米兵によるレイプ事件(1)――傀儡政権だったはずのイラクから、なぜオバマ大統領は米軍撤退に追い込まれたのか [沖縄から日本とアメリカを見る]

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NO RAPE, NO BASE
(見事に韻を踏んでいる素晴らしい抗議ポスター)

http://rt.com/news/japan-us-rape-okinawa-763/ (出典:RT)

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前回のブログを書いてから早くも2週間がたってしまいました。次のブログで書きたいことは山積しているのですが、体が動きません。

翻訳『肉声でつづる民衆のアメリカ史』で4年間も酷使した体の疲れが、まだまだ回復していないようです。今も半日はベッドで寝る生活が続いています。

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それはともかく、いよいよ英語教育やアメリカ理解に焦点を移すことができるかと思っていたら、10月16日(火)沖縄のアメリカ兵による強姦(レイプ)事件が起きました。

私は以前からこのブログで、原発を推進する勢力には大きく分けて次の三つがあるという仮説を提示してきました。

第1勢力:平和憲法を改悪し(仮想敵国として中国・北朝鮮の脅威を煽り立てながら)日本を核大国=軍事大国にしたいと思っている政治家その他

第2勢力:原発を輸出することによって巨大な利益を得ようとしている巨大企業(これは同時に日本を兵器輸出ができる国にしたいと思っている勢力です)

第3勢力:「原子力ルネサンス」というスローガンを掲げながら、ブッシュ氏ですらやらなかった原子力産業に乗り出したアメリカ=オバマ政権


日本がアメリカの属国であるがゆえに自分の意志だけでは「脱原発」の決断をくだすことができない――これが私の「第3勢力」についての仮説なのですが、米兵によるレイプ事件は、改めてこの仮説を裏付ける事件だったように思います。

そこで以下では、このレイプ事件をめぐって私が調べたことをお知らせして、皆さんの参考に供したいと思います。
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<註> 国外のニュースで一番に気がかりなのは中東の戦火がシリアだけでなくレバノンにまで広がり始めたことです。アメリカやイスラエルの言いなりにならない国を殲滅し瓦礫の地にする作戦としては非常に効果的かも知れませんが、これに巻き込まれる民衆の苦難を考えると、なんともやりきれない思いです。

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http://rt.com/news/japan-us-rape-okinawa-763/(出典:RT)

ところで沖縄のレイプ事件について、DemocracyNow! および RussiaToday は次のように報じていました。

U.S. Imposes Troop Curfew in Japan Following Alleged Rape
http://www.democracynow.org/2012/10/19/headlines#101910
Okinawa slams US rape case, calls for treaty review
http://rt.com/news/japan-us-rape-okinawa-763/ (19 October, 2012)

日本のことが外国のメディアであまり取りあげられることがないのですから、この事件が世界的視点から見ても、いかに重大な事件だったかが分かります。

詳しい内容は省略しますが、見出しを見ていただいただけでも内容の違いは歴然としています。

というのは、Democracy Now! の記事は米軍兵士に「夜間禁止令」Curfew が出されたことが中心で、あとはアンジェレラ司令官の談話を載せた短いものでした。

しかし、RussiaTodayの記事は、レイプ事件を糾弾し「日米地位協定」SOFAの見直しを求める沖縄県知事の談話と沖縄県民の巨大な抗議運動を、4枚の大きな写真つきで載せていたからです。

戦争を糾弾し平和を求める独立メディアとして、大手メディアに抗して独自の報道を続けてきたDemocracyNow! を、私は高く評価してきただけに、上記の報道内容には大いに落胆させられました。

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沖縄県知事・仲井眞弘多(なかいま ひろかず)氏は、自民党・公明党・みんなの党の支持・推薦を受けて知事に当選しているのですが、その仲井眞氏ですら、米兵の暴行にたいして強く抗議し、「日米地位協定」SOFAの見直しを要求しているのですから、沖縄の雰囲気がよく分かるのではないでしょうか。

沖縄で『琉球新報』とともに「沖縄2大紙」と呼ばれる『沖縄タイムス』は、「[夜間外出禁止令]政府の姿勢は弱すぎる」と題する社説(10月21日)をかかげ、次のように論じています。

・・・。県民に大きな衝撃を与えた、1995年の暴行事件の後、米軍は再発防止を約束し、日本の文化や習慣について集中討議するなど規律教育を徹底したはずだった。
 2008年に中学生が暴行された事件では、沖縄に駐留する軍人と軍属の外出を禁止する措置が講じられた。
 だが、その後も米兵による事件は続いた。禁止令を破って、フェンスを乗り越え、酒を飲み…。
 いくらトップが神妙な面持ちで綱紀粛正を説いたところで、空疎な演説にしか聞こえない。
 半年ほどのローテーションで次々と入れ替わる海兵隊の若い兵士たちに、きちんとした教育がなされるのか、疑問である。・・・
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-21_40451


この事件を受け、19日に沖縄タイムスは、神奈川県で米空母所属兵士に暴行され(2002年)、米本国に逃げ帰った加害米兵を相手に裁判を起こし闘うキャサリン・ジェーン・フィッシャーさん(東京都在住)らを那覇市の本社に招き、緊急座談会を開いています。

