食卓にあがる放射能、仙台の大手米卸「ケンベイミヤギ」産地・銘柄を不正表示、文科省「放射線量低く見せろ」要求に応じず解約になったオンライン線量計


新しく現れた日本調ラップ「脱原発ソング」

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Howard Zinn &Anthony Arnove『Voices of a People's History of the United States』の翻訳=再校が思うように進まなくて、なかなかブログに割く時間が取れません。

初校のときに訳の不備を直したつもりが再校でまた新たな不備が見つかり、単に「誤字脱字」だけを点検すればよいと思っていたのに、思わぬ時間を取られています。11月いっぱいに原稿を返送するつもりだったのにまだ終わっていないのです。

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アメリカでは相変わらず「占拠運動」が続き、カリフォルニア大学デービス校ではストライキが提起されていていますし、日本でも経産省前のテント村の「座りこみ」が続いています。冬空に向かう時だけに本当に頭が下がります。

ところがアメリカではオバマ大統領が、ブッシュ氏のイラク攻撃と同じような謀略を用いて、イラン攻撃に乗り出す雰囲気を漂わせていますし、大阪市長選挙では橋本氏当選という不穏な雲行きが日本を覆っています。

ですから、書きたいことは多いのですが、私の方に精神的肉体的ゆとりがないので、最近(といっても、今となってはかなり前になりますが)いただいたメールを紹介し、簡単なコメントだけで今回は終わらせていただきます。

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さて10月23日(日)に、函館に自主避難した読者からいただいたメール“「非情」の福島市、「情け」の函館市、「自主避難」の地から寄せられた痛切なる思い、大きな怒り”を紹介しました。

また10月25日(火)には、その解説として “原爆障害調査委員会(ABCC)と、その後身である放射線影響研究所(RERF)が、広島でおこなったと同じ「人体実験」を、福島でもおこなうつもりなのだろうか?”を載せました。

その「解説」に関して下記のメールをいただき、その10日後に「追伸」をいただきました。そこで、いただいたメールと追伸を一括して以下に紹介します。

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拝復、狐狸庵先生

私の怒りと嘆きの「謎解き」にお時間をとらせて申し訳ありませんでした。「ブログ」という随筆のようなものでも、読者の知識レベルを配慮なされるのにはただ敬服するのみです。私の拙文に時間を割いてお疲れになり病気が悪くなることが懸念されます。ご自愛のほどよろしくお願いいたします。

次回は、いかに「私信」といえども、読む人にとって親切で分かりやすいものを送りたいと思います。お忙しいところとんだ道草を食わせてしまって申し訳ありませんでした。

放射能に関しては、福島の人間同士だとかなり踏み込んだ内容の会話でも、「注釈」は要らないぐらいに個人で熱心に勉強している人が多いのですが、他の都道府県に行くと我ら福島県人は「対岸の火事」の被害者にすぎず「お気の毒ね」と同情をしてもらうのが常です。
 
でも、私は「日本人全員が被害者ですよ。加工食品の原料・産地・製造工場に注意を払いますか」と切り出し。「知らないうちに食わされ内部被曝しています。国家を挙げての殺人です」と畳み掛けます。

さて、福島の昨年までの名産(特に桃・りんご・なし・かき・ぶどう等)を使った加工食品、缶詰・ジュース・ジャム・菓子パン等は危険です。原材料生産地が「不明」もしくは「国産」のみの表示は「チャンポン」が多く、福島の「市場に出回らなかった」果物がいかほど入っているかわかりません。口にしないで下さい。

今年は台風等で落下しなくても「落下果物のブローカー」が大もうけしているとの話を聞きました。「実害」に苦しむ観光農園等から二束三文で買い叩いてトラックで運んで製造工場でギュット絞って100%果汁に化けるのでしょう。これは「産地偽装」ではなく、従来からある「格落ち品」の流通システムなので「規制」をかけることができるのは、農家と企業の「良心」しかないのが現状でしょう。

農民として国の甘すぎる「暫定基準値」などあてにしないで、「危ないものは出荷できない」という「矜持」をもっている福島農民もいますが、国や県の無策ゆえに、自分の生活を守るために、そのような「矜持」を失った福島農民も少なくありません。

ですから彼らにそれを期待するのは無駄と諦めています。いまや果物や野菜を梱包するダンボールは、あらゆる産地のものが入手可能であるそうです。ああ『八百長国家』!!

<追伸>

人工放射線に強い人間なんて誰もいません。

私の方は、あまり気をお使いにならないでください。先生の体調に差し障りのない範囲で結構です。家内はブログで福島の本音が発信されることに満足し喜んでいます。

茨城県は、かなりやられているはずなのですが、3月からずっと放射線被害の実態について報道される頻度が低かったために県民の警戒心が薄いと察します。

我が家では3月から福島・茨城・栃木・宮城・群馬・千葉・東京・静岡・埼玉・山梨・岩手の南部地方産という表示がある野菜・果物は一切購入していません。これは、勘の鋭い福島のお母さん方に伺っても同じでした。

つまり我が家の「用心」だけでなく、政府の発表を信じてない県民の『常識』であると思います。それでも「偽装」されているのではないかと怯えて食生活していたのもぜひお伝えください。

茨城や東京であっても、線量が高いところがあります。もし可能なら、お子様だけでも、ぜひ疎開されることを祈念いたします。

なお、食品については元NTVの記者であった、木下黄太氏のブログが大変参考になると思います。http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/c/28437a365885c2ef56b77f094706d3da

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以上が、函館からいただいたメールと追伸です。

私は「福島県を食べよう」などと呼びかけていると、そのうち日本中が汚染食品にまみれてしまう」と書き続けてきました。

ところが、いただいたメールにも同じことが書かれていて気を強くすると同時に、私が言うよりも福島県人から直(じか)に言ってもらう方がはるかに迫力もあり説得力もあることを実感しました。

そこで、このメールをブログで紹介しようと思ったわけですが、その矢先に、下記のような情報が目に飛び込んできました。

メールで書かれていたことが、そのまま今日の新情報として載っていましたので、これは紹介せずにはいられないと思った次第です。

【食品】仙台の米卸大手「ケンベイミヤギ」産地や銘柄を不正表示、福島県産のコシヒカリやひとめぼれを宮城県産と表示して販売した疑い
http://savechild.net/archives/12920.html、2011年11月29日

【食品】福島県伊達市の米から基準超の放射性セシウムを検出、旧月舘町地区1,050ベクレル/kg、旧小国村地区780ベクレル/kg(9kgが販売済み)
http://savechild.net/archives/12889.html、2011年11月29日

【食品】厚労省11/28公表の茨城県と千葉県の水産物の検査結果、ほぼ全ての品目でセシウムを検出、最高値城県日立市沖のマダラ104ベクレル/kg
http://savechild.net/archives/12914.html、2011年11月29日

この水産物については、11月27日(日曜日)にNHKのETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図4:海のホットスポットを追う」が放送されました。海にもホットスポットが存在することがわかり、生体濃縮がはじまっていることを示しています。

「放射能汚染地図4:海のホットスポットを追う」
http://savechild.net/archives/12898.html、2011年11月29日

この映像を見ていただければ分かりますが、千葉県銚子沖でさえ、高濃度に汚染されているところが見つかっています。これはずっと以前に予測されていたことです。

福島原発を終息させるために絶えず水をかけ続けているわけですし、それを海に垂れ流し続けているわけですから、水産物が汚染されないはずがありませんし、その対策を東電任せにしているかぎり、汚染は深刻化する一方でしょう。

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アメリカの石油会社BPがメキシコ湾沖で石油掘削の爆発事故を起こし、沿岸漁業を壊滅状態に追い込んだことがありましたが、このときのオバマ政権の対応も、政府として責任ある対応をするのではなく、すべてBP任せにしました。その結果、被害がいっそう深刻化したのでした。

そのとき「汚染対策をBPに任せても汚染を小さく見せることにしか金とエネルギーをかけないから、BPを救うのではなく、倒産させてその資産で被害者に補償すべきだし、汚染対策も政府が責任を持って当たるべき」という強い意見がありました。しかしオバマ氏はBPを救う道を選びました。

アメリカでは「Occupy Movement」が全土に広がっていますが、「共和党も民主党も、1%を救うことにしか関心がない。99%の俺たちは切り捨てられている」という怒りがその原動力になっています。その一例がBPのメキシコ湾沖における石油掘削の爆発事故でした。日本の民主党政権もまったく同じ道を歩んでいるように思います。

汚染水を海に垂れ流すことをくい止めるためには「原子炉建屋の地下にたまった汚染水を巨大タンカーで新潟県にある東電の貯蔵施設に運べばよい」など、幾つかの案が以前から出されているのですが、東京電力は費用削減のためか、一向に取り組む様子が見られません。

また現場で働く作業員の被曝量も尋常ではありません。

ですから、東電は「倒産」させて、その資産で被害者に補償すべきですし、原発の終息作業も、政府が責任をもって有能な人材を全国から集め、一刻も早く迅速な対応を進めるべきなのです。

