貧困大国アメリカ(3) ― 民間刑務所ビジネスと手をつなぐ巨大産業(Prison-Industrial Complex)、犯罪は増えていないのに投獄率はイギリスやドイツと比べて5倍から10倍も高いのです[チョムスキー]

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囚人増加曲線 ― 投獄されたアメリカ人の急増ぶり

http://en.wikipedia.org/wiki/File:US_incarceration_timeline.gif
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<註> 
* 一般読者の皆さんへ: 以下では英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねています。時間のない方は飛ばして読んでください。
* 英語教師の皆さんへ: 授業における会話ブーム(しかも覚えてもすぐ忘れる)のおかげで、生徒どころか英語教師の「読む力」も大きな落ち込みを見せています。この英文記事が「読む力」の回復に少しでも役立てば幸いです。
* 教育研究者の皆さんへ: 最近わたしは、英語を学ぶ目的の一つは、アメリカの実像を知り日本を「第二のアメリカ」にしないことにある、と考えるようになりました。以下は、今まであまりにも「虚像のアメリカ」を教えてきた私の反省が込められています。
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前回のブログでは、「路上生活の子ども160万人、23歳になるまでに若者の3人にひとりが刑務所へ! 学校から刑務所までの直通パイプライン(Schools-to-prison Pipeline)」との見出しで、貧困大国アメリカの実像を紹介しました。

そして日本を「第二のアメリカ」にしないためにこそ、英語を学ぶ大きな意味があるのではないか、だからこそと「覚えてもすぐ忘れる会話のフレーズ」中心の英語学習から脱却する必要があるのではないか、と訴えてきたつもりです。

貧困大国アメリカについては、すでに堤未果『貧困大国アメリカ』I.II (岩波新書)やアリアナ・ハフィントン『誰が中流を殺すのか:アメリカが第3世界に墜ちる日』(株式会社阪急コミュニケーションズ)があるので、これ以上は紹介する必要もなさそうですが、上記の本であまりふれられていなかったことを紹介して、貧困大国アメリカについては、ひとまず終わることにしたいと思います。

ただし『誰が中流を殺すのか:アメリカが第3世界に墜ちる日』は、「2分間に1回は破裂している水道管(121-123頁)など、アメリカの凄まじい貧困ぶりを赤裸々に描いている一方、教育の貧困があたかも「チャータースクール」で救われるような書き方になっているところが気になります。せっかくの良書が、こんな欠点で読まれなくなるのが心配ですし残念な点でもあります。

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刑務所の民営化、すなわち「刑務所ビジネス」については、堤未果『貧困大国アメリカII』の第4章「刑務所という名の巨大労働市場」で詳しく紹介されています。以下の見出しを読むだけで内容のおおよそが想像できるのではないでしょうか。
(1) 借金づけの囚人たち
(2) グローバル市場の一つとして花開く刑務所ビジネス
(3) 第3世界並みの低価格で国内アウトソーシングを!
(4) ローリスク・ハイリターン ― 刑務所は夢の投資先
(5) 魔法の投資信託REIT
(6) ホームレスが違法になる
(7) アメリカ国民は恐怖にコントロールされている
そこで以下では、この本で全くふれられていなかったことを記すにとどめます。

アメリカには、ALEC (American Legislative Exchange Council アメリカ州議会交流協議会)という団体があります。

同協議会の会員には州議会議員と企業経営幹部が含まれ、秘密裏に集まって法案原案について議論したり賛否をとったりしています。

この団体は、今までにも労働者の権利を剥奪したり、環境規制を後退させたり、教育の民営化、主要産業の規制緩和、有権者ID法(黒人などマイノリティの選挙権を剥奪する法律)の通過などをねらう法案の作成にかかわったことで知られています。

Center for Media and Democracy(メディアと民主主義センター)は、企業の戦略にまるまる沿う形でALECが起草した800におよぶ法案モデルを公開しました。

同「センター」専務理事リサ・グレイブズによれば、ALECのおかげで、このところ少なくとも12の州議会が、米環境保護庁の二酸化炭素排出規制をやめるよう連邦議会に求めるほとんど同一内容の議決を採択しています。



ALEC Exposed: State Legislative Bills Drafted by Secretive Corporate-Lawmaker Coalition
http://www.democracynow.org/2011/7/15/alec_exposed_state_legislative_bills_drafted

これを読むと、大企業の横暴を許す「規制緩和」、教育を儲けの対象とする「教育民営化」「チャータースクール」の立法化なども、この団体が裏で画策したものであることが分かります。

最近、南アメリカ共和国のダーバンでCOP17(国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議)が開かれ、アメリカが大きなブレーキとなり、見るべき成果をあげずに閉幕しましたが、ここにもALECがいたのか!?と驚かされました。

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ALEC Exposed: State Legislative Bills Drafted by Secretive Corporate-Lawmaker Coalition
(明らかになったALECの影:企業と議員の秘密の連携で起草される州議会法案の数々)

This week the Center for Media and Democracy released 800 model bills, legislation that is straight out of the corporate playbook and drafted by the American Legislative Exchange Council.   The group's membership includes both state lawmakers and corporate executives who gather behind closed doors to discuss and vote on draft legislation.
  ALEC has come under increasing scrutiny in recent months for its role in crafting bills to attack worker rights, to roll back environmental regulations, privatize education, deregulate major industries, and pass voter ID laws.
  Thanks to ALEC, at least a dozen states have recently adopted a nearly identical resolution asking Congress to compel the U.S. Environmental Protection Agency to stop regulating carbon emissions. We are joined by Lisa Graves, executive director of the Center for Media Democracy.
(さらに詳しい説明は下記を御覧ください)
http://www.democracynow.org/2011/7/15/alec_exposed_state_legislative_bills_drafted

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しかし、以下のDemocracy Now!の記事を読むと、「刑務所ビジネス」でもALECが裏で大きな役割を演じていることを知って驚かされます。

