オバマの偽善・アメリカの犯罪(1) 「北朝鮮の核実験問題を考える」――核実験を再開し、「非核地帯」の前進を妨げているのは誰か、北朝鮮問題を原発再稼働・核兵器保有の口実にさせてはならない

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緊急情報:福島で激増する甲状腺ガン(February 18, 2013)
Fukushim:a kids have skyrocketing number of thyroid abnormalities
http://rt.com/news/fukushima-children-thyroids-abnormalities-cancer-444/



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最近、日本の大手メデイアでは中国のニュースや北朝鮮の核実験ばかりが前面に出ているようです。近所のおばさんまでもが「北朝鮮なんかぶっつぶしてしまえ」という発言をしていますから怖くなります。

北朝鮮の核実験はアメリカがいまだに朝鮮戦争を休戦状態のままにして、あわよくばリビアやシリアと同じように武力で政権転覆を謀ろうとする動きにたいする精一杯の抵抗でしょう。

いつまでも北朝鮮を孤立と貧困に追い込んだまま、和平条約も結ぼうとしないアメリカにたいする抗議です(他方で、北朝鮮が「朝鮮半島を非核地帯にしよう」と提案していることも大手メディアでは全く紹介されていません)。

「核兵器を持っていないとイラクのようにやられる」という教訓をもっとも正確に学んだのは北朝鮮だろう」とチョムスキーも言っています。
チョムスキー・インタビュー060124「韓国・北朝鮮と国際情勢」
http://www42.tok2.com/home/ieas/chomsky_interview060124korea060710.htm

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この核実験の直前に米軍と韓国軍の合同演習があり、北朝鮮の政権転覆後にどうやって軍隊を上陸させるかをメインとした軍事演習だったと、DemocracyNowのインタビューで、朝鮮情勢の専門家ティム・ショーロックTim Shorrocは次のように述べています。

毎年のようにアメリカと韓国は大規模の軍事演習をおこなっている。それには色々なものがある。

たとえば、 "OPLAN 5098" という軍事演習がある。これは北朝鮮がとくに激怒している演習だが、それは基本的には政権転覆の予行演習になっているからだ。名目上は政権が崩壊したときに備えるという口実になっているが、実態はまったく違う。

アメリカと韓国がやっているのは、自分たちが核兵器で先制攻撃をしたときの予行演習だ。彼らは北朝鮮に乗り込んでいくための演習をしている。北朝鮮の領土を占領して韓国=アメリカ合同軍を駐留させる演習だ。要するに政変時にそこを占領する演習なのだ。

この演習には他の目的もある。それはアメリカと韓国が現在もっている全ての兵器を試験してみるという目的だ。だから、これらの演習は危険きわまりないものだ。
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<註> 英語原文は下記のとおりです。
North Korea Nuclear Test Sends Message to Washington One Week After U.S.-South Korean War Games
http://www.democracynow.org/2013/2/12/north_korea_nuclear_test_sends_message
  TIM SHORROCK: Well, every year the United States and South Korea hold very large military exercises. There's different ones.
  There's one called "OPLAN 5098" that they—North Koreans take particular umbrage at, which is basically a practice run of regime change in North Korea. It's ostensibly to prepare for a collapse of the regime.
  But what they do is they practice first-strike nuclear capability. They practice invading North Korea. They practice taking over the territory of North Korea and having South Korea-U.S. forces, you know, take over it while there's a crisis there.
  And there's other war games, you know, basically aimed at testing all the weaponry the United States and South Korea have, and these are seen as very dangerous.

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報道されないアメリカの核実験
出典:Unreported by the Media: America's Nuclear Weapons Tests. The Truth is a “Bitter Pill”
http://www.globalresearch.ca/unreported-by-the-media-americas-tests-of-nuclear-weapons-the-truth-is-a-bitter-pill/5315513
 


朝鮮情勢の専門家ティム・ショーロック氏は、先述のDemocracyNowインタビューで、さらに次のように述べています。

この核実験の目的を考えると、われわれアメリカ人がアメリカ政府の朝鮮半島で果たす役割について強い関心を持つことは非常に重要だ。それほどアメリカの影響力は巨大なのだ。

多くの記者が北朝鮮について書いているが、まるでアメリカは中立的な監視者であるかのような書き方だ。それを北朝鮮は非難しているのだ。

知ってのとおり、実際に朝鮮戦争があり、60年前の7月に終わった。しかしそれは停戦だった。平和条約を結んだ上での終戦ではなかった。停戦協定を結んだのは、[北朝鮮と韓国ではなく] アメリカと北朝鮮だった。

北朝鮮はこの間ずっと平和条約を結んで正式に戦争を終わらせたいと言い続けてきた。彼らはアメリカと直接に交渉したいと望んでいるし、私もこの間、同じ主張を繰り返してきた。

アメリカが現在の事態から脱却する唯一の道は、核開発やミサイル開発の停止に向けて北朝鮮と直接の交渉をもつこと以外にない。
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<註> 英語原文は下記のとおりです。
North Korea Nuclear Test Sends Message to Washington One Week After U.S.-South Korean War Games
http://www.democracynow.org/2013/2/12/north_korea_nuclear_test_sends_message
  TIM SHORROCK: I think that for the purposes of this particular test, it's important for us, as Americans, to keep focused on the role of the United States there, which is massive.
  And a lot of journalists in America write about it as if the United States is just some kind of neutral observer that happens to be the brunt of North Korean criticism.
  In fact, there was a Korean War, as we all know, that ended 60 years ago this July. It ended with an armistice; it did not end with a peace agreement. The two combatants that signed the agreement were the United States and North Korea.
  North Korea has been saying for years they would like to have a peace agreement to formally end the war, and they would like to have negotiations directly with the United States. And I've been saying this for years.
  I think the only way out of this for the United States is to hold direct negotiations and talks with North Korea on stopping its nuclear program and stopping its missile program.

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<註> 北朝鮮の気象衛星の打ち上げについても「北朝鮮いじめ」が進行していることについて、グレゴリー・エーリヒ氏(Gregory Elich)が下記で詳しい説明をしていますが、ここでは割愛させていただきます。
Putting the Squeeze on North Korea
http://www.globalresearch.ca/putting-the-squeeze-on-north-korea/5321689
 要するに「飢饉のため食糧難にあえぐ北朝鮮が、気象衛星を上げることによって少しでも農業生産に役立てたいということ」「打ち上げた気象衛星ロケットは貧弱で核弾頭を乗せて攻撃用として使える代物ではない」というのが上記論文の主旨です。

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このように北朝鮮の動きはアメリカを牽制するためのものであって、日本は全く眼中に入っていません。

しかし平和憲法を変えて核兵器も所有する軍事大国にしたい勢力は、これを絶好の機会にして大宣伝しています。それは同時に、原発を止めて廃炉にしようとする運動にたいして、反撃する絶好の機会としても利用するでしょう。

また中国にたいする包囲網を強化しようとしているアメリカにとっても、「テロ国家」としての北朝鮮は、下記チョムスキーインタビューにあるとおり [北朝鮮に対決させる振りをしながら日本と韓国を同盟させ] 中国を封じ込めるためにも 必要不可欠の存在です。
http://www42.tok2.com/home/ieas/chomsky_interview060124korea060710.htm