ところが政府の目は「再稼働」と「原発輸出」にしか向いていないようです。それを証拠づけるような事件が最近ふたつもありました。

【放射線】数値が高く出ることに怯えた文科省は、線量計の数値が低く出るよう仕様変更することを強硬に要求(事実なら記者会見を!そして600台の落札額も知りたい)
http://savechild.net/archives/12809.html、2011年11月27日

【汚染】原発から飛散した放射性物質は東京電力のものではない(セシウムはだれのものか、という所有権ではなく、責任の問題では?)
http://savechild.net/archives/12871.html、2011年11月28日

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最初の事件は、政府の目が国民を救うことではなく、「再稼働」と「原発輸出」にしか向いていないことを絵に描いたような事件でした。その詳報は下記を御覧ください。

関連:文科省「放射線量低く見せろ」、要求に応じず解約になったオンライン線量計
http://www.j-cast.com/tv/2011/11/24114166.html?p=4、11月24日

このことが示している最大の問題点は、文科省が発表している放射能の線量は人為的に操作され、低く出るようにせよとメーカー側に要求し、それを飲まなければ切るという理不尽とも思えるやり方をしていることです。

朝日新聞は、「測定精度が低く、結果の送信ができないなどのトラブルで納期が守られなかったためと説明している」ようですが、相変わらず御用新聞ぶりを発揮していることが、上記の記事でよく分かります。

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さて2番目は、福島県二本松市の「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」が、8月に放射性物質による汚染の除去を求めて仮処分を東京地裁に申し立てたという事件とでした。。

この会社が検査機関に依頼して検査したところ、13日には1キロあたり23万5千ベクレルの放射性セシウムが検出され、17日には芝や土から1キロあたり98ベクレルの放射性ストロンチウムも検出されたそうです。

これだけ汚染されているにもかかわらず、東京地裁(福島政幸裁判長)「営業に支障はない」と判断し、賠償請求も退けました。

私はゴルフというのは「森林破壊」だと思っていますので、この企業にあまり味方はしたくないのですが、それでも、この判決は「裁判所は国家や大企業を守る機関だ」ということを明確にさせたという意味で貴重な判決ではなかったかと思います。

それより、もっと驚いたのは東電の主張でした。「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東電は除染に責任をもたない」。

やはり東電は「倒産」させて国家管理するしかないようです。

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<追記> アメリカの民衆は "Wall Street Bailed Out, Main Street Sold Out"「金融街の連中(1%)は庶民の税金で救われたが、税金を出している俺たち民衆(99%)は家を奪われて売り飛ばされた」と、全土で行進し「占拠」しています。
 他方、新しく大阪市長に当選した橋本氏は、政策を見ている限り、非常な右派でありながら民衆の要求を先取りするふりをして見せるという点で、アメリカで言えば、Tea Partyに近い人物だと思います。
 橋本氏は教育政策でも、学校に競争や市場原理主義を持ち込むという点で、 "No Child Left Behind"(落ちこぼしゼロ」政策)を掲げたブッシュ氏に似ていますが、オバマ大統領はそれをさらに「チャータースクール」へと押し進めて教育の貧困化に拍車をかけています。
 しかし民主党とオバマの政策に愛想をつかしたアメリカ民衆は、一時は中間選挙で共和党を勝たせましたが、既成政治家の誰にも希望を持てないと知って、今度は自力でOccupy Movement を始めました。
 早晩、橋本氏も同じ運命に会うものと思いますし、そのような運動を創り上げない限り、日本の未来はないでしょう。

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アメリカの大学で燎原の火の如く広がる抗議運動、目を覆わせる警察暴力と世界中から寄せられる支援の声、チョムスキー「世界一豊かな地域カリフォルニアで、彼らは最高の学校教育制度だったものを破壊しつつあるのです」

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[動画1] カリフォルニア大学デービス校で唐辛子スプレーを噴射する警官
(最初の1分半)


[動画2] カリフォルニア大学バークレー校で老教授夫妻を殴打する警官
http://www.democracynow.org/shows/2011/11/21
(最初から約3分半のところ以降、約1分間)
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日本だけでなく、米国も世界も目まぐるしく情勢が変化しているので、一刻も早くブログを書きたいと気持ちが焦るのですが、講演や翻訳などに追われて時間が取れません。

今もHoward Zinn &Anthony Arnove『Voices of a People's History of the United States』の翻訳原稿の再校を11月いっぱいに終わらなければならず、心と体が飽和状態です。庭の手入れもしたいのですが荒れ放題のまま放置されています。

そんなわけで、ゆっくりブログを書く時間がないのですが、取りあえず緊急にお知らせしたいことだけを、かいつまんで記録風に紹介します。
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<註> 以下では英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねていますので、時間のない方は飛ばして読んでください。

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前回のブログは、一枚の写真が全世界を駆けめぐったことをお知らせしました。それは、11月15日(火)の "Occupy Seatle" に参加した84歳の女性が顔面に唐辛子スプレーを浴びせかけられ、助けに駆けつけた二人に抱きかかえられている写真でした。

彼女の老いた顔から、刺激性の化学物質とその治療液があごからしたたり落ちていました。この写真はあっという間に全米に流れ、「エジプトやリビアの抗議運動を褒めそやしながら国内では弾圧する」というアメリカの偽善性を全世界に暴露することになりました。

ところが、この事件が起きて3日後の11月18日(金)に、またもや同種の映像が、全米のみならず全世界を駆けめぐり、「アメリカも、非暴力で抗議する民衆を力で弾圧しているエジプトやシリアとどこが違うのか!」を見るひとの眼を釘付けにしました。

というのは、カリフォルニア大学デービス校の警官が、「カリフォルニア大学デービス校を占拠せよ」の野営地の撤去に座り込みで抗議をする学生に、催涙スプレーを至近距離から吹きかける様子を収めた動画が、インターネットで瞬く間に広がったからです。

ここの警官らを擁護していたたカリフォルニア大学デービス校のリンダ・カテヒ学長(女性)も、蛮行に抗議する世論の高まりに押されて、唐辛子スプレーを浴びせた警官2人は休職処分にし、外部の第三者委員会による事件の再調査を発表するに至りました。
http://www.democracynow.org/2011/11/21/uc_davis_student_describes_pepper_spray

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冒頭の動画には、前半の「警官が力尽くで学生を排除するようす」だけでなく、後半部で、リンダ学長が抗議する学生が延々と座り込んでいる前を、自家用車を停めてある駐車場まで、声もなく黙々と歩いてようすも映っています。

またDemocracyNow!の映像を注意深く見てもらえば、座り込みを支援する学生たちが次のように叫んでいるのも聴き取れるのではないかと思います。

Don't shoot students! Don't shoot students! Don't shoot students! Don't shoot students!

The whole world is watching! The whole world is watching! The whole world is watching! The whole world is watching! The whole world is watching! The whole world is watching!

Shame on you! Shame on you! Shame on you! Shame on you! Shame on you! Shame on you! Shame on you! Shame on you!

支援の学生たちは、「学生に向かって噴射するのをやめろ!無抵抗のものに何故そんなことをする必要があるのか」「世界の眼が光っているぞ!世界中が注視しているぞ!」「警官よ、恥を知れ!」と唱和しているなかで、このような蛮行を命令されている警官たちの胸の内は、どのようなものだったのでしょうか。

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ところで、唐辛子スプレーの噴射は、浴びせかけられた学生のうち3人も緊急に病院に運び込まれなければならないほど至近距離でした。

しかし、その行為をおこなった二人の警官は、「休職処分」と言っても、「有給」の休職だそうですから、実質的には「有給休暇」をもらったのと同じです(the two police officers being put on paid administrative leave)。

実は、これと似た事件がカリフォルニア大学バークレー校(カリフォルニア州では日本の東京大学に当たる大学)の座り込みでも起きていました。

この運動にたいして教職員も支援を惜しみませんでしたが、70歳の高名な老教授とその夫人にたいしてまでも、警官が警棒で殴打する映像が、最近、インターネットを通じて流れ、また大きな話題を呼びました。

この老教授Robert Hass氏は、1995-97年のアメリカ「桂冠詩人」(poet laureate of the United States)に選ばれ、2007年には National Book Award、2008年にはPulitzer Prizeという、アメリカでは名だたる賞を受けるほどの名物教授でした。

ところが、こともあろうに警官は、この老教授の夫人を、胸を突き倒して転倒させただけでなく、警棒で老教授のあばら骨を激しく3度も突き、そのうち一度は、それをかばおうとする前腕までも殴打して突いてきたというのです。

この老教授は、学生たちを守るために警官に向かって、「暴力を使うな、頭を使え!なぜ若者たちに暴力を加えるのか。暴力を使う理由などないだろう!ここにいる連中は警官に暴力を働くつもりなどない!誰もそんなことを望んでいない!」と言っただけでした。

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<註> Former U.S. Poet Laureate and Wife Beaten by UC Berkeley Police During Occupy Protest
http://www.democracynow.org/2011/11/21/headlines#2

Robert Hass, UC Berkeley professor of poetry and poetics: "Use your head! Use your head! There's no reason to hurt these people. There is no reason to hurt these people. Use your head! Nobody there wants to hurt you. They're not going to hurt you."

