Global "Occupy" Movement (3) ― 「原発いらない福島の女たち、100人の座りこみ」アクション、何と福島県内からの参加者は約200人!、三日間の参加者は合計2241人!



「座りこみアクション」締めくくりデモに1000人!!
http://www.labornetjp.org/
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<註> 以下では、英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねていますので、時間のない方は飛ばして読んでください。

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前回のブログでお知らせした「原発いらない福島の女たち~100人の座り込み」アクションは、29日の締めくくりデモに、支援者を含め1000人を超える人々が参加し、大成功のうちに幕を閉じました。

LaborNet Japanの記事によれば、3日間の参加者は合計2241人、そのうち福島県内からの参加者は約200人でした。経産省前の座り込みはさらに10月30日~11月5日の「全国の女たち」にひき継がれます。

詳しくは下記を御覧ください。写真もたくさん載っています。動画は準備中だそうです。
http://www.labornetjp.org/
(LaborNetTVの前回放送「TPPってなに?」。次回は11/3「福島の女たちのたたかい」、佐藤幸子さん・佐々木慶子さんの出演決定)
http://www.labornetjp.org/tv

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「原発いらない福島の女たち~100人の座り込み」アクションについては、Democracy Now!(2011/10/28)でも下記のように報じられています。

100 women from Fukushima have begun a three-day sit-in outside the Tokyo office of Japan's Ministry of Economy, calling for the evacuation of children from areas with high radiation levels and the closing of nuclear power plants in Japan.
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#12

上記では、座り込んだひとたちの要求は、「高濃度の汚染地域から子どもたちを疎開させること」と「原発を廃炉にすること」だったと述べられています。

同時に、Democracy Now!は、ノルウェー大気研究所の調査をもとにして、大気中に放出された放射能セシウム137の量は、「これまでの政府発表とは違って、その2倍だった可能性がある」と次のように報じています。

Study: Radioactive Release in Japan Twice as Large as Estimated
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#12

A new report out of Japan has found the Fukushima nuclear disaster released twice as much radioactive cesium-137 into the atmosphere as Japanese authorities estimated.

The Norwegian Institute for Air Research says the amount released was about 42 percent of the total from Chernobyl—the world's worst nuclear disaster. The study said about a fifth of the cesium fell on land in Japan, while most of the rest fell into the Pacific Ocean.

また上記記事では、放出されたセシウムの5分の1は地上に降り注ぎ、残りは太平洋に放出されたと述べています。

しかし大気中に放出された量が3万5800テラベクレル(政府発表は1万5000テラベクレル、テラは1兆)だとすると、その5分の1と言っても7500兆ベクレルとなり、これは想像を絶するほどの巨大な量です。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=apoCFkSY8_HU

このような高濃度汚染地帯に居住させておいて、いまだに「学童疎開」や「自主避難する権利」を認めようとしない政府の態度に、「ノーベル賞を何人も輩出した日本は何処へ行ったのか!?」と世界中のひとが首を傾げているに違いありません。

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しかも【パリ時事】によると、フランス政府系の放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は27日、調査報告書を公表しました。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011102800074

それによると、東京電力福島第1原発事故後の3月21日から7月半ばまでに海に流出した放射性セシウム137の総量は、2.71京ベクレル(1京は1兆の1万倍)で、東京電力が6月に発表した推計値の20倍に達すると推定しています。

今までも政府や東電の発表は嘘の連続でしたが、「またか!」という感を免れません。このブログで「国家は国民を守らない」と何度も書きましたが、それを改めて確認させられた気持ちです。

こんなことを繰り返していれば、イソップ寓話「狼と少年」のように、政府の言動は今後まったく信頼されなくなるでしょうし、斉藤和義の歌「ずっと嘘だった」がいつまでも名曲として歌い継がれていくことになるでしょう。

また上記のように海洋汚染が6月に発表された推計値の20倍に達しているとなると、太平洋岸の水産物は甚大な被害を受けます。そのうえ政府がアメリカに強制されてTPPなるものを受け入れて漁民から「漁業権」を奪い取るとなると、漁業の復興は絶望的になります。

また現在でも、福島原発から毎日のように汚染水が大量に海へと垂れ流され続けているのですから、この汚染は時間を追って広大な地域に広がっていくことは確実です。だとすると、世界が日本食ブームになりつつあるとき、日本では「日本食」が消え、世界からは海洋汚染への非難が強まってくるでしょう。何という皮肉!

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議事堂前を埋め尽くしたギリシャ市民
http://www.labornetjp.org/image/2011/1022giri/viewd


ところで、ニューヨークだけでなく世界中で「占拠」運動が広がっています。アメリカ流の経済運営、すなわちシカゴ大学のミルトン・フリードマンが唱えた新自由主義的「規制緩和」「市場原理主義」が、世界中に格差と貧困を拡大していることがよく分かります。

以下では、Democracy Now!(2011/10/28)で報道された各国のようすを紹介します。英語の部分を読み飛ばして、世界の雰囲気だけでも知っていただけたら有り難いと思います。

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ロンドンでは、セント・ポール寺院前の広場で「証券取引所を占拠せよ」という運動が展開されて14日がたっていますが、それを警察力を使って排除しようとする動きが出てきています。

しかし聖堂参事会の長 Giles Fraser氏は、その動きに抗議して辞任しました。「市民には抗議する権利があり、教会は平和的抗議に対して暴力で答えることはできない」というのが、辞任の弁でした。

St. Paul's Cathedral Moves to Evict Occupy London Stock Exchange Protesters
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#5

In London, St. Paul's Cathedral has announced it is seeking legal action to remove the Occupy London Stock Exchange protesters from its grounds 14 days after the protest began.

Earlier this week, the cathedral's canon chancellor, Giles Fraser, resigned because he was afraid police would use violence to rid the cathedral grounds of protesters.

Fraser said, "I cannot support using violence to ask people to clear off the land. It is not about my sympathies or what I believe about the camp. I support the right to protest and in a perfect world we could have negotiated... The church cannot answer peaceful protest with violence."

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黒人大統領が誕生しても、南アメリカ共和国の黒人の大多数は貧しいままに放置されています。首都ヨハネスブルグでは2000名の若者が鉱山会議所や証券取引所に向けて行進し、いまだに白人によって支配されている経済を抜本的に改革するよう訴えました。

参加者のひとりは「黒人は食べるための土地をもっていない。失業者をなくすためにも、農地改革こそ焦眉の課題だ。黒人も土地から得るものがあって良いはずだ」と訴えています。まるで日本における終戦直後の「農地改革」を思い出させるような訴えです。

Thousands of Youth Activists March for Jobs in South Africa
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#6

Economic protests continue across the globe. In South Africa, some 2,000 Johannesburg youths marched on the Chamber of Mines and Stock Exchange Thursday to deliver a petition demanding big changes to an economy still controlled by the white minority.

The marchers also called on President Jacob Zuma's government to do more to tackle the chronic unemployment blighting the continent's biggest economy.

Given Valashiya: "We're just reminding the president of the country to say, as the youth, we need jobs, you know, we need to gain in the economy. We also want to inform and say, you know, the issue of the land, it's important that we expropriate land without pay, so that those who are unemployed, they can also benefit on the land."

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パリでは民衆が、「格付け会社ムーディが、国家債務を勝手に『格付け』=『格下げ』してヨーロッパの経済危機を悪化させている」として抗議しています。

「労働者、退職者、失業者などを直撃するような政策を決めているのは各国の議会ではなく格付け会社だ」と運動の参加者は語っています。

French Protesters Rally Outside Moody's Credit Rating Agency
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#6

In France, demonstrators rallied outside Moody's credit rating agency in Paris on Thursday. Protesters said the firm is contributing to the worsening of the European economic crisis by cutting the ratings of countries' sovereign debts.

Protester: "Today we're here to contest the fact that it's the credit rating companies that decide the policy of European states. It's not up to them to decide, make decisions that will hit workers, the retired, the jobless, etc., etc."

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チリでは、Sebastián Piñera 大統領の辞任を要求して、激しい学生運動が続いています。

アメリカの後押しで、1973年の9月11日(どこかで聞いた日付では!?)にクーデターを起こした独裁者ピノチェト将軍は、拷問などの血なまぐさい方法で反対勢力を押し潰して長期政権を維持してきました。

しかし、1990年にピノチェトが退陣してやっと軍政から民政に変わりました。ところが2010年の選挙で百万長者の Sebastián Piñera 氏が大統領になってから、強引にアメリカ流の経済運営が再導入され、教育の市場化・貧困化などが深刻化しています。

その結果、数ヶ月にもわたって激しい抵抗運動が起きていますが、その中核になっているのが学生運動です。その指導者として最近、注目されるようになった女子学生Camila Vallejoは、次のように語っています。

「闘いは困難だが、政府が今の政策を続ける限り、政権打倒をも視野に入れた闘いを考慮せざるを得ない。私たちはより良い社会を目指して根本的変革を提起してきたが、それを実現するために、これまでの闘いの成果をふまえ、短期的・中期的・長期的な闘いを組む必要がある」

(催涙弾や放水車などで学生が弾圧されるようす、学生運動の顔Camila Vallejoの記者会見のようすは下記URLの映像を御覧ください。最初から8分あたりのところ)

Chilean Student Movement Predicts Downfall of Chilean President
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#6

In Chile, student protest leader Camila Vallejo predicted Thursday the movement will lead to the downfall of President Sebastián Piñera. The protesters say Chile's education system is profit-driven and provides poor instruction.

The billionaire Piñera is the first conservative president to rule Chile since democracy returned in 1990 after Gen. Augusto Pinochet's bloody dictatorship. In recent months, Camila Vallejo has emerged as the face of the student movement.