ネイション誌に投稿している労働問題記者マイク・エルクによれば、囚人数の急増を引き起こした厳罰を伴う刑法の多くは、ALEC(アメリカ州議会交流協議会)によって草案されました。



New Exposé Tracks ALEC - Private Prison Industry Effort to Replace Unionized Workers with Prison Labor
http://www.democracynow.org/2011/8/5/new_expos_tracks_alec_private_prison

先述のとおり、ALECは大企業が法律案のモデルを草稿するのを手助けしていますが、新たな報道で、州と企業が、労働組合に加入している労働者の仕事を、囚人労働に交代させようとする下準備を、ALECが行ってきたということがわかりました。

上記の番組でエルクは次のように指摘しています。

「いまや巨大企業となった民営刑務所が、民間製造業と結託して法律を改悪し、それによって大量の人々を刑務所に送り、彼らを労働搾取できるような状況を作り上げた」

「2005年に刑務所内労働者によって加工された牛肉1,400万ポンド以上がネズミの糞で汚染されたにもかかわらずリコール されなかったのは、囚人労働によりどれくらい多くの製品が作られているかに世間の注目が集まるのを避けるためだった」

つまり、アメリカでは貧困化が進み、犯罪者が増えても一向に困らない仕組みができているのです。それどころか貧困化が進んだ方が刑務所ビジネスは大儲かりなのですから、これを改める必要は全くないということになります。

ハフィントン『誰が中流を殺すのか』の副題は「アメリカが第3世界に墜ちる日」となっていますが、今までは「第3世界」の労賃が安かったので、そちらに工場を移す必要があったのですが、今後はその必要がなくなるのかも知れません。

MIC(Military-industrial Complex 軍産複合体)という語は、アイゼンハワー大統領が1961年1月の退任演説においてその存在と危険性を指摘し有名になりましたが、恐ろしいことに、今では PIC(Prison-industrial Complex 獄産複合体)という用語すらも定着し始めています。
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New Exposé Tracks ALEC - Private Prison Industry Effort to Replace Unionized Workers with Prison Labor
(ALECが民間刑務所産業と結託して、組合員の労働者を囚人労働に置き換えようと画策)

Many of the toughest sentencing laws responsible for the explosion of the U.S. prison population were drafted by the American Legislative Exchange Council, which helps corporations write model legislation.
  Now a new exposé reveals ALEC has paved the way for states and corporations to replace unionized workers with prison labor.
  Mike Elk, contributing labor reporter at The Nation magazine, says ALEC and private prison companies "put a mass amount of people in jail, and then they created a situation where they could exploit that."
Elk notes that in 2005 more than 14 million pounds of beef infected with rat feces processed by inmates were not recalled, in order to avoid drawing attention to how many products are made by prison labor.

(この記事の全文は下記を御覧ください)
http://www.democracynow.org/2011/8/5/new_expos_tracks_alec_private_prison

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ベトナム戦争のときアメリカは徴兵制でしたが今は「反戦運動」が起きないように志願制に替えました。すると兵員を確保し戦争を継続するためには貧困化が欠かせない条件となります。

なぜなら裕福な若者は兵士にはならないからです。兵士を志願する若者は貧困者が多く、また市民権が欲しい貧乏な移民も応募するからです。

この兵員を確保するもう一つの手段が、No Child Left Behind Act(落ちこぼれゼロ法)でした。

これについては、堤未果『貧困大国アメリカⅠ』の第4章「出口をふさがれる若者たち」に詳しい説明がありますので、そちらを参照してください。兵士募集に協力しない学校には補助金を出さないという恐ろしい法案でした。

なお日本でも市場原理主義による民営化刑務所が誕生し始めています。2006年の構造改革特別区域法施行令の改正により、構造改革特区の指定を受けた地域へのPFI(Private Finance Initiative)手法による刑務所の設置が可能となりました。

いま4つの新施設(山口県、島根県、栃木県、兵庫県)で事業が行われていますが、これを「町おこし」とすること自体が不気味です。

また、日本でALECに似た団体として何があるのだろうか、と考えてみたのですが、ふと「松下政経塾」がそれに当たるのかも知れない、と思うようになりました。というのは、自民党にも民主党にも「松下政経塾」出身の政治家はたくさんいますし、彼らの掲げる政策にほとんど違いはないからです。

現内閣の野田佳彦総理大臣も、前原誠司政策調査会長も「松下政経塾」の出身ですし、彼らになってからは自民党でさえできなかった「消費税10%」や「武器輸出3原則の規制緩和」など驚くべき政策が出てきているからです。ブッシュ2世でさえやらなかった政策を次々と打ち出しているオバマ氏と似ています。
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以上、アメリカで貧困が蓄積されていく要因をいくつか見てきたのですが、それに関連して、Democracy Now!できわめて興味深い記事を見つけました。

Bank of America Settles Countrywide Bias Case with $335M Fine
http://www.democracynow.org/2011/12/22/headlines

上記の記事によると、アメリカ最大銀行の一つBank of Americaの支社(Countrywide Financial)が、黒人やメキシコ系アメリカ人などを差別したという訴えにたいして、3億3500万ドルの和解金に応じたというのです。

捜査当局によると、Countrywideは同じような貸付金なのに白人よりも高い利息をつけて有色人(20万人)にお金を貸していたというのです。悪徳高利貸しが貧乏な有色人を食いものにしているわけです。

この捜査でもう一つ明らかになったことは、住宅の販売に当たっても、この会社は黒人やメキシコ系アメリカ人などのマイノリティにたいして、白人よりもはるかに高い金利で住宅ローンを貸し出していました。

これは「抵当権つき」ですから、お金を返せないとその抵当として彼らの財産をすべて「貸し剥(は)がし」するわけですから、当然のことながら路上にはホームレスが溢れることになります。