上記の老教授が警官に立ち向かっている映像は、DemocracyNow!の下記URLの映像を御覧ください。最初から2分40秒あたりでカリフォルニア大学デービス校のようすが始まり、その1分後の3分40秒あたりからが老教授の抗議のようすです(約1分)。
http://www.democracynow.org/shows/2011/11/21

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カリフォルニア州は日本列島がちょうど入ってしまうくらいの大きさですが、この州立大学にいま「民営化」の嵐が吹き荒れ初め、教員の削減や授業料の値上げなどに抗議する運動が、この間ずっと続いています。

Democracy Now!の司会者Amy Goodmanは、この座り込みに参加して唐辛子スプレーを浴びせかけられた学生に、「なぜ座り込んだのか」「何に抗議したのか」と質問していますが、それにたいして女学生Elli Pearsonは三つの理由をあげています。

一つ目は、警官に暴行をふるわれているカリフォルニア大学バークレー校の学生に連帯を表明すること。

二つ目は、カリフォルニアだけでなくアメリカ全土で強行されようとしている公立大学の学費値上げに抗議すること。

三つ目は、「金融街の横暴」「貧富の格差を広げる政策」に抗議して今アメリカ全土で展開されている「Occupy Wall Street」運動に連帯を表明すること。

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UC Davis Student Describes Pepper Spray Attack on Occupy Campus Protesters
http://www.democracynow.org/2011/11/21/uc_davis_student_describes_pepper_spray

ELLI PEARSON: Well, I mean, one, I was standing in solidarity with students at UC—or at UC Berkeley who were beaten by police. Two, I'm protesting the tuition hikes that are happening on campuses, public universities really all over the nation. And three, I was standing in solidarity with the Occupy Wall Street movement.
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いまアメリカでは公立大学の授業料が値上げされ、それが払えずに退学するひと、卒業しても奨学金の返済に追われてホームレスになるひとが続出しています。ホームレスになるのは医療保険の問題だけではないのです。

11月18日の唐辛子スプレー事件を受けて、カテヒ学長退任を要求する公開書簡を書いたカリフォルニア大学デービス校のネイサン・ブラウンNathan Brown氏(助教授、英文学)は、その状況を次のように語っています。

「2005年のカリフォルニア大学の授業料は6,000ドルだった。ところが今は 約13,000ドルで、2倍以上になった。」
「これをさらに向こう4年間で81%も値上げしようとしている。そうすると約23,000ドルにもなる」
「つまり、この10年間で授業料は6000ドルから23000ドルに増えることになる。4倍近くです。これでは抗議運動が起きて当然でしょう」

NATHAN BROWN: Well, in 2005, tuition at UC campuses was around $6,000. It's currently around $13,000. And there's currently a plan proposed by UC President Mark Yudof to increase tuition by 81 percent over the next four years. So that would raise tuition to around $23,000. So, what we're looking at is, within 10 years, a tuition increase of around $6,000 to $23,000. And that's what students are protesting.
http://www.democracynow.org/2011/11/21/uc_davis_student_describes_pepper_spray

ニューヨークのズコッティ公園に寝泊まりして抗議運動をしている若者の中にも、上記のような状況で退学した者が多くいます。「自分の弟や妹が学業を続けられるようにするためにこの運動に参加している」という若者もいました。

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アメリカでは「終身教授」の地位に就けば、権力に逆らった言動をしても職を失うことはありませんが、学長退任を要求する公開書簡を書いたブラウン氏はまだ助教授です。

そこでDemocracy Now!の司会者Amy Goodmanは、「首の心配はありませんか。まだ終身教授になっていないでしょ」(Are you concerned about your own job? You're not tenured.)と尋ねていますが、それにたいしてブラウン氏は次のように答えていました。

「もちろん管理者側から報復の可能性はありますが、デービス校の私の学部やデービス校の教授会だけでなくカリフォルニア大学全体の同僚からも、驚くほどの支援をいただいています。また、この三日間で海外からも何千という支援の便りが届いています」

「若手職員としてのこのような事態に対する最善の取り組み方は、公の場で発言することだと思っています。正々堂々と意見を言った方が多くの支持を得ることができますし、もし経営陣が何か仕返しをしようとしても、その方が、私だけでなく意見を言うひとを守る上で役立つと思うんです」

日本の大学に勤務する教員、とくに「御用学者」と言われているひとたちに、ぜひ聞いて欲しいことばではないでしょうか。
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UC Davis Student Describes Pepper Spray Attack on Occupy Campus Protesters
http://www.democracynow.org/2011/11/21/uc_davis_student_describes_pepper_spray

  Of course, it's always possible that there could be some sort of retribution from the administration.
  At the same time, I feel like I have a tremendous amount of support from my department, a tremendous amount of support from the Faculty Association, from my colleagues throughout UC Davis and throughout the UC system.
  And indeed, I've been receiving thousands and thousands of letters of support from around the world over the past three days.
  So, in my opinion, the best way to go about these things as a junior faculty member is to speak up openly.
  And in that way, you draw a lot of support. And that, I think, will be very helpful in protecting me and protecting other people who speak out, if there's any effort of retribution by the administration.
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日本で国立大学「民営化」の嵐が吹き荒れたとき、ほとんど運動らしい運動も起きずに現在に至っています。

その当時、教授会で私が「市場原理主義を標榜するイギリスのサッチャー政権でさえ国立大学を民営化=法人化することはしなかった」と強く反対したのですが、多くの人は何のことを言っているのか分からないといった表情でした。

しかし、いまアメリカ全土で「占拠運動」が起き、大学でもベトナム戦争以来の巨大な運動が広がり始めていますが、それだけブッシュ=オバマ政権の政策が大きな矛盾をはらんだものだった証左でしょう。

チョムスキーは既に2007年の『失敗国家』という本で、「アメリカは発展途上国に転落し始めている」と警告を発していました(Failed States: The Abuse of Power and the Assault on Democracy)。

さらにチョムスキーは、2011年のインタビュー "Drug Cartels and the Growing Border War" でも、次のように述べています。

「カリフォルニアはおそらく世界一豊かな場所であるにもかかわらず、今まで世界一だった教育制度を破壊しつつあります。授業料は高すぎて手が出せないほどです。公教育の雄だったUCバークレーやUCLAは、おそらく民営化されるでしょうし、その他は職業学校に転落するでしょう。世界一豊かな地域で、彼らは最高の学校教育制度だったものを破壊しつつあるのです。その一方で、メキシコのような世界の貧困地帯で、人々が無料の高等教育制度を維持しているのです」

しかし、今の野田政権の政策は元の小泉流経済運営と何も変わりませんから、このままTPP政策=新自由主義の政治を続けていけば、日本も確実に「第三世界」に転落していくでしょう。それをくい止めるのは、やはり、世界中に広がり始めている民衆蜂起(Occupy Movement)しかないのかも知れません。
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<註1> 私は拙著『英語教育が亡びるとき』で、「英語を学ぶのはアメリカを知るためだ。日本をアメリカのような失敗国家にしないためにこそ、英語を学ぶのだ」と書きましたが、それがますます現実味を帯びてきているように思います。 
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<註2> アリアナ・ハフィントンも最近『誰が中流を殺すのか、アメリカが第三世界に堕ちる日』(阪急コミュニケーションズ2011) という本を出しています。
 またチョムスキーへのインタビュー"Drug Cartels and the Growing Border War"「麻薬犯罪組織と国境で拡大しつつある麻薬戦争」の全訳は下記を御覧ください。目を見張るような事実・意見に満ちています。
http://www42.tok2.com/home/ieas/chomsky_drug_war.PDF

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軍事都市化するアメリカ、「シアトルを占拠せよ」で催涙ガスを浴びせられた84歳の女性、OWS開始から3ヶ月目、11月17日は全国一斉行動日

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動画 (約1分):催涙ガスを浴びせられた84歳の女性


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11月17日は「ウォール街を占拠せよ」の開始から3ヶ月目を記念する全国行動の日でした。抗議運動の人々は、午前9時30分のNY証券取引所の営業開始を阻止しようと、金融街の数か所に向かうデモをおこないました。

労働運動の組織者たちは、国のインフラへの予算増額の必要性を強調するキャンペーンの一環として、全国各地の数十の橋で抗議行動を計画しています。

というのは、アメリカでは道路はデコボコのまま放置されていますし、全国の老朽化した橋もいつ崩落するか分からない状態だからです(アリアナ・ハフィントン『誰が中流を殺すのか:アメリカが第三世界に堕ちる日』阪急コミュニケーションズ、2011)。

ポートランドではスティール橋が、シアトルではモントレイク橋が、首都ワシントンではKey Bridgeが、ニューヨークではブルックリン橋などが目標となり、ブルックリン橋では32000人という、かつてない巨大な行進・占拠となりました。

しかし、アメリカ全土で軍事化した警察が平和的なデモ・集会に猛威を振るい、大量の逮捕者を出しています。警棒に頭を打たれ、血だらけの若者を(救急車に乗せるのではなく)刑務所へと連行していく映像が耳目を集めました。

かつてリビアやエジプトで展開され、いまシリアでおこなわれている暴行には厳しい非難を浴びせているオバマ政権が、このような事態を放置していることは信じがたいことです。同じことが中国でおこなわれたら、日本の大手メディアはどう報道するのでしょうか。