この席上でフィッシャーさんは、「いろんな事件が当時あり、私が被害に遭った時も外出禁止令が出されていた。禁止令だけでは、事件防止の効果は期待できない」と指摘しています。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-22_40519

この事件は相手が日本人ではなく白人女性でした。白人ですらこのような被害にあうのですから、「夜間外出禁止措置」は実効性をほとんど期待できないのです。

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<註> 米兵による暴行事件は沖縄では日常茶飯事です。調べて見ると次のような調査・研究があることを知りました。この調査は1995年の暴行事件までをまとめたものですが、これを見ると、暴行の頻度と非道さが生々しく伝わってきます。
「米兵による戦後沖縄の女性犯罪」
www.jttk.zaq.ne.jp/baags702/beiheiokinawahannzai.htm

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http://rt.com/news/japan-us-rape-okinawa-763/(出典:RT)

上記の座談会や社説でも指摘されていることですが、このような事件が後を絶たないのは米兵が犯罪を犯しても日本政府が逮捕して裁判にかける権利をもっていないからです。

今の日本がもっている法律「日米地位協定」SOFAは、まるで明治時代の治外法権そのままです。これほど日本の属国ぶりを示す法律はないでしょう。

したがって米軍による暴行・レイプ・殺人事件などを根絶するには、米軍基地を日本から追放するのが一番よいのですが、そのためには日米安保条約の改正という面倒な仕事があります。

しかし日米地位協定の見直しは「自国で起きた犯罪は自国の司法に則って裁く」という主権国家として当然の権利を要求するだけのことですから、日本政府にその気がありさえすれば、いつでも実現できることです。

事実、イラク戦争後に米軍によって占領され、その後にできたマリキ首相という「あやつり人形」=傀儡(かいらい)政権ですら、米兵がイラクで犯した犯罪はイラク政府が裁くという権利を強く主張して譲りませんでした。

その結果、実現したのが、アメリカ軍のイラク撤退でした。下記のDemocracyNow! の記事がそれをはっきり示しています。

U.S. Hands Over Largest Military Base in Iraq
http://www.democracynow.org/2011/12/2/headlines#1225
  The United States has officially handed formal control of its largest military base in Iraq to the Iraqi government. The transfer of Camp Victory marks the latest step in the U.S. withdrawal from Iraq by the end of the month. The Obama administration announced the pullout earlier this year after the Iraqi government refused to grant U.S. troops immunity for a longer stay.

とくに「イラク政府が今後の駐留米兵には刑事免責(immunity)の認可を拒否した」という最後のフレーズ[下線部]に注目してください。

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元大統領ブッシュ氏はイラク戦争を開始するとき、「日本でアメリカによる占領政策が成功したのだから、イラクで成功しないはずがない」と言いました。

しかし残念ながら、同じ傀儡政権でも、日本の場合とイラクの場合とでは、政権担当者の誇りの持ち方がまったく違っていたようです。

イラクの場合、石油の利権など多くの経済的権利をアメリカに奪われてしまいましたが、「自国で起きた犯罪は自国の司法に則って裁く」という主権国家として当然の権利だけは断固として守り抜きました。その結果が米軍の撤退だったのです。

だとすれば日本も当然の権利として、「日米地位協定」を主権国家にふさわしいものに変えさえすれば、「米軍撤退」などと声高に叫ばなくても、米軍は撤退するでしょう。

そうすれば莫大な金(=日本国民の税金)をかけて米軍基地を維持する必要がなくなり、財政問題も簡単に解決します。問題は、アメリカの圧力に屈しないで毅然とした態度を貫く政府を、私たちがどうやってつくり出すかです。

というのは、先に私は「イラク傀儡政権ですら、"米兵がイラクで犯した犯罪はイラク政府が裁く" という権利を強く主張して譲らなかった」と書きましたが、正しくは次のように書くべきだったからです。

「イラク民衆が傀儡政権にたいして、 "アメリカに主権を売り渡すな" と強く要求し、マリキ首相もその要求の強さに屈せざるをえなかった。」

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<註> 時間がある方は下記ブログ「マスコミに載らない海外記事」も参照ください。この間の詳しいイラク事情が分かります。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-05a3.html

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ところで、米軍が起こす犯罪のほとんどすべてが沖縄で起きています。それが本土の私たちに沖縄問題から目をそらさせる大きな要因になっています。

実は、沖縄を軍事占領するようアメリカに提案したのは昭和天皇自身でした。1947年(昭和22年)のことです。これはまだ日本人にはよく知られていない事実でしょう。そこで次回のブログは、そのことに焦点を当て書いてみたいと思います。

なお刑事裁判手続に係る「日米地位協定」、とくに第17条5(c)については原文がどのような文章になっているかも、私たち日本人が十分に知っているとは言いがたいと思います。そこで、その和文と英文を以下に載せておきます。

「日米地位協定第17条5(c)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/rem_keiji_01.html
(和文)
日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員又は軍属たる被疑者の拘禁は、その者の身柄が合衆国の手中にあるときは、日本国により公訴が提起されるまでの間、合衆国が引き続き行うものとする。
(英文)
The custody of an accused member of the United States armed forces or the civilian component over whom Japan is to exercise jurisdiction shall, if he is in the hands of the United States, remain with the United States until he is charged by Japan.