彼らはお金を返却できなくなるのを承知で、ことば巧みに騙(だま)して貧乏な有色人にお金を借りさせ、そのあとで抵当権をたてに「貸し剥がし」をするわけです。これが国家レベルでおこなわれたのがギリシャでした。

こうしてギリシャは今後、公教育・社会保障・公共水道・パルテノン神殿などの観光資源など、あらゆる公共施設・公共サービスを(借金の抵当として)アメリカのウォール街に差し出さねばならなくなるでしょう。これがギリシャ危機の本質でした。

私がアメリカの大学で日本語を教える生活を始めるため、水道・電気・電話などの支払い口座を開こうと銀行に行ったとき、まず驚いたのが、一定額以上を預金している富裕者には利息をつけてお金を預かってくれるのに、その金額に達しない貧乏人には「おまえたちのお金を安全に保管してやっているのだから、預かり賃として利息をつけさせてもらう」という制度でした。

つまりアメリカという国は、豊かなものはいっそう豊かになれるが貧乏人は一層貧乏になるという仕組みが、初めから完備している国だということでした。
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Bank of America Settles Countrywide Bias Case with $335M Fine
http://www.democracynow.org/2011/12/22/headlines

Bank of America has agreed to pay a $335 million settlement over allegations its Countrywide Financial division discriminated against black and Hispanic borrowers.
  The Justice Department says the settlement is the largest of its kind in history.
  Investigators found Countrywide charged higher rates to more than 200,000 people of color compared to white borrowers with similar credit.
  It also found Countrywide directed more than 10,000 minorities toward more expensive subprime mortgages, while giving white borrowers with similar credit regular loans.
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アメリカで貧困者を増やしているもう一つの制度は「減税」という名の「金持ち優遇税制」です。「減税」といえば税金を減らすわけですから聞こえは良いのですが、実質的には大企業と富裕層の減税になっているだけで中間層や貧困層にとっては実質的な増税になっているのが実態です。

ところが「減税」を声高に叫んでいるひとたちが、同時に「国家財政が赤字に転落すると大変だから消費税を!」の主導者であるという不思議な現実があります。

つまり「減税」を叫んでいるひとたちの多くは、庶民のための減税ではなく「企業減税が経済を活性化する」「結果として庶民も豊かになる」いう意見の持ち主なのです。

しかし企業減税をしても国民が豊かにならなかったことは、何よりもアメリカの現実が証明しています。すでに前回や前々回のブログおよび今回のブログでも書きましたが、いまやアメリカは「貧困大国」です。

州や自治体でも赤字財政に転落したところが少なくありません。アリゾナ州の惨状については過去にも何度か書きました。例えば下記を御覧ください。

アリゾナ州の惨状とチョムスキー講演、そして日本
http://pub.ne.jp/tacktaka/?entry_id=3065751
アリゾナ州の惨劇(続)― 銃乱射事件とオバマ大統領
http://pub.ne.jp/tacktaka/?entry_id=3422879

ところが共和党は相変わらず「減税」を主張して譲りませんし、民主党のオバマ大統領もウォール街から巨額の献金をもらっているので、富裕層にたいする増税にはいつも及び腰です。

しかし、世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり、同社の会長兼CEOを務める大富豪のWarren Buffett氏は、次の記事で、このようなオバマ氏や共和党の姿勢に厳しい批判を加えています。



Warren Buffett: Trickle-Down Economics Don't Work
http://www.democracynow.org/2010/11/22/headlines#7
Warren Buffett:Stop Coddling the Super-Rich
http://www.nytimes.com/2011/08/15/opinion/stop-coddling-the-super-rich.html

氏は上記の記事で次のように主張しています。

「富裕層や大企業を減税すれば、そのおこぼれは庶民にも及ぶ」という“Trickle-Down”の経済学理論が有効でなかったことは、今や明らかだ」

「大企業に今よりも高い税金をかけていたときの方が経済は好況だった」「超富裕層を甘やかす減税政策は、もう止めにしたらどうか」

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Warren Buffett: Trickle-Down Economics Don't Work

In other economic news, billionaire investor Warren Buffett has told ABC News that the rich should be paying a lot more in taxes and that the Bush-era tax cuts for the wealthy should be left to expire at the end of December.
  During the interview, Buffett also dismissed Republican arguments that letting tax cuts expire for the wealthy would hurt economic growth.
  Warren Buffett: "I think that people at the high end, people like myself, should be paying a lot more in taxes. We have it better than we've ever had it."
Christiane Amanpour: "They say you have to keep those tax cuts, even on the very wealthy, because that is what energizes business and capitalism."
Warren Buffett: "The rich are always going to say that, you know, 'Just give us more money, and we'll go out and spend more, and then it will all trickle down to the rest of you.' But that has not worked the last 10 years, and I hope the American public is catching on."

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Warren Buffett:Stop Coddling the Super-Rich

Back in the 1980s and 1990s, tax rates for the rich were far higher, and my percentage rate was in the middle of the pack.
  According to a theory I sometimes hear, I should have thrown a fit and refused to invest because of the elevated tax rates on capital gains and dividends.
  I didn't refuse, nor did others. I have worked with investors for 60 years and I have yet to see anyone — not even when capital gains rates were 39.9 percent in 1976-77 — shy away from a sensible investment because of the tax rate on the potential gain.
  People invest to make money, and potential taxes have never scared them off. And to those who argue that higher rates hurt job creation, I would note that a net of nearly 40 million jobs were added between 1980 and 2000.
  You know what's happened since then: lower tax rates and far lower job creation.

