じられています。他方、被曝を覚悟に、すぐ現地に赴いて生の姿を伝えたのは広河隆一さんたち、独立メディアの人たちでした。
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<註> 
 広河隆一氏が責任編集している『DAYS JAPAN』7月号の特集「福島の行方」には、福島で苦悩する親と子供の赤裸々な声が載せられています。また「人海戦術の海になる」と特集2番目の記事では、復旧に従事する原発作業員の「特攻隊員」的心境が綿々と綴られています。これだけ豊富なカラー写真が入っていて820円ですから、極めて安価だと言ってよいと思います。支援を兼ねて買ってみてください。
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福島を中心にしてチェルノブイリを日本地図と重ね合わせてあります。
(出典:http://blogs.yahoo.co.jp/xsw2xcv2/2654486.html )


暗い話ばかりになりましたので、ここで明るい話題も紹介します。というのは、「福島311」から三ヶ月を迎えた6月11日(土)には、「脱原発」を求める「100万人アクション」なる行事が全国一斉に展開されたからです。

NHKを初め大手メディアでは、ほとんど報道されませんでしたが、下記の独立メディアでは、全国をリレーで結ぶ画期的な試みがおこなわれました。おかげで調子が良くなかった私の体もかなり回復し、心も明るくなりました。

6.11脱原発100万人アクション、マルチ画面
http://tanikichi.net/611-00x.html

この「100万人アクション」には、下記の多くの独立メディアが「各自に、撮りたいものを撮り、中継し、そして、見たいものを見る」を合い言葉に、北は北海道から南は沖縄に至るまで、多彩な実況中継を繰り広げました。

http://iwakamiyasumi.com/ IWJ
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1117 OurPlanet-tv
http://www.labornetjp.org/ レイバーネットTV
http://medir.jp/ 市民メディアセンター MediaR

今まで大手メディアに独占されてきた報道が、このようなかたちで徐々に市民が自分たちの手で、取り戻されようとしていることは本当に嬉しいことです。労働運動ですら、大手企業の労働組合が企業寄りなっているなか、中小企業で働く人たちや海外の組合情報でさえ、このような「レイバーネット」というかたち共有されるようになったことは、新しい希望を感じさせるものです。

それはともかく以下で「100万人アクション」の見せ場を二つだけ紹介させていただきます。最初の動画は9分、あとものは13分程度のものですから、気楽に視聴できると思います。

6.11脱原発「全国100万人アクション」
http://www.youtube.com/watch?v=nDwl_Nla4Kk&feature=channel_video_title

フランスで5000人が脱原発アクション、6.11「ゲンパツうせろ!」
http://www.youtube.com/watch?v=NJ1j0kFTzHA

最初のものは、「脱原発パワーが炸裂!~「怒りの若者」で埋まった新宿アルタ前」と題して、レイバーネットTV に載せられていたものです。

世界中でも「611」アクションが呼びかけられていたし、外国のメディアも注目していたので、この動画は英語による中継放送(Demonstration against Nuclear Power Plant英語版)にもなっていました。

2番目のものはフランスにおける集会の様子がYouTubeに載せられていたものです。日本語字幕はありませんが、歌あり、演説あり、パフォーマンスありの多様な動画なので、それだけで十分に雰囲気を楽しむことができると思います。

なお、レイバーネットTV には下記のような解説が載っていました。上記の動画と併せてこれを読むと、東京での雰囲気がいっそう理解できるように思います。

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脱原発パワーが炸裂!~「怒りの若者」で埋まった新宿アルタ前

< 全国各地で「6・11脱原発100万人アクション」が開催された。東京では、芝公園(原水禁・労組など)に6000人、環境団体が中心になった代々木公園には1500人集まった。新宿コースは若者による数千人規模のサウンドデモで繁華街を練り歩いた。
 午後6時、デモ解散地である新宿駅東口アルタ前には、デモを終えた人々が続々と集まってきた。警察官がロープを張って妨害しようとしたが、人の波が圧倒しアルタ前は文字通り「解放区」となった。
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最後に紹介したいのは、「6.11脱原発100万人アクション」のテーマソングとなった歌を初め、「脱原発」を訴える歌の色々です。