この流れはブッシュ大統領のときから全く変わっていません。それどころかオバマ氏になってからいっそう強くなったと言ってよいと思います。ブッシュ氏が大統領だったときから悪名高かったジョン・ブレナンJohn BrennanをCIA長官にしようとしているのですから。

Stop the US War Machine: The Movement to Impeach Obama
http://tv.globalresearch.ca/2013/01/stop-us-war-machine-movement-impeach-obama

中国がアメリカ主導のシリア制裁には国連で拒否権を発動していたのに、北朝鮮の核実験には拒否権を行使しなかったのも、そのような背景を考えるとよく理解できます。

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アメリカの核実験:サンディア国立研究所のZマシン


https://share.sandia.gov/news/resources/releases/2006/physics-astron/hottest-z-output.html

他方、北朝鮮の核実験を強く非難する一方で、オバマ氏は核兵器の性能を調べる新たなタイプの核実験]を何度もおこなっています。

ところが大手メディアは一向にこれを問題にせず、北朝鮮やイランだけを攻撃しています。実に奇妙な話です。「俺は銃を持つがお前は持つな」と言われて誰が納得するのでしょうか。(「憲法9条」をもつ国が言えば説得力があるでしょうが・・・)

もっと悪いことには、「核兵器のない中東」を目指す国際会議は、世界各地から核兵器廃絶を目指す国連の会議で、2012年12月の下旬にヘルシンキでの開催が予定されていました。しかし、アメリカはこの会議の実行委員会に対する影響力を利用し、この会議の開催を中止しました。

オバマ氏が北朝鮮の核実験を非難しても、それがいかに「ダブルスタンダード(2枚舌)」であるかを示す最高の例かも知れません。

以下は私が調べたかぎりで見つかったアメリカの核実験情報です。まず最初は下記ブログで載せられていた記事です。

「みんな楽しくHappy♡がいい♪」
―2011年3月11日。その後私は変わりました
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2377.html

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1)中國新聞2012/09/23「アメリカ、6回目の新型核実験」

米国が、核兵器の性能を調べる新たなタイプの核実験を8月下旬にしていたことが22日、分かった。同様の核実験は4~6月に5回目を実施していたことが判明したばかり。これで少なくとも6回行われたことになる。

米エネルギー省傘下の国家核安全保障局(NNSA)の担当者が中国新聞の取材に答え、今後も核実験を継続する方針を示した。

担当者によると、最後に実験したのは8月27日(現地時間)。それまでの5回と同じニューメキシコ州のサンディア国立研究所にある「Zマシン」という装置を使用。強力なエックス線を発生させ、超高温、超高圧の核爆発に近い状況を再現し、プルトニウムの反応をみる。核実験場や爆薬は必要としない。

担当者は「実験から得たデータでシミュレーションをする。保有する核兵器の安全性や確実性を維持できる」と意義を強調。使用するプルトニウムの量は「1回につき8グラム以下」と説明した。一方、この実験の通算回数などの質問には回答しなかった。

新たなタイプの核実験は、オバマ大統領就任後の2010年11月に初めて行われた。5回目の実施が明らかになった19日以降、広島県内の自治体は相次いでオバマ大統領宛てに抗議文を送付した。

新たに判明した8月の核実験に対し、広島市は「事実確認し、対応を検討する」としている。

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2)長崎新聞コラム(水や空)2012/01/11「アメリカの新型核実験」
 
アメリカのオバマ大統領が「核なき世界を目指す」とチェコ・プラハで演説し、核兵器廃絶を求める人々に大きな希望を与えたのは2009年4月だった。

▲それから3年。アメリカが昨年夏と秋に、核兵器を保有し続けるのに必要な情報を得るためとして新たなタイプの核実験をしていたことが明らかになり、被爆地で抗議の声が上がっている。

▲新たな核実験では、「Zマシン」と呼ばれる、強力なエックス線発生装置を使って
核爆発に近い超高温、超高圧の状態をつくり、核兵器の材料プルトニウムの反応を調べたという。

▲アメリカの核実験は1945年7月に史上初めて実施以降、地上や海洋などで繰り返され、問題視されると、実験の場を地下へ移して継続。97年からは爆発を伴わずにプルトニウムの状態を調べる地下施設での臨界前核実験に替わった。

▲そして一昨年11月、「Zマシン」による実験開始。発表を受け、専門家の梅林宏道さんは「実験目的は、臨界前核実験でいわれた保有核兵器の信頼性・安全性の維持管理と極めてよく似ている。臨界前に替わる実験になる可能性がある」と指摘した。新型核実験の判明した回数は今度で4回。梅林さんは続くとみる。

▲オバマ大統領は演説で敵を抑止するための核戦力は維持するとも言った。新型核実験はその方針に沿っているが、核なき世界の実現にどう役立つのか、世界が納得する説明をすべきだ。(謙)

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アメリカの核実験:サンディア国立研究所のZマシン

https://share.sandia.gov/news/resources/releases/2006/physics-astron/hottest-z-output.html

上記で問題にされている「Zマシン」については下記に詳しい説明があります。時間がある方は覗いてみてください。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2377.html

次の記事もインターネットで検索して見つけた「IRIB WORLD SERVICE」というホームページからのものです。

(内容的には中国新聞や長崎新聞と重なっているところもありますが、アメリカが世界で最大の核兵器保有国でありながらCTBT包括的核実験禁止条約に署名していない事実など、上記の新聞ではふれられていないことにも言及されています。)

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アメリカの地下核実験に対する反発(2012/12/09)
http://japanese.irib.ir/

マッキー解説員

アメリカが、西部ネバダ州で行った地下核実験は、多くの反発を招いています。この実験に対して真っ先に反発したのは、イランでした。

イラン外務省のメフマーンパラスト報道官は、アメリカが、核廃絶に関する国際的な取り決めに繰り返し違反していることに触れ、今回の核実験は、核廃 絶に関するアメリカ政府の矛盾した行動を示すものだとしました。

メフマーンパラスト報道官は、「この行為は、世界の平和と安定を崩すことになる」と語りました。

さらに、フィンランドでの中東非核化国際会議を中止するためのアメリカのあらゆる方向からの圧力に触れ、「アメリカの核実験は、長年に渡る国際世論の核兵器廃絶の要求を無視するものだ」と述べました。

アメリカ政府は、自国の核兵器を改良するために核実験を実施している一方で、イランの平和的な核活動に対して偽りを述べ、イランに最も厳しい政治的、経済的な圧力を加えています。

アメリカは世界で最大の核兵器保有国でありながら、CTBT包括的核実験禁止条約に署名していません。なぜなら、この条約に署名すれば、核兵器庫の拡大が制限されてしまうからです。このような状況の中で、アメリカのオバマ大統領は、核兵器のない世界の実現を訴えています。

実際、アメリカ政府は、自分たちに対して、"好きなだけ核兵器庫を拡大できる"という特権を与えています。その一方で、アメリカの覇権主義的政策に 反対する国々は、核エネルギーなど、核技術を平和利用する権利すら認められていません。

このようなアメリカの政策は、イランの平和的な核活動に対して見られています。アメリカ政府は、国際世論を欺き、イランが核兵器を獲得しようとしていると偽ることにより、イランに対する政治的な圧力、経済制裁、軍事攻撃 の脅迫を正当化しようとしています。