(記事の全文は下記を御覧ください)
http://www.nytimes.com/2011/08/15/opinion/stop-coddling-the-super-rich.html

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日本でも同じことが起きました。規制緩和・構造改革などといった新自由主義・市場原理主義の経済理論がはびこったときに北海道夕張市が財政破綻したことは記憶に新しいことです。また、トヨタが世界一になっても国民は豊かになりませんでした。それどころか路上生活者(ホームレス)が溢れるようになりました。

民主党政権になって、やっと市場原理主義から脱却した新しい日本が生まれるかと期待したのですが、菅政権によって裏切られ、それが野田政権になってから自民党も顔負けの政策が進行することになりました。これは「武器輸出3原則の緩和」や「スーダンへの自衛隊派遣」によっていっそう顕著になりました。

[日本も、アメリカと同じような、Military-industrial Complex(軍産複合体)やPrison-industrial Complex(獄産複合体)が跋扈(ばっこ)する社会になっていくのでしょうか]

このような裏切りはオバマ政権もまったく同じでしたが、それにたいする抗議がOccupy Movement「占拠運動」となってアメリカ全土に広がりました。このような流れが強まり、少しでもアメリカを良い国にしてくれることを願うのみですが、問題は日本の私たちがその流れ・運動から何を学ぶかです。

英語学習はそのためにこそ生かすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

最後になりましたが、どうか良いお年をお迎えください。

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<註> 時間のある方は、アメリカの貧困化と囚人数(特に黒人を中心としたマイノリティ)についての、下記チョムスキー・インタビューをぜひ読んでいただきたいと思います。
 題名を見ると麻薬についてと誤解されそうですが、麻薬→貧困化→黒人問題→教育の貧困というように議論は広がりかつ深く鋭くなっていくので、私は思わず引き込まれて一気に読んでしまいました。

チョムスキー「麻薬犯罪組織と国境で拡大しつつある麻薬戦争」
http://www42.tok2.com/home/ieas/chomsky_drug_war.PDF


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貧困大国アメリカ(2) 路上生活の子ども160万人、23歳になるまでに若者の3人にひとりが刑務所へ! Schools-to-prison Pipeline 「学校から刑務所までの直通パイプライン」

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動画:OWS Thanks Our Supporters! (約6分)
[英語の意味が分からなくても Occupy Wall Street Movement の雰囲気がよく伝わってくるビデオだと思います。時間があれば見てください。]


http://occupywallst.org/
[2011 was a revolutionary year for a new movement that is changing the world. From NYC to Cairo, we are just getting started. We are still busy building this amazing movement, and we couldn't do it without you -- our supporters! Let's make next year even better!]

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<註> 
* 一般読者の皆さんへ: 以下では英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねています。時間のない方は飛ばして読んでください。
* 英語教師の皆さんへ: 授業における会話ブーム(しかも覚えてもすぐ忘れる)のおかげで、生徒どころか英語教師の「読む力」も大きな落ち込みを見せています。この英文記事が「読む力」の回復に少しでも役立てば幸いです。
* 教育研究者の皆さんへ: 最近わたしは、英語を学ぶ目的の一つは、アメリカの実像を知り日本を「第二のアメリカ」にしないことにある、と考えるようになりました。以下は、今まであまりにも「虚像のアメリカ」を教えてきた私の反省が込められています。
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前回のブログでは、「貧困大国アメリカ(1)」と題して、“ニューヨーク「路上生活者」が4万人に!” “アメリカの約半数(1億4千640万人)が「貧困層」に転落!!”というDemocracy Now!の記事を紹介しました。

タイム誌の表紙「今年のひと」が『抗議者』になったのも、このような状況に対する民衆の怒りを反映しています。

共和党はもちろんのこと、貧困層が多い黒人の期待を担って大統領に当選したはずのオバマ大統領=民主党すら、何もしてくれないことに対する民衆の怒りです(オバマ氏の巨額選挙資金の大半がウォール街から来ているのですから、当然といえば当然ですが)。

いまアメリカ全土で Occupy Movement が広がっていて、テントを張って「占拠」し抗議する民衆を、警官が唐辛子スプレーなどを使って排除し、テントを破り捨てるなど、警察の弾圧も一層の激しさを増しています。

このままいくと、アメリカもギリシャ、イタリアどころかエジプトやイエメン、バーレーン、シリアのような悲惨な状況になっていくかもしれません。というのは、前回の記事を紹介した直後に、Democracy Now!では次のような記事が出ているからです。

Study Finds 1.6 Million Children Homeless in 2010
http://www.democracynow.org/2011/12/20/headlines

この記事によると、昨年の統計でアメリカでは160万人の子どもたちがホームレスになり路上生活を強いられています。これは45人に1人の割合になるそうです。これは2007年の統計からすると33%も増加したことになります。

路上生活家族全国センター(The National Center on Family Homelessness)は、「このような状態を放置して何も対処しなければ、アメリカ社会を担う次の世代を失ってしまうことになる」として行動に乗り出すことを強く呼びかけています。

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Study Finds 1.6 Million Children Homeless in 2010
http://www.democracynow.org/2011/12/20/headlines

In other economic news, a study has found 1.6 million children in the United States, or one in 45 kids, were homeless last year. The National Center on Family Homelessness said its study is a "call to action for all of us to address child homelessness before we lose another generation." The group said the child homelessness rate has jumped 33 percent since 2007.
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だとすれば、Occupy Movementこそが、その一つの行動であるはずなのですが、ニューヨーク市長もオバマ大統領も、この運動を支援するどころか、密かに鎮圧策を練っているフシさえ見られます。

それどころか、ニューヨーク市長ブルームバーグ氏は、チョムスキーのいるマサチューセッツ工科大学(MIT)で講演したとき、ニューヨーク市警NYPDを「自分の軍隊だ」と私物化し、しかも「世界で7番目に大きい軍隊だ」と豪語しています。

Bloomberg: NYPD is "My Own Army"
http://www.democracynow.org/2011/12/1/headlines#11

ブルームバーグ氏は、この巨大な軍隊を使って、ズコッティ・パーク(またの名を「Liberty Plaza」という)その他で野営していた若者たちを、大量の逮捕者を出しながら徹底的に排除しました。同じようなことが北京や上海でおこなわれたら、日本やアメリカのメディアは、どのように騒ぎ立てるでしょうか。
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Bloomberg: NYPD is "My Own Army"
http://www.democracynow.org/2011/12/1/headlines#11