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<註> 米軍が日本から撤退したあと日本をどう守るつもりか、との反論がとうぜん予想されますが、それについては全く別稿が必要になりますので、ここではふれません。

なお以下は単なる私の資料メモです。
日米地位協定第17条5(c)及び、刑事裁判手続に係る日米合同委員会合意
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/rem_keiji_01.html
日米地位協定、U.S.-Japan Status of Forces Agreement (SOFA)
正式名称「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/kyoutei/index.html
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全国に広がりつつある福島原発告訴団、抗議のハンガーストライキを続ける福崎さん――OccupyMovementの中心地「経産省前テントひろば」を訪ねて(3)

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断食中の福崎裕夫(やすお)さん

http://www.labornetjp.org/news/2012/1005shasin

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前回のブログは、「ふくしま集団疎開裁判」と「1か月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さんに焦点をあてて書く予定でしたが、「ふくしま集団疎開裁判」だけで私の力が尽きてしまいました。

そこで今回は「1か月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さんに焦点をあてて書く予定ですが、その前に「国会議員のコーナー」「イベントカレンダーのコーナー」についても紹介しておかないと、「あおぞら放送」の紹介としては不公平かなと思います。

また上記コーナーで知った貴重な情報もありますので、そのことから書き始めます。

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10月5日の「あおぞら放送・経産省前テントひろばから~」は、まず「国会議員のコーナー」から始まりました。
http://www.labornetjp.org/news/2012/1005shasin

民主党の中川治・川内博史の両氏が登場し、脱原発への思いを熱く語っていましたが、最初から一貫して「脱原発」の姿勢を貫いてきたわけではなかったことを率直に反省しつつ、今後の闘いに何が必要かを語っていたところが、私には非常に好感が持てました。

「民主党の中では少数派だけれど選挙で勝たなければならない」「原発推進派の議員を落選させなければならない」と力説していましたが、まさにそのとおりでしょう。

しかし、そのためには「どの政党」「どの候補者」が「どんな政策」を掲げているかを明らかにさせなければなりません。その点で下記の資料が非常に役立つのではないかと思いました。

経産省前テントひろば【国会議員原発意見聴取プロジェクトのページ】
http://space.geocities.jp/nicesenkyo/file001.html

この「あおぞら放送」に招かれている議員は上記アンケートに誠実に答えたひとを優先させているようですが、このアンケートは9月14日(金)現在の集計なので、今後もっとアンケートの集約率をあげる必要があるのではないでしょうか。

9月14日(金)現在で、アンケート回収率は社民党100%、共産党80%ですが、この表を回収率の上位順に並べ替えるなどして、このアンケートに誠実に答えようとしない政党・個人を、「あおぞら放送」などで暴露していくことが効果的かも知れません。

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<註> 「首都圏反原発連合」のホームページでは下記のような「今まで毎週金曜の首相官邸前抗議でスピーチした国会議員リスト」を公開していますから、このようなリストを有権者に宣伝・拡散していくことも、有効な戦術になるでしょう。

首相官邸前抗議および「7.29脱原発国会大包囲」でスピーチした国会議員リスト
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=1276

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国会議員のコーナーの次が「イベントカレンダー」のコーナーでした(動画の最初から20分あたりです)。
http://www.ustream.tv/recorded/25933245

ここでは、「さようなら原発1000万人署名」に取り組んできた大江健三郎さんたちが主宰する次の集会案内もありました。すでに800万筆の書名が集まっているようですが、1000万筆達成まで継続するそうです。

10月13日(土)さようなら原発集会in日比谷
http://sayonara-nukes.org/2012/09/121013/

しかし、このコーナーで私が一番印象に残ったのは、「9・19 さようなら原発5万人集会」のスピーチで参加者の胸を大きく揺すぶり、英訳を通じて世界にもその名を知られるようになった武藤類子さんを団長とする「福島原発告訴団」の案内でした。

この中で、告訴団の活動が福島県民だけでなく、北海道から九州に至るまで全国に事務局をもち、活動の幅をさらに広げつつあることを知りました。

福島原発告訴団
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

インターネットで調べて見ると下記のようなサイトがリンクされていて、「陳述書の記述例」「Q & A」といった案内もあるので非常に便利です。天皇の御用邸のある那須塩原でも説明会があるようですから、それだけ被害が深刻だということでしょう。

全国告訴の申し込み
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/p/blog-page_8201.html
陳述書の記述例
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/p/blog-page_07.html
Q & A
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/p/blog-page_28.html

放射能に汚染された瓦礫が全国に拡散されれば、汚染の少ない食べ物を福島などに届けることもできなくなります。また産地を偽装された農産物や海産物が全国に出回っているようですから、こうなると原発事故の被害は日本全国に拡大していきます。

このままでは安心して口にできる食べ物が日本になくなってしまいます。私も告訴団の一員になることを真剣に考え始めました。

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<註> なお「首都圏反原発連合」のホームページによれば「11.11反原発100万人大占拠」の開催が決定したようです。
http://coalitionagainstnukes.jp/