世界、特に中東の核兵器廃絶に対するアメリカ政府の捉え方は、中東地域で覇権主義的な政策を推し進めるためのものです。しかし、世界の安全を脅かしているのは、アメリカの核兵器庫に他なりません。アメリカの一部の政治家は、時折、アメリカの覇権主義的な政策に反対する国々に対して、核兵器を使用することをほのめかしています。

もちろん、アメリカの地下核実験に反発したのは、イランだけではありません。アメリカの原爆の最初の犠牲となった広島市の関係者も、この実験に反発 を示しました。広島の松井市長は、記者団に対し、「世界の核兵器廃絶を訴えていたオバマ大統領が、なぜ、このような実験を行ったのか驚いている」と語りま した。また、「オバマ大統領が、政策決定の際に広島の人々の感情を考慮に入れるよう望んでいる」としました。

また、長崎原爆被災者協議会の山田事務局長も、「アメリカが長崎の被爆者の感情を理解できないことは遺憾だ。今回の実験は、アメリカがいつでも核兵器を使用できることを証明した。このような国に世界を主導する資格はない」と表明しました。

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<註> アメリカが「臨界前核実験」を隠れ蓑にして核開発を進めていることについては下記の英文記事でも詳しく説明されています。
Unreported by the Media: America's Nuclear Weapons Tests. The Truth is a “Bitter Pill”
http://www.globalresearch.ca/unreported-by-the-media-americas-tests-of-nuclear-weapons-the-truth-is-a-bitter-pill/5315513

なお,この記事は『アジア記者クラブ通信』1月号に翻訳が掲載されています。興味のある方はバックナンバーを取り寄せて読んでみてください。
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電脳技術の天才Aaron Swartz の死を考える(5)――ツツ大司教「アメリカ人以外は人間ではないのか」、元CIA職員「拷問は間違った情報を手に入れる最良の方法だ」

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必見:Waterboarding
これがいかにひどい拷問であるかを自分の眼で確かめてください。

http://www.youtube.com/watch?v=4LPubUCJv58(動画5分強)

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実は「電脳技術の天才Aaron Swartz の死を考える(5)」の最終回を書いて、今回の連載を終わりにして、いよいよ英語教育の話題に移行するつもりでした。
しかし北朝鮮問題が日本の政情を大きく右旋回させそうな勢いなので、これに目をつぶるわけにもいかず、書いているうちにズルズルと長くなってしまいました。
ところが、これを今回のブログに入れたところ、「肝心の本論に行くつくまでの前置きが長すぎて息切れがするだけでなく焦点がぼけてしまう」というお叱りを受けました。
そこで、「北朝鮮問題」だけを切り取って別のブログ原稿にすることにしました。ご了解ください。
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ジェレミー・スケイヒル Jeremy Scahill



────────────────────────────────────────実は「電脳技術の天才Aaron Swartz の死を考える(5)」の最終回を書いて、今回のテーマを終わりにして、いよいよ英語教育の話題に移行するつもりでしたが、北朝鮮問題が日本の政情を大きく右旋回させそうな勢いなので、これに目をつぶるわけにもいかず、書いているうちにズルズルと長くなってしまいました。


さてアメリカ情勢ですが、オバマ大統領はブッシュ氏の時代から「暗殺の帝王」と呼ばれていた人物を、大統領になってすぐCIAの長官に任命しようとしたのですが、あまりにも反対が強かったので、当時は諦めました。

しかし大統領2期目を迎えたオバマ氏は、そのような今までの遠慮はかなぐり捨てて、自分の側近として「無人殺人機Droneの暗殺リスト」作成の先頭にたっていた人物ブレナンを、改めてCIA長官に指名しました。

この人事をめぐって上院情報委員会では公聴会がおこなわれましたが、委員長は初めから無人殺人機による暗殺を認める方向でブレナンに質問しているので、まったく追求の体(てい)をなしていませんでした。

ジャーナリスト、ジェレミー・スケイヒルJeremy Scahillは、この公聴会を傍聴して次のように述べています。戦争「民営化」の一貫としてアメリカ政府が雇った「悪名高い傭兵集団」 Blackwater の存在を暴いたことで一躍有名になったジャーナリストです。
ブレナンに対して核心を突くような質問をするものは誰もいなかった。Angus Kingや Ron Wydenのようになかなか良い質問をした議員もいたが、たとえば「CIAはアメリカ市民をアメリカ国内でも暗殺する権利があるか」といった質問をしたが、ブレナンはそれにノーアンサーで押し通した。そしてそれ以上の追及はついになかった。

ブレナンは暗殺の帝王assassination czarとして4年間もオバマに仕えたのに、議会での追及はまるで中古車の品定めをしている程度の議論でしかなかった。まるで歌舞伎芝居を見ているかのようだった。戦場では恐ろしい様相が展開しているのに、議会での質疑応答は目も覆わんばかりの惨状だった。


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<註> 英語原文は次のとおりです。
Jeremy Scahill: Assassinations of U.S. Citizens Largely Ignored at Brennan CIA Hearing
http://www.democracynow.org/2013/2/8/jeremy_scahill_assassinations_of_us_citizens
  Jeremy Scahill: Assassinations of U.S. Citizens Largely Ignored at Brennan CIA Hearing
"None of the central questions that should have been asked of John Brennan were asked in an effective way," says Jeremy Scahill, author of the forthcoming book, "Dirty Wars."
  "In the cases where people like Sen. Angus King or Sen. Ron Wyden would ask a real question, for instance, about whether or not the CIA has the right to kill U.S. citizens on U.S. soil, the questions were very good. Brennan would then offer up a non-answer. And then there'd be almost no follow-up."
  Scahill went on to say, "[Brennan] has served for more than four years as the assassination czar, and it basically looked like they were discussing purchasing a used car on Capitol Hill. I mean, it was total kabuki oversight. And that's a devastating commentary on where things stand."

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Barack Obama, 無人殺人機Drone


ジェレミー・スケイヒルにたいするインタビューでは言及されていませんが、上記の公聴会でもう一つ不思議なことがあります。

それは「アメリカ市民なのに正しい法的手続きなしで暗殺してよいのか」「イエメンのような外国ではなくアメリカ国内でも暗殺してよいのか」ということだけが問題とされていることです。

ジェレミー・スケイヒルは、上記のインタビューで、2011年に2週間も経たないうちに暗殺されたアメリカ市民のことを取りあげています。

公聴会では大統領が署名さえすれば誰でも無人機で暗殺できること(the so-called signature strikes)にたいする質問や議論は一切なかった。国籍がどうか、その人がどんな罪を犯したかが不明であっても、標的にしてよいという考えにたいする議論はなかった。

暗殺されたのは、起訴もされてないし裁判もないのにイエメンで暗殺されたアメリカ人=イスラム教説教師アンワル・アラキAnwar Awlaki、その息子で従兄弟と食事とをしていた16歳の少年、アラキと一緒に殺されたパキスタン系アメリカ人サミル・カーンSamir Khan――の3人だ。

Khanの家族がアメリカでFBIと接触したとき、何の犯罪も犯していないし起訴もされていない、とFBIが言っていたにもかかわらず、暗殺されたのだ。

しかし、アメリカ市民だから問題であって、イエメン人なら無人機で自由に殺してよいのでしょうか。

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<註> 原文は次のとおりです。
Jeremy Scahill: Assassinations of U.S. Citizens Largely Ignored at Brennan CIA Hearing
http://www.democracynow.org/2013/2/8/jeremy_scahill_assassinations_of_us_citizens
  There was no discussion at all of the so-called signature strikes—the idea that the U.S. is targeting people whose identities it doesn't know, whose actual involvement in terror plots is actually unknown.
  There was no discussion of the fact that the Obama administration authorized operations that killed three U.S. citizens in a two-week period in 2011, one of whom was a 16-year-old boy who was sitting and having dinner with his cousins in Yemen.
  No discussion of the case of Samir Khan, a Pakistani American who was killed alongside Anwar Awlaki. His family had met with the FBI prior to his death. The FBI told his family that Samir Khan was not indicted, that Samir Khan was not accused of a crime, and yet you have three U.S. citizens being killed.