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前回のブログで、ニューヨーク警察は今のところ「リバティ・プラザ」の野営地を強制撤去することに踏み切っていないと伝えましたが、その記事を載せた直後の15日、早朝 1時頃、ブルームバーグ市長は、ついに強硬手段に訴えました。

ですから、11月17日(木)の「全国一斉行動日」は野営地を警官が破壊してから2日目にあたっていました。しかし200人を超える逮捕者が出たにもかかわらず、「リバティ・プラザ」は、あっという間に抗議の人々で再び埋め尽くされました。

ところで、ニューヨークで「リバティ・プラザ」が警官に襲われた11月15日(火)は、シアトルでも警察の目に余る暴行が全米のメディアの注目を集めた日でもありました。その中でも特に全世界を駆けめぐった一枚の写真があります。

それは、84歳の女性ドーリ・レイニーが、顔面に唐辛子スプレーを浴びせかけられ、助けに駆けつけた二人に抱きかかえられている写真でした。彼女の顔には、刺激性の化学物質とその治療液(牛乳の液)があごからしたたり落ちていました。

16日、シアトル市長はこれを謝罪しましたが、催涙ガスを浴びせられたレイニーの写真はあっという間に全米に流れ、「エジプトやリビアの抗議運動を褒めそやしながら国内では弾圧する」というアメリカの偽善性を全世界に暴露することになりました。

「シアトルを占拠せよ」の抗議運動オーガナイザーの話では、牧師1名と妊娠中のティーンエイジャー1名も15日夜に催涙スプレーを浴びたそうですが、私はこの運動に若者だけでなく牧師や10代の少女、そして84歳の女性が参加していることに驚くと同時に大きな感動をおぼえました。

84-Year-Old Dorli Rainey, Pepper-Sprayed at Occupy Seattle, Denounces "Worsening" Police Crackdowns
http://www.democracynow.org/2011/11/17/84_year_old_dorli_rainey_pepper

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上記で紹介した84歳のレイニーは「問題は警察の暴行だけではありません。警察の態度がどんどん、悪化していることです」と語っていますが、元シアトルの警察長官だったノーム・スタンパー氏も同じ意見を述べています。

彼はかつて1999年に、WTOに抗議する巨大な抗議運動がおこなわれたとき、これにたいする弾圧の陣頭指揮をした人物ですが、今は当時の行動を厳しく反省すると同時に、麻薬を合法化する運動の先頭にも立っています。

というのは、麻薬の厳しい取り締まり(いわゆる「麻薬戦争」)は、麻薬犯罪を減らすどころか、貧困な黒人を大量に刑務所に送り込み、民営化された刑務所ビジネスを繁盛させることにしか役立っていないからです。

そのスタンパー氏は、次のように述べています。

「日夜すばらしい仕事をしている、わけのわかった有能な警官は大勢います。他方、『悪徳警官』と呼ばれる連中もいます。どちらにも共通しているのは、彼らが腐った制度・構造をいわば「占拠」していることです。準軍事化した官僚制度です」。

さらに上記の分析に付けくわえて、スティーブン・グラハム氏(Cities Under Siege: The New Military Urbanism『包囲された都市:新軍事都市計画』の著者)は、次のように指摘しています。

「嘘をついてしか戦争ができなくなってきた軍事産業は、“市民運動を弾圧する武器を製造・販売する”という新しいビジネスを始めようとして、警察の軍事化に手を貸している」

彼によれば、エジプトなど中東で独裁政権が民衆を弾圧するときに大もうけをしているのも、このような軍事産業だと指摘しています。

Paramilitary Policing of Occupy Wall Street
http://www.democracynow.org/2011/11/17/paramilitary_policing_of_occupy_wall_street

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同じような警察の軍事化、厳しい弾圧ぶりは、ニューヨーク「リバティ・プラザ」の野営地を強制撤去するときにも、あちこちで目撃されています。

そのようすを、15日早朝の「野営地」強制撤去を聞いて、警察の暴行を監視するため慌てて現場に駆けつけた、元ニューヨーク最高裁判所判事カレン・スミス女史は、次のように語っています。

「私は逮捕された人たちの名前を記すために現場にいました。そこに立っているとアフリカ系アメリカ人の女性が警官のところにいき、こう言いました。『どうしても公園の中にはいりたい。娘が中にいるんです。娘の安否を知りたいんです』 すると警官は、『立ち止まるな』と言い、警棒で押しのけようとしました。」

「女性は泣いていました。すると警官は突然、何の理由もなく、彼女を地面に押し倒し、頭を殴り始めました。私はかけつけて、『この人が何か悪いことをしたのなら手錠をかければいいでしょう。こんなことをする必要はありません』。すると彼は『逮捕されたいのか?』と言いました」

「そこで私は、(かぶっていた法律家協会監視員の帽子を見せて)、『この帽子を見て。私は法務オブザーザーとしてここにいるのですよ』 。ところがその警官は、『逮捕されたいんだな?』と言い、私を壁に押しつけたのです」。

Paramilitary Policing of Occupy Wall Street: Excessive Use of Force amidst the New Military Urbanism
http://www.democracynow.org/2011/11/17/paramilitary_policing_of_occupy_wall_street

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チュニジアに始まった民衆蜂起はエジプトに伝播し、スペイン、イタリア、ギリシャを経て、アメリカにたどり着きました。

そして今度はニューヨーク「ズコッティ公園」を拠点とした運動が、全米に広がっただけでなく、その運動が逆に世界を励ます震源地になりつつあります。

だからこそG20やAPECに集う「1%」のひとたちは、この事態を放置するわけにはいかず、総力をあげた弾圧に乗り出したのでしょう。

その震源地の鼓動をいっそう高らかに世界に響かせようと、世界各地から(哲学者スラボイ・ジジェクなど)著名人が次々と野営地を訪れています。

先日11月16日も、インド人の著名な作家アルダティ・ロイがニューヨークを訪れ、Washington Square ParkのJudson Memorial Church で次のように講演しました。

「世界で最強の企業の横暴に立ち向かっているこの占拠運動に、世界中の貧しい人々が合流しています。アメリカという帝国の胸元で民衆がこのような運動を造り出すとは、ほとんど誰も想像だにしなかったことでした」

日本でも経産省前でテント村の活動が続いていますが、ニューヨークの熱い鼓動は、必ずやテント村に集う人々の胸に届いているものと信じています。
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National Day of Action Kicks Off Third Month of OWS
http://www.democracynow.org/2011/11/17/headlines#0

On Wednesday, the Indian author and activist Arundhati Roy addressed Occupy Wall Street protesters at the Judson Memorial Church in Washington Square Park.
  Arundhati Roy: "The Occupy movement has joined thousands of other resistance movements all over the world in which the poorest of people are standing up and stopping the richest corporations in their tracks. Few of us dreamed that we would see you, the people of the United States, on our side, trying to do this in the heart of empire."
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経産省キャンドル包囲「人間の鎖アクション」 雨のなか1300人!、ホワイトハウス「人間の鎖」が石油パイプライン工事を止めさせ、ハワイではAPEC首脳陣を前に Makana が "We are the Many" を歌う!!

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動画:脱原発訴え経済産業省で人間の鎖 (30秒)
http://video.asahi.com/viewvideo.jspx?Movie=48464141/48464141peevee432297.flv

 
                        Protest Song "We are the Many" をうたう Makana
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11月11日(金)に予定されていた「たそがれの経産省キャンドル包囲・人間の鎖アクション」は生憎の雨だったので、私は翌日の講演準備をしながら、それが成功するか本当に心配でした。

しかし、あとで「LaborNet」の情報を見たら、1300人もの人が集まり大成功だったようです。そのようすを「LaborNet」は次のように報告しています。
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雨のなか1300人が参加!
<11月11日「たそがれの経産省キャンドル包囲・人間の鎖アクション」に参加した。駅の階段を駆け上がると、集まった人々は宣伝カーからの発言に耳を傾けていた。マイクを握っているのは俳優の山本太郎さんのようだ。続いておなじみ制服向上委員会の歌が始まった。
 東京メトロ・霞が関駅の出入り口付近では、特に警官による規制が目立つ。退庁の通勤者を通させることを口実にして、やかましい警告を繰り返している。しかし、そんな警備陣の努力も空しく、参加者は増え続けた。そして圧倒的な包囲の輪が形成された。
 傘を差し、カッパを着て、ゼッケンを首から垂らし、横断幕を広げ、キャンドルを持ち、楽器を打ち鳴らした。寒さのなかで立ち続ける人々の表情は明るく、あちこちで連帯の会話が交わされていた。
 つないだ手はしっかりと握られ、そしてかけ声とともに高々と掲げられた。「原発はいらない」-1300人の叫びが、冷たい雨をはね返した。省内から漏れる光が、参加者の固い決意を照らしていた。>
(以下のURLをクリックすれば写真も見ることができます)。
http://www.labornetjp.org/news/2011/1111hokoku

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冒頭で紹介した「動画」は朝日新聞電子版からのものですが、さすが大手のメデイアも無視できない盛り上がりだったようです。