Camila Vallejo: "We are at a difficult time, knowing we have to resist with unity and trying to generate some fissures. But the fight will last much longer, and it's important to temper our expectations. We have very high expectations. We must think in terms of short, medium and long term, because what we've achieved as a movement is very nice. We've proposed deep changes, structural changes, to build a better society."

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<註> 教育の市場化・儲け主義の広がりは日本でも同じです。国立大学が民営化・法人化されて以来、教育予算が大幅に削減されました。成果主義・儲け主義が大学にはびこり、コンビニを経営する国立大学すら現れています。また英語教育の分野でも、ALT(英語指導助手)や小学校英語教師を英会話学校に「外注」することも増え、教育産業は大喜びです。「小学校英語」はこれが目的だったのではないかと思えるくらいです。ところが日本からはこれに対する怒りの声がほとんど聞こえてこないのが不思議です。

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原爆障害調査委員会(ABCC)と、その後身である放射線影響研究所(RERF)が、広島でおこなったと同じ「人体実験」を、福島でもおこなうつもりなのだろうか? ― 「自主避難」の地から寄せられた痛切なる思い、大きな怒り (下)

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緊急のお知らせ 「原発いらない福島の女たち~100人の座り込み」アクション
* 10月27~29日 「福島の女たち」、10月30日~11月5日 「全国の女たち」
* 経産省前女子会は、なんと10日間ぶっ通しの "Occupy" Movement!
* 都合のつく数時間だけでも大歓迎だそうです。詳しくは下記を御覧ください。
http://onna100nin.seesaa.net/article/228900129.html

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前回のブログでは、福島市から函館市に「自主避難」したSさんからいただいたメールを紹介しました。そして下記のように述べました。

<「下線を引いた部分の解説」を以下に載せるつもりだったのですが、これだけでも十分に長いので、それは次号にしたほうが良いと思うようになりました。次号をお待ちいただければ幸いです。>

そこで以下では、下線部の解説をしながら、いただいたメールにたいする私の感想・意見も述べていきたいと思います。

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1 “満州の「王道楽土」に送り込まれ、置き去りにされた民草の歴史”[註1]

私は福島原発事故が起きた直後のブログで、「現在の大手メディアの報道を見ているとアジア太平洋戦争中の状況に酷似している」と書きました。

それは、当時の日本では、「勝った!、勝った!、日本勝った!」と嘘・偽りばかりが国民に吹き込まれ、それ以外の報道がいっさい禁じられた事実があったからです。

また同時に、「国家は国民を守らない」とも書きました。

それは、傀儡国家の満州国に「五族協和」「王道楽土」を建設すると称して沢山の日本人を満州=中国東北部に送り込んでおきながら、戦争末期にソ連が中国北部から参戦してくるや、日本人を守るべきはずの日本軍が、国民を置き去りにしたまま真っ先に本土に逃げ帰った事実があったからです。

これは沖縄でも同じでした。国民を守るために存在していたはずの日本軍が、爆撃や銃撃を逃れるためにガマと称する洞穴に逃げ込んで来る島民を、「子どもや赤ん坊が声を上げたりすると米軍に見つかる恐れがある」という理由で、追い出してしまっただけでなく、集団自決まで強要しました。

現在の沖縄の状況も似たり寄ったりです。米兵による婦女暴行はあとを断ちませんし、米軍機がいつ落ちてくるとも限りません。沖縄国際大学に米軍機が墜落したときも、米軍は警察の取り調べさえ拒否して被害現場に入れませんでした。騒音被害も我慢の限界を超えています。そのうえ、いま新たな基地移転を強制されています。

原発の場合も同じですが、いつも本土の大都会に住むひとたちは、地方のひとたちに矛盾を押しつけて、押しつけられたひとたちの痛みに気づいていません。福島原発事故は、このような矛盾に気づく良い機会であるし、そのような機会にしなければ、「禍を転じて福となす」ことに結びつかないのではないでしょうか。

Sさんの “満州の「王道楽土」に送り込まれ、置き去りにされた民草の歴史” とは、以上のようなことを込めて書かれていたのだと私は解釈しています。

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2 “国際原発マフィアに、史上初の被曝人体実験の経過と結果を売り渡す算段をしている”[註2]

広島・長崎に原爆が落とされたとき、日本を占領した米軍GHQは、被曝に関する報道の一切を禁じました。その状況もまた、現在の日本によく似ていると言えます。このことも事故直後に書いたブログで指摘したとおりです。

しかし一つだけ違う点は、大手メディアが福島原発事故の状況や放射能汚染状況を正しく報道しなかったのは、あからさまな報道禁止命令があったわけではなく、むしろ「自主規制」「自己家畜化」という側面が強かったという点です。

もちろん東京電力・中部電力や日立・東芝・三菱などの原子力産業から多額の広告代をもらっているメディア業界が、あからさまに原発に対する批判記事を書いたり、その原発事故が引き起こす被害について報道することをためらったことは、想像に難くありませんが、それはメディアの自殺行為と言うべきでしょう。

民主主義は「三権分立」によって守られていると学校で習ったはずですが、「司法」が「立法府」や「行政府」(それを裏で支える原子力産業)によって牛耳られてきたことは、今回の原発事故をめぐる経過を見れば一目瞭然ではないでしょうか。

いわゆる「やらせメール」などによって世論を偽造していただけでなく、原発が地震や津波に耐える構造でないこと、「トイレのないマンション」と称されているように放射性廃棄物の処理すら見通しが立っていないことなど、科学的には敗訴になってしかるべきものを、司法=裁判所は一貫して擁護し続けてきたからです。

このような不正を暴き、「司法」「立法」「行政」を監視することが、メディアが果たすべき本来の仕事だったはずです。だからこそ、新聞やテレビは「第四の権力」とも言われてきたのではなかったでしょうか。

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しかし、この間、大手メディアは「国際原発マフィア」とも称されるIAEA(国際原子力機関)が果たしてきた役割についても、いっさい口をつぐんんできました。

IAEAが原発推進のために造られた機関であったことは、今では周知の事実ですし、チェルノブイリ原発事故の被害をできるだけ小さく見せることに心血を注いできたことも、多くの文献が指摘しているとおりです。(たとえば広河隆一『チェルノブイリから広島へ』岩波ジュニア新書)

しかも、チェルノブイリ原発事故の被害をできるだけ小さく見せることに大きく貢献したのが、何と!、原爆投下後に米国によって広島に造られ、「調査はするが治療はしない」ことで有名になったABCC(原爆障害調査委員会)と、その後身であるRERF(放射線影響研究所)でした。

ABCCは「調査はするが治療はしない」ことで有名になったように、広島や長崎の被爆者を「人体実験」の道具としてしか扱わず、その後身であるRERFの姿勢も基本的には同じでした。

ですから、国に被爆者として認定してもらうために被爆者が血のにじむような闘いをしていても、RERFの調査研究は何の助けにもならなかったのです。それどころかRERF理事長を務めた重松逸造氏は、水俣病の調査でもイタイイタイ病の調査でもスモン病の調査でも、一貫して企業と政府の側に立ち、被害者の願いを切り捨てる役割を果たしてきました。

IAEAは、以上のような経歴をもつ重松逸造氏に、チェルノブイリの被害調査を依頼しましたが、氏を団長とする国際諮問委員会は、見事にその期待に応えました。つまり逆に言えば、被爆地日本から来たというので希望に胸をふくらませていたチェルノブイリの被曝者たちの期待を、見事に打ち砕くことになったのでした。

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ところで、政府も福島県も、いわゆる「放射線管理区域」にも相当する高濃度地区に住む住民を「避難」「疎開」させるどころか、福島県立医科大学その他に、1000億円とも言われる莫大な予算を投じて、「被曝治療の拠点にする」という案を強力に推し進めています。IAEAの研究機関の誘致も進めるそうです。
‎http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20111003ddlk07040073000c.html

そんな莫大な予算を投じるくらいなら、なぜ一刻も早く福島の子どもたちや妊婦を避難・疎開させないのでしょうか。なぜ「自主避難」するひとにも「避難する権利」を与えないのでしょうか。なぜ悪名高い社会主義国ソ連でさえやったことを、日本政府ができないのでしょうか。

彼らは3年ぐらいかけて調査すると言っているようですが、その間に内部被曝の蓄積量はどんどん増加していくのです。

なにしろ新しく福島県立医科大学副学長になった山下俊一氏は、かつて福島県放射線健康リスク管理アドバイザーとして、「100mSvまで放射線を浴びても大丈夫。今まで通り子供を外に出して下さい」という趣旨の発言をして有名になった人物です。

ですから、莫大な金をかけてつくられる予定の医療施設が、かつて広島でつくられた研究施設ABCCとその後身であるRERFが果たしたのと同じ役割を(疫学調査という名の「人体実験」)、上記の研究機関が果たすのではないかと危惧されるのも当然なのです。

福島県立医大にはIAEAの研究機関の誘致も進めるそうです。国際機関と言えば「中立」の立場にあるように見えますが、IAEAは「世界の原子力産業の総本山」ですし、WHO(世界保健機関)も放射能被害の調査については、IAEAの了解なしに勝手に調査・研究を発表してはならないという「縛り」をかけられて、被曝傷害を小さく見せる役割を演じさせられてきました。

世界的にも有名な写真家である広河隆一氏は、「チェルノブイリ子ども基金」の責任者として旧ソ連の被爆者支援にも積極的に関わってきたひとですが、その広河氏が『DAYS JAPAN』の最新号(2011年11月号)で「IAEAはなぜ間違いを犯したか」という記事の最後を、次のように結んでいたのが印象的でした。

「徹底して原発事故の被害を最少に発表しようとするIAEAと、それに関係する学者たち。福島では彼らの調査が、県と国のバックアップで進められている。調査を拒否する人が多く出ることを望む。」