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デズモンド・ツツ大司教


ジェレミー・スケイヒルが提起した問題を無視するわけにもいかず、議会はアメリカ市民の暗殺問題に関する特別法廷を設けるという案を出してきました。

しかしノーベル平和賞を受けた南アフリカ共和国のデズモンド・ツツ大司教は、この案に異を唱えて、ニューヨークタイムズ紙に手紙を送りました。

アメリカ合州国以外の地で暮らしているがゆえに、私たちの命はあなた方の命と同じ価値をもたないと言いたいのですか。

オバマ大統領は、標的がアメリカ人以外なら、法的手続きなど大して考慮せずとも、私たちを殺してもよいとする決定に署名できると考えているのでしょうか。

アメリカの最高裁は19世紀の黒人奴隷ドレッド・スコットと同じように私たちは人間として価値がないと、人類全体にたいして宣言したいのでしょうか。

全く信じがたいことです。

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<註> 原文は次のとおりです。
Desmond Tutu Blasts Idea of Special Court to Review Targeting of U.S. Citizens, Not Others
http://www.democracynow.org/2013/2/14/headlines#2145
  U.S. lawmakers have also floated the idea of creating a special court to review strikes on U.S. citizens.
  South African Nobel Peace Prize laureate Archbishop Desmond Tutu weighed in on that plan in a letter to The New York Times.
  He wrote: "Do the United States and its people really want to tell those of us who live in the rest of the world that our lives are not of the same value as yours?
  That President Obama can sign off on a decision to kill us with less worry about judicial scrutiny than if the target is an American?
  Would your Supreme Court really want to tell humankind that we, like the slave Dred Scott in the 19th century, are not as human as you are?
  I cannot believe it."

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水攻めWaterboardingで拷問される囚人


前回のブログでは、アメリカ政府による拷問を内部告発した元CIA職員ジョン・キリアクーJohn Kiriakouが、「スパイ防止法」違反という理由で有罪判決を受けたこと、その彼がCIA長官に指名されたブレナンについて次のように述べていることを紹介しました。

'US a police state, Obama consciously allows torture' – CIA veteran John Kiriakou
http://rt.com/usa/news/kiriakou-torture-whistleblower-prison-term-211/

拷問を命令したり拷問した人物を逮捕するのではなく、それを告発した人物を「スパイ罪」で逮捕するとは何ごとか。

「スパイ防止法」が1917年につくられてから「スパイ罪」で逮捕されたのはたった3人なのに、オバマ氏は大統領になってから私を含めて7人も「スパイ罪」で逮捕している。

おまけにブッシュ大統領の時代に「暗殺の帝王」"assassination czar"と呼ばれ、拷問や無人爆撃機による暗殺の立役者だった人物[ジョン・ブレナン]を、次のCIA長官に指名するとは信じがたいことだ。

今やアメリカは警察国家・監視国家になりさがってしまった。

翻訳「オバマは意図的に拷問を許可している」
元CIA職員ジョン・キリアクーが警察国家アメリカを語る

http://www42.tok2.com/home/ieas/kiriakou.html

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また前回のブログでは、アメリカの拷問にかかわった国が世界で54カ国にもわたっていることを紹介しましたが、この中には容疑者を拷問刑務所に移送する乗り継ぎ空港を提供したドイツなど、聞けばびっくりするような大国も含まれています。

またこの中には、「テロ国家」という汚名を返上してアメリカの拷問の下請け役を引き受けたにもかかわらず、政権転覆という攻撃を受けた、リビアのような国もあります(シリアも全く同類でしょう)。

エジプトのムバラク政権も多くの拷問を引き受けたにもかかわらず、「アラブの春」では、オバマ氏によって最後には見捨てられました。しかも拷問で得られた情報は、「イラクに
大量破壊兵器がある」という情報を見れば分かるように、ほとんど全てが間違っていました。

それをやはり元CIA職員レイ・マクガバンは「拷問は間違った情報を手に入れる最良の方法」と述べています。以下、Russian Todayによるインタビューを紹介して今回のブログを終わりにしたいと思います。

オバマ氏がハーバード大学の法科大学院を出て、シカゴ大学で12年間も憲法を講じてきたこと、また法務長官エリック・ホルダー氏もコロンビア大学法科大学院で博士号を取得した黒人であることに注目して読んでいただきたいと思います。

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            「拷問は間違った情報を手に入れる最良の方法」
                元CIA職員レイ・マクガバンは語る
           http://www42.tok2.com/home/ieas/McGovern.html

               



RTによる解説&前書き

元CIA職員レイ・マクガバンRay McGovernは、「拷問は不確実な情報と偽の自供をもたらす根源だ。それが国際的な協定のすべてを踏みにじる重大な犯罪行為であるということは当然だがね」とRTに語った。

「拷問からは信頼できる情報は得られないね。しかし、不確実な情報がほしければ拷問ほどみごとにその役目を果たすものはないだろう」と、マクガバン氏は言う。

この評言は、ジョン・キリアクーJohn Kiriakouの裁判がおこなわれているさなかに出てきた。キリアクーは、CIAを退職したあと、ワシントンの拷問プログラムについて機密情報を漏洩(ろうえい)させたとして、2年[実は2年半:訳註]の禁固刑を宣告された。

アメリカの拷問プログラムを内部告発したキリアクーは、アルカイダ・ナンバースリーの逮捕を指揮・監督した人物だが、グアンタナモ刑務所の囚人を拷問したCIA職員の名前を暴露したとして告訴されていた。

マクガバン氏によれば、「キリアクーは、拷問は違法であるという信念にもとづいて、ワシントンの拷問プログラムを告発に踏み切ったんだ」という。したがってキリアクーへの起訴は政治的なものであり、彼が罰せられようとしているのは偽善の極致だ、とマクガバン氏は付け加えた。

────────────────────────────────────────
RT: ジョン・キリアクーは、自分がやったことで罰せられるのではなく、自分が何者かということで罰せられるのだ、と言っています。これについて、あなたはどうお考えですか?