経産省の側から見れば「雨だから大して人が集まらないだろう」と安心していたのかも知れませんが、これには狼狽も隠せないらしく、さっそく反撃に出ました。

経産省が呼びかけたのかどうか知りませんが、右翼が連日のように経産省前のテント村に押しかけてきて「テント村撤去」を求めて脅迫するとか、大量に動員された警察がテント村の敷地に鎖を張り巡らして「テント村撤去」を強制排除する動きがあるそうです。

以下は、「経済産業省前のテントが危ない! ――応援の波が続々と、経産省前テント広場、64日目」と題して、その動きを報じた「LaborNet」です。
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経済産業省前のテントが危ない!
<11月13日、昨日に続いて好天の小春日和り。今日の日誌はやはり昨夜の続きから始めねばなるまい。
 昨夜の右翼・警察の襲来時をiphonの動画で実況放映したひまわりさんの映像は、1000名のアクセスがあったという。深夜に千葉から車で駆けつけた30代の夫妻は1万円のカンパを置いていった。夜明け頃には六本木で飲んでいるときツイッターで知ったという若い人達が駆けつけてきた。そして午前から午後にかけてテントを訪れた人は100名を超える。
 夜はテント前に30人以上の人達が集い、議論をしたり歌を歌ったり、ギターを弾いたりと遅くまで交流が続いた。
 こんなにも多くの人がテントを守ろうとしている。福島の女達の想い、魂が刻まれたテントひろばに繋がりながら、脱原発への運動を広げていこうとしている。テントに集う人達が多くなればなるだけ、右翼や権力は手出しをできなくなるだろう。
 経産省は明日にも、植栽を置くなどの新たな行動に打って出るかもしれない。12日にそう言い残していったそうだ。テント運営会議は急遽、14日午前10時をメドに結集を呼びかけている。そして経産省にあの鎖を撤去するよう申し入れる予定である。
 国有地という公共空間を私物化しているのは経産省である。例えば、あのトラブル停止中であった玄海4号をなんのテストもなしに、九電や佐賀県知事のヤラセ構造そのままに住民の意思を全く無視して再稼働させた、そのお墨付きを与えた経産省こそ、原子力村による私物化を推進している。
 それに抗してテントひろばは益々多くの人々の意志と想いをつなげ、表現していく場として、公共空間としての実を備えてきている。経産省は退け!テントひろば存続しなかればならない!人々のために。(文責 Y・T )
http://www.labornetjp.org/news/2011/1321240596383staff01

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このような「占拠」を撤去させようとする動きは、アメリカ全土で広がっている "Occupy Movement" でも同じように見られるものですが、ニューヨークのOccupyWalStreet Movement(OWS)でも警察が強制排除する動きがあり、一時は緊張が高まりました。

しかし、映画監督マイケル・ムーアやプリンストン大学の名物教授コーネル・ウエストなど著名人が続々と応援に駆けつけたこともあり、今のところはブルームバーグ市長も強硬手段に出ることを控えています。

NYC Withdraws Cleaning Evacuation Order in Face of Defiant Occupy Wall Street Protesters
http://www.democracynow.org/2011/10/14/nyc_withdraws_cleaning_evacuation_order_in

ベトナム反戦運動がアメリカ全土に広がっていた頃、その美貌と美声で若者の人気を一手に引き受けていた感のする歌手ジョーン・バエズが、先日、ズコッティ公園を訪れて、占拠者を歌で激励していました。
http://www.democracynow.org/2011/11/14/headlines#7

日本の場合は、俳優山本太郎や「制服向上委員会」(会長・橋本美香)など俳優や歌手の一部に「テント村」への応援が見られるものの、まだまだアメリカのような動きの小さいのが残念です。

それどころか、西田敏行のような有名な俳優が、「福島を食べよう」などという宣伝番組に顔を出しているのですから、「釣りバカ日誌」の密かなフアンだった私としては、怒り心頭です。

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ところで最近、「人間の鎖」がアメリカで大きな成果を収めました。というのは、オバマ政権が11月10日に、カナダからテキサスまでの1700マイルに及ぶ「タールサンド原油パイプライン建設工事」の決定を、2013年まで延期すると発表したからです。

この発表があったのは、1万人以上がホワイトハウスを取り囲んでオバマ大統領に同計画を退けるよう要求してからほんの数日後のことでした(8月末から9月初めにかけてはワシントンDCで2週間の市民的不服従運動もおこなわれ、1200人が逮捕されました)。

カナダ人の評論家で環境保護など多様な活動を展開しているナオミ・クライン女史は、オバマ政権による延期決定について次のように指摘しています。

 「これはウォールストリート占拠運動がなければなかった勝利だと思う」「この遅延でパイプライン計画そのものが撤回されると信じています」
 「大統領選挙後にこのパイプライン計画が再浮上してきたら、工事予定ラインに我が身を横たえて工事を阻止すると署名して誓っている人がたくさんいます」

Naomi Klein on Environmental Victory: Obama Delays Keystone XL Oil Pipeline Decision Until 2013
http://www.democracynow.org/2011/11/11/naomi_klein_obama_delays_keystone_xl

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日本の「占拠運動」で残念なのは、経産省前のテント村に集っているひとたちの眼が「脱原発」にしか向いていないのではないか、ということです。

アメリカの「占拠運動」では、そこに集っているひとたちの要求は実に多様です。「オバマの戦争政策を止めろ」「銀行・大企業を救うのではなく失業者・ホームレスを救え」「タールサンドによる環境破壊をやめろ」など、要求は本当に多様なのです。

しかし、いま日本では、大手のメディアがTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を大きく取りあげていますから、ともすると「脱原発運動」「テント村の活動」がこれによってかき消されていく恐れがあります。

ところが、「TPPを押し進めようとしている勢力」と「原発を再稼働させようとしている勢力」は同じ(財界・経産省)なのですから、「テント村」活動もこれらの反対運動を結びつける工夫をする必要があるのではないでしょうか。そうすれば右翼の攻撃も撃退できるでしょう。

いまTPP反対の声をあげている論客を見ていると、関岡英之氏など右派の知識人も多いことに気づきます。ですから、震災や原発事故で大被害を被った日本の復興を、TPPが支えるどころか全く破壊するという点で、右翼とも共闘できるのではないでしょうか。

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<註> 小出裕章氏はいつも「政治は嫌いだ」「一次産業を救うために大人は福島を食べよう」と言っていますが、今や野田内閣のもとで「原発再稼働」と「日本の農業を破壊するTPP」が同時に推し進められようとしています。「政治は嫌いだ」などと悠長なことを言っていると守るべきものも守れなくなるでしょう(政治が好きな人は誰もいません。皆やむを得ず行動しているのです)。

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このTPP(環太平洋パートナーシップ協定)に反対する「占拠運動」は、実はハワイでもおこなわれました。Global OCCUPY Movementの一貫として「ホノルルを占拠せよ」が展開され、世界中に貧富の格差を広げる政策に対して抗議運動が繰り広げられたのです。

そして、それと呼応するかたちで一人の歌手が、世界の元首を前にした会場で、自分の歌を武器にしたパフォーマンスをおこないました。

オバマ大統領に呼ばれて、ホワイトハウスで歌を披露したこともあるほど、超有名な歌手Makanaが、周りを厳重に警護されたホテルのディナー会場で、予定されていた演奏ではなく、Protest Song "We are the Many" を歌ったのでした。

しかも彼はそのとき、わざわざジャケットの胸を開き、下に着ていたTシャツに書かれた文字 "Occupy with Aloha" が、各国元首に見えるようにして歌ったのです。歌の出だしは次のようなものでした。

'Ye come here, gather 'round the stage. The time has come for us to voice our rage,'
(皆さん方はこの舞台の前に集っておられる。私たちの怒りの声を聞いてもらうには絶好の時だ)

この歌は、このAPECの会議にあわせて作詞作曲したばかりの、新曲だったそうですが。このような勇気ある歌手が日本にも欲しいものです。


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本当は、この歌詞の全てを紹介し、彼が何を訴えているのかを説明介したいのですが、もうかなり長くなってきたので、今回は割愛させていただきます。時間のある方は下記を御覧ください。

Occupy Honolulu: Hawaiian Musician Makana Performs Protest Song to World Leaders at APEC Summit
http://www.democracynow.org/2011/11/14/occupy_honolulu_hawaiian_musician_makana_performs

上記のURLをクリックすると「文字起こし」が付いていますので歌詞の意味も確認できます。なお、TPPについては、下記の動画が分かりやすく解説しています。
サルでもわかるTPPがヤバい7つの理由
http://www.youtube.com/watch?v=CI8l71dSy_A&feature=related
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緊急のお知らせ ― 「原発いらない全国の女たちアクション」から「たそがれの経産省、キャンドル包囲“人間の鎖”アクション」へ

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Occupy Japanese Consulate! / The Letter from the World
動画「ニューヨークの日本領事館を占拠せよ」 (約5分)



世界中から寄せられた請願書をニューヨークの日本領事館に提出する行動の動画です!日本語字幕がついています。

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今週土曜日の講演準備のため、ブログを書く時間がゆっくり取れませんので、先日11月5日に終了した「原発いらない全国の女たちアクション」の簡単な紹介と、11月11日におこなわれる予定の、「たそがれの経産省 キャンドル包囲 “人間の鎖” アクション」の緊急案内だけで、今回のブログを終わらせていただきます。