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やっと、1ヶ月の断食ストライキを闘っている福崎裕夫(やすお)さんを紹介するところまできました。

私が「経産省前テントひろば」を訪れたのは池袋で富田先生にお会いしてからの帰り道でしたから、2時半頃だったと思います。

「テントひろば」といっても実際は経産省の敷地内の小さな一角にテントが二つ立っていて、しかもテント内に入るためには経産省が張りめぐらした鎖を跨(また)がないと中に入ることができないようになっていました。

ズコッティ・パークの「Occupy Wall Streetのテント村」 と同じように、この「経産省前テントひろば」も何度か撤去されそうになりながら(ときには右翼の妨害や嫌がらせも続いたようですが)今までこれを維持してきたひとたちの努力には、ただただ感服するのみです。

私がテントの中に入って、『肉声でつづる民衆のアメリカ史』を取り出しながら受付の女性に訪問の主旨を説明していたら、そのテントを出たり入ったりを繰り返しているひとがいました。それがなんと!ハンガーストライキ17日目を迎えた福崎裕夫(やすお)さんでした。

そして福崎さんからいただいた資料をよませていただいて、氏が2005年に3か月も入院して舌がんと闘ったあと、再発の危険を乗り越えて、2007年4月から足かけ1年3か月の日本縦断旅行をやり遂げたひとだったことを知り、「2度びっくり」を味わいました。

しかも、その動機が憲法改正が持論の安倍晋三内閣の誕生だったそうです。これに危機を感じた福崎さんは、「憲法9条」の旗をかついで徒歩による日本縦断旅行を思い立ったとのことでした。いただいた資料には次のように書かれていました。

 命が自分の思いどおりにならないことを福崎さんは、がんになって気づかされたという。
 「自分が生かされているのなら、再び議員になったり、金儲けで世間を見返すとかじゃないだろうと。こう思ったら、無計画な野宿の旅に飛び出せたんです」
 「修行僧なら自分で欲望や煩悩を捨てる勇気が必要になります。僕の場合は自分の意志ではなく、がんという病によってすべ剥ぎ取ってもらいました。その空っぽになった福崎という人間の器に、9条行脚が飛び込んできた感じなんです」 福崎さんには天命だつた。(『がんサポート』エビデンス社、2012年3月号、104頁)


世の中には本当にすごいひとがいるもんだなと改めて感心させられました。氏の語ることばも哲学的でした。

その福崎さんが、「原発再稼働」に我慢ができず、今度は1か月の断食に踏み切ったそうですが、「今朝までは娘のいる池袋から通っていたが、体力的に難しくなってきたので、今晩からはこのテントで寝泊まりさせていただくことになりました」とインタビューで語っていました。

以下は、その福崎さんの「断食声明」です。

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原発再稼働反対、みんな一歩を!
福崎裕夫、広島県府中市上下町上下1300ー1

2012年9月19日(金)より10月19日(金)まで、首相官邸前か、その付近で一か月の断食を行います。東京の地理に疎いので、まだ場所が確定していません。

国民の多くが原発再稼働に反対であるにもかかわらず、強引に再稼働を進める政府。その政府に抗議する。国民の多数が再稼働反対。しかし、それを無視する政府に対し、行動を起こさない国民大多数も問題。政治的責任は国民一人一人にある。それを放棄した大衆が独裁を生む。ヒットラーは選挙で選ばれた。国民よ、責任を持って発言し、行動する「市民」であれ。

 政府財界は「原発が稼働しなければ、電力不足となる」と宣伝したが、電力不足はなかった。そもそも電気がそんなに要るのか。60%も食料を輸入しなければならないのか。日本で発生する食料廃棄物で世界の飢餓が救える。金儲け至上の新自由主義のもとでは、食べ物は飢えた人にではなく、金のある人に渡る。そして日本では大量の食料を廃棄している。今問われているのは今まで通りの物質生活を続けられるかどうかではなく、支え合う社会、貧困を生み出さない社会に変えるかどうか。

フクシマの民は「捨てられた」という。政府と東電は原発事故災害補償を完全実施すべき。それなのに次のフクシマを起こそうとしている。正気とは思われない。私の住む広島県府中市上下町の公立病院は自治体合併後、強引に縮小され、訴訟に至っている。周辺なら切り捨ててもよいという中央の論理はフクシマと同じ。流入人口で、ふくれあがった都市は地方を切り捨てれば自然消滅する。中央の論理を見直すときでは。東京の富は略奪の結果だと思う。

半永久的に生命を奪い続ける放射性物質。それは未来を殺すこと。その未来は現代に抗議も反撃もできないのに。私たちは原爆や原発をつくった時にはすでに罪を犯している。それなのに自動販売機で多量の電力を消費する必要があるのか。どうして「ヒロシマの平和運動は「核の平和利用」によろけたのか。どうして今、大本営発表報道なのか。どうして私たちはこんなにも愚かなのか。