Sさんのメールで、政府や県は“国際原発マフィアに、史上初の被曝人体実験の経過と結果を売り渡す算段をしている”と書かれていたのは、以上のようなことが込められていたのだと私は解釈しています。

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<註> IAEA、RERF、ICRPなどが果たした役割について、さらに詳しく知りたい方は、下記を御覧ください。
* 「IAEAの素顔:世界の原子力産業の総本山」
広瀬隆・広河隆一(1991:156-172)『悲劇が進む、四番目の恐怖』講談社
http://www42.tok2.com/home/ieas/hirose_IAEA.pdf
* 動画 ジャネット・シェルマン博士「WHOとIAEA:チェルノブイリ、百万人の犠牲者」(カール・グロスマンによるインタビュー、字幕つき30分)
http://www.universalsubtitles.org/en/videos/zzyKyq4iiV3r/

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3 “「メンゲル山下」は副学長(実質的な学長)、しかし神谷は前科があるので(非常勤)の副学長”[註3]


 

Sさんのメールにあった“メンゲル山下”とは、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーとして、「100mSvまで放射線を浴びても大丈夫。今まで通り子供を外に出して下さい」という趣旨の発言をして有名になった、先述の山下俊一氏です。

元長崎大学医学部教授だった氏は、なんと!今は福島県立医科大学副学長になっていますが、市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」は、山下氏の上記の発言を重視し、アドバイザー解任要求の署名活動をおこなってきました。


また山下氏は、作家の広瀬隆氏とルポライターの明石昇二郎氏によって、「100ミリシーベルトまでは安全であると繰り返し、福島の人々に被ばくを強要させてきた」として、東京電力会長・社長等と併せて「業務上過失致傷罪」で刑事告発されていることでも、よく知られています。

さらに言えば、“メンゲル山下”における「メンゲル」という人物は、アウシュヴィッツで生体実験をした人物として有名ですが、ウィキペディアによれば、メンゲルという人物は下記のように解説されています。

<ヨーゼフ・メンゲレ(Josef Mengele, 1911年3月16日 - 1979年2月7日)は、ドイツの医師、ナチス親衛隊 (SS) 将校。第二次世界大戦中にアウシュヴィッツで勤務。収容所の囚人を用いておよそ学術的価値の認められ得ない人体実験を繰り返し行った。
 実験の対象者や、直ちにガス室へ送るべき者を選別する際にはナチス親衛隊の制服と白手袋を着用し、クラシックの指揮者さながらに作業にあたったと伝えられ、彼の姿を見た人々からは「死の天使」と恐れられた。>

また山下俊一氏と同じく福島県立医大副学長をつとめる神谷研二氏については、いただいたメールに紹介されている下記記事によれば、氏は次のような人物です。
http://arita.com/ar3/?p=4210

「今回の原発事故に際し、NHKでトンデモナイ発言を繰り返していた」「たとえば、3月23日、東京の水道水からヨウ素131が大量検出された時、飲用制限は子どものみでお母さんが飲んでも母乳には出ない等と説明していた」「が、その後母乳でも検出されたので根拠なしのウソ発言であることが明らかになっている」

また2006年7月9日の中国新聞「社説」によれば、広島大原爆放射線医科学研究所(原医研、広島市南区)、神谷研二教授(55)らのグループは「基準を超える放射性物質を使っていながら使用記録にウソの記載をしたり、遮蔽もせずに宅配便で放射性物質を送るなどの違法行為を繰り返していた」とのことです。

社説は「医の心と危険な放射性物質を扱う原点を忘れてはならないだろう」ということばで締めくくられています。詳しくは下記の社説を御覧ください。

中国新聞社説「原点を忘れていないか 原医研の違法行為」
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200607090064.html

Sさんからいただいたメールには、“「メンゲル山下」は副学長(実質的な学長)、しかし神谷は前科があるので(非常勤)の副学長”とありましたが、それには以上のような意味が込められていたのではなかったと私は思っています。

それにしても「メンゲル山下」とは言い得て妙!と、ただただ感心するばかりでした。福島県人の「自分たちは単なる医学用モルモットにされるのかも知れない」という恐怖感にぴったりの命名法だと思われるからです。
いただいたメールには、「しかし神谷は前科があるので(非常勤の)副学長」とありますが、ここで指摘されている「前科」とは上記のような事実を指すものと思われます。

しかし、いずれにしても、このような人物を「放射線健康リスク管理アドバイザー」として雇ったり県立医科大学の副学長にするという福島県の姿勢には、ただただ呆れるばかりです。

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下記のNHKドキュメンタリーでは、ABCCに命ぜられるがままに、被爆者を人体実験にして得た貴重なデータを、何の疑問もなく米軍GHQの言うとおりに米国政府に手渡していく日本の医学者の姿が、淡々と記録されています。

NHK広島「NHKスペシャル―封印された原爆報告書」
(2010年8月6日、2011/08/04再放送)
http://savechild.net/archives/6857.html

上記の番組は、かつて満州の地で中国人を生体解剖して得たデータを、密かに米国政府に手渡すことによって戦犯裁判を免れた「731部隊」の医学者たちを彷彿とさせるものでした(戦後、彼らの多くは国立大学医学部長などエリートの道を歩んでいった)。

今や「国営放送」「大本営発表」の機関と化したNHKが、よくぞこんな番組をつくったものだと思いますが、制作が原発事故が起きる以前の昨年8月であり、しかもNHK広島によるものだったからこそ可能だったのかもしれません。

Sさんからいただいたメールには、“「メンゲル山下」は副学長(実質的な学長)、しかし神谷は前科があるので(非常勤)の副学長”とありましたが、それには以上のような意味が込められていたのではなかったと私は思っています。

それにしても「メンゲル山下」とは言い得て妙!と、ただただ感心するばかりでした。福島県人の「自分たちは単なる医学用モルモットにされるのかも知れない」という恐怖感にぴったりの命名法だと思われるからです。

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4 津軽海峡を挟んでわずか20km先に建設中の、“Full Mox”の「大間原発」[註4]

「函館は大間原発の30km圏内」
http://hakodadi.iza.ne.jp/blog/entry/2291371/



青森県下北郡大間町にある「大間原発」がどこにあるかは、上記の地図を御覧ください。もし「大間原発」に事故が起きれば、津軽海峡を隔てて目と鼻の先にある函館がどんな被害を受けるかは、この地図で一目瞭然でしょう。

また、大間原子力発電所は、「軽水炉によるMOX燃料を利用する」ことが特徴です。いわゆる「プルサーマル計画」です。

このプルトニウムとウランの混合酸化物を燃料とする「MOX燃料」がいかに危険かは、全世界がプルサーマルからの撤退を決定していて、「残るは日本だけ」という実情からも明らかでしょう。

しかも大間原発では、この燃料のすべてをプルトニウム燃料に置き換える超危険な計画が推し進められています。これがいわゆる「フルMOX]です。

この「プルサーマル計画」の危険性については、下記の文献を御覧ください。ここには「プルサーマル計画の危険性」という節があり、①~⑤項目にわたってその危険性が詳細に述べられています。

広瀬隆・ 藤田祐幸 (2000) 『原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識』東京書籍

この本は一種の事典になっているのですが、図表・グラフが豊富に載せられていて分厚いわりには極めて理解しやすい叙述になっています。しかも各節が流れるように繋がっているので、物語のように読むことができます。

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ところで、いただいたメールには「今夜は函館に広瀬隆さんが講演に来たので、息子と拝聴しました。日曜の夜で風雨が強い中、320名の聴講者数」があったと書かれていました。さもありなんと思いました。私に力があれば広瀬講演を地元で企画したいと思っていたくらいですから。

今や「反原発の英雄」扱いされている小出裕章氏ですが、氏は「政治は嫌いだ」と言いながら、「大人は原発を許してきた責任があるのだから、1次産業を救うためにも福島を食べろ」と言い続けて、汚染食物だけでなく、汚染された瓦礫を全国に拡散させることにも、間接的に貢献しました。

原発を許してきた責任として汚染食物を大人が食べなければならないのであれば、「汚染された瓦礫も全国で引き受けなければ」という流れになるのは、ある意味で当然とも言えるからです。しかし、こんなバカなことを許せば、食物だけでなく土壌や空気の汚染が全土に拡散していくことは、すこし考えれば誰でも分かることではないでしょうか。

つまり小出氏は「政治は嫌い」だと言いながら、実は自分の言動が極めて大きな政治的影響を与えているのに、それに全く無自覚であるように私には見えます。これは、「学童疎開」「自主避難する権利」についても、全く同じです。

インターネットで「たね蒔きジャーナル」を注意深く聞いていても、「子どもを救え」ということはよく聞こえてきましたが「集団移住」ということばを氏から聞いたことはありません。しばしば聞こえてくるのは「移住したあと老人は孤独感に陥ることが多いから・・・」といった反対方向のつぶやきだけでした。

それに引き替え、広瀬隆氏や広河隆一氏は、国や県が動かないので、福島で汚染濃度を測定するセンターを起ち上げたり、「学童疎開」「集団移住」などを求める発言と行動を積極的に展開しています。俳優の山本太郎氏も「サテライト疎開」と称する学童疎開のために奔走していると聞いています。

小出氏について書いていると、どんどん長くなっていきますので、ここでいったん切ります。いずれ氏の「原発責任論」をきちんと論じたいと思っているのですが、締め切りが決まっている翻訳のことがあったり、頼まれた講演の準備に時間が取られて、なかなか宿題が果たせません。どうかお許しください。