New York City Mayor Michael Bloomberg boasted to an audience at MIT Tuesday night that the New York City Police Department is his own personal army. Bloomberg said, "I have my own army in the NYPD, which is the seventh biggest army in the world."
  The mayor has been accused of using New York City’s massive police department as his own private force to clear out Occupy Wall Street protesters from their home base in Lower Manhattan and execute scores of arrests throughout the city.
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つまり、ニューヨーク市長ブルームバーグ氏は、ウォール街の悪行を取り締まって貧困を撲滅する政策をすすめるよりも、「4万人にも達したニューヨークの路上生活者」を何とかしろと抗議する若者たちを鎮圧する方を選んだのでした。

ところで、アメリカで「路上生活の子ども160万人」に達したという記事が載った同じ日のDemocracy Now!(12月20日)に、もう一つ次のような記事が載っていました。

Study: One-Third of Young People Will Be Arrested Before Age 23
http://www.democracynow.org/2011/12/20/headlines

この記事によると、アメリカでは「23歳になるまでに若者の3人に1人が刑務所行きになるだろう」と述べています。

この研究では、交通違反などの軽微な犯罪を除いて、逮捕されたものを調査した結果、逮捕者の「30.2%から41.4%が」「8歳から23歳まで」の若者だったというのです。

いまアメリカでは刑務所が民営化され、しかも囚人労働が「労働組合が作られる心配もなく、ストライキもあり得ないので、安い労働力の源泉として重宝されている」(堤未果『貧困大国アメリカ』Ⅱ、岩波新書)といいます。

ですから、「23歳になるまでに若者の3人に1人が刑務所行きになるだろう」という見通しは、大企業にとってこれほど美味しい話はないでしょう。

マイケル・ムーア監督の映画Capitalism: A Love Story (2009)『キャピタリズム:マネーは踊る』の中でも、裁判官が民営化された刑務所からお金をもらって、微罪の若者を刑務所に送り込む実話が出てきて驚かされました。

が、アメリカでは裁判官が株の売買をしていても当然という雰囲気がありますから、驚く方がおかしいのかも知れません。
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Study: One-Third of Young People Will Be Arrested Before Age 23
http://www.democracynow.org/2011/12/20/headlines

Another study found about one-third of young people will be arrested before they turn 23. The study examined arrests, not including minor traffic violations, for kids ages eight to 23. Researchers said they found between 30.2 percent and 41.4 percent had been arrested.
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ところで、「23歳になるまでに若者の3人に1人が牢獄行きになるだろう」という記事を読んですぐに思い浮かんだのは、カンザスシティ・スター紙の記者ルイス・デューグィッド氏による「学校から刑務所までの直通パイプライン」(the schools-to-prison pipeline)ということばでした。

Amidst Soaring Poverty, New MLK Monument Should Be Seen as "Testament to [His] Unfinished Work"
http://www.democracynow.org/2011/10/19/amidst_soaring_poverty_new_mlk_monument

デューグィッド氏は上記インタビューの中で、「学校から刑務所までの直通パイプライン」について次のように語っています(これは、貧困に喘ぐ黒人清掃労働者のストライキを支援中に暗殺されたキング牧師の、銅像除幕式に併せて報道されたものです)。

「アメリカでは刑務所の経営者は、小学校3年生で刑務所にどれだけのベッドが必要かを算出できる。というのは、3年生で脱落した生徒は、ほぼそのまま刑務所行きになるからだ。」

「ジェファーソン市の刑務所内にアメリカ黒人地位向上協会支部(NAACP branch)があり、そこの黒人たちと話してみると、とても頭が良くて明るい。しかし、彼らは学校から見捨てられている。」

「このような現状を何とかしなければならない。いまアメリカでは230万人の囚人がいるが、その大多数は黒人かラテン系アメリカ人だ。この状況はおさまる気配がなく放置できない状態だ。」

チョムスキーの本“FAILED STATE”『破綻するアメリカ、壊れゆく世界』(集英社, 2008年)には、「国民の人口比からして、アメリカほど囚人数が多い国は、他の発達した資本主義国には見当たらない」ということばがあります。

しかし、「刑務所ビジネス」を求めるひとにとっては、これは「改善してはならない」「維持しなければならない」状況ことになりそうです。

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Amidst Soaring Poverty, New MLK Monument Should Be Seen as "Testament to [His] Unfinished Work"
http://www.democracynow.org/2011/10/19/amidst_soaring_poverty_new_mlk_monument

Unfortunately, they say that by third grade the prison system knows how many beds that they'll need, because of the number of kids who are failing at that point.
  I'm going to go to Jefferson City today to speak to the men in an NAACP branch of the prison in Jefferson City. And these are individuals who are extremely intelligent, very bright, but unfortunately, the schools let them down when they were trying to get through the system as students.
  And we need to fix that. I mean, we're talking about 2.3 million Americans who are in prison. And the majority of those individuals are African Americans and Latinos. This is an unsustainable situation that we have and a trend that isn't going to abate.
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<註> 
カンザスシティ・スター紙の記者ルイス・デューグィッドLewis Diuguid氏には次のような著書があります。『Discovering the Real America: Toward a More Perfect Union 』『A Teacher's Cry: Expose the Truth about Education Today』
 また、ブッシュⅡ大統領のNo Child Left Behind Act「落ちこぼれゼロ法」の結果、競争とテストが激しくなり逆に学力低下が起きていること、それをオバマ氏がチャータースクール・スクール政策でさらに悪化させていることなどについては、機会を改めて詳述したいと思います。ここでは、大阪の橋下知事(新大阪市長)が似たような政策の唱道者であったことを指摘するにとどめます。
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以上はアメリカの話でしたが、これは他人事ではなく、すぐ明日の日本の姿ではないでしょうか。というのは、民主党野田政権は、自民党小泉政権のときと同じ政策、あるいはそれ以上の「市場原理主義」政策で、日本の経済運営をする方向を見せているからです。