次の原発事故で日本が破滅するまでもなく、民主主義をはじめ、日本社会はすでに崩壊が始まっている。でも、まだ間に合うと…思う。

まだ、一歩を踏み出していない人に呼びかけます。地球のため、未来のため、民主主義のために一歩を踏み出しましょう。お願いします。

2012年9月7日

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<註> ハンスト中の福崎裕夫さんの姿は冒頭の写真で、氏の語りは下記動画[最初から55分ほど]で実際に目にすることができます。)
http://www.ustream.tv/recorded/25933245

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福崎さんや「テントひろば」の運営をしているひとたちと話しているうちに、4時近くになってしまいました。

すると「4時から『あおぞら放送』が始まるから、もし時間があれば、そこに『通りすがり』というコーナーがあるので出てもらえませんか」というはなしが舞い込んできました。

そんなわけで、日本のOccupy Movementの中心地「経産省前テントひろば」で、「あおぞら放送」に私も出演することになったわけですが、非常に疲れた一日であると同時に、非常に充実した一日でもありました。

(先週金曜日の報告を書いているうちに、もう次の「あおぞら放送」の日になってしまいました。となると福崎さんの断食=ハンガーストライキは本日10月12日で「24日目」にはいることになります。氏の健康が心配です。)

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<註1> なお福崎さんは上記の声明で「自動販売機で多量の電力を消費する必要があるのか」と問いかけていますが、本当にそのとおりです。自動販売機はアルミ缶の製造にも莫大な電力を消費します。また肥満の元凶であるという理由でアメリカの学校では撤去運動が進んでいますが、日本では増える一方です。原発事故が起きてから急に、私の住む田舎の畑地まで(しかも一挙に複数台!)進出するようになりました。
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<註2> 世界資本主義の悪玉「IMF&世界銀行」の年次総会が東京で開幕しました。しかし世界経済の「司令塔」でもあるIMF・世界銀行の本当の姿は伝えられていません。日本政府に消費税増税案を提言したのは、実はIMFだったそうです。
 レイバーネットTV放送は10月12日(金)に「IMF&世界銀行の正体~世界の貧困をつくるのは誰?」という特集を組み、大手メディアが報道しないIMF・世界銀行の「正体」に迫る企画をしています。
http://www.labornetjp.org/tv視聴サイト
http://www.labornetjp.org/news/2012/1012TV番組内容
http://www.labornetjp.org/news/2012/1349855107056staff01 抗議行動一覧

関連記事

福島の子どもたちの36%に異常が!、放射能線量計の数値を操作する文科省?――Occupy Movement の中心地「経産省前テントひろば」を訪ねて(2)

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http://www.labornetjp.org/news/2012/1005shasin

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前回のブログを私は次のように結びました。

 今回のブログは主として、集団疎開裁判を闘っている森園和重さんと弁護士・柳原敏夫さんが、「福島から世界へ」のコーナーで報告した福島の汚染の生々しい実態について書くつもりで、いろいろ資料を集めたのですが、そこにたどり着かないうちに私の方が力尽きてしまいました。
 そこで今日は、ここで止めさせていただきます。どうかお許しください。次回は(できれば明日にでも)、この「ふくしま集団疎開裁判」と、脱原発をめざして「1ヶ月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さん(この日で17日目)に焦点をあてて、「テントひろば訪問記」の続きを書く予定です。


そこで今日は、「ふくしま集団疎開裁判」と「1ヶ月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さんに焦点をあてて、「テントひろば訪問記」の続きを書きます。

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「あおぞら放送」の3番目は、英語同時通訳付きの「福島から世界へ」のコーナーでした。ここでは、集団疎開裁判の会の森園和重さんと弁護士の柳原敏夫さんが出演し、裁判の現状を報告しました。
http://www.ustream.tv/recorded/25933245 (最初から28分ほどのところ)

ここでは、まず柳原弁護士から裁判の現状が報告されたのですが、従来だったら書類審査だけで終わる仙台高等裁判所の審理が、今回は原告・被告双方を呼び出して話をきくという異例の進行になっているそうです。

これは世界のメデイアが裁判の進行を注視しているからではないかと柳原さんは述べ、Business Insiderという英字紙の記事をパネルで紹介していました。さっそく調べて見ると下記の記事が見つかりました。

36 Percent Of Fukushima Children Have Abnormal Growths From Radiation Exposure
http://www.businessinsider.com/a-stunning-36-percent-of-fukushima-children-have-abnormal-growths-from-radiation-exposure-2012-7
CONFIRMED: 36 Percent Of Fukushima Kids Have Abnormal Thyroid Growths And Doctors Are In The Dark
http://www.businessinsider.com/fukushima-children-have-abnormal-thyroid-growths-2012-7#ixzz217FKkN3C

この記事によると、福島の子どもたちの36%に異常が見つかっているようですが、日本の大手メディアでは、ほとんど報道されていません。

柳原さんの報告でさらに驚いたのは、「福島県内で空間線量を測るモニタリングポストの値が意図的に低く抑えられている可能性がある」という調査結果でした。

柳原さんの説明では、いま別の場所で矢ケ崎克馬・琉球大学名誉教授が記者会見を開いて、その調査結果について記者会見を開いているということだったので、帰宅してからすぐに、その記事がどこかに載っているのではないかと調べました。