前回のブログで紹介したメールの「謎解き」をしているだけで大変な長さになってしまいました。しかし、Sさんからいただいたメールが、それだけ示唆してくれるところの多いものであったからだと考えています。私のつたない[謎解き」を念頭において、Sさんからのメールを、もう一度ぜひ読み直していただければ有り難いと思います。

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「非情」の福島市、「情け」の函館市 ―とてもきれいな市営住宅を、優先的に1年間は無料で貸してくれた!! 「自主避難」の地から寄せられた痛切なる思い、大きな怒り (上)

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動画:「子どもの疎開」求め裁判闘争、郡山でデモ
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1255 (約6分)
動画:福島の親が「自主避難する権利を求めて」意見陳述 原子力損害賠償紛争審査会
http://www.youtube.com/uniontube55?gl=JP&hl=ja#p/u/1/ugWhQZcIdAU (約3分)


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私が組織している英語教育研究会の、かつて会員だった教師の夫君から下記のようなメールが届きました。読んでいると、「自主避難」をしているひとたちの苦悩が痛いほど伝わってきます。

これは私ひとりが死蔵しておくべきものではなく、もっと多くのひとに読んでいただくべきものだと考え、ブログへの転載許可をお願いしました。本人から快諾を得ましたので下記に転載させていただきます。

(ただし私信であるので歴史的社会的背景を知っていないと分かりにくいところもあるように思いますので、註が必要だと思われるところに下線を引き、註番号を入れました。また固有名詞は仮名に替えてあります。)

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前略、狐狸庵先生

お体の具合はいかがですか。病を押して更新なさっているブログをいつも興味深く拝読させて戴いています。

我が家は、とうとう家族分散です。9月末に私と二男が北海道函館市に引っ越してきました。家内は、福島に残留という形になりました。家族ばらばらの生活は寂しいのですが・・・。
 国や県が「安全・安心」「微量の被曝は大丈夫だ!だから留まれ!」と言いだしたら、満州の「王道楽土」に送り込まれ、置き去りにされた民草の歴史を紐解き[註1]、「絶対に、逃げろ」です。
 普段は、差し障りのないことしか言わない作家の五木寛之が終戦(敗戦)記念日にNHKで同じ事を自分の経験を示唆的に述べていたのを記憶しています。

私は、5月に長男がこちらの高校へ転校するために函館市入りしたのを皮切りに、津軽海峡超えは半年で都合5回目です。
 函館市は、良心の欠片(かけら)もない腐った福島県や福島市とは違い、放射線を科学的に恐れる福島市民に対して、一時避難に雇用促進住宅を提供して、二次避難の現住所の市営住宅[とてもきれい]を、函館市民の入居希望者を飛び越して、優先的に1年間は無料で貸してくれました。
 一時避難の雇用促進住宅に夏休みに家族で「保養」のために18日間入居した際には、3日間は、入居準備の「繋ぎ宿泊」として地元の湯川温泉に「無料」3泊4日3食付で泊めていただきました。これこそが、困っている人間に対する「情け」ではないかと思います。
 3月からあちらこちらに「自主避難」した際の出費は二百万に及びそうです。東電にはきっちり支払って欲しいものです。

憲法25条にのっとり、国家は放射能の脅威からすべての県民の健康を守らなくてはならない義務があるのですが、すべて「経済活動」優先で押し通すつもりです。かくも非情な仕打ちに加え、国際原発マフィアに史上初の被曝人体実験の経過と結果を売り渡す算段をしている[註2]のはまさに鬼畜の所業そのものです。

マスコミは事故当初から社会の「木鐸」であることを忘れ、国家の「番犬」に成り下がったのですが、それでは飽き足らず、ひたすら「風評被害」を喧伝して止みません。
 マスゴミに追い銭はくれてやりたくないので、6月には、学生時代から購読していた「朝日」に三行半(みくだりはん)を突き付けました。外野で、毎時2μ㏜もある野球場で高校野球予選を強行して、「美談」を売り物して稼ぐ極悪ビジネスに「正論」を期待するのは無理です。

今ただ一つ信じられるメディアは「ネット」の反骨心が旺盛であるブログやサイトです。先生の紹介するものと重なるものが多いのは「やはり・・・」という感慨があります。

今晩は、私の近況を報告するだけで短く切り上げようとしているのに、長くなってきたのでこの辺で止めます。
 いったん書き始めると気の遠くなるほどの思いに駆られ、「報道されない真実」に言及したくなりますが、次は、「出・福島記」ということでメールを送りたいと思います。

参照:現福島県立医大副学長・神谷研二について
http://arita.com/ar3/?p=4210

たぶん福島市では私が4月初旬に「経歴」を発見してメールで拡散したのですが、当時はまだ、山下・高村・神谷=100ミリシーベル・キチガイトリオは「県放射線管理アドバイザー」であったのです。
 現在、“メンゲル山下”は副学長(実質的な学長)、しかし神谷は前科があるので(非常勤)の副学長[註3]、というのが福島県の巷間で語られる認識だと思います。
 この事実を「朝日新聞」は知っていて、「まずいのではないか」と思いながらも記事にはしなかった。その後、山下大先生の「朝日がん大賞」受賞という事件がありましたが、これは狂気の沙汰でしかありません。

草々

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拝復、狐狸庵先生

前回のメールをブログに掲載して戴いて結構です。そこで、最近インパクトが大きかったことを少し書き足しておきます。

函館市職員から教えてもらった避難者数は、福島県から(ほとんどが放射線の不安から)87世帯222人だそうです。

被ばく線量は、「100ミリシーベルト/年」までは安全としている「朝日新聞」の調査によると、県民の34%が避難希望。小中学生を持つ家庭は50%です。福島は広い県ですから、3.15以降の高濃度汚染の影響が小さかった猪苗代湖以西の会津地方の方々はそれほど「危機感」はないのであると思われます。

よって県を南北に縦貫する東北新幹線と東北自動車道沿いの人口の多い都市、南から白河市・須賀川市・郡山市・二本松市・福島市・伊達市は、あくまでも推測ではありますが、避難希望は過半数、小中学校がいる世帯のそれは四分の三を超えるだろうといっても過言ではないでしょう。ただし、県内に避難希望をする人がいるのですが、大方は空間線量のみに傾注して、内部被曝を考慮しない知識の乏しい結果ではないかと思えます。

実際こちらに引っ越してくる数日前にご近所のSさんから、隣に県北地方(伊達郡)のホットスポットから引っ越してきた世帯がいる話をしていたこところ、丁度その一家が車で帰ってきました。小学生3人兄妹だけでも悪夢を見ているようで痛ましいので、私は「なんで放射線管理区域に越してくるのか」とSさんにつぶやいたら、なんと奥さんが車からヨッコイショと降りてきたのです。「身重」だったのです。慨嘆していいのか憤慨すべきなのか同情すべきなのか?極めて悩ましい複雑な心境に心が引き裂かれる気分でした。Sさんは、「ここから出て行く人(=私のこと)もいるのに・・・」と吐き捨てるような口調で言いました。

このような、あってはならない「非日常」を何度も目の当たりにしながら「日常生活」を重ねていくと、私たち福島県民の人間らしい感覚は麻痺し理性的な判断は鈍り、「人権」を諦めてしまうのでしょうか。

こちらに来れば、完璧ではないけれど自分の子供の健康は守れますが、寝る前は、毎晩「一刻も早く学童疎開(希望者だけどもよいから)が叶うように」と祈っております。福島県民よ「蜂起してデモろう!!」

P.S 今夜は函館に広瀬隆さんが講演に来たので、息子と拝聴しました。日曜の夜で風雨が強い中320名の聴講者数は、フクイチ事故から津軽海峡をはさんでわずか20km先に建設中の、“Full Mox”の「大間原発」[註4]に対する危機感の表れでしょう。

草々

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以上が、いただいたメールの全てです。そこで「下線を引いた部分の解説」を以下に載せるつもりだったのですが、これだけでも十分に長いので、それは次号にしたほうが良いと思うようになりました。次号をお待ちいただければ幸いです。

関連記事

Global "Occupy" Movement (2) 【怒りの統一行動日 October 15】 その日、世界はどう行動したか:

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音楽と動画1 【10・15 Global Revolution】♪共に世界を変えていこう(約4分半)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=bdFMfEbRHJw
音楽と動画2 【The Times They Are A-Changin'】♪時代は変わる(ボブ・ディラン、3分)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=KzmpFwCfscE


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<註> 以下では、英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねていますので、時間のない方は飛ばして読んでください。

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前回のブログで私は「ウォール街の近く“Liberty Plaza”に集った若者たちは、“OCCUPY TOGETHER”という呼びかけを全世界に向けて発信し始めました」と書きました。

その世界一斉行動日が10月15日(土)だったのですが、17日(月)のDemocracy Now!によれば、世界中で1500都市で行動が起こり、米国内でも100都市で「占拠」がおこなわれました。

この日、世界で最大のデモが起きたのは、スペインの首都マドリード「太陽の門」広場の50万人でしたが、ベルルスコーニ大統領のスキャンダルが発覚したイタリアでも、20万人が首都ローマを埋め尽くしました。

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Hundreds of Thousands Protest Around the World in Solidarity with Occupy Wall Street Movement
http://www.democracynow.org/2011/10/17/headlines#0

Hundreds of thousands of protesters took to the streets Saturday in the October 15 Global Day of Rage inspired by the Occupy Wall Street encampment. Protests reportedly took place in 1,500 cities worldwide, including 100 cities in the United States.
  The day's largest protest took place in Italy, where more than 200,000 took to the streets of Rome. While the protests were peaceful around the globe, in Rome some people set cars ablaze and broke the window of banks and shops, sparking the country's worst riots in a decade. News reports said that some of the 12 arrested for the riots were believed to belong to right-wing soccer fan groups, while others were linked to anarchist groups.