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世界中で「占拠運動」が広がっていますが、この「原発いらない福島の女たち、100人の座りこみ」アクションこそ、日本の「占拠運動」のスタートだと思いました。

しかもその運動を担っているのが女性であるという点で、非常にユニークであると同時に、世界に誇るべきものではないかと考えますが、いかがでしょうか。

この「原発いらない福島の女たち、100人の座りこみ」に引き続いておこなわれた「原発いらない全国の女たちアクション」は、11月5日に成功裏に終了しました。詳しい報告は下記HPを御覧ください。

原発いらない全国の女たちアクション
http://d.hatena.ne.jp/onna_suwarikomi/

なお「原発いらない全国の女たちアクション」で展開された、女性たちの生き生きとした姿・行動・発言は、下記の動画で見ることができます。

[動画] 座り込み4日目、玄海4号再稼動の九電東京支社前で抗議
http://www.ustream.tv/recorded/18268745 (約70分)
[動画] 座り込み5日目、最終日の様子 (約120分)
http://www.ustream.tv/recorded/18290236

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冒頭の動画でも紹介しましたが、女性たちによる「占拠運動」に呼応した運動がニューヨークでもおこなわれました。

世界から寄せられた、「脱原発」「子どもを救え」「汚染瓦礫を全国に拡散させるな」の請願書を、ニューヨークの日本領事館での提出する行動です。

その動画が下記のものです。日本語字幕がついています。この字幕を読んで、「えっ!そうだったのか!」と、知らないことを教えられる日本人も少なくないのではないでしょうか。。

[動画][お知らせ]Occupy Japanese Consulate! / the letter from the world
http://www.youtube.com/watch?v=9rKVz1OwgJc&feature=player_embedded#! (約5分)

ロックバンド=ローリング・ストーンズのミック・ジャガーの元妻で、社会活動に取り組んでいるビアンカ・ジャガーさん(ビアンカ・ジャガー人権財団の創立者)が、11月2日、ロンドンの日本大使館に福島原発事故問題の対応に関する請願書を手渡したことも、下記の説明に書いてあります。

Nov 2nd, 2011,
The letter and petition of "STOP spreading/ burning radioactive rubble all over Japan" was delivered to Japanese Consulate in NY.

Tokyo is accepting 50,000 metric tons of radioactive rubble over 2 years. The rubble will be burned and dumped into Tokyo Bay. The first 1,000 metric tons arrives at Tokyo on Nov 4th 2011.

The petition gathered 6200 signatures and delivered not only in NY, but Washington DC, SF, Hawaii, France, Germany, India, Hong Kong, and several cities in Japan. Bianca Jagger delivered it in London as well.

Please visit www.oneworldnonukes.org for more details about the petition and the letter. To sign the petition, go to www.stopdammit.org.

請願書について詳しくは下記を御覧ください。
www.oneworldnonukes.org
www.stopdammit.org

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最後は、明日11月11日(金)に経産省前でおこなわれる「人間の鎖」アクションの案内です。

今までは休日におこなわれていた「人間の鎖」アクションが、今度は平日になっていますが、せっかく経産省を包囲しても、休日だと、それを経産省の役人たちが目にすることはないので、皆が集まりにくいのを承知で、あえて金曜日に設定したそうです。

私自身がこのアクションを知ったのが遅かったので、こんな目前のお知らせになってしまって申し訳なく思っています。

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11・11 たそがれの経産省 キャンドル包囲「人間の鎖」アクション

【日時】◆2011年11月11日(金) 午後6時~7時30分
【場所】午後6時 経済産業省本館正門前に集合
【交通】(「霞ヶ関駅」:千代田線・日比谷線A12出口すぐ、丸の内線A5出口200m)、

【行動】正門前にてアピール後、人間の鎖行動(1周約900mを包囲)へ
午後4時~5時30分(予定)に霞ヶ関周辺で街頭・駅頭アピール(チラシまきなど)も行います。午後4時に経産省前テントひろば(正門脇)に集合してください。

【発言】脱原発運動の現場から、県外避難者など
【歌】制服向上委員会
【経産省周囲の各面での集会・パフォーマンスも】
キャンドル、ペンライト、懐中電灯などを持参してください。プラカード、鳴り物、パフォーマンスなどの持ち寄りも歓迎。

【「私は囲みます!」参加宣言者を急募中!】 第1次目標:1000人
アクション参加者を募っています。1周900mの包囲めざして鎖を延ばしていくイメージで、名乗りをあげてください。メッセージもどうぞ。(もちろん、事前表明がなくても当日の参加は歓迎!)
            ↓
ぜひ登録してください。メッセージもお寄せください。
 ☆登録はこちらから ⇒ http://nonukes.jp/wordpress/?p=865


【呼びかけ】11・11-12・11再稼働反対!全国アクション実行委員会
[連絡先]ピープルズ・プラン研究所
(TEL) 03-6424-5748 (FAX) 03-6424-5749
(E-mail) contact@2011shinsai.info
【ウェブサイト】 http://nonukes.jp/
【ツイッター】 @1111nonukes

【呼びかけ文】
ウソと“やらせ”を駆使して「安全神話」をつくり上げ、東電福島第一原発事
故を引き起こした最大の責任官庁である経済産業省と原子力安全・保安院。事
故は収束せず、放射能汚染は拡大し、今なお、子どもや労働者を含む多くの
人々が被ばくを強いられ続けています。

事故原因は未解明であり、安全指針も失効(2~3年後に改定)し、原発の安
全を保証するものは何ひとつないにも関わらず、電力会社と経産省・保安院は
「ストレステスト」という名のアリバイテストによる再稼働(無免許運転!)
に動いています。

9・11の「人間の鎖」行動の成功を引き継いで、再び経産省・保安院をキャ
ンドルを掲げて取り囲み、再稼働の中止と全原発停止、さらには「自主」避難
者への賠償など「避難の権利」の確立を求めます。

全54基中、稼働中の原発はわずか11基に過ぎません。「原発なしでも大丈
夫」な日本はすぐそこまで来ています。再稼働を止めて、脱原発へ!
11・11「人間の鎖」アクションにぜひご参加ください。

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Global OCCUPY Movement (5) :オークランドで10万人のゼネラル・ストライキ! BANKS BAILED OUT, WE SOLD OUT ! (銀行は救済され、俺たちは売り飛ばされた)―「銀行も“法人”ならば、なぜヒトとして刑務所に放り込まないのか」


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<註> 以下では、英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねていますので、時間のない方は飛ばして読んでください。

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先のブログで、カリフォルニア州オークランドで「11月2日にゼネラル・ストライキを!」という呼びかけがなされたことを紹介しました。

これは、オークランドの「占拠運動」に参加していた24歳のイラク戦争退役軍人スコット・オルセンが警官に頭蓋骨を打ち砕かれたことをきっかけに、一挙に盛り上がった動きでした。

オークランドは全米5番目の交通量を誇る商業港で、かつて1946年に2日間にわたって10万人もの労働者がゼネストに参加し、全米を揺るがしたところとして有名ですが、それ以来はじめてのゼネストになりました。

当時のゼネストは、港湾労働者などの組合を中心としておこなわれましたが、今回は組織を持たない「占拠運動」の若者が1000人以上による「全員参加の総会」=「水平的直接民主主義」の場で決議され呼びかけられたという意味で、歴史上かつてないゼネストとなりました。

当日の参加者は、全米で5番目に大きい港を操業停止に追い込むほどの参加者となり、警察発表では4500人でしたが、地元のサンフランシスコ・クロニクル紙は10万人と報じました。この運動の世話人KAT BROOKSも「小高い丘から後を振り向くと、ひと、ひと。ひとの洪水だった」と述べています。

KAT BROOKS: I've heard ranges from 20,000 all the way up to 100,000 people were here. All I know is that when I hit the hill for the bridge, I looked back, and all I could see was floods and floods and floods and floods of people chanting and marching.
http://www.democracynow.org/2011/11/3/video_report_from_streets_of_oakland

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今回のゼネストでは、銀行、企業、学校、図書館を休業させ、ストに参加する労働者を懲戒する企業があればそこにもピケを張る計画でしたが、多くの企業は自主的に休業し、市の教師の2割近くが職場を放棄しました。

参加した幼稚園の教師は "Bail out the schools, not the banks."「銀行を救うのではなく学校を救え!」というプラカードを掲げて行進し、「来年は5つの学校が閉鎖される。このような状態が続けば、生徒はまともな教育が受けられなくなる」と言っています。

最近の米国では、"a school-to-prison pipeline”(学校・刑務所パイプライン)ということばが流行りだしていますが、このような「教育予算の切り捨て」「教員の大量首切り」を許せば、学校をドロップアウトする生徒があとを断たないということになりかねません。

(今でもカリフォルニアの刑務所では、過密状態の環境改善を求めるハンガーストライキが続出しています。)

そもそも市役所近くの広場(Oscar Grant Plaza)を埋め尽くすほどの若者が毎日そこでテント生活をしているということ自体が、いかに米国で失業状態が深刻であるかを示しています。

EMILY BEAN: My sign says, "Bail out the schools, not the banks." OUSD is a struggling district. I currently have 24 children in my classroom. They're closing down five public schools next year. That means we're going to have a huge influx of students. It can be up to 27 in the classrooms. This is not feasible to meet the needs of our youth. We're really setting our kids up to fail. There's a school-to-prison pipeline, and I see it happening. I see it happening under these conditions.