メイン会場の「 IWJ チャンネル2」で司会者の岩上安見氏が、この「6.11脱原発100万人アクション」のテーマソングとして、斉藤和義「ずっとウソだった」を、番組の休憩時間のたびに流していました。
http://www.ustream.tv/recorded/15299170/highlight/178413

この歌はそれだけの価値がある歌だと私も思っていますが、私がこの歌を知ったのは、「素人の乱」と言われる人たちが、東京の高円寺で「脱原発」の集会とデモの際、この歌を流しているのを聞き、思わず聞き惚れてしまったのが最初でした。

http://www.youtube.com/watch?v=tuwXz2WoxzI (高円寺デモ、20110410)

その後調べてみると、この歌にも様々なバージョンがあることが分かりました。以下にその幾つかを紹介しますが、これをみると、いつも「今の若い者は・・・」などと貶(けな)されている若者に、このような素晴らしい才能が秘められていたことに、本当に驚かされます。

http://www.youtube.com/watch?v=q_rY6y24NAU(歌詞・原発地図つき)
http://www.youtube.com/watch?v=4JVJs8sG5A4 (厚労省パンフつき)
http://www.youtube.com/watch?v=a_4lLFLuOQo(原子力安全保安院パンフつき)
http://www.youtube.com/watch?v=5as-dhU-OZc&feature=related (英語の歌詞つき)
http://www.youtube.com/watch?v=ILOiRYfNcW8&feature=related (ドイツ語歌詞つき)
http://www.youtube.com/watch?v=D3HxXKAXR0U&feature=related(マスクだけの幼い子どもを、防護服のひとが線量計で測る映像が衝撃的)
http://www.youtube.com/watch?v=B1AxzZdKp2Y&feature=related(ノーカット版、ずっと好きだった→ずっとウソだった)

最後のものを除き、どれを視聴しても「原発とはどういうものか」「今まで東電や政府がどのように嘘をついてきたのか」が、「ずっとウソだった」を聞きながら学習できるようになっていて、本当に感心してしまいます。

最後の「ノーカット版」と書いてあるものを視聴していただければ、斉藤和義という人物の素顔を見ることができるだけでなく、「ずっとウソだった」という歌が、実は「ずっと好きだった」という恋の歌を下敷きにしていることも知ることができます。しかも、これはこれで素晴らしい仕上がりになっていて、二度びっくりでした。
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ところで斉藤和義さんは今は亡き忌野清志郎を尊敬しているということを後で知り、「ずっとウソだった」という歌を斉藤さんがなぜつくったのか、その謎が解けたような気がしました。というのは清志郎には、原発産業の東芝から発売禁止を言い渡された、下記の有名な「反原発ソング」があるからです。、

忌野清志郎「Love Me tender」
http://www.youtube.com/watch?v=ILOiRYfNcW8&feature=related
忌野清志郎「サマータイムブルース」
http://www.youtube.com/watch?v=htrz0AhEs8A&feature=player_embedded
忌野清志郎「原発賛成音頭」
http://www.youtube.com/watch?v=9V7l3fOMwYM&feature=related

もう一つだけ、どうしても紹介しておきたいのは、制服向上委員会というグループの「脱原発ソング」です。

制服向上委員会 「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」
http://www.idol-japan-records.net/live/index.html

この歌を知ったのは全くの偶然でしたが、かって忌野清志郎が勇をふるって歌った「反原発ソング」を、中学生と思われる本当に可愛い美少女グループが何のためらいもなく、「脱原発ソング」として、明るく軽やかに歌いきっている姿に、本当に驚愕しました。

制服向上委員会 「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」のような歌が、明るく軽やかに歌われるような時代になったのであれば、本当に「脱原発」も近い未来に実現可能かも知れない、と希望が湧いてきました。

しかし問題は、この運動を一過性のものにせず、全原発の「停止」「廃止」まで、いかにこのような運動を持続させ盛り上げていくか、だと思われます。

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<註> クローズアップ現代「原発事故と日米同盟」も重大な問題をはらんでいる放送だったので、「ショックドクトリン」や復興財源の問題とも併せて、これについても論じたかったのですが、又もや長くなりましたし、気力・体力も尽き果てました。次の機会にさせてください。