(上記の動画[約1分]は写真はスペインの首都マドリード「太陽の門」広場を埋め尽くした50万人の集会。ここでベートーヴェン第9シンフォニー大演奏がおこなわれました。そのようすは下記URLで御覧ください。約4分半)
http://www.youtube.com/watch?v=lNGsluNF6p4&feature=player_detailpage

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米国では、主要大都市で「占拠」がおこなわれ、同時に多数の逮捕者も出ています。シカゴで175人、アリゾナで100人、ニューヨーク市で92人、ローリー(ノースカロライナ)で19人、デンバーで19人、ワシントンDCで19人、などです。

首都ワシントンDCでは、キング牧師の大きな彫像の落成式が同時におこなわれていたのですが、プリンストン大学の名物教授コーネル・ウエストは、この式典に参加したあと、最高裁判所前の階段に座り込んで、逮捕されました。

コーネル・ウェストは大略、次のように演説しました。強力な拡声器の使用が禁じられているので、彼の演説はフレーズ毎に区切られ、そのフレーズを参加者が復唱することによって全体に伝えられていきました。それが逆に参加者の連帯感を強めていました。

「最高裁はしばしば企業の貪欲さに荷担してきた」「キング牧師は何度も逮捕・投獄されながら社会の不公正と闘ってきた」「私もここに座り込むことによって米国のみならず世界のOccupy Movementと連帯したい」

コーネル・ウェストはニューヨーク“Liberty Plaza”で演説したときは、「大手のメディアは、『ここに集まっている連中は単なる浮浪者の集団で、要求も全くバラバラだ』とか言っているが、そんなことは全く気にする必要はない」「そもそもこれだけ社会が腐敗しているときに、要求が一つだけに収まるはずがない」と言っていました。

日本の大手メディアにも聞かせてやりたいことばではありませんか。

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他方、俳優のダニー・グローバーは、カリフォルニア州オークランド市のOccupy Oaklandに参加して、次のように熱弁を振るいました。

「皆に訴えたい。我々は民主主義を取り戻さなくてはいけない」「単に取り戻すだけでなく、それを造りかえなければならない。それをより良いものに改造しなければならない」「現在の民主主義は失敗している。企業の金儲けに奉仕し、我々の生活と地球を破壊するような民主主義はもう御免だ」「我々は民主主義を取り戻し、それを民衆のための、民衆による民主主義に造りかえなければならない」

いま私が翻訳している『Voices of a People's History of the United States』に登場する人物のひとりを、ダニー・グローバーは舞台で「Dramatic Reading」しています。しかし、オークランドでも演説は、それよりも遙かに迫力に満ちています。やはり目の前の現実にたいする怒りのほうが、はるかに勝っていました。


(写真の左は黒人俳優として有名なダニー・グローバー、右はプリンストン大学の名物教授コーネル・ウェスト)
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<註> 演説がフレーズ毎に区切られ、そのフレーズを参加者が復唱することによって全体に伝えられていく方法は、ニューヨークの“Liberty Plaza"の集会で、アンプ付きマイクを禁じられたマイケル・ムーアが初めて試みた方法ですが、今やあちこちで多用されるようになっています。これはいわゆる「シャドウイング」に近いものですから、彼の演説は英語教育の教材としても最適ではないでしょうか。

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ダニー・グローバーとコーネル・ウェストの「演説内容」および「演説のようす」に興味がある方は、下記URLをクリックすると、詳しく視聴することができます。

Danny Glover, Cornel West Speak Out at Occupy Protests as MLK Memorial is Dedicated in D.C.
http://www.democracynow.org/2011/10/17/danny_glover_cornel_west_speak_out

In the United States, police arrested hundreds of people over the weekend at demonstrations and occupations inspired by Occupy Wall Street. Arrest totals include: 175 in Chicago; 100 in Arizona; 92 in New York City; 19 in Raleigh, North Carolina; 19 in Denver; and 19 in Washington, D.C., including Princeton University Professor Cornel West, on the steps of the Supreme Court.
  West was arrested shortly after attending the dedication ceremony for the new Rev. Dr. Martin Luther King, Jr. Memorial. We also go to California, where actor and activist Danny Glover addressed Occupy Oakland.

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東京でも六本木、渋谷、新宿の3か所で集会とデモおこなわれましたが、そのようすは大手メディアでも報道したところがあるようですから、ここでは詳細を省きます。

どの新聞が、どのように報じたかは、下記の "OCCUPY TOKYO" ホームページ、Labor Net TVのホームページで読むことができますので、興味のある方は、そちらを御覧ください。
http://occupytokyo.org/ja/forum/index
http://www.labornetjp.org/news/2011/1318904762827staff01

この "OCCUPY TOKYO" は、スペイン、イタリア、ギリシャ、オーストラリアなどの主要都市で起きている大規模な占拠と比べれば、「占拠」とは言えず、単なる集会とデモであり、規模も小さなものでした。

とはいえ、9月16日の「6万人集会」が線香花火に終わるのではないかと危惧していた人々にとっては、今後に明るい兆しを感じさせるものでした。

しかし、もう一つの明るいニュースは、どうも本当の「占拠」が福島の女性たち100人によって始められるという知らせでした。下記のHPによると、福島の女性100人を中心に、経産省前で10月27~29日(木~土)3日間、毎日10~15時、座り込みをします。
http://onna100nin.seesaa.net/article/228900129.html

HPの冒頭には下記のような日程が書いてありました。ニューヨークを初めとして、世界中の「占拠」しているひとたちにも、ぜひ知らせてあげたい "Big News" ではないでしょうか。

原発いらない福島の女たち
 10月27~29日「福島の女たち」
 10月30日~11月5日「全国の女たち」
 経産省前女子会は、なんと10日間ぶっ通しです!
 

また、呼びかけ文には下記のように書いてありました。彼女たちの熱気が伝わってきます。詳しくは上記のHPを参照してください。

<100人集めるの、どんだけ大変なんだろ~と思っておりましたが、実は、募集チラシが完成する前から既に、34人の女たちがフライング・エントリー(@_@;)。歴史を変える(かもしれない)100人の女たちに加わりたい方は、大至急、申込書を書いてください。>

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<註> 上記の情報を調べているうちに、「脱原発をめざす女たちの会」が発足し、キック・オフ集会!を下記の日程で開く予定であることを知りました。

日時:11月23日(水・祝) 開場 午後1時  開演 午後1時30分
場所:座高円寺2(杉並区立杉並芸術会館地下2階)
JR中央線高円寺駅北口徒歩5分

「呼びかけ人」「賛同者」を見ると、実に多彩な有名人が参加していて驚かされました。詳しくは下記サイトを御覧ください。それにしても、世は「女の時代」ですね。男であることが恥ずかしい!!
http://datsugenfem.web.fc2.com/

関連記事

Global "Occupy" Movement (1) 【東京を占拠せよ!OCCUPY TOKYO!】 のお知らせ


音楽と動画 Hello Wall Street
http://vimeo.com/29327621


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チュニジアの民衆蜂起がエジプトに火をつけ、それがスペインやギリシャにまで燃え広がり、それが「ウォール街を占拠せよ」となって全米に拡大してしています。

そしてウォール街の近く「Liberty Plaza」に集った若者たちは、“OCCUPY TOGETHER”という呼びかけを全世界に向けて発信し始めました。
http://www.occupytogether.org/

その呼びかけに応えて、日本でも各地に集会が開かれ始めていますが、明日15日(土)には東京でも“OCCUPY TOKYO!”を合い言葉に、3カ所で集会とデモが開かれるようです。

私の方は、Howard Zinn &Anthony Arnove『Voices of a People's History of the United States』の翻訳・校正・索引の作成などに時間をとられて、以下のお知らせをするのが遅れてしまいました。あまり時間がありませんが、お手すきの方はぜひ御参加を!
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<註> 世界の各地でどんな動きがあるかは下記の地図で確認してください。地図を拡大すれば、東京以外にも動きがあることが分かります。
http://www.meetup.com/occupytogether/

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【TOKYOを占拠せよ!】OCCUPY TOKYO!
http://occupytokyo.org/ja/



日時:2011年10月15日(土)
集合時間:12:00
出発時間:12:30
終了時間:13:30
集合場所:日比谷公園 中幸門(なかさいわいもん)
交通:地下鉄丸ノ内線・千代田線「霞ヶ関」、地下鉄日比谷線「日比谷」下車徒歩2分、JR「有楽町」下車徒歩8分
※日比谷公園内は非常に広い為時間に余裕を持ってお越し下さい。
下記地図を印刷してお持ち頂くと便利です。
主催:OCCUPY TOKYO/オキュパイ・トウキョウ
<デモ行進コース>
日比谷公園→東京電力本社前→経済産業省→日比谷公園
(所要時間:1時間程度)
できれば、自分の主張を書いたプラカードをご持参ください。
テーマは今自分が気になっている事など日本や世界中の人々にアピールしたいものをお書き下さい。
雨の可能性もあるので、その場合はビニール傘の内側に主張を張り付けるのも効果的です。

詳しい情報は下記のFacebookでも見ることができるようです。
Occupy Tokyo | Facebook
http://www.facebook.com/OccupyTokyo
カテゴリ - オキュパイ・トウキョウ
http://occupytokyo.org/ja/forum/index

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<註> レイバーネットTVでは、下記のように六本木「オキュパイ・トウキョウ」を生中継するそうです。
 10月15日「ウォール街を占拠せよ!世界同時アクションin 東京」の六本木の様子を、レイバーネットTV「チャンネル2」で生中継します。15日(土)12時~13時半の予定。中継サイト・
http://www.ustream.tv/channel/labornet02
イベント内容
http://www.labornetjp.org/EventItem/1318486407722staff01