すると次の記事が見つかりました。

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「福島の線量、意図的に低く公表か」 市民団体独自調査
朝日新聞デジタル社会、記事2012年10月5日18時41分
http://www.asahi.com/national/update/1005/TKY201210050360.html

「市民と科学者の内部被曝(ひばく)問題研究会」は5日、東京都内で記者会見し、福島県内で空間線量を測るモニタリングポストの値が意図的に低く抑えられている可能性があるとの独自の調査結果を公表した。

研究会は今年、文部科学省が設置したモニタリングポスト約100カ所の近くで空間線量を測った。

この結果、公表されているモニタリングポストの値より平均して10~30%高かった。ポストから10メートルほど離れた所では、平均で40~50%高かったという。

研究会の矢ケ崎克馬・琉球大学名誉教授(物理学)は「値を低くみせるために、モニタリングポストの周りは除染を徹底したり、数値を操作したりしているのではないか」と話した。

文科省原子力災害対策支援本部は「意図的に低くみせるようなことはしていない。周辺が除染されたモニタリングポストの情報は福島県のホームページで公開している」としている。

子どもたちに真理・真実を教えることをモットーとするはずの文科省が、嘘・偽りの空間線量を発表している可能性があるというのですから、ことは重大です。

この事実を補強する事例として、森園さんは、福島で実際に計測したガイガーカウンターの写真を持参し、公表されている値がいかに造られたものであるかを示していました。

そして「モニタリングポストのところは除染してあるので低いが、少し離れただけでこんなに違う」「ホットスポットがいたるところにある。そこで子どもたちが遊んでいる。こうした状況を皆の力で変えていきたい」と訴えていました。

詳しくは下記映像で見てください。
http://www.ustream.tv/recorded/25933245 (最初から45分くらいのところ)

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さらに森園さんは、10月03日づけ毎日新聞のスクープ記事をパネルで持参し、もっと驚くべき事実を皆の前で音読していました。以下は私が帰宅してからインターネットで調べたものです。

福島健康調査:「秘密会」で見解すり合わせ
毎日新聞 2012年10月03日
http://mainichi.jp/select/news/20121003k0000m040149000c.html

東京電力福島第1原発事故を受けて福島県が実施中の県民健康管理調査について専門家が議論する検討委員会を巡り、県が委員らを事前に集め秘密裏に「準備会」を開いていたことが分かった。準備会では調査結果に対する見解をすり合わせ「がん発生と原発事故に因果関係はない」ことなどを共通認識とした上で、本会合の検討委でのやりとりを事前に打ち合わせていた。出席者には準備会の存在を外部に漏らさぬよう口止めもしていた。(以下略)


調べて見て、さらに驚いたことは、子どもたちに36%もの異常が見つかっているにもかかわらず、2次検査が必要とされたのは全体の0.5%で、その他の人は2年後の次の検査まで検査は必要ないとされていたことです。

 
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2413.html

もっと大きな問題は、不安に思った母親がセカンドオピニオンを求めて他の病院に行こうと思っても、福島県は「2次検査は2年後に行うとする」と言っているため県内の病院では受け付けてもらえず、県外で再検査を行うしかない――という不合理がまかりとおっていることです。

これでは、福島県がおこなっている県民健康管理調査は、「県民の健康を守るためではなく、福島県民をモルモットにした人体実験ではないか」という疑問や意見が出てくるのは、当然とも言えます(ちなみにベラルーシの子どもらたち甲状腺がん検査は半年に一回おこなわれています)。
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<註> 私はすでに2011年10月25日のブログで下記のような記事を書いています。現在の事態を見ると、このときの不安が的中したようです。

原爆障害調査委員会(ABCC)と、その後身である放射線影響研究所(RERF)が、広島でおこなったと同じ「人体実験」を、福島でもおこなうつもりなのだろうか?
http://pub.ne.jp/tacktaka/?daily_id=20111025

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このコーナーの最後で、弁護士の柳原さんは、「ふくしま集団疎開裁判」は世界的に著名な言語学者チョムスキーも支援を表明していることを明らかにし、その支援表明が載っている下記の小冊子も近日発売されることを紹介しました。

『いま子どもがあぶない 福島原発事故から子どもを守る集団疎開裁』(本の泉社)600円

柳原さんの発言で、もう一つ私の注目をひいたのは、国際連合の人権理事会から任命された特別報告者が、本年11月15日に来日し、福島の子どもたちの健康被害の実態を調査・監視・助言を行い、勧告を出す予定だという事実でした。

この特別報告者の来日により、東電や日本政府(&福島県当局)が積み重ねてきた嘘・欺瞞がさらに明らかになるであろうと予想されます。

なお、「ふくしま集団疎開裁判」で原告側が仙台高裁に提出した主張と証拠の一覧表は下記のとおりです。ここには貴重な事実・報告がぎっしり詰まっていて驚かされました(「一覧表」内のリンクをクリックしてみてください)。

仙台高裁に提出した主張と証拠の一覧表
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2012/10/blog-post_9.html

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最後になりましたが、「福島から世界へ」のコーナーは英語通訳つきでした。この通訳をしていた松元ちえさんの英語力に感心させられました。