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放射能汚染地図(3)ー政府・東電は汚染されていない食物を福島へ送れ (さもなければ集団疎開を)

6.11 脱原発100万人アクション
http://nonukes.jp/wordpress/

写真集「チェルノブイリの子どもたち」
http://www.paulfuscophoto.com/#mi=2&pt=1&pi=10000&s=0&p=1&a=0&at=0
(あと10-20年後に、「フクシマの子どもたち」という写真集が出てくるのではないかと恐れています。)
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放射能汚染地図(2)-日本人の平均寿命は今後どうなるのだろう

写真集「チェルノブイリの子どもたち」
http://www.paulfuscophoto.com/#mi=2&pt=1&pi=10000&s=0&p=1&a=0&at=0
(あと10-20年後に、「フクシマの子どもたち」という写真集が出てくるのではないかと恐れています。)

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/8985.html
<チェルノブイリ原発事故は1986年です。日本もロシアと同じような平均寿命の落下をたどるのはないかと恐れています>



先月の日曜日(5月29日)から、体調が悪く、左耳の鼓膜が痛むだけでなく、異常に喉が渇き舌がもつれて巧く話せない状態になりました。

それで夕方には岐阜日赤病院に救急患者として診てもらいに行きました。歩き方もおかしいので、家人は脳の血管に問題が起きたのではないかと心配したようです。

救急診療ではなく正式に診てもらうために、翌日も日赤に出かけましたが、原因不明です。まだ偏頭痛の痛みが取れません。

しかし、6月1日のNHKクローズアップ現代で「漁業の町はよみがえるのか」という番組が放映され、それを見ていたら、どうしてもブログを書かなくてはという焦りを感じ、いまパソコンに向かっています。


その番組解説は下記のようになっています。

東日本大震災で壊滅的な被害を受けた三陸沿岸の水産都市。三陸沖という好漁場に集まる全国の漁船の水揚げ基地として、様々な関連産業が成り立ち、地域の経済を支えてきた。それだけに、水産業の復興なくして町の復興はないと、政府による計画を待つことなく独自に再生を急ぐ動きが出てきている。(以下、略)

そこで取りあげられていた復興策というのは、何と驚いたことに1人1万円の募金で10万人を目標にして10億円を集めて、漁具や漁船を漁民に提供し、そこでとれた海産物を資金提供者に還元して、漁業の復興を図るというものでした。

しかし、毎日のように大量の放射能汚染水を海に垂れ流している現状では、東北から関東にかけての太平洋岸で採れた魚介類は、ほとんど食用にはならないはずです。前回のブログでは、下記のグリーンピースによる調査を紹介しました。

Japan Expands Exclusion Zone around Damaged Nuclear Plant,
Greenpeace Calls for Radiation Investigation
http://www.democracynow.org/2011/5/16/headlines

この記事によると、「東電は3000トンもの高濃度汚染水を海洋に流し続けているにもかかわらず、汚染度を調査しようとすると、それを日本政府が妨害する」とグリーンピースの放射能専門家Ike Teuling氏は厳しく批判しています。

同じ件について、下記のラジオ「たね蒔きジャーナル」では、視聴者からの質問に答えて、小出裕章氏は次のように答えています。

<質問> グリーンピースの海洋汚染調査について、原発から50キロ離れている地点の海藻からキロ当たり1万ベクレル超の放射性物質が検出された。これをどうとらえるか?
<回答> 普通は海岸から1キロあたりですら検出できない。それが原発から50キロ離れている地点の海藻からキロ当たり1万ベクレルだから、これはとてつもない汚染。私ははじめから海の汚染を調べるためには海藻を調べるのが第一と言ってきた。海藻は逃げられないため汚染がよくわかる。海の汚染は、まず海藻、次に貝類、最後は魚を調べる。どうして海藻のデータを公表しないのかこれまで不思議に思ってきた。

<質問> 水産庁は放射性物質は魚に蓄積しないと言う。海洋学者は蓄積するという。政府の言うことは本当だろうか?
<回答> 私は海洋学者ではないが、濃縮すると思う。魚は回遊性のため、事故後すぐに濃度が高くなることはない。本来は海藻から調査すべきだった。だから、グリーンピースがまず海藻から調べているのは科学的だ。今後は海藻、わかめ、ひじきに猛烈な汚染が出てくる。魚に濃縮された放射能が現れるのは時間の問題であろう。