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【TOKYOを占拠せよ!】OCCUPY TOKYO!
2011/10/15 オキュパイ・トウキョウ「世界同時アクションin 東京」(東京・六本木)
http://occupytokyo.web.fc2.com/index.html



■ 「ウォール街を占拠せよ!」世界同時アクション in 東京
■ 強欲資本主義にNO!
■ 貧乏人はカネも権力もないけど仲間はいるぞ!集まるぞ!  ■■ 
■  http://occupytokyo.web.fc2.com/index.html     ■■■■■■
●日時:2011年10月15日(土)12:00~13:30(予定)
●場所:六本木・三河台公園
    ※地下鉄六本木駅から徒歩3分
※強雨・暴風雨の場合は中止、小雨決行。天候の状況に応じた開催の有無は随時
ツイッターおよびウェブで告知しますのでご確認ください。
●ウェブサイト:http://occupytokyo.web.fc2.com/index.html
●ツイッター:@occupy_TOKYO
■呼びかけ:
「ウォール街を占拠せよ! 世界同時アクションin 東京」実行委員会
★連絡先 メールアドレス:u-shoko@jca.apc.org
更に詳しいことは下記を参照してください。
http://www.parc-jp.org/teigen/2011/occupytokyo20111015.html

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■[反貧困/反富裕][イベント紹介]
10・15「怒れる者たち」の世界同時行動に連帯を!
http://d.hatena.ne.jp/Ryota1981/20111009/1318172611

<アクティビスト・園良太の日記>
このかん本当に色々ありました、それはまたすぐあらためてお知らせします。お世話になった皆さま、本当にありがとうございました!



取り急ぎお知らせです、この日は都内他の場所でもアクションがありますよね。http://occupytokyo.org/ja/ 盛り上げていきましょう!!

10月15日(土曜)14時・新宿柏木公園  15時・デモ出発
10・15 「怒れる者たち」の国際連帯行動実行委員会

生きる権利を取り戻せ! 
新自由主義グローバリズムの暴力にNO!
デモと広場の自由を!
弾圧にやりかえせ!
10・15「怒れる者」たちの世界一斉行動に連帯して、ともに街へ出て行動しよう!
声を上げよう!

関連記事

ウォール街を占拠せよ(下)― 「仕事」を失って、代わりに得たのは「占拠」だった! "Lost my Job, Found an Occupation."

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音楽と動画1 (約1分半) 「胸を衝くプラカードの標語」 ”Sign Language”
http://vimeo.com/30221816

音楽と動画2(約2分半) 「俺たちは99%」 "We Are The 99 Percent"
http://vimeo.com/29511960

 
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<註> 以下では、英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねていますので、時間のない方は飛ばして読んでください。

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前回のブログで紹介しましたが、ニューヨークで勢いを増している「ウォール街を占拠せよ」運動に、5日、労働組合と学生が加わり、米国史上で最大規模になりました。フォーリー広場から(「リバティ広場」と呼ばれるようになった)ズコッティ公園まで、数万人がデモ行進を行いました。

"Occupy" Protests Grow Across the U.S., Reported Gatherings in 847 Cities
http://www.democracynow.org/2011/10/7/headlines

Parallel actions inspired by New York City's "Occupy Wall Street" continue to spring up across the United States. As of Friday morning, the website "Occupy Together," a hub for nationwide events in solidarity with "Occupy Wall Street" reported gatherings in 847 cities.

参加者の要求は多様ですが、共通しているのは「我々99%の民衆は、1%の超富裕層による『ワシントンDC(米国政府)の占拠』を許さない」という点で共通していました。それはニューヨークを越えて全米847都市に広がっています。

この水曜日の運動は翌日の首都ワシントンDCにおける自由広場(Freedom Plaza)を占拠する運動(the "October 2011" protest)に合流しています。全国から続々とワシントンDCに駆けつけましたが、カンザスから参加した女性のプラカードには次のように書かれていて注目を浴びました。

"Lost my job, found an occupation."
「仕事」を失って、代わりに得たのは「占拠」!
http://www.democracynow.org/2011/10/7/headlines

On Thursday, activists kicked off the "October 2011" protest by occupying Freedom Plaza in Washington, D.C. As in New York City, demonstrators have come to D.C. from across the country, and some are taking part in their first-ever political demonstration. One woman who traveled from Kansas held a sign that read: "Lost my job, found an occupation."

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我々99%の民衆の声を聞け!!


この「ウォール街を占拠せよ」デモ行進に対し、運輸労働者組合(TWU)、全米看護師連合(National Nurses United)、サービス従業員国際連合( SEIU 1199支部)、ニューヨーク教員連盟(the United Federation of Teachers)などを含む複数の労働者組合が一緒になって支持を表明しています。

"We Have Come Together": Inspired By Occupy Wall Street, Unions Join Activists for Historic March
http://www.democracynow.org/2011/10/6/we_have_come_together_inspired_by

5日のデモで、大きな部分を占めていたのは学生でした。教育予算削減に抗議し、「ウォール街を占拠せよ」への支持を表明するため、「全国学生授業ボイコットの日」が実施されました。ウェブサイトのOccupyColleges.orgによると、ニューヨーク市の多くの学校をはじめ、全米の75校でボイコットが行われました。

"We Have Come Together": Inspired By Occupy Wall Street, Unions Join Activists for Historic March
http://www.democracynow.org/2011/10/6/we_have_come_together_inspired_by

しかし、この集会で特徴的だったのは、組織労働者と大学生が手を取り合ってニューヨークを行進していたことです。というのは、かつて41年前、ベトナム反戦運動が全米で展開されたとき、ブルーカラーの労働者たちは、大学で繰り広げられた徴兵拒否の運動に対して「愛国心を忘れたお坊ちゃん学生の野郎どもがアメリカを敗北に導いている」として激しい敵意を燃やし、肉体的暴力をふるったこともあったからです。

つまり皮肉なことに、「1%の貪欲なウォール街の住人」が、かつて敵対していた労働者と学生を団結に導いたのです。DemocracyNow!で、エミー・グッドマン(Amy Goodman)と一緒に協同司会者を務めているフアン・ゴンザレス(Juan Gonzalez)は、5日づけ のNY Daily News紙で、それを次の記事で詳しく説明しています

Once Enemies, Now They March Together: Organized Labor Expected to Join Wall Street Protest
http://www.nydailynews.com/ny_local/2011/10/05/2011-10-05_once_enemies_now_they_march.html#ixzz1ZwD8R4q6

Organized labor will serve notice today on the bankers and the politicians that the young protesters of Occupy Wall Street speak for millions. The labor rally will signal just how far unions have come since that infamous day 41 years ago, when bands of construction workers rampaged through the Financial District and City Hall.

ヘルメットをかぶった肉体労働者たちが金融街と市役所前で暴れ回った、あの41年前の不名誉な日から、「なんと遠くに来たもんだ」"how far unions have come since that infamous day !" と、フアン・ゴンザレスは感慨深げに語っています。

日本でもそんな日が来るのでしょうか。(しかし、そんな日が来るということは日本も末期的状態になるということで、考えてみれば恐ろしいことです。)
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上記のゴンザレスの記事で、もう一つ興味深かったことは、バックパックと寝袋を持って、カタソークア、 ペンシルベニア州(Catasauqua, Pa)からニューヨーク 「LibertyPlaza」 にやって来た20歳の若者たち (Colin Muth & Taylor Anderson)の言ったことばでした。

彼らは「貧富の格差を埋めるためにここに来た」「授業料が払えなくて公立短大(community college)を退学せざるを得なかった」「ここに来たのは、どうしたら占拠できるのか、その方法を学んで、自分の街でも占拠できるようにしたいからだ」と言っています。

もっと驚いたことは、「家を出る前に両親に「占拠」のことを言ってここに来たのか」という質問に対して、「もちろん」「行って勉強してこい、と親父は言った」と答えていたことでした。

There was, for instance, the wide-eyed couple newly arrived yesterday from Catasauqua, Pa. Colin Muth and Taylor Anderson, both 20, were clutching backpacks and sleeping blankets under their arms.

"We came because we've got to do something to reduce the wealth gap," Muth said. "I had to drop out of community college because I can't afford it," Anderson said. "We're here to learn how this is done so we can go back home and occupy Bethlehem.

"Did they tell their parents before they left home? "Sure," Muth said. "And my dad said, 'Go for it.'"
http://www.nydailynews.com/ny_local/2011/10/05/2011-10-05_once_enemies_now_they_march.html#ixzz1ZwD8R4q6

米国の公立短大(community college)は4年制の州立大学よりも授業料が安いのです。私がカリフォルニア州立大学で日本語を教えていたとき、そこの外国語学部長でさえ、「自分の息子をまず地元の公立短大(community college)に入れ、そこを卒業させてから名門バークレー校に3年生編入させた方が安くつく」と言っていたので、驚いたことがあります。

しかし今では、その安い公立短大(community college)の授業料すら払えない家庭が増えていることを、このことは示しています。

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ウォール街が引き起こした米国流経営の破綻=「金融崩壊」と「公的資金による "1%"(Wall Street)の救済」は、米国だけでなく全世界に壊滅的打撃を与えましたが、IMFによる破綻回避政策は、庶民を路上に放り出すもので、事態をさらに悪化させる役割しか果たしていません。

チリでもギリシャでも怒りに駆られた学生・労働者・民衆が、「アラブの春」や「ウォール街を占拠せよ」運動に刺激を受け、大挙して街頭に出ています。

チリでは、公教育の破壊に抗議する多くの学生にたいする厳しい弾圧で、この何ヶ月間も緊張状態が強まる一方でしたが、木曜日、首都サンチャゴでは、数万の学生たちが、高圧放水砲や催涙弾をものともせず、広場を目指して行進しました。

Clashes Erupt as Thousands of Chilean Students Protest
http://www.democracynow.org/2011/10/7/headlines

The stand-off over public education in Chile has intensified with the largest police crackdown on massive student protests in months. On Thursday, police used water cannons and tear gas in an attempt to remove protesters from a main plaza in the capital, Santiago. Tens of thousands of students had marched to the plaza after talks broke down with the Chilean government.