アメリカ主導のTPP(Trans-Pacific Partnership)いう政策そのものが、ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』(岩波書店、2011)の言う「惨事便乗型資本主義」を地で行くものですが、これがどんなに悲惨な様相を見せたかは、既にチリやアルゼンチンで実験済みです。

ギリシャの経済破綻も、前政権がウォール街から経営指南を受けた結果でし。それの尻ぬぐいをパパンドレウ首相が背負わされ、結局は退陣ということになりましたが、日本のマスコミは「ギリシャは公務員天国だから財政破綻した。日本もこのままでは第2のギリシャになる」と言わんばかりです。

しかしギリシャ国民にとっては、前政権が「市場原理主義」政策をとり、アメリカ金融資本ゴールドマンサックスなどに食いものにされたことは、明白な事実でした。だからこそ、「富裕層が支配して政権の失敗をなぜ国民が支払わなければならないのか」と怒って、ストライキや「占拠」運動が続いているのです。

「ギリシャの民衆は欧州全体のために闘っている」タリク・アリ
http://democracynow.jp/video/20100511-2 (日本語字幕つき、14分)
ギリシャ危機の渦中から~続:財政危機はなぜ起こったのか? 有馬めぐむ
http://markethack.net/archives/51562214.html

同じようなことは、年金資金をめぐって日本でも起きていました。その証拠に、東京新聞の次の記事を見てください。

年金運用3.7兆円赤字 欧州危機で外国株下落
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011120302000028.html#print
東京新聞2011年12月3日 朝刊

にもかかわず「日本もこのままでは第2のギリシャになる」と公務員たたきに狂奔しているのは、福島原発事故で嘘をつき「御用機関」になってしまっている大手マスコミが、またもや同じ嘘をついているとしか私には思えません。

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上記の東京新聞記事を要約すると次のようになります。

「厚生年金と国民年金の積立金を市場運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」は2日、今年7-9月期の運用結果について、3兆7326億円の赤字になったと発表した。」

「財投債(財政融資資金特別会計が資金調達のために発行する国債)を除く市場運用分の収益額の内訳は下記のとおり。
赤字→外国株式が2兆7350億円、国内株式が1兆2698億円、外国債券が4061億円
黒字→国内債券は6184億円のみ」

年金資金などの国家財政を株で運用すれば破産する危険があることは、「金融立国」をめざしたアイスランドが2009年に国家破産した例をみれば明らかです。また、最近でも東京の魚河岸(うおがし)で働くひとたちの積み立てた年金が株の売買の失敗で消し飛んでしまった例があります。

ところが驚いたことに、上記の東京新聞記事を読むと、「年金積立金管理運用独立行政法人」が巨額の赤字を出したのは今回だけではなかったのです。それを東京新聞は次のように述べています。

「四半期ごとの運用結果では、リーマン・ショックの影響で08年度10-12月期に5兆6601億円の赤字となったケースが最悪。今回は、01年度に年金積立金の市場運用を開始して以降、四半期別では四番目に大きなマイナスとなった。」

これだけ何度も経営に失敗していれば、ふつう経営者はすぐ首になるはずです。それどころか庶民の税金を使い込んだのと同じですから刑務所に行っても当然だと思われるのですが、東京新聞によれば、「年金積立金管理運用独立行政法人」は平然と次のように嘯(うそぶ)いているだけなのです。

「リーマン・ショックと比べ、欧州危機の積立金運用に与えるリスクは低い。直ちに年金給付に影響することはない。」

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しかし、このような大事件をNHKや民間の大手メディアは、ほとんど問題にしていません。

その一方で大手メディアは声高に「国家財政が赤字だから年金資金も枯渇する」「社会保障費を確保するためにも消費税増税を!」の大合唱です。

私たちは大手メディアに騙されない眼をもたなければいけませんし、タイム誌の言うPROTESTOR『抗議者』となり、もっと怒らなければいけない―これが師走も押し迫った私の思いです。

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<註> 商品先物及び金融派生商品を専門とする証券会社だったMFグローバル社がこの2011年10月に倒産しました。これは、2008年のリーマン・ブラザーズ倒産以降で最大の規模の倒産だそうです。
 このMFグローバル社の経営トップの座に就いていたジョン・コーザイン氏が12月13日の連邦議会で「本来は分離・隔離されていなければならない顧客資金のうち12億ドルをマネーゲームに投じて倒産した」ことについて長時間の追及を受けました。

Corzine Grilled over MF Global Collapse After Witness Suggests Knowledge of Misused Funds
http://www.democracynow.org/2011/12/14/corzine_grilled_over_mf_global_collapse

上記のインタビューで、投資銀行員からジャーナリストに転じたノミ・プリンズ女史は次のように述べています。
 「いま聴いているのは自分の責任と説明義務をすり抜けて逃げ切ろうとしている者の話です。それはサブプライム危機や過去の他の危機の際にCEOたちがおこなったこととほとんどまったく同じ話です」
 「Occupy Movementで、このアメリカで5500人もの逮捕者が出ていますが、Wall StreetからはCEOからも上級役員からも1人も逮捕者が出ていないのです。私たちの経済やヨーロッパの経済から数兆ドルものカネをせしめた連中ですよ。
 「そして彼らが今度はまた世界をぐるっと回ってアジアに対して同じことをしようとしている。それってとんでもなくひどいことじゃありませんか」

関連記事

貧困大国アメリカ(1) タイム誌「今年のひと」『抗議者』、ニューヨーク「路上生活者」が4万人に! アメリカの約半数(1億4千640万人)が「貧困層」に転落!!

