「国際社会」は特定秘密保護法案の「廃案」または「根本的修正」を求めている!!

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http://www.himituho.com/

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新しい活動の情報は下記を御覧ください。
*中央運動情報
http://www.himituho.com/
*全国運動情報
http://www.himituho.com/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E9%81%8B%E5%8B%95%E6%83%85%E5%A0%B1/
*デモ・抗議運動まとめ
http://www57.atwiki.jp/demoinfo/
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安倍内閣は口を開くたびに「秘密保護法案は国際社会の要請である」と述べています。福島での公聴会でも、参考人のすべてが法案の廃案または根本的修正を求めているにもかかわらず、翌日の衆議院特別委員会では同じ主張を繰り返して、強行採決に踏み切りました。

同日の夜に開かれた衆議院本会議でも「国際社会の要請である」「テロ対策には欠かせない法案である」と繰り返し主張して、またもや採決を強行しました。違憲状態にある衆議院が、9万件のパブリックコメントのうち約9割の反対を無視しての、強行採決です。

しかも「国際社会の要請である」と言っているにもかかわらず、その「国際社会」から聞こえてくるのは、以下で紹介するように、「廃案」また「根本的修正」ばかりです。自民党や公明党の言う「国際社会」というのは、誰のことを指しているのでしょうか。

もし、それがアメリカ政府だとすれば、、チョムスキーが言っているように、無人爆撃機Droneで世界中に死の恐怖(テロ)を撒き散らしてるアメリカこそ「テロ国家」ではないでしょう。チョムスキーいわく「Droneで無実の民衆ひとりを殺すたびに、復讐の念に燃えた40人のテロリストが生まれる」。

このような「テロ国家アメリカ」(チョムスキーの言)の要請になぜ日本は答えなければならないのでしょうか。それとも日本もアメリカと同じように、世界に売るべき「国内の製造物」が原発や武器以外になくなってきているのでしょうか。武器輸出3原則の見直しは、そのことを暗示しているように思えてなりません。

以下に私が集めた世界の世論を紹介します。

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記者会見で強い懸念を表明する、国連人権委員会特別報告者フランク・ラ・リュ氏

http://www.un.org/apps/news/story.asp/html/story.asp?NewsID=46560&Cr=japan&Cr1=#.UphF7ycw_P-
Frank La Rue, Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression. Photo: Violaine Martin

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国際社会は「特定秘密保護法案」の廃案

または根本的修正を求めている!!




*国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチが秘密法の見直しを求めています。
http://www.hrw.org/ja/news/2013/11/25(2013年11月25日)

*アメリカ政府元高官ハルペリン氏【秘密保護法案、国際基準を逸脱】秘密多いと管理困難に
http://www.47news.jp/47topics/e/247843.php(2013年11月23日、共同)

*国連人権理事会(ジュネーブ)の特別報告者の二人が、日本国政府が国会に提出した特定秘密保護法案に関し、強い懸念を表明しました。
http://www.un.org/apps/news/story.asp/html/story.asp?NewsID=46560&Cr=japan&Cr1=#.Upfweycw_P9(2013年11月22日)

*国連フランク・ラ・リュ氏(言論および表現の自由の権利の保護・促進に関する特別報告者)、国連アナンド・グローバー氏(健康の権利に関する特別報告者)の抗議声明
Independent UN experts seriously concerned about Japan’s special secrets bill
http://www.un.org/apps/news/story.asp/html/story.asp?NewsID=46560&Cr=japan&Cr1=#.Upfv9ycw_P9(2013年11月22日)

*国際ジャーナリスト連盟(IFJ)が秘密法を批判しています。
http://www.ifj.org/en/articles/japanese-proposed-state-secret-law-undermines-the-publics-right-to-know (2013年11月21日)

*国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、特定秘密保護法案に深刻な懸念を表明し、同法の制定に強く反対しています。 http://hrn.or.jp/activity/topic/post-240/ (2013年11月19日)