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#OccupyOakland General STRIKE!
たった6分程度の動画ですが当日の雰囲気がよく分かります。背景音楽も軽快です。

http://www.youtube.com/watch?v=qfxsb_KJgFs&feature=share

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ゼネラルストライキの参加者が、かつて1946年のゼネストに匹敵する参加者にふくれあがったのは、それだけ社会的不公正にたいする民衆の怒りが沸騰点に達するほど高まっていたからでしょう。

ですから、労働組合が正式にスト決議をしなくても、若者による「全員総会」の決議と呼びかけで、これだけの人数が集まったのだと考えられます。かといって組合の支援がなかったわけではありません。

前回のブログでも紹介したように、オークランドの教職員組合the Oakland Educational Association、港湾労働者の組合the International Longshore and Warehouse Union、サービス業労働組合SEIU (Service Employees International Union) のオークランド支部Local 1021も、ゼネスト支持を表明し、組合員に自主的参加を呼びかけました。

自営業の店主は当日は休業しましたし、オークランド市当局も休暇を取ってゼネストに参加することを認めています。次の市長選挙を考えれば、市長も市民の要求を無視するわけにはいかなかったのでしょう。

もっとも、これに対しては警察官の組合はオークランドの市長に公開状を送り、「市の職員にスト参加を認め、他方で我々に取り締まりを命ずるとは何ごとか。市長の意図が分からない。我々に混乱をもたらすだけだ」と抗議しました。

Occupy Oakland Prepares for General Strike as War Veterans Organize Day of Action at Occupy Camps
http://www.democracynow.org/2011/11/2/occupy_oakland_prepares_for_general_strike

Meanwhile, the city's police union has slammed Oakland Mayor Jean Quan for handling of the protests. In an open letter, the police union write, quote, "Is it the city's intention to have city employees on both sides of a skirmish line? It is all very confusing to us," the police wrote.

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以前に紹介したように、ニューヨーク市長ブルームバーグは占拠している若者の強制的排除を諦めましたし、ロンドンのセント・ポール大聖堂前の占拠も、教会当局とロンドン市当局は共に、強制的排除を取り下げることを明言したばかりです。

London: St. Paul's Cathedral Drops Plans to Evict Encamped Protesters
http://www.democracynow.org/2011/11/2/headlines#8

またニューヨーク州オルバニーでも、警察が独自の判断で、占拠している若者の排除を拒否しています。ですから、オークランド警察組合も「市長は我々を混乱させている」などと言わずに、自分たち独自の判断で暴力の行使をやめればよかったのです。

オルバニーの警察が知事や市長の命令を断った理由を、ある警官は次のように述べています。

「公園を占拠している若者たちは誰にも迷惑をかけていない。警官の仕事は秩序を維持することだ。それを俺たちは知っているが、知事や市長はそれを知らないんだ」

Albany Police Defy New York Governor and Refuse to Arrest Protesters
http://www.democracynow.org/2011/10/25/headlines#3

In Albany, New York, protesters are continuing to camp across the street from the New York State Capitol. On Sunday, local police refused to remove the protesters from the park in defiance of Gov. Andrew Cuomo and the city's mayor. One police official said, "These people were not causing trouble. The bottom line is the police know policing, not the governor and not the mayor."

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ところで当日のニューヨーク市では、「戦争に反対するイラク帰還兵の会」のメンバーたちが軍服に身を包んで、マンハッタン南東端のVietnam Veterans Plaza(ベトナム帰還兵顕彰公園)からウォールストリート占拠運動の中心地Zuccotti Park(いわゆる「自由広場」)までデモ行進しました。

そしてニューヨーク証券取引所の前では、軍隊に入隊したときの「合州国憲法を守る」という誓いを改めて強調した宣言文を読み上げました。そして、だからこそ「占拠運動」を支持するのだと、自分たちの立場を明らかにしました。

帰還兵の多くは、「この行進に参加したのは、海兵隊員だったスコット・オルセンが、オークランド警官の発射した催涙ガス弾で瀕死の重傷を負ったことに、大きな衝撃を受けたからだ」と語っています。

また、この行進に参加したイラク帰還兵のひとりは、米国が自分たちにたいしていかにに冷酷であったかを次のように述べています。

「帰国してみたら、きちんとした医療も受けられず、仕事の世話もしてもらえなかった。帰国したら与えられることになっていた奨学金もなかった。これでは娘を養っていけないし大学も卒業できない。だから俺は、皆と一緒にここに来て、経済的な公正さを求めて、皆のために行進しているんだ」

Veterans March for Occupy Movement in New York City
http://www.democracynow.org/2011/11/3/headlines#4

Eli Wright, Iraq War veteran: "Veterans are coming home and finding that we don't have access to proper medical care, we don't have access to jobs. We're having a difficult time getting the educational benefits that we were promised and that we served for. So, you know, I'm worried about how I'm going to feed my daughter and how I'm going to put her through college. So I'm basically here with everybody else, marching for economic justice for all of us."

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イラク帰還兵の状況は、ベトナム戦争時の帰還兵が受けた仕打ちとそっくりであることに驚かされます。彼らは次のようにも述べています。

「帰還兵たちもまた99%であることは明らかだ。俺たちも軍を離れると失業とホームレスの問題に直面する。だから、また軍隊にもどって人殺しをせざるを得なくなったり、警官になって99%の弾圧部隊にさせられるんだ」

オークランド警察の場合、彼らは「俺たちを混乱させるな」という公開の手紙を市長に送りましたが、それは、帰還兵オルセンを瀕死の重傷に追い込んだだけに、自分たちの罪を簡単に認めたくなかったのかも知れません。

しかし自分たちも、ウォール街が引き起こした金融危機の被害者(99%のひとり)だという認識に至れば、逮捕すべきは「金融危機の被害者」ではなく、「金融危機を引き起こした張本人」だということに突然、気づくかも知れません。

オークランド・ゼネスト参加者の一人が「企業も“法人”ならば、なぜ彼らもヒトとして牢屋に入れないか」というプラカードを持っていましたが、まさに名言と言うべきでしょう。

日本の場合も全く同じで、日本中に放射能被害を撒き散らし、多くの人を自主避難に追い込み、今も原子炉を収束させるため下請け労働者に過酷な被曝労働を強いているにもかかわらず、東電も幹部も、誰一人として牢屋に入れられていません。

(それどころか「被害者への補償金」と称して莫大な金額を政府に請求しています。これは私たちの税金ですから、被害を受けた国民が自分で自分に支払っていることになります。)
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ところでオークランドのゼネストは、当日の集会と行進は大成功に終わりましたが、残念ながら夜には、再び警官が野営地を襲って多くの逮捕者を出しました。「参加者のなかに器物破損など乱暴狼藉をはたらいたものがいる」という口実でした。

しかしFBIなどが、「デモ参加者のふりをして高級品店のショウウインドウを打ち壊して歩く小集団」を潜り込ませておくやり方は、今までにもよくあることでしたから、オークランドの場合も、事実を注意深く調べる必要があるでしょう。

下記の動画は、11月2日のゼネストのようすを、始まりから終わりまで丁寧に追いかけたすばらしいビデオです。上記の暴力問題についてもふれた含蓄あるコメントで締めくくられています。

Occupy Oakland General Strike (約14分)
日本山妙法寺のお坊さんたちが座る込んでいる姿までも収録されています。

http://www.youtube.com/watch?v=8_FKGD9R5N4

下記の標語(スローガン)は、上の動画のなかで見つけたプラカードの一部です。一人一人が、段ボールでつくった手作りのプラカードに、実に個性的なメッセージを発信していることにも感心させられました。

BANKS got BAILED Out, WE got SOLD Out!
LOVE your BROTHER, DUMP your BANK.