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"The Protester" as "2011 Person of the Year"

  
                             Food Not Bombs!!
                             Food Is A Right – Not A Privilege!
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<註> 以下では英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねていますので、時間のない方は飛ばして読んでください。
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Howard Zinn &Anthony Arnove『Voices of a People's History of the United States』(仮名『肉声で綴る民衆のアメリカ史』明石書店)の翻訳・再校の原稿を、やっと出版社におくることができました。

この1ヶ月は土日を返上して校正に没頭していたので、ゆっくりブログに割く時間がまったく取れませんでした。

11月いっぱいに再校を送る予定だったので、12月に入ってからは、昼飯はおにぎりをほおばりながら休憩なし、夜も寝るのが1時、2時になることがあたりまえになってしまいました。おかげで再校を送り返したら、3日間、寝込んでしまいました。

今やっと、このブログを書く元気が出てきましたが、体がまだ本調子になっていませんし、退職直後の心臓手術の傷も寒くなるとまだ疼くので、今回のブログも、簡単なものにならざるを得ません。どうかお許しください。

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雑誌TIMEは年末恒例として「今年のひと」Person of the Yearを選んで表紙を飾ることにしていますが、今年は特定の人物を選ばずに、「抗議者」"The Protester" にしたようです。

Time Anoints "The Protester" as "2011 Person of the Year"
http://www.democracynow.org/2011/12/15/headlines

Time Magazine has chosen "The Protester" for its vaunted annual "2011 Person of the Year." Time Magazine editor Jim Frederick said the choice reflected the growth of people’s movements from Tunisia to Tahrir Square to Occupy Wall Street.

編集長のJim Frederick氏は、その理由を次のように語っています。

「この20~25年間、アメリカでは政治を変革する実行可能な方法として『抗議』PROTESTが眼に見えるかたちで存在してこなかったが、今年になって突然、降って湧いたように世界中が大量の抗議者で埋め尽くされた。しかも抗議の参加者が若者だけでなくあらゆる世代にわたっている。」

「チュニジア、エジプトでは政権が倒され、それが中東全体に広がり、スペイン、イタリア、ギリシャ、ロンドン、ウォール街を経て、今ではロシアにまで広がっている。『抗議』PROTEST(という「非暴力直接行動の運動様式」)が、今や民衆が政治的力を取り戻す一つの方法となった。」

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Time Anoints "The Protester" as "2011 Person of the Year"
http://www.democracynow.org/2011/12/15/headlines

Jim Frederick: "Time chose the protester, the global protester, as Time's '2011 Person of the Year,' because for the past 20, 25 years, almost a full generation, protest had stopped being a really viable way to change the political order, and then suddenly, almost out of nowhere, all across the globe, you have global, mass market protests that—you know, we're two regimes down and counting. Whether it's in Russia and London, Wall Street and all across the Middle East, suddenly the protest has become one of the ways that people are actually taking back political power."

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しかし、タイム誌が言及していない重要な事実があります。

それは「新自由主義経済」というアメリカ流経済運営が世界中に貧富の格差を広げ、それが世界中の怒りを掻き立てただけでなく、アメリカ社会そのものをも崩壊させつつあるということです。

下記の記事は、その貧困ぶりを如実に示しています。なんとニューヨークでは路上生活者(ホームレス)4万人の記録を達成(!?)したというのです。

New York Homeless Population Reaches New High
http://www.democracynow.org/2011/11/10/headlines#11
And this latest news, the homeless numbers in New York have reached their highest ever. More than 40,000 people are homeless in New York City.

この路上生活者がズコッティ・パーク(Liberty Plaza)にテントを張って「俺たちに人間らしい生活を!」と要求すると、警察が襲ってきてテントを引きはがし、もう一度「路上生活者」に復帰(!?)させるのですから、なんと恐ろしい冷酷きわまりない社会=国家でしょう。

上記の記事は11月10日(木)のものですが、もっと恐ろしい記事が最近(2011/12/16)のDemocracy Now!に載りました。それによれば、アメリカの人口の約半分が「貧困層」に転落したというのです。

Nearly Half of Americans Below Poverty Line or Low-Income
http://www.democracynow.org/2011/12/16/headlines

この記事によれば、"low income" 「低所得」のひとは9730万人、"below the poverty line"「貧困ライン」以下は4910万人で、合計1億4640万人が「貧困層」です。

アメリカの人口は約3億人ですから、半分近くが「貧困層」に転落していることになります。これは2009年の統計からすると、「貧困層」が400万人も増加したことになります。

さらに驚いたことには、全国の市長会で問題になったことは、2010年9月から2011年8月の1年間で、29の市のうち4つを除いて、全ての市で「食べ物の緊急援助」が増加していることでした。

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Nearly Half of Americans Below Poverty Line or Low-Income
http://www.democracynow.org/2011/12/16/headlines

New figures show hunger, poverty and economic decline are increasing at record levels across the United States.
  The Census Bureau reports nearly half of Americans have either fallen below the poverty line or are classified under the category of "low income."
  The number of low-income residents is at 97.3 million, coupled with 49.1 million in poverty, for a total of 146.4 million. The figure marks an increase of four million over 2009.
  Meanwhile, the U.S. Conference of Mayors reports all but four of 29 major cities saw an increase in requests for emergency food assistance between September 2010 and August 2011.

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アメリカのOccupy WS Movement「Wall Street 占拠運動」は、"They Are 1%, We Are 99%."を合い言葉にしながら、 "They Are Bailed Out, We Are Sold Out."「奴らは救済されているのに、俺らは売り飛ばされている」という現実を鋭く追及してきました。

世界経済を破綻に導いた金融街、それを支配する超富裕層だけが救済されているのに、貧困層はまったく放置されたままという現状に、我慢ができなくなってアメリカ全土で民衆蜂起が広がったのでした。

この運動の中で、すでにアメリカ全土で5000人以上が逮捕されているのに、経済を破綻に導いた張本人は誰一人として逮捕されていません。

それどころか、救済された超富裕層は、自分たちの給料を激増させています。しかも「金持ち減税」で、税金すらも大幅に免除されています。

ガーディアン紙によると、一般民衆は(仕事を失っていないひとでも)給料は下がる一方なのに、トップエリートの給料は昨年と比べて25-40%も増加しているのです。

CEO Pay Sees Major Increase
http://www.democracynow.org/2011/12/15/headlines

As American wages fail to keep up with inflation, a new survey shows the nation's top CEOs have received massive pay increases. According to The Guardian, the country's leading executives enjoyed pay increases of between 27 and 40 percent last year.