レイ・マクガバン: ほとんど彼の言ったとおりだ。彼は偽善の極致で罰せられようとしている。ここにある年表を見てみたまえ。2007年に彼は拷問に大きな反対の声を上げた。アメリカに相応(ふさわ)しいものではないし、情報を得るためにも効果的ではない―それは情報を得るための方法ではない、と言ったのだ。

 1年もしないうちに、二人の法律専門家がそれを裏づける発言をした。つまり、ひとりは憲法の専門家オバマであり、もうひとつの名前はホルダー。オバマは大統領になり、もう一人の法律家エリック・ホルダーは司法長官になった。その当時、彼らが言っていたのは、「水責め」water boarding は拷問であり、拷問は違法だ、というものだ。

 それでいったい何が起きたか?拷問をした者たちには何も起きなかった。誰も罰せられなかった。いま起きているのは、ホルダーとオバマとは偶然にも同じ意見だったが前大統領ブッシュとは意見が異なった人物にたいする罰だ。

 ではブッシュは何を言ったのか?マッタ・ラウアMatt Lauer [NBCテレビ]とのインタビューで、ブッシュは言った、私は「水責め」の認可を誇りに思っているよ、法律の専門家が私にそれは合法だと言ったからね、と。

RT: あなたは「政府にとって悪い知らせを持っいるものはここでは生贄(いけにえ、スケープゴート)として利用されることになっている」とおっしゃっていますね。みな知っているように、9・11後のアメリカは治安取り締まりが極端になってきています。そのうち「元CIA職員は機密情報をもったまま巷(ちまた)を自由に闊歩(かっぽ)できるんか?」と言い出すひとが出てくるかも知れませんね。

レイ・マクガバン: 上からの指示は「自供」をさせることだった。何を自供させるか? イラクに大量破壊兵器があると自供させるのか?アルカイダとサダム・フセインとのあいだに作戦上の関係があることを自供させるのか?それはすべてワニの涙(偽善)だった。だから捏造(ねつぞう)しなければならなかった。

 拷問からは信頼できる情報は得られない。しかし不確実な情報がほしいならば、拷問はみごとに役目を果たすのだ、だから大量破壊兵器との関係だけでなく、イラクとアルカイダとの関係も捏造(ねつぞう)したのだ。

 イギリスとアメリカがイラクを侵略したとき、アメリカ人の69%は、サダム・フセインは9・11と関係があった、アルカイダとイラクのあいだには作戦上の関係があったと信じていた。それは、イギリスとアメリカの側からすれば、巧みな煽動(プロパガンダ)の成果だった。

 どうやったらそんなことができたのか?その方法のひとつが囚人アリビAlibiを拷問することだった。彼をエジプトに送り、エジプトで彼が自供したのは、アルカイダからイラクのフセインにひとを送って、そして爆発物の教育を受けて…、というものだった。

RT: それは全く奇々怪々のたぐいですね。9・11を理由にイラクを侵略するのはアラバマ州カホーバの爆破を理由にメキシコ侵略にのりだしたのに似ていると言った人たちがいましたが、まさにそれですね。
 ジョン・キリアクーが「水責め」の拷問にかんする情報を内部告発したわけですが、内部告発と機密漏洩の違いはどこにあるのでしょうか。その本質的な区別が曖昧で分かりにくいのですが・・・

レイ・マクガバン: ジョン・キリアクーは機密情報を漏洩(リーク)したわけではない。ジョージ・ブッシュはやったし、エリック・ホルダーもオバマも意図的なリークをやった。

 「水責め」は拷問だ。拷問は国際法のどれをとってみても重大な違法行為だ。だから、キリアクーの犯罪というのは、拷問は違法だったとする彼の考えそのものなのだ。

 彼は拷問に関わった人物を新聞社に特定したとか漏洩したとかの罪で告訴されているようだが、その人物はもう以前に新聞に載ってしまっている。だから秘密でも何でもなかった。

 彼は私と同じくバージニア北部に住んでいる。家に訪ねていって、言ってやりたい。「君が拷問プログラムを指揮・監督し、他方で拷問に反対したジョン・キリアクーが刑務所に行く。これが公正だと思うか?」俺は本当にそう言ってやりたい。じっさい、家に帰ったら、そうするかもしれない。

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<註> イタリアの法廷は先日、CIAの誘拐にかかわったイタリアの情報局長官にたいして禁固10年の有罪判決を下しました。アメリカの意向に逆らってでも有罪判決を下した、その勇気には敬意を表したいと思います。詳しくは下記を御覧ください。

Ex-Italian Intel Chief Sentenced for CIA Kidnapping
http://www.democracynow.org/2013/2/13/headlines#2139
関連記事

電脳技術の天才Aaron Swartz の死を考える(4)――世界54カ国にCIA秘密拷問所!! アメリカ市民すら標的にする「暗殺リスト」、内部告発者をひとりたりとも逃そうとしないオバマ

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世界54カ国に広がるCIAの拷問


http://www.democracynow.org/2013/2/7/globalizing_torture_ahead_of_brennan_hearing

[出典] Globalizing Torture: CIA Secret Detention and Extraordinary Rendition
http://www.opensocietyfoundations.org/projects/globalizing-torture
[動画2分] The Story the CIA Doesn’t Want You to Talk About
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=PkSCYFyN8hg

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私は前回のブログ「電脳技術の天才Aaron Swartz の死を考える(3)」を次のように結びました。
 実は、アーロンの自殺事件は単に「知的所有権」の問題だけでなく、背後にもっと大きな問題がひそんでいたのではないかと私は思っています。
 さもなければ、「オープンキャンパス」「オープンアクセス」を売り物し、アーロンの願う方向へとその先頭を走っている大学で、このような事件が起きるはずがなかったのです。
 JSTORが告訴を取り下げ、アーロンの理念に沿った改革を進めていたにもかかわらず、MITが告訴をとりさげなかったのは何故なのか。そこにこの事件の謎・本質を解く鍵がひそんでいる、と私は考えています。
 しかし、もう十分に長くなりすぎていますので、次回に回したいと思います。そのときには、それが原発事故と英語教育にどう関わってくるのかも(気力・体力が許せば)、言及できればと思っています。


そこで今回は上記の点についてさらに私見を述べてみたいと思います。

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* 一般読者の皆さんへ: 以下では英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねています。時間のない方は飛ばして読んでください。
* 英語教師の皆さんへ: 授業における会話ブーム(しかも覚えてもすぐ忘れる)のおかげで、生徒どころか英語教師の「読む力」も大きな落ち込みを見せています。この英文記事が「読む力」の回復に少しでも役立てば幸いです。
* 教育研究者の皆さんへ: 最近わたしは、英語を学ぶ目的の一つは、アメリカの実像を知り日本を「第二のアメリカ」にしないことにある、と考えるようになりました。以下は、今まであまりにも「虚像のアメリカ」を教えてきた私の反省が込められています。
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CC(Creative Commons)の創立者ローレンス・レッシグ

www.openeducational.net

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私は前回のブログで、ハーバード大学法科大学院(Law School)の教授であり、同大学倫理委員会(the Edmond J. Safra Center for Ethics at Harvard)委員長でもあったレッシグ教授(Lawrence Lessig)が、アーロンの死について次のように述べていることを紹介しました。
彼は「いわば政府によるいじめ」(a kind of bullying by our government)によって崖っぷちに追い詰められたのだ。

レッシグ氏は、知的財産をなるべく公有化して世界を自由で豊かなものにしようとする団体「クリエイティブ・コモンズ」(CC:Creative Commons) の創立者であり、10代のアーロンがその構築に協力したことも、以前のブログで既に紹介したとおりです。