*表現の自由のための国際人権団体ARTICLE19は、秘密保護法案を否決するよう、日本の国会に強く求めています。
Statement:Japanese Parliament must reject new secrets bill
http://www.article19.org/resources.php/resource/37346/en/japanese-parliament-must-reject-new-secrets-bill (2013年11月12日)

*日本外国特派員協会が「特定秘密保護法」に強い懸念を表明しました。
FCCJ "Designated Secrets Bill" Statement of Deep Concern
http://www.fccj.or.jp/images/FCCJ-State-Secrets-Protest-eng.pdf(2013年11月11日)
日本語訳「「秘密保護法案は廃案または大幅修正すべきである」
http://pub.ne.jp/tacktaka/?entry_id=5121978

*New York Timesの社説も「特定秘密保護法」に強い懸念を表明しました。
Editorial:Japan's Illiberal Secrecy Law
http://www.nytimes.com/2013/10/30/opinion/international/japans-illiberal-secrecy-law.html?_r=2& (2013年10月29日)
日本語訳「「自由主義」を標榜する国日本の、「不自由」を強制する秘密保護法案」
http://www42.tok2.com/home/ieas/NYTimesEditorialSecrecyLaw.pdf

*言論および表現の自由の権利の保護・促進に関する国連特別報告者フランク・ラ・リュ氏は、真実への権利についての報告を発表し、重大な人権侵害行為やそれにかかわる情報など、政府の情報非開示が許されない場合が存在すると強調した。
http://daccess-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/N13/464/76/PDF/N1346476.pdf?OpenElement
(2013年9月)

*国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)
http://www.opensocietyfoundations.org/sites/default/files/global-principles-national-security-10232013.pdf(2013年6月12日)

*日本弁護士連合会によるツワネ原則の日本語訳
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/statement/data/2013/tshwane.pdf

*国家安全、表現の自由、情報へのアクセスの自由に関するヨハネスブルグ原則
(国際法の専門家集団が、安全保障に関する情報への人権保護の適用について、1996年に定めた有力な原則である。)
http://www.article19.org/data/files/pdfs/standards/joburgprinciples.pdf
関連記事
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「秘密保護法案」をくい止めるために [新しい情報を冒頭に少し追加しました(2013/11/28)]


「わかりやすく伝えたい」。手作り漫画持参の「日本平和委員会」の若者たち

http://www.labornetjp.org/news/2013/1121shasin2


新しい活動の情報は下記を御覧ください。
*中央運動情報
http://www.himituho.com/
*全国運動情報
http://www.himituho.com/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E9%81%8B%E5%8B%95%E6%83%85%E5%A0%B1/
*デモ・抗議運動まとめ
http://www57.atwiki.jp/demoinfo/
*日本ペンクラブ会長(浅田次郎)の抗議声明「深い失望、大いなる怒り」
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&ved=0CCsQFjAA&url=http%3A%2F%2Fwww.japanpen.or.jp%2Fstatement%2F2013%2Fpost_449.html&ei=biyXUsXHI4XSkwXL9ICIDg&usg=AFQjCNGyw3WK_8ttXvdEGLhyYyg1okvGhg&bvm=bv.57155469,d.dGI&cad=rja

国際社会からも次々と批判声明が発表されています。
STOP!「秘密保護法」ホームページの「各界抗議声明」の頁を参照ください。
http://www.himituho.com/
*国際ジャーナリスト連盟(IFJ)が秘密法を批判
*ヒューマン・ライツ・ウォッチが秘密法の見直しを求める


福島公聴会のあと、衆議院特別委員会の理事会が開かれ、与党は26日の特別委員会での採決を主張し、野党との激しいやりとりがおこなわれたということです。
 みんなの党は与党に屈服。与党は、委員会採決のみならず、午後にも本会議採決を狙っています。維新は26日の採決に反対。
 情勢が緊迫している折、東京の杉原浩司さん(「何が秘密?それが秘密」法に反対するネットワーク)から下記のような訴えがあり、[転送・転載歓迎]とありましたので大至急、転載させていただきます。
 東京に行って傍聴や抗議活動ができないひとでも、審議会・抗議活動のテレビ中継や「福島公聴会」の録画映像を見たり、ファックスや抗議電話をすることも、もう一つの運動ではないでしょうか。