この“BANK”という文字を“TEPCO”という文字(東京電力)に置き換えれば、そのまま日本に当てはまるのではないでしょうか。

それにしても今やすべてのひとがマイケル・ムーアですね。若者たちの映像と音楽を編集する能力、その素晴らしさに、ただ脱帽するのみです。

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<追記> 次の動画はゼネストのようすを、地元の独立放送局KPFAが取材し、簡潔かつ見事にまとめたものです。それをDemocracy Now!が放映しました。

既に紹介したものと全く違った場面・違った参加者の姿を知ることができますので、英語が分からなくても、映像だけで当日のようすを楽しむことができるはずです。

たった5分程度のものですから、時間のある方は、これもぜひ見てください。

First General Strike in Oakland Since 1946 Shuts Down Major Port(約5分)
http://www.democracynow.org/2011/11/3/video_report_from_streets_of_oakland
関連記事

Global OCCUPY Movement (4) ―「占拠」運動で帰還兵の若者が頭蓋骨を打ち砕かれて瀕死の状態! カリフォルニア州オークランドでゼネラル・ストライキの呼びかけ!!



http://www.occupyoakland.org/
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<註> 以下では、英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねていますので、時間のない方は飛ばして読んでください。

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前回のブログでは、「原発いらない福島の女たち~100人の座り込み」アクションと、世界中で Global "Occupy" Movement がどのように展開されているかを紹介しました。

最初はアメリカの「占拠」運動を紹介するつもりで書き始めたのですが、書いているうちに長くなってきたので、アメリカのことは断念して次回にまわすことにしました。

しかし、この間、アメリカでは大変なことが起きていました。というのは、アメリカ全土に「占拠」運動が広がっていますが、カリフォルニア州オークランドでは、警官が「占拠」を排除しようとして、参加者の一人の頭蓋骨を砕かれるという事件が起きたからです。

10月25日、警察は2度にわたり、オークランド市役所前の「オークランドを占拠せよ」の野営地から抗議者を追い出しました。しかし26日、数千人の抗議者が野営地を、取り戻しました。

公園を取り戻そうとした抗議者を、警察は、最初は夜明け前の奇襲によって、そして2度目は12時間たったその晩に、閃光弾や催涙ガスによって追い出そうとしたのです。

そしてこの抗議活動に参加していた24歳のイラク戦争退役軍人スコット・オルセンが、25日夜、警察の砲弾により頭蓋骨を破砕され、意識不明の危篤状態で病院に運ばれました。今は絶対安静の状態です。

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頭蓋骨を砕かれ血まみれになっているスコット・オルセン
http://www.democracynow.org/2011/10/27/iraq_war_vet_hospitalized_with_fractured

「嘘の理由」でイラクに送り込まれた若者で、生きて帰ってこなかったもの、帰ってきても体の一部が失われたり、心を病んでホームレスになったりしているものは、少なくありません。

帰還兵は帰国しても、約束されていた奨学金がもらえなかったり、約束されていた治療が受けられなかったり、帰還兵援護局に行っても仕事の世話をしてもらえなかったりで、その多くが生活苦に喘いでいます。

アメリカ全土に拡大している「占拠」運動に多くの帰還兵が参加しているのは、このような背景があります(ベトナム戦争のあとでも多くの帰還兵がホームレスになっっています)。

しかしスコット・オルセンは、海兵隊員として2度も戦地に送り込まれたにもかかわらず五体満足で帰ってくることができました。

ところが彼は、よりによって、「アメリカの地で」「アメリカ人によって」命を奪われようとしたのです。これほど皮肉なことがあるでしょうか。

この事件がアメリカ全土で憤激を呼んだのは、単に上記のような「皮肉」だけではありませんでした。

次のビデオが示すように、警官に撃たれてオルセンが横たわっているのを発見した参加者が、慌てて救助に駆けつけたにもかかわらず、彼らを目がけて警官が何度も閃光弾を発射したのでした。

Oakland Policeman Throws Flash Grenade Into Crowd Trying To Help Injured Protester
(1分程度の動画です。ぜひ見てください)

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戦場でも白畑を掲げて投稿してくるものは攻撃してはならないことになっていますし、負傷者がいればそれを救助することが国際法で決められています。しかしオークランドは戦場ではありませんし、抗議参加者は全くの非暴力で抗議活動をしているだけでした。

このような警官の非情な行動に対してアメリカ全土で、オルセンの命を気遣った「徹夜の祈りと抗議の集会(Vigil)」が開かれました。

またオークランド「占拠」運動の「全員総会(General Assebly)」では、「地域の職場や学校で11月2日にゼネラル・ストライキを!」という呼びかけを、圧倒的多数で可決しました。

オークランドは元は軍港のあったところですが、「港湾労働者倉庫組合」の活動家であるClarence Thomasは、応援のため総会に駆けつけ、次のように演説して、「全員総会」の決議を支持しました。

「ゴム弾・催涙ガス・警棒などで、畏怖と衝撃を与えても、この運動を止めることはできない。いまハイランド病院ではイラクからの帰還兵が、自分の命をかけて脳の手術と闘っている。彼はイラクの戦地で2度も生きのびた。ところが彼は、帰国した我が祖国で撃たれてしまった。いま二つの戦争が進行している。国外の戦争と国内の戦争だ」

Longtime California labor activist Clarence Thomas spoke at a rally on Thursday in Oakland.
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#0

Clarence Thomas of the International Longshoreman and Warehouse Union also praised calls by the Occupy Oakland General Assembly for a general strike in Oakland next week.

Clarence Thomas: "Rubber bullets, gas, sticks, shock and awe, cannot stop this movement. There is an Iraqi (sic) veteran fighting for his life in Highland Hospital. He survived two tours in Iraq. But when he came home, he was shot at the war at home. There’s two wars going on: there’s a war abroad and a war at home."

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オークランドは湾を隔ててサンフランシスコの真向かいにある街で、黒人やアジア系の住民が多いところです。

その北を車で30分ほど走ると、名門カリフォルニア州立大学バークレイ校があります。またその南を車で30分ほど走ると、私が1年間、日本語を教えていたカリフォルニア州立大学ヘイワード校があります。

またオークランドは、黒人解放運動の指導者マルコムXが暗殺されたあと、彼の思想的影響でブラック・パンサー党が結成され、その本拠地があったところとしても有名です。

たまたま読んだ本でそのことを知り、その本を頼りにブラック・パンサー党の本部跡を尋ね歩いたことがあるので、その意味でも、オークランドでの出来事は他人事ではありませんでした。

(その本部は普通の市民の家になっていましたが、この写真は拙著『国際理解の歩き方』に載せてあります。)

そのうえ、カリフォルニア州立大学バークレイ校は、以前に客員研究員として1ヶ月近く滞在したことがありますし、私がヘイワード校で教えていた頃、私の主催する英語教育研究会の「夏の研究集会」を、このキャンパスを借りておこなったこともあります。そして皆と一緒にバークレー校を訪ねたことがあるので、その意味でもオークランド近辺は非常に懐かしいところです。

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ところでオークランドの市長は、この事件について「今度の件を非常に悲しく思っている。これはひとえに私の責任である」と謝罪を表明しました。

Oakland Mayor Quan Apologizes to Occupy Oakland
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#1

このDemocracy Now!(2011/10/28)の謝罪映像を見て、不思議に思ったのは、オークランドの市長がアジア系の女性(たぶん中国系アメリカ人)だったことです。

というのは、ニューヨークでも10月14日、公園の掃除を口実に「占拠」を実力で撤去しようとする動きがあったのですが、最終的に白人市長のブルームバーグは、それを撤回したからです。

アメリカの貧困層には黒人・ラテン系・アジア系の有色人種が多いのですが、その悩みや苦しみを白人のブルームバーグ市長でさえ一定程度は理解していたからこそ、「占拠」している民衆を力尽くで排除しようとしなかったのでしょう。

その証拠に、10月11日の段階で、ブルームバーグ市長は「要するに市民は意見を表明したいのだ。法と秩序を守る限り、私はそれを許すつもりだ」と語っていました。

NYC Mayor Bloomberg Suggests Occupy Wall Street Protesters Can Remain Indefinitely
http://www.democracynow.org/2011/10/11/headlines#3

ですから、アジア系の女性市長Jean Quanは、なおさら柔軟に対処するだろうと思ったのです。しかし残念ながら事態は逆でした。

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今のところ頭蓋骨を打ち砕かれたスコット・オルソンの容態は不明ですが、これが死にいたるようなことになれば、アメリカ中が騒然とした状態になるでしょう。

かつてベトナム戦争の時(1970年5月4日)、オハイオ州のケント州立大学で4名の学生が州兵に射殺され、それをきっかけにアメリカ全土で反戦運動が拡大したからです。

エジプトの民衆蜂起も、鎮圧部隊が民衆を力で押さえ込めば押さえ込むほど逆に拡大しました。シリアでもイエメンでも状態は同じで、軍隊がたくさんの民衆を殺し続けているのに抵抗運動は収まる気配を見せません。

ですから、「力の政策」は必ずしも成功するとは限らず、逆効果であることも少なくありません。

11月2日のゼネストがどのような展開を見せるのか、全国でそれに呼応する運動がどのような広がりを見せるのか、予断を許さない情勢です。

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ここまで書いてきたら突然、「佐賀県の玄海原発を再稼働させる」というニュースが飛び込んできました。

事故を起こした福島原発がまだ何の収束も見せていないときに、そして日本中が汚染の被害で苦しんでいるときに、トラブルで自動停止した原子炉を再稼働させるというのは、正気の沙汰ではありません。

東京で「原発いらない福島の女たち~100人の座り込み」アクションが大成功をおさめ、それが更に「全国の女たち」に引き継がれているので、恐れをなした政府・経産省が焦って再稼働を促しているのかも知れません。

だとすれば、抗議の電話・FAX・メールを政府・佐賀県・玄海町に集中させねばならないでしょうし、「もう我慢のゲンカイだ!」と、アメリカのように、東京だけでなく各地での「占拠」が必要なのかも知れない、と考えるようになりました。
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Author:狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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