そのレッシグ氏が、アーロンが自殺した直後のインタビュー(DemocracyNow!)で次のように語っています。
http://www.democracynow.org/2013/1/14/an_incredible_soul_lawrence_lessig_remembers

JSTORは「我々は起訴を望まない。アーロンを起訴するつもりはない。犯罪者として起訴することは望んでいない」と言った。しかしMITマサチューセッツ工科大学は態度を明確にしなかった。

連邦政府はどうかというと、知ってのとおり当時、米軍によるイラク市民の虐殺をウィキリークスに暴露したとされるブラッドリー・マニング上等兵の問題をかかえていた。だから政府はアーロンの事件を非常に重視した。これがインターネットを使って情報を盗み出す典型例になりかねないと考えたのだ。

だから彼らはアーロンにたいして信じがたいほど馬鹿げた起訴をおこない、12項目以上の訴追項目を並べ立てて重罪にすると脅迫した。知ってのとおり、それは何十年にもわたる禁固刑に処するというものだった。
────────────────────────────────────────
<註> 原文は次のとおりです。
http://www.democracynow.org/2013/1/14/an_incredible_soul_lawrence_lessig_remembers
  JSTOR said, "We don't want to prosecute. We don't want to civilly prosecute. We don't want you to criminally prosecute." But MIT was not as clear.
  And the federal government—remember, at the time, there was the Bradley Manning and the WikiLeaks issue going on. The federal government thought it was really important to make — make an example.
  And so, they brought this incredibly ridiculous prosecution that had multiple—you know, I think it was something like more than—more than a dozen counts claiming felony violations against Aaron, threatening, you know, scores of years in prison.
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つまり、アーロンの罪は何十年にもわたる投獄に価するものではなく、むしろオバマ政権による政治弾圧だったというのが、レッシグ氏の意見です。これは単に氏の見解ではなく、アーロンの葬儀に参加したひとたちの共通した思いであったことは、RTの報道記事でも明らかでしょう。

「アーロンは政府に殺されたのだ」
アーロン・スウォーツ Aaron Swartz の感動的な葬儀集会

http://www42.tok2.com/home/ieas/AaronSwartz.pdf

また政府自身が400万ドルの罰金と35年にもわたる禁固刑が馬鹿げていると思ったからこそ「禁固6か月」という司法取引を持ち出したのでしょうか。しかし、そもそもアーロンがおこなった行為は犯罪ではなかったのですから、彼らの主張する「微罪」を認めて服役することすら、たとえ短期間であっても、アーロンにとって耐えがたいことでした。

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アーロンの行為が、現行のコンピュータ犯罪取締法CFAA(Computer Fraud and Abuse Act)に照らしても犯罪に該当しないことは、アレックス・ステイモスAlex Stamos氏が、次のように語っていることを知れば、いっそう明らかでしょう。

アーロンがやったことは何千人ものひとが毎年MITでやっていたことをやっただけだ。MITに行き、そこで文書を見るという行為だ。確かに彼がやったことは普通のひとよりかなり広範囲だった。彼は当局が思っていた以上のことをしたのだろう。

しかし問題はどの地点で「認められた "authorized" 」範囲を超えたか、である。

現行法の信じがたいほど曖昧な "authorized"の定義では法的には何の意味もない。検察官が相手の人物や相手の行為を気に入らなければ、いつでも「コンピュータへの不正侵入」やシステムの乱用として告訴できるからだ。

────────────────────────────────────────
<註> 原文は次のとおりです。
Exclusive: Aaron Swartz's Partner, Expert Witness Say Prosecutors Unfairly Targeted Dead Activist
http://www.democracynow.org/2013/1/17/exclusive_aaron_swartzs_partner_expert_witness
  What Aaron was doing was exactly the same activity that thousands of people do at MIT every year: He was going and looking at documents. Now, he was doing it at a much wider scale. He did it more than they seemed to want. But at what point does he exceed authorization?
  And by having these incredibly broad definitions and a word that doesn't really mean anything, like "authorized," we end up in a situation where if a prosecutor doesn't like you or doesn't like what you did, if it happened to use a computer, they can find a way to call it "hacking" and an abuse of that system.

ステイモス氏は、インターネット・セキュリテイ会社Artemis Internetの主任技術員であり、日ごろはゴールドマン・サックスGoldman Sachsのような巨大金融企業を守る仕事をしてきたひとです。

ですから主義・主張からすれば、アーロンの考え方や生き方はとは正反対の側にいる人物です。

その彼が、友人から頼まれてアーロンの事件を調べているうちに、アーロンの弁護をするための最も重要な証人として法廷に立つ決意を固めるようになりました。

その矢先にアーロン自殺の報が飛び込んできたのでした。そこで上記DemocracyNow!のインタビューとなったわけです。

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巨大「電脳倉庫」Megauploadの創立者Kim Dotcom

http://rt.com/usa/news/kim-dotcom-interview-mega-673/print/
Megaupload founder Kim Dotcom speaks during the launch of his new website at a press conference at his mansion in Auckland on January 20, 2013. (AFP Photo/Michael Bradley)

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要するに、スティモス氏の言によれば、現行の「コンピュータ犯罪取締法」は、ねらいをつけた人物を司法当局がいつでも逮捕できるように、わざと曖昧な文章にしてあるとも考えられるわけです。

さらに、これと同趣旨の発言をしている人物がキム・ドットコムKim Dotcom氏です。

私はアーロンの事件を通じて初めてドットコム氏を知りましたが、ドイツ生まれの彼も、ジュリアン・アサンジやアーロン・スウォーツと同じように、少年時代から電脳技術に長けていたようです。

十代の頃に、NASA、ペンタゴン、シティバンクなどのインターネット・セキュリテイを出し抜いて有名になったそうですが、その後はインターネットを駆使して巨万の富を築きました。

しかし、氏の会社の一つメガアップロードMegauploadが不正をはたらいているとして、居住地ニュージーランドの警察から家宅捜査を受けました。

このメガアップロードは、様々なファイルや動画を保存する一種の「電脳倉庫」で、その利用者は世界で1億5千万人の利用者がいたそうです。ところが、この「倉庫」にハリウッド映画やアメリカ音楽の海賊版が大量に含まれているという容疑で家宅捜査がおこなわれ、閉鎖に追い込まれたのです。

しかしニュージーランドの永住権を得ているにもかかわらずニュージーランドの法律に反して氏に対する盗聴がおこなわれていたことや、アメリカFBIの強引な要請を受けて家宅捜索や物件押収おこなわれたことが暴露されるにつれて、次々と有罪判決が覆されるに至っています。

新聞社の中には「何時からニュージーランドはアメリカの "友人" ではなく "奴隷" になったのか。何時でもアメリカの言うことに協力することは独立国ニュージーランドの名を汚すものだ」という社説をかかげたところすらありました。

"Political round-up: Growing anger over Dotcom fiasco"
http://www.nzherald.co.nz/opinion/news/article.cfm?c_id=466&objectid=10836888

どこかの国の総理大臣にも聞かせてやりたいことばではないでしょうか。

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新しい「電脳倉庫」MEGAの立ち上げを披露する舞台上のKim Dotcom

http://rt.com/usa/news/kim-dotcom-interview-mega-673/
Megaupload founder Kim Dotcom (C) launches his new file sharing site "Mega", with dancers, in Auckland January 20, 2013. (Reuters/Nigel Marple)