このような矛盾の典型例がフロリダ州オーランド市(ディズニーワールドがあることで有名)でも起きています。

何と!オーランドでは、路上生活者に無料の食料を配ったという理由で「テロリスト」呼ばわりされ、逮捕されるという事件が起きているのです。

Feeding Resistance: Food Not Bombs Members Arrested in Orlando for Serving Meals Without a Permit
http://www.democracynow.org/2011/6/24/feeding_resistance_food_not_bombs_members


http://orlandofoodnotbombs.org/

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フロリダ州中部は不況の影響が大きく、個人破産と住宅の差し押さえが米国でももっとも多発しています。フロリダ州オーランド市も、その例外ではありません。

ところが、そのオーランド市では、数週間で20名以上が逮捕されました。お腹を空かせた人々に公園で無料の食事を配ったというのが逮捕の理由でした。

炊き出しを行った団体「フード・ノット・ボム」を、市長が「テロリスト」と呼んだことが広く報道されました(「食物テロリスト」呼ばわりされて逮捕されるとは、血も涙もない街ではありませんか)。

このFood Not Bombs!!「フード・ノット・ボム」(爆弾より食べ物を!!)は国際的な反戦市民団体で、戦争や貧困や環境破壊に抗議するため、世界の千以上の都市で食事を無料で提供しています。「毎日10億以上の人々が飢えているのに、戦争に使うお金がどこにあるのか」と彼らは言います。

Food Not Bombs!! オーランド支部は、イオラ湖公園で毎週2回の炊き出しを行なっていました。ところがオーランド市は新たな条令を定め、25人以上の集団への食事の提供を許可制にし、一団体につき年2回までを上限にしました。

すでに2回の許可を使いきってしまった「フード・ノット・ボム」の活動家は、条例を無視して炊き出しをしたため逮捕されたというわけです。

詳しくは以下の動画を御覧ください。日本語字幕付きで6分ほどのものですから、見るのにあまり負担にならないと思います。

「食物テロリスト」の出現?公園の炊き出しを取り締まるオーランド市
放送日: 2011/6/24(金)、再生時間: 6分
http://democracynow.jp/video/20110624-4

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日本でも経済破綻の旗振り役だった某教授が、一時は影を潜めていたにもかかわらず、今では再び大きな顔をしてテレビに出ていますし、野田政権も、元の累進課税に戻せば財源はいくらでも出てくるのに、消費税という民衆課税[=金持ち減税]で税収を増やそうとしています。

福島原発事故についても、政府は事故収束に向けた工程表の「ステップ2」「冷温停止状態」が終了したと宣言しました。そして子どもや妊婦を避難させるどころか、高濃度の汚染地帯に住民を帰そうとしています。これは一種の「殺人行為」ではないでしょうか。

私は以前のブログで、「国家は国民を守らない」にもかかわらず、日本人は「歌を忘れたカナリア」「怒りを忘れた日本人」になっているのではないか、と書きました。

アメリカでは、Occupy Movement が原子炉施設を「占拠」するまでに発展し、11名が逮捕されたのですが、驚いたのは、そのなかに92歳の女性までいたことでした。

Anti-Nuclear Activists Invoke Occupy Tactics in Vermont Demonstration; 11 Arrested
http://www.democracynow.org/2011/12/13/headlines

「アラブの春」や「占拠運動」に学んで、私たちも、もっと怒りを行動で表現することが大切なのではないでしょうか。

タイム誌の "Person of the Year" 「今年のひと」で、"The Protester" 「抗議者」が選ばれたことは、改めてそのことを教えてくれているように思います。

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<註1> バーモント州では、州として「廃炉」を決めているにもかかわらず、原子力企業Entergy=Vermont Yankeeは州の「廃炉」決定に従おうとしません。
 怒った市民が「「占拠」(企業幹部の「市民逮捕」a citizens' arrest)に乗り出したのですが、何と逮捕されたのは市民の方でした!!92歳のお婆さんも逮捕された一人でした。

Anti-Nuclear Activists Invoke Occupy Tactics in Vermont Demonstration; 11 Arrested
http://www.democracynow.org/2011/12/13/headlines

Eleven anti-nuclear activists were arrested in Brattleboro, Vermont, Monday after attempting to make a citizens' arrest of the board and officers of Entergy, operator of the Vermont Yankee nuclear power plant.
  Inside the offices of Entergy, the 11 women briefly did an Occupy-style "mic check" to read the citizens' arrest warrant. Among those arrested was Frances Crowe, a 92-year-old activist from Northampton, Massachusetts.

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<註2> 先に、ニューヨークで4万人の路上生活者(ホームレス)が生まれていることを紹介しましたが、怒ったニューヨーク市民が差し押さえられた空き家を「占拠」するという、新しいOccupy Movement "Occupy Our Homes," を始めました。
 日本でも「年越し派遣村」を設営するよりも、市営住宅の空き室や「空き家」を開放させる運動をした方が、はるかに良いように思うのです。空き家のままだと家の傷みも急速に進行するのですから、そのほうがよほど良いのではないでしょうか。

Occupy Wall Street Activists Take Over Foreclosed Homes
http://www.democracynow.org/2011/12/7/headlines#2

The Occupy Wall Street movement has launched a new effort to reclaim foreclosed homes from bailed-out banks.
  On Tuesday, activists staged a national day of action dubbed "Occupy Our Homes," partnering with displaced families to return to homes lost to foreclosure. In New York City, hundreds of people toured a Brooklyn neighborhood beset with vacant homes.

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