今でも「経産省前テントひろば」は観光バスが必ず通過する東京の観光名所になりつつありますが、彼女のおかげで「テントひろば」は世界に知れ渡ることになるでしょう。

そのうち「経産省前テントひろば」は外国人観光客の訪問スポットになるかも知れません。

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今回のブログは、「ふくしま集団疎開裁判」と「1ヶ月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さんに焦点をあてて書く予定でしたが、「ふくしま集団疎開裁判」だけで私の力が尽きてしまいました。

私の「テントひろば訪問記」は2回で終わる予定だったのに、また続きを書かざるをえない羽目におちいってしまいました。これではいつまで経っても本来の英語教育に復帰できるかと疲労感が募ってきますが何とか頑張ります。

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<註1> 国連人権委員会(2006年に改組されて「国連人権理事会」となった)と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の関係、および国連人権理事会が任命する「特別報告者」(健康の権利に関する「特別報告者」のアナンド・グローバー氏)については、下記の報告書に詳しい説明があります。
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/kou156Kakiuti-report.pdf

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<註2> ノーム・チョムスキーが「ふくしま集団疎開裁判」に支持と支援を表明した英文は下記のとおりです。
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2012/01/blog-post_9391.html

It is a privilege to be able to lend personal support to the Fukushima Evacuate Children Lawsuit. There is no better measure of the moral health of a society than how it treats the most vulnerable people within it, and none or more vulnerable, or more precious, than children who are the victims of unconscionable actions. For Japan, and for all of us, this is a test that we must not fail.
(Noam Chomsky、2012/01/12)

※以下は上記サイトに付けられていた訳文です。

「ふくしま集団疎開裁判」に個人的な支援ができることを光栄に思います。社会が道徳的に健全であるかどうかをはかる基準として、社会の最も弱い立場の人たちのことを社会がどう取り扱うかという基準に勝るものはなく、許し難い行為の犠牲者となっている子どもたち以上に傷つきやすい存在、大切な存在はありません。日本にとって、そして世界中の私たち全員にとって、この法廷は失敗が許されないテスト(試練)なのです。」
(ノーム・チョムスキー、2012年1月12日)

関連記事

日本の Occupy Movement の中心地「経産省前テントひろば」を訪ねて――「あおぞら放送」と「レイバーネット日本」「レイバーネットTV」

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福島原発事故2012/10/09
あおぞら放送「経産省前テントひろば」
http://www.labornetjp.org/news/2012/1005shasin(出典)

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10月9日現在、世界情勢について一番印象に残っていることは、ベネズエラの大統領選挙でチャベス氏が再選(10月7日、投票)されたことです。

Hugo Chávez Wins Re-election in Venezuela with 54% of Vote
Danny Glover: Record Venezuela Turnout Hands Chávez Convincing Mandate to Continue Social Agenda

アメリカの属国であった中南米の国々が、いま次々と自主独立の道を歩み始め、その先頭に立っているのがベネズエラですから、アメリカとしては何としてもチャベスを追い落としたかったでしょうが、その試みは残念ながら成功しなかったようです。

1973年のチリでもCIAの執拗な裏工作にもかかわらずアジェンデ大統領が当選してしまいました。それでやむなくピノチェト将軍を使ってクーデタを起こさせ政府転覆を謀ったのが9月11日でした。その後チリでは拷問・虐殺の暗黒時代が長く続きました。

アメリカを襲った911事件は一瞬にして世界に知れわたりましたが、「チリの911事件」は日本でもアメリカでも、ほとんど知らされていません。詳しくは『肉声でつづる民衆のアメリカ史』下巻(315-318頁)を参照ください。


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前回のブログを書いてから,あっという間に10日間が過ぎてしまいました。書きたいことは山積みになっているのに体が動きません。

とりわけ、先日(10月5日)に訪ねた「経産省前テントひろば」について一刻も早く書きたかったのですが、家に帰ってきたら急に疲れが出て、なかなかパソコンに向かうことができませんでした。

また、いざパソコンに向かって書こうとしたら、当日の「経産省前テントひろば、あおぞら放送」の内容について次々と調べたいことが出てきて、その資料収集に時間がかかり、肝心のブログにまでなかなか辿り着けません。

いま、やっと材料がほぼ整ったので、当日のようすを思い出しながら以下、少しずつ書いていきたいと思います。

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2011年9月17日にニューヨークで、若者たちが公園を占拠してテント村を始めた「ズコッティ・パーク」がアメリカのOccupy Movementの中心地だとすれば、この「経産省前テントひろば」は日本のOccupy Movementの中心地ではないかと私は思ってきました。

この「経産省前テントひろば」は2011年9月11日にスタートしているわけですから、時間的には、むしろ日本の方が先輩であるとすら言ってよいかも知れません。(それにしても「9月11日」という日は、いろいろな意味で不思議な日ですね。)

ニューヨーク「ズコッティ・パーク」のOccupy Movementは、チョムスキーの著書『Occupy』でも書かれているように、「水平民主主義のモデル」として、全米のみならず全世界に巨大な影響力を与えました。 "They are 1%, We are 99%" という標語も象徴的でした。