<参考>
【必見!】アーカイブ動画(OurPlanet-TV)
*強行採決に対する緊急会見〜秘密保護法
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1685
*「アリバイ作りなのか」 秘密保護法・福島公聴会
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1683
*レイバーネット日本
http://www.labornetjp.org/

「福島地方公聴会~秘密保護法」
秘密保護法案 原発事故隠される 福島で公聴会 住民らデモ(11月25日、東京夕刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013112502000216.html

特定秘密保護法案 福島で地方公聴会(11月25日 16時14分、NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131125/t10013319291000.html

特定秘密保護法案 福島での地方公聴会・発言要旨(11月25日、朝日)
http://www.asahi.com/articles/TKY201311250098.html



【本日26日(火)政府与党が狙う

「秘密保護法案」衆院委員会&本会議
採決を食い止めよう!】

東京の杉原浩司(「何が秘密?それが秘密」法に反対するネットワーク)です。
遅い時間ですが、ぜひお読みください。[転送・転載歓迎/重複失礼]

政府与党は、野党の反対(みんなの党は「円満に」)を無視して、額賀委
員長の職権で26日(火)午前9時~11時に安倍首相出席、NHK中継入りの質
疑を強行します。朝8時30分からの理事会で採決するかどうかが協議され
ます。与党は、委員会採決のみならず、午後にも本会議採決を狙っていま
す。大ピンチにできる行動をすべてやりましょう!

◆以下、4つの行動提案です。ぜひご参加、ご協力ください!
1. 朝8時~9時、首相官邸前での抗議アピールに集まろう!
2. 正午~議員会館前抗議、14時~記者会見、19時~官邸前抗議へ!
3. 鍵を握る理事たちや維新、みんなにファックスを集中しよう!
4. 9時~11時の委員会を傍聴しよう!

 
関連記事

何故それを改訳したか―外国特派員協会の声明「秘密保護法案は廃案または大幅修正すべきである」

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歴史の逆行を許すな!~「秘密保護法」反対集会 1万人の怒りと熱気

http://www.labornetjp.org/news/2013/1121shasin2


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「特定秘密保護法案」衆院採決の危機を前にして、大集会が開かれた11月21日の日比谷野外音楽堂は、怒りに立ち上がった1万人の人々で、集会開始6時30分の10分前にすでに満杯になり、音楽堂の外にも数千人の人々があふれました。

既に報道されている通り、維新の会は記名投票の末、賛成27人、反対23人で「修正合意」への賛成を決めました。秘密指定期限の基準が30年から60年へ倍増するという、「修正」どころか「改悪」へと突き進み、みんなの党とともに「翼賛政党」へと転落しました。

それでも、あと二人が反対に回れば、決議自体ができないほどの僅差でしたから、右翼政党と呼ばれる維新の会でさえこのような事態に追い込まれるほど、世論の力が大きかったと言うべきでしょう。もう一回り大きなうねりが日本全体を覆えば、廃案も不可能ではないとさえ思えるほど、大きな集会だったと思います。

集会の詳しい報告および今後の日程については下記を御覧ください。
*11月21日、活動報告
http://www.himituho.com/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%A0%B1%E5%91%8A/
*全国活動状況
http://www.himituho.com/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E9%81%8B%E5%8B%95%E6%83%85%E5%A0%B1/
*STOP!「秘密保護法」最新情報
http://www.himituho.com/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0-%E6%9C%80%E6%96%B0%E6%83%85%E5%A0%B1/
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いま日本政府が強行採決しようとしている「機密保護法」については、福島原発事故以来、秘密主義が横行してきたことから世界中の眼が日本に集