ギリシャでは250万人を擁する二大労組が全土を覆う「24時間のゼネラルストライキ」を呼びかけて、汽車・学校・裁判所などが機能停止という展開になっています。病院も緊急要員に頼らざるを得ない状態です。

Greeks Stage General Strike Over Austerity Cuts
http://www.democracynow.org/2011/10/5/headlines

In Greece, tens of thousands of people have begun a 24-hour general strike in response to deeply unpopular austerity cuts. Trains, schools and courthouses have been crippled by the mass walkout, while hospitals have been forced to rely on emergency staffing. International travel has been halted and public transportation slowed down. The strike was called by Greece's two main labor unions, which represent some 2.5 million workers.

IMFによって押しつけられた財政緊縮政策(首切り、賃金削減、福祉と教育の切り捨てなど)に対する、民衆の怒りの大きさがよく伝わってきます。「元々は米国の摩訶不思議な金融商品を、政府・財界が騙されて買った結果として起きた財政難なのに、それをなぜ庶民が払わなければならないのか」という怒りです。

日本でも、政府・電力会社・大手メディアによって、庶民が騙されて原発賛成に追い込まれたのに、「復興税」と称して、そのツケを庶民が払われようとしているのですから、事情は全く同じです。その怒りが「9.16の6万人集会」になったわけですが、このような1回だけの大集会では、電力会社や野田内閣はびくともしないでしょう。彼らは皆の熱が冷めるのを待っているだけですから。

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<参考> ニューヨークのSouth Bronxを拠点に活動している、兄弟の ヒップホップデュオ=レベル・ディアス(REBEL DIAZ)は、5日のLower Manhattanでの「ウォール街を占拠せよ」に参加しました。彼らは、「占拠」の中心地であるズコッティ広場(LibertyPlaza)に向かってBroadwayを歩きながら、全米に広まりつつある運動についてつくった曲「俺たちは99%」を披露してくれました。


WE THE 99 PERCENT(動画2分半)
http://www.democracynow.org/2011/10/6/bronx_hip_hop_duo_rebel_diaz
関連記事

ウォール街を占拠せよ(上)―民主主義の新しい展開 「“水平”民主主義」


音楽と動画1:

Occupy Everything from socially_awkwrd on Vimeo.

音楽と動画2:
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1243

音楽と動画3:
http://www.occupytogether.org/
前回のブログ<註1>で私は次のように書きました。

<非常に皮肉なことですが、ニューヨークの国連本部に世界各国から続々と人が集まり、イランに拘留されていた米国青年二人の釈放が報じられた丁度そのときに、黒人死刑囚トロイ・デイビスの死刑執行がおこなわれたのでした。
 元大統領Carter、元FBI長官William Sessions、元ジョージア州矯正局長官Allen Aultなどが、デイビスの死刑中止を求めているのに、不思議なことですが、黒人大統領オバマ氏は、国連の会議中も、それ以前にも、デイビスについて一言も言及していません。
 しかも、この国連でオバマ氏が熱弁をふるったのは、デイビスの命を救うためではなくイスラエルを救えという演説でした。オバマ氏にとっては、イスラエルによって毎日のように土地を奪われ、命を脅かされているパレスナ人や、チョムスキーが「生きた監獄」と呼んだガザ地区は、全く気にならないようです。>

しかし、もう一つ皮肉だったのは、ニューヨークの国連本部に世界各国から続々と人が集まり、イランに拘留されていた米国青年二人の釈放が報じられた丁度そのときに、ウォール街の近くのズコティ公園“LibertyPlaza”では「ウォール街を占拠せよ」"Occupy Wall Street" という集会が連日のように開かれ、若者たちがそこで寝泊まりするようになっていました。

本当は前回のブログでそのことも書きたかったのですが、どんどん長くなっていきますし、いま翻訳している『Voices of a People's History of the United States』の初校締め切りも迫ったいたので、やむなく断念しました。一昨日、初稿原稿を出版社に送りましたので、やっと "Occupy Wall Street" について書くことができるようになりました。

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ところで私は前回のブログで次のようにも書きました。

<私は、英語を学ぶ目的の一つを「日本を米国のような国にしないために、英語を学び・米国を知ること」としました。
 このようなことを私が痛切に思うようになったのは、米国流の経済運営を真似た「小泉流の規制緩和」が日本に導入され、派遣社員と首切り・路上生活者が日本に蔓延するようになってからでした。
 今も米国流の経済運営が大手を振って歩いていますし、英語=経済力という理由で小学校から英語が導入され、大学でもTOEICなどの外部試験が英語学習の本道であるかのような主張さえ見かけるようになっています。
 鳩山内閣で若干の修正があるかと思っていたのですが、菅内閣を経て、現在の野田内閣は、民主党でありながら小泉内閣と何ら変わらない路線に復帰しつつあるように、私には見えます。大企業と金持ちの減税、福祉と教育の削減、庶民増税と賃金削減などもオバマ政権と同じです。>

ブログで上記のように書いたところ、「アメリカは世界一の経済大国なのに、そこで路上生活者が蔓延しているなんて信じられない」という便りをいただきました。

数々の賞を受けたマイケル・ムーアの映画『Roger and Me』や『Sicko』などで、米国の貧困ぶりは詳しく描かれていますし、堤未果『ルポ貧困大国アメリカ』I, II(岩波新書)もベストセラーになりましたから、このことは多くの日本人にとって周知の事実だと思っていたのですが、どうもそうではないようです。

しかし今回のブログでは、最新の「アメリカ貧困事情」ではなく、いま進行しつつある "Occupy Wall Street" について書きたいと思います。(最新の「アメリカ貧困事情」については、近いうちに紹介するつもりです。小出裕章氏の「原発責任論」「大人は福島を食べろ」という論についても書きたいので、心が千々に乱れてしまいます。)

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昨日(10月3日)のDemocracyNow!は、3週目を迎えた"Occupy Wall Street" について次のように報道しています。

ブルックリン橋で700人逮捕:
3週目の「ウォール街を占拠しよう」は全米に拡大
700 Arrested on Brooklyn Bridge
as Occupy Wall Street Enters Third Week, Protests Grows Nationwide
http://www.democracynow.org/2011/10/3/700_arrested_on_brooklyn_bridge_as

これを読むと、史上最大の逮捕者を出しているにもかかわらず、「占拠」キャンペーンはシカゴ、ボストン、ロサンゼルスといった他都市にも拡がっており、ロサンゼルスでは数百人が市庁舎前で抗議のキャンプをしていることが分かります。

以下はその記事の要約です。

 ニューヨーク金融街で行われている「占拠」運動は、ブルックリン橋を行進しようとしたとき劇的な展開を迎えた。
 警察官が700人のデモ参加者を逮捕したことで、運動は近年で最も多くの逮捕者を出した非暴力運動の一つとなった。
 「警察官に車道におびき寄せられた」と語る人や、「歩道を歩け」との警察官の指示は聞いていないと述べる人もいた。
 一方、同様の「占拠」運動は、シカゴ、ボストン、ロサンゼルスといった他都市にも拡がっており、ロスでは数百人が市庁舎前で抗議のキャンプをしている。

  The "Occupy Wall Street" protests in the financial district took a dramatic turn on Saturday when protesters tried to march across the Brooklyn Bridge.
  When police arrested 700 of the demonstrators, the event quickly turned into one of the largest arrests of non-violent protesters in recent history.
  Some protesters claim police lured them onto oncoming traffic on the bridge’s roadway; others said they did not hear instructions from police telling them to use the pedestrian walkway.   Meanwhile, similar "Occupation" protests have spread to other cities, including Chicago, Boston and Los Angeles, where hundreds of protesters are now camped out in front of City Hall.
http://www.democracynow.org/2011/10/3/700_arrested_on_brooklyn_bridge_as

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今日(10月4日)のDemocracyNow!の下記報道によれば、事態はさらに発展してきています。
http://www.democracynow.org/2011/10/4/headlines

米国では大きな勢力をほこっている労働組合SEIU(Service Employees International Union)の医療部門が「占拠」運動を支持する声明を発表し、泊まり込んでいる若者たちの食料援助をおこない、警官によって暴行された若者の救急医療の仕方を教えるため組合員=看護婦を派遣するとまで言うようになってきています。

また米国では大きな勢力をほこっている、もう一つの労働組合TWU(Transport Workers Union of America)のNW支部もこの運動を支持し、前日に警官が700人も逮捕して市営バスで留置場に運んだような行為の「一時差し止め」を求めて、組合所属の弁護士たちが動き出したことを伝えています。

というのは、NYPD(ニューヨーク市警)は、少なくとも市営バス3台を使って、逮捕した若者を留置場に運んだからです。

  In New York City, the ongoing protest against corporate greed and economic inequality known as "Occupy Wall Street" is entering its nineteenth day with increasing union support.
  On Monday, the SEIU 1199 healthcare workers union issued a statement of support for the demonstration promising to help feed protesters and send nurses to train those providing first aid.   The healthcare workers union joins the Transport Workers Union members in New York City in supporting the growing movement.
  On Monday, attorneys for the TWU attempted to obtain a temporary federal restraining order to prevent the police from commandeering buses operated by its members to ferry protesters who had been arrested.
  Over the weekend, the NYPD used at least three city buses to transport some of of the more than 700 protesters arrested attempting to cross the Brooklyn Bridge.
http://www.democracynow.org/2011/10/4/headlines