────────────────────────────────────────
それはともかく、このような経歴をもつドットコム氏が、アーロンの事件を受けて、RussiaTodayのインタビューで次のように次のように語っています。
http://rt.com/usa/news/kim-dotcom-interview-mega-673/print/

ハリウッドはオバマの選挙運動にとって重要な献金元だ。それは単にお金だけではなくメディアから支持を得る点でも重要だからだ。ハリウッドはメディアに登場する有名人をたくさんかかえているからね。

彼ら著名人からの推薦を得るためにもオバマ氏は映画業界の言うことを聞かねばならないってわけだ。

はっきりさせておきたいのは俺はビジネスマンだってことだ。俺は金儲けのために電脳倉庫Megauploadを始めた。債券市場に上場できる会社が欲しかった。俺は企業人であってアーロン・スウォーツとはまったく違う。

アーロン・スウォーツは俺のヒーローだが、俺と違ってまったく無私無欲の人間だ。アーロンは俺とは対局の場にいる人物だ。

知ってのとおり、ホワイトハウスは「インターネット監視法案」SOPAを支持してきた。それを阻止できたのは民衆の力であり、その先頭にたって頑張ったのがアーロン・スウォーツだった。

彼の力でSOPAは阻止できた。SOPAを阻止したのはアーロンだった。だから彼が狙われたんだ。彼は政治的な標的になった。それで諸々のことが彼に襲いかかった。

あのような若い天才を、あのようなやり方で追い詰める正当な理由は何もない。あるとすれば政治的な理由だけだ。なぜならホワイトハウスはSOPAを欲しかったからだ。

オバマはハリウッドにSOPAを約束したけれど結局、失敗した。無理にSOPAを強行すると自分の再選にひびくと思ったんだ。SOPAに反対する多くの人たちがオバマに票を投じなくなるからね。それで強行できなくなった。

いずれにしても彼らにとってはすべてがゲームだ。彼らにとって俺たちは「缶蹴り遊び」で蹴りまくられる缶みたいなものさ。

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<註> 原文は下記のとおりです。ただしこれは20分以上にわたるインタビューの一部です。インタビューの全てについては該当URLを参照してください。
1) 'Hollywood is a very important contributor to Obama'
http://rt.com/usa/news/kim-dotcom-interview-mega-673/print/
  Hollywood is a very important contributor to Obama's campaign. Not just with money, but also with media support. They control a lot of media: celebrity endorsements and all that.
2) 'I’m not Aaron Swartz. Aaron Swartz is my hero. He was selfless'
http://rt.com/usa/news/kim-dotcom-interview-mega-673/print/
  Let me be clear: I am a businessman, okay? I started Megaupload as a business to make money. I wanted to list the company. I am an entrepreneur, alright? I'm not Aaron Swartz. Aaron Swartz is my hero. He was selfless. He is completely the opposite of me, but I'm a businessman.
3) "We are all the little puppets that they think they can kick around"
http://rt.com/usa/news/kim-dotcom-interview-mega-673/print/
  And you know the White House was supporting SOPA, and only when the masses came together — and Aaron Swartz: he stopped SOPA. With his efforts, he stopped SOPA. And he became a target. A political target, okay? And that's why all these things happened to him.
  There is no reasonable cause behind going after a young genius like that in the fashion they did. It's political.
  Because the White House wanted SOPA. They promised it to Hollywood and they failed and they couldn't go ahead because the White House was afraid if they keep pushing hard and they keep pushing it forward, that the people who oppose it are not going to vote for Obama in the reelection campaign.
  So it's all a game to them really and we are all the little puppets that they think they can kick around.

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秘密の拷問刑務所として使われたとされるリトアニア政府情報部訓練センター

http://rt.com/news/countries-helped-cia-render-472/
The training centre of the Lithuanian State Security Department, the country's domestic intelligence agency, in Antavilis near Vilnius November 17, 2009. Lithuanian lawmakers investigated allegations that the site housed a secret CIA prison for al Qaeda suspects in 2004-2005 (Reuters / Ints Kalnins)

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要するにドットコム氏は、「アーロンの奮闘でインターネット監視法案SOPAは廃案に追い込まれ、それが映画業界や音楽業界の利益を損ねた。それで彼はオバマ政権から狙われることになった」と述べているわけです。

ハリウッド映画業界の圧力でFBIが動き、その結果GCSB(ニュージーランド政府・通信保安局)から家宅捜査を受けて財産をすべて奪われたドットコム氏にしてみれば、アーロンが狙われた理由が透き通るように見えたのでしょう。

しかも、彼にたいする有罪判決が次々と覆されているとはいえ、アサンジと同じように、いまだにアメリカに移送されて裁判を受けることになるかも知れない可能性を残しているドットコム氏にしてみれば、オバマ氏とその裏で暗躍する業界に我慢がならなかったのでしょう。

しかし私は、ここでドットコム氏があげている理由(映画業界や音楽業界からの圧力)だけでなく、もっと深い理由があったのだと思っています。

というのは、無人爆撃機ドローンDroneを使って世界中に暗殺や秘密の戦争を拡大しているオバマ氏にしてみれば、政府がやっている悪事を外部にもらすことに手を貸す人物は、誰ひとりとして許しておけないはずですから。

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秘密CIA拷問刑務所(ポーランド)の近くにある小さな空港&見張り台

http://rt.com/news/countries-helped-cia-render-472/
The European Union, human watchdogs identified the airport as a potential site which the CIA used to transfer al Qaeda suspects to a nearby prison. (Reuters / Kacper Pempel)

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私がこのブログを書いている最中にも次々と恐ろしい情報が飛び込んできます。その最たるものが「世界54カ国が拷問Torture に協力し、世界で136人ものひとが囚人になっていたという報告でしょう。

Report Tallies 54 Countries, 136 Prisoners in CIA Torture Program
http://www.democracynow.org/2013/2/5/headlines#251

その他にも恐ろしい記事が次々と届いています。たとえば「サウジアラビアに無人爆撃機の秘密基地があった」「オバマ氏はサイバー攻撃をする権利を認めた」「漏洩したメモには "暗殺者名簿 Kill List" を合理化する理由が書かれてあった」といった記事です。

Report: U.S. Has Secret Drone Base in Saudi Arabia
http://www.democracynow.org/2013/2/6/headlines#260
Obama Admin Enacts Right for Preemptive Cyberattacks
http://www.democracynow.org/2013/2/4/headlines#240
Leaked Memo Shows Expansive Rationale for U.S. "Kill List"
http://www.democracynow.org/2013/2/5/headlines#250

ですから、オバマ氏としては政府の暗い秘密を暴露することに少しでも関わった(あるいは関わる恐れがある)人物は誰ひとりとして許せないのです。

その標的として一番有名になったのが既に何度も紹介しているブラッドリー・マニング上等兵とウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジでしょう。