それと同じ影響力を、この「経産省前テントひろば」は(いまや確実に定着した金曜行動とともに)全日本に大きな影響力を与えていくのではないかと私は思っています。

それどころか、毎週金曜日に「テントひろば放送局」から発信される、英語同時通訳付きの「福島から世界へ」のコーナーもありますから、そのうち世界が注目する場所になるかも知れません。

ところで、私が10月5日に訪れた「あおぞら放送」は、ちょうど4回目を迎えたところでした。私がいつも情報源にしている「レイバーネット日本」では当日のようすを次のように報じていました。

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テントTV「あおぞら放送」第4回~福島の汚染の実態伝える

「経産省前テントひろば」が発信する「あおぞら放送・テントひろばから~」も、10月5日で4回目。徐々に知れ渡り、野外スタジオの周辺は「金曜デモ」参加者で人だかりとなった。

「国会議員のコーナー」では、民主党の中川治・川内博史の両氏が登場。脱原発への思いを熱く語った。

英語同時通訳付きの「福島から世界へ」のコーナーには、集団疎開裁判の会の森園和重さんと柳原敏夫さん[弁護士]が出演し、裁判の現状を報告した。

森園さんは、福島で実際に計測したガイガーカウンターの写真を持参。「モニタリングポストのところは除染してあるので低いが、少し離れただけでこんなに違う」と、公表されている値がいかに造られたものであるかを示した。

「ホットスポットがいたるところにある。そこで子どもたちが遊んでいる。こうした状況を皆の力で変えていきたい」と訴えた。

脱原発1ヶ月ハンストの福崎裕夫さんはこの日で17日目。上半身はだかになるとあばら骨が浮き出ていた。「私にできることは断食しかない。皆にやれとは言わない。脱原発に向けてそれぞれが得意なこと、できることをやることがいま大事だと思う」と語った。

その他「通りすがり」の飛び入りがあったりと、この日も「あおぞら放送」はにぎやかだった。(М)

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上記の最後で「その他『通りすがり』の飛び入りがあったりと、この日も『あおぞら放送』はにぎやかだった」と書かれていますが、この「飛び入り」というのが私でした。

そのようすは下記の「写真速報」および「ユースト放送録画」で見ることができます。
ユースト放送録画(73分)

私が「経産省前テントひろば」を訪れたのは、『肉声でつづる民衆のアメリカ史』の翻訳をするきっかけをつくっていただいた富田先生にお会いするため上京したついでに、「テントひろば」も訪れて、『肉声史』を「ひろば」の図書室に謹呈したいと思ったからでした。

というのはニューヨークのOccupy Movementの中心地「ズコッティ・パーク」にはテント村の住人が手作りでつくった医療コーナーや図書コーナーなどがありましたから、きっと「テントひろば」にも図書コーナーがあるに違いないと思ったからです。

拙訳『肉声史』がアメリカや日本のOccupy Movementとどのような関わりがあるかについては、下記録画で話しましたので、ここでは省略させていただきます。
ユースト放送録画
(最初から62分のところから70分までの8分間)
あおぞら放送「経産省前テントひろば」1005-07
http://www.labornetjp.org/news/2012/1005shasin(出典)

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アメリカでも日本でも大手メディアが真実を伝えないというので、いくつかの独立メディアが起ち上げられましたが、「911事件」を契機にアメリカで起ち上げられたのが、Democracy Now!という放送局でした。

他方、日本でも同じ年に、「労働者の、労働者による、労働者のための番組」をスローガンに掲げて、「レイバーネット日本」が起ち上げられました。

これを視聴していくうちに、労働運動を機軸としたメディアとして、日本では非常に貴重な存在ではないかと思うようになりました。

この「レイバーネット日本」は、毎日つぎつぎと新しい情報を(韓国の政治情勢・労働運動にも詳しい)ネット上に載せているだけでなく、2週間に1度、「レイバーネットTV」も放送しています。

ところが、この「レイバーネット日本」が、「経産省前テントひろば」と手をつないで、さらに毎週1回(金曜日)、経産省前から「あおぞら放送」を開始したのですから、まさに快挙です。

経産省前「テントひろば」のようすは、これまでも下記ブログでも知ることができました。
http://tentohiroba.tumblr.com/

このブログそのものも非常に味わい深いものですが、やはり「あおぞら放送」のようなかたちで「ひろば」の情報を(しかも毎週1回)映像や音声で知ることができるのは、画期的なことです。

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今回のブログは主として、集団疎開裁判を闘っている森園和重さんと弁護士・柳原敏夫さんが、「福島から世界へ」のコーナーで報告した福島の汚染の生々しい実態について書くつもりで、いろいろ資料を集めたのですが、そこにたどり着かないうちに私の方が力尽きてしまいました。

そこで今日は、ここで止めさせていただきます。どうかお許しください。次回は(できれば明日にでも)、この「ふくしま集団疎開裁判」と、脱原発をめざして「1ヶ月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さん(この日で17日目)に焦点をあてて、「テントひろば訪問記」の続きを書く予定です。

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<参考> イベントカレンダー、10月13日(土)さようなら原発集会
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