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この「占拠」運動に参加している若者Tony Murphyは、the Bail Out the People Movementというグループの一員ですが、DemocracyNow!のインタビューに答えて次のように述べています。
http://www.democracynow.org/2011/10/4/headlines

「ニューヨーク市警や市長のBloombergに言いたいのは、「占拠」運動に干渉するな、若者に対する脅迫や逮捕をやめろ、ということだ」
「この占拠運動の中心になっているLiberty Plazaは、有名な金融会社Goldman Sachsの目と鼻の距離にある。誰かを逮捕したいんだったら、ウオール街の金融取引場へ行って、そこにいる連中を逮捕しろ。奴らこそ、老人たちの家を奪い路上に放り出したり、彼らの年金を奪った張本人ではないか」
「彼らこそ米国の金融危機をつくりだし民衆を苦しめている張本人なんだから、逮捕するだったら俺たちではなく奴らだろ」

  "We’re here to say that the NYPD and Mayor Bloomberg has to keep their hands off "Occupy Wall Street," stop harassing them, stop with the mass arrests.
  Liberty Plaza, which is the center of "Occupy Wall Street," is a stone’s throw away from Goldman Sachs.
  If they want to arrest somebody, they should go down to Wall Street, down to the Stock Exchange and arrest the people who are busy clearing out elderly people from their homes, hurting people’s pensions.
  These are the people who are really hurting people and should be arrested."

同報道によれば、明日の水曜日は労働組合も大きな行進を企画しているだけでなく、それを支援するために、City University of New York、New York Universityなど、ニューヨーク市内の主要大学もストライキに出るということですから、情勢はますます緊迫しつつあります。

The unions and protesters are gearing up for a large march on Wednesday that will be bolstered by walkouts at major universities in New York City, including City University of New York and New York University.
http://www.democracynow.org/2011/10/4/headlines

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日本でも福島原発事故から6ヶ月をむかえた9月11日(日)および9月19日(月)は全国で大きな集会が開かれ、9月19日(月)の東京集会では6万人という、かつてない大集会となりました。しかし他方では9月11日(日)の集会・行進で、「素人の乱」などの若者ら12人が逮捕されるという事件も起きています。

しかし逮捕するのであれば、福島原発事故という大災害を引き起こし、東日本を中心として農業・漁業を壊滅状態にしただけでなく、多くの被爆者をいまだに生み出し続けている東電や政府の役人こそ、逮捕すべきでしょう。

ところが、広瀬隆さんたちが刑事告発したにもかかわらず、それを放置したまま、逆に俳優・山本太郎の刑事告発を受理するという珍事までも起きています。

(広瀬隆さんたちは東電や政府の役人たちを告訴していますが、裁判所の裁判官は告訴していません。しかし地元住民が訴訟を起こしても「原発は安全だ」としてそれを許可した裁判官も、私には全く同罪に思えます。)

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これに関連して、今日(10月4日)のDemocracyNow![Headlines] は、もう一つ面白い報道をしています。

それは、この「ウォール街を占拠しろ」運動が、アメリカ全土どころか世界中に大きな反響を呼びつつあるというニュースです。

下記の英文報道にあるとおり、この運動は「Austin, Texas」「 Knoxville, Tennessee」「Chicago, Illinois」「Denver, Colorado」「some two dozen other locations in Florida and California」など全米で多くの都市で新たな民衆蜂起を促しつつあります。

ボストンでは先週の金曜日からDewey Squareに1000名もの民衆が集まり、そこにテントを張って無期限に抗議活動をする許可さえ勝ち取ったというのだから驚きです。

そして同報道によれば、更に、この運動は米国を越えて、Canada, Australia, Japan, Mexicoなど他国にも広がりつつあるというのです。ここに日本も入っていることに小さな驚きと大きな喜びを感じました。

Occupy Wall Street-Inspired Protests Spring Up Around the Country, World
http://www.democracynow.org/2011/10/4/headlines

  Similar occupation demonstrations are springing up in cities around the country from Austin, Texas; Knoxville, Tennessee; Chicago, Illinois; Denver, Colorado; some two dozen other locations in Florida and California, and more.
  In Boston, as many 1,000 demonstrators gathered in Dewey Square last Friday, where they have been permitted to set up tents, many planning to stay indefinitely.
  Protests have also been organized internationally in Canada, Australia, Japan, Mexico and others.

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しかし、元々この「占拠」運動は、チュニジアの若者による抗議自殺で民衆蜂起が起き、それに刺激を受けたエジプトで若者たちが「タハリール広場」を占拠してムバラク独裁政権を倒したことに触発されたものでした。

それが米国に飛び火し、現在に至ったわけですが、ここで興味深いのは、この「占拠」運動が上下のない、ゆるい連帯を目指しており、リーダーのいない「水平民主主義」を目指しているという点です。

敢えて統制をとることをしないため、全体ミーティングの最中にも、公園の別の場所では、即興ジャズ演奏が行われ、それに合わせて踊る人々もいるといった具合です。このようすは次のHP動画で見ることができます。

「アラブの春」NY版〜ウォールストリートを若者が占拠
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1243

この動画を見ていたら、いま翻訳している『Voices of a People's History of the United States』の中に収録されている「Battle in Seatle」を思い出してしまいました。

これは、世界中の農業を破壊し貧富の格差を押しつけるWTO政策と、その開催を阻止するために、米国全土だけでなく世界中からSeattleに結集した民衆の声を記録したもので同名の映画にもなっています。

この運動は、結局はWTOの開催を阻止し、新しい運動のあり方を世界に示すものとして非常に注目されました(しかし、そのあとすぐに911事件が起き、せっかくの運動は、発展の芽を潰されてしまったのでした)。その運動形態がいまニューヨークで展開されているものと全く同じだという気がしたのです。

というのは、この動画には、3000平方メートルほどの広さのLiberty Plaza(正式名称Zuccotti Park)には、メディア・ステーション、キャンプ・ステーション、フード・ステーション、プラカード置き場/見せ場、インフォメーション・ブースなどが設置されており、各自が自分の持ち場で思い思いに過ごしていると様子が出てくるからです。

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この「水平民主主義」の運動形態は、かつて2001年にアルゼンチンがWTOやIMFの勧める「規制緩和」政策の結果、財政破綻をしたとき、「銀行の打ち壊し」「工場占拠」「労働者による工場経営」などの民衆蜂起が起こり、それが原型になったと言われています。その結果、今ではアルゼンチン経済は立ち直っています。

私たちが、上記の「水平民主主義」から学ぶ点は極めて大きいのではないでしょうか。「無知蒙昧な民衆にものごとを任すと混乱が起こるだけだ」と、よく言われますが、アルゼンチンでも、タハリール広場でも、Seattleでも、NewYorkでも、全く別のことが起きています。自由の中に秩序が、秩序の中に自由が生まれているのです。

(上記の事実は、制服検査に明け暮れ、生徒との関係を悪化させ、授業崩壊の原因をつくり出している高校で、考え直す視点を与えてくれているのではないでしょうか。)

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それはともかく、映画監督のMichael Mooreや、アインシュタインがいたことで有名なプリンストン大学の名物教授Cornel Westも、この「占拠」の拠点Liberty Plazaに駆けつけて応援のスピーチをし、若者の喝采を浴びていました。日本では考えられないことです。

"Something Has Started": Michael Moore on the Occupy Wall St. Protests That Could Spark a Movement
http://www.democracynow.org/2011/9/28/something_has_started_michael_moore_on

Cornel West on Occupy Wall Street: It’s the Makings of a U.S. Autumn Responding to the Arab Spring
http://www.democracynow.org/blog/2011/9/29/cornel_west_on_occupy_wall_street_its_the_makings_of_a_us_autumn_responding_to_the_arab_spring

これらについても書きたいことが多くあるのですが、もう長すぎますので、ここでいったん筆をおくことにします。
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<註1> この「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」というHPには、様々な情報が詰め込まれていて、興味が尽きません。時間のあるひとは下記を御覧ください。
http://www.occupytogether.org/


<註2> 暴力は絶対に使わない平和的な運動を掲げており、催涙ガスをかけられても絶対に非暴力を貫こうと呼びかけているところも、Seattleの運動と全く同じでした。(Seattleでは一部の集団が店の窓ガラスを割る場面もあり、それをメディアは大きく報道しましたが、警察が内部に潜り込ませた連中のしわざではないかと言われています。) 
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出典:http://tanakaryusaku.jp/2011/05/0002365

<追記> DemocracyNow!によれば、この運動が既に東京にも飛び火しているそうですが、東京のLiberty Plazaはどこに出現するのか、興味のあるところです。

ただし日本では、既に5月23日、児童の被曝許容量を20mSvとした通達の撤回を求めて福島の父母たちがバス2台を連ねて上京し、関東一円から駆け付けた親たちも一緒になって文科省を包囲し、交渉を後押ししたという実績があります。
http://tanakaryusaku.jp/2011/05/0002365

福島からバス2台を連ねて上京した父母たちが通されたのは文科省の中庭でした。「会議室はどこも塞がっている」というのが文科省の口実で、しかも高木文科相は本会議、政務三役は不在を理由に交渉出席を拒否しました。

被曝許容量「20mSv」撤回求める福島の父母を、雨の中、コンクリートに座らせた文科省でしたが、福島の父母らの鬼気迫る追及に、うなだれるばかりの渡辺・原子力安全監でした。

このような交渉の結果、「年間1mSvを目指す」という回答が後日だされることになったわけですが、いまだに福島のひとたちは「除染、除染」の大合唱のなか、高濃度の汚染地区から脱出できないまま放置されています。

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Author:狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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