MBS(毎日放送)ラジオ「たね蒔きジャーナル」2011年5月31日(火)
http://www.mbs1179.com/tane/


海や川に流れ出た放射性物質が、どのような濃縮過程を経るかは、下記の図から明らかです。(この図は、広瀬隆2011『福島原発メルトダウン』朝日新書:104頁から取ったものですが、この本も必読だと思います)。

だとすれば、NHKクローズアップ現代で「漁業の町はよみがえるのか」という番組で、まことしやかに賞賛された復興策は、全く信じがたいものです。この番組を、かつて1954年のビキニ環礁における水爆実験でマグロ漁船=第5福竜丸が被曝したときの、次の記事と比べてください。

魚は半年後の方が危険だった、ビキニ環礁被曝事件の調査者が語る魚類の放射能汚染
http://www.tokyo-sports.co.jp/writer.php?itemid=13066

だとすれば、もはや東北関東の太平洋岸で採れた魚を食べる人は、ほとんどいなくなるでしょう。これを食べろと言うことは、「口蹄疫や狂牛病にかかった牛」の肉を食べろと言っているに等しいからです。

実は、これは農産物についても同じことが言えるのですが、被災者を救う道は他に探るべきなのです。(汚染水を海に垂れ流すことを止めさせることは当然のこととして)例えば次のような方策です。

(1)汚染されたものを食べようと呼びかけるのではなく、逆に汚染されていない農産物や海産物を東北・関東地方に届けて、住民の生命と生活を守ること
(2)国や自治体の力で住宅を用意し、高濃度の放射能に汚染されている地域の住民を一刻も早く集団疎開・集団移住させ、義援金や賠償金を「前倒し」して、それを一刻も早く被災者に届けること、ること
(3)それと同時に、将来の「被曝訴訟」に備えて被災地の住民全員に「被曝手帳」を配布し、いつ・どこで何日間いたかを記録させること、既に移住してしまっている人たちにも、移住先を追跡調査して、「被曝手帳」を必ず交付させること

チェルノブイリ原発事故でも、多くの人が生業を失いましたが、ソ連政府は被爆者を強制移住させるときに、「被曝手帳」を持たせ、「今すぐには健康に異常がなくても」、あとで発病したときに無料で治療が受けられる対策を取りました。

あの評判のよくないソ連でさえ、そのような対策を取っているのに、我が国では「直ちに健康に影響はありません」という声しか上から聞こえてこないのです。ソ連でさえ取った対策、やろうとした努力を、なぜ経済大国の日本が取れないのでしょうか。

(残念ながら、ソ連はアフガン戦争にかけた巨大な費用その他で自壊・分裂し、その約束を国として果たせませんでしたが、それでも上記のような努力をしたのです。そして,その約束の実行は、ウクライナなど新しく誕生した国に委ねられました。)

ですから繰り返しになりますが、NHKクローズアップ現代の番組は、私から見ると全く荒唐無稽なであるだけでなく、国民が現実を直視し次の対策へ大きく一歩を踏み出す力を奪うという点で、犯罪的ではないか、と思えてなりません。

せっかくETV特集「放射能汚染地図」という素晴らしい番組で、被災地の生々しい現実を伝え、やっと「NHK=大本営放送」という汚名を返上したかに思われたNHKでしたが、やはり「本質は変わらないのか?!」と深い溜息がでました。


ここまで書いてきたら、痛み止めのロキソニンを飲みながら書いているにもかかわらず、胸の痛みが続いていますので、今回はここまでにさせていただきます。

漁業だけでなく農業についても書きたいのですが、力尽きました。汚染された農地や学校のグランドをどうするのか、それらの対策費用=財源をどうするのかなどについても次回にさせてください。

<註> 今後この日本で何が起きるかは、下記の本を御覧ください。世界的に有名な写真家である広河隆一氏が自分の足で調べたチェルノブイリの記録です。

『暴走する原発、チェルノブイリから福島へ、これから起こる本当のこと』広河隆一 (小学館、2011/5/20)
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