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<註> 前回のブログ「電脳技術の天才Aaron Swartz の死を考える(3)」の冒頭で、アーロンを自殺に追い込んだ政府にたいして、「アノニマスAnonymous」と呼ばれるハッカー集団が、政府の「量刑委員会」ホームページに抗議の動画を送りつけたことを紹介しました。
 オバマ氏は国家としてのサイバーテロを許可したようですが、個人がやると犯罪視され国家がやると無罪というのは、いかにも奇妙な話です。チャップリンの映画『殺人狂時代』に出てくる台詞「ひとりを殺せば殺人だが[戦争で]たくさん殺せば英雄だ」を思い出してしまいました。
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マニング上等兵と軍用ヘリから爆撃される直前のイラク市民


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ブラッドリー・マニング上等兵は、アメリカ兵が軍事ヘリコプターからイラク市民を爆撃し、子どもも含めて何人も殺したことを暴露したために逮捕され、「スパイ防止法」(Espionage Act)違反の疑いで軍事法廷にかけられています。

ではアーロン・スウォーツは何を理由に追い詰められたのでしょうか。

もちろんアバマ氏が成立させたいと思っていたインターネット監視法案SOPAを、アーロンが阻止したことも、ドットコム氏が言うように、大きな理由であったに違いありません。

しかし私にはそれ以上の大きな理由があったに違いないと思ってきました。私の仮説は次のようなものです。

1)電脳技術の天才だったアーロンは、単に学術論文が企業による儲けの対象になるべきではなく無料で学生・市民・研究者に公開されるべきであるというだけではなく、本来は国民のものであるべき情報が国家機密として密室に閉じこめられていることに我慢できなかった。

2)したがってアーロンは、戦争犯罪を告発したマニング上等兵やCIA職員による内部告発を援助したいと思っていただろうし、その内部告発を公表する組織ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジの活動も高く評価していただろう。さらに言えば、できればアサンジの活動を電脳技術の側面から援助したいと思っていたかも知れない。

3)オバマ氏の戦略によってウィキリークスは、今はインターネットを通じた献金が止められ資金難に陥っているだけでなく、アサンジ自身もロンドンのエクアドル大使館に閉じこめられて半身不随の状態である。しかしアーロンは電脳技術の天才だから、このような能力がアサンジの天才的能力と合体すれば、ウィキリークスにどのような新しい戦略が生まれるか予想できない状態になりかねない。

5)したがってオバマ政権としては、アサンジの能力とアーロンの能力が合体しないうちに、あらゆる口実をつくりだしてアーロンも活動不能の状態に追い込みたかった。その絶好の口実となったのが、JSTOR=MIT文献のダウンロード事件だった。

6)JSTORが訴追を取り下げたにもかかわらずMITはなぜ取り下げなかったのか。「MITの研究資金のほとんどはペンタゴンから来ているにもかかわらず、ハーバード大学よりもはるかに自由度が高い大学だった」とは、チョムスキーがよく述べていることだが、オバマ氏が大統領になってからそれが一変した。「言うことを聞かなければ資金をストップするぞ」というわけである。

7)ドットコム氏が逮捕され、巨大な「電脳倉庫」メガアップロードが破壊されたのも、ウィキリークスへ送られてきた巨大な情報がその「電脳倉庫」に保管されている可能性があると疑われたからではないか。だからこそ資財のすべてが没収されたのであり、彼の身柄をアメリカに移すようアメリカ政府は執拗に画策しているのだ。

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<註> MITに関する私の仮説については、「ブッシュ時代よりもオバマ氏になってからの方が悪くなった」という多くの事例を例証として、さらなる説明が必要なのですが、ここでは割愛させていただきます。しかし「“金は出すが口は出さない”という政策がMITから数々の素晴らしい研究成果が産まれる土台になっていた」というチョムスキー(MIT終身教授)の指摘は極めて興味あるものです。日本の文科省や大学経営者に聴かせてやりたい言葉ではありませんか。

────────────────────────────────────────
アーロン・スウォーツとジュリアン・アサンジ

http://rt.com/usa/news/wikileaks-aaron-swartz-organization-448/print/


以上が私の仮説ですが、私がこのようなことを漠然と思っていたところ、私の仮説を裏づけるような報道が飛び込んできました(Russian Today、21 January, 2013)。

WikiLeaks reveals association with Aaron Swartz
http://rt.com/usa/news/wikileaks-aaron-swartz-organization-448/

この報道によると、ウィキリークスはCNETの記者に、「情報源が誰か分からないようにウィキリークスには厳しい設定がされているので証明はできないが、アーロンがアメリカ政府の悪事を暴く情報源のひとつだった可能性がある」と語っています。

要するに、オバマ政権はアーロンがアサンジ=ウィキリークスが何らかの接触をしていたのではないかと疑っていて、それがアーロンへの追求をいっそう厳しいものにした可能性があるというのです。

この報道で私の仮説「アーロンは電脳技術の側面でウィキリークスを援助したいと思っていた」がほぼ正しかったことが明らかになったわけですが、そうなると「俺が狙われているのはオバマに映画産業から圧力がかかっているからだ」とドットコム氏が言っているのも、半分だけ正しいことになります。

もちろんアバマ氏はハリウッドからの巨大な政治献金が欲しいでしょうし、メディア・コントロールの一環として映画界と太く強いパイプを維持することは極めて大切なことですが、あれだけ頭のよいオバマ氏のことですから、それ以上の深淵謀慮がはたらいていたと見る方が正しいのではないでしょうか。

────────────────────────────────────────
元CIA職員ジョン・キリアクーJohn Kiriakou

http://rt.com/usa/news/kiriakou-torture-whistleblower-prison-term-211/print/

────────────────────────────────────────
オバマ氏が政府批判をする人物をいっさい許さないことは、内部告発者(wistleblower)をことごとく「スパイ防止法」の容疑で逮捕していることでも明らかです。その典型例が元CIA職員ジョン・キリアクーJohn Kiriakouの逮捕でしょう。

彼はCIAの拷問を内部告発して逮捕され、2013年1月25日に「30か月(2年半)の禁固刑」の判決を受けたのですが、彼は上記のインタビューで次のように語っています。

拷問を命令したり拷問した人物を逮捕するのではなく、それを告発した人物を「スパイ罪」で逮捕するとは何ごとか。

「スパイ防止法」が1917年につくられてから「スパイ罪」で逮捕されたのはたった3人なのに、オバマ氏は大統領になってから私を含めて7人も「スパイ罪」で逮捕している。

おまけにブッシュ大統領の時代に「暗殺の帝王」"assassination czar")と呼ばれ、拷問や無人爆撃機による暗殺の立役者だった人物[ジョン・ブレナン]を、次のCIA長官に指名するとは信じがたいことだ。

今やアメリカは警察国家・監視国家になりさがってしまった。

────────────────────────────────────────
<註> 上記インタビューの全文およびその全訳は次のとおりです。私の要約では伝えきれなかったことが多く盛り込まれています。時間があるときにぜひ覗いていただければと思います。

'US a police state, Obama consciously allows torture' – CIA veteran John Kiriakou
http://rt.com/usa/news/kiriakou-torture-whistleblower-prison-term-211/
「オバマは意図的に拷問を許可している」
元CIA職員ジョン・キリアクーが警察国家アメリカを語る

http://www42.tok2.com/home/ieas/kiriakou.html

しかし日本政府も、情報隠しをして国民を危険に晒すことにかけてはアメリカ政府に劣らないことは、福島原発事故で一挙に明らかになりました。日本版ウィキリークスが今ほど求められているときはないのかもしれません。
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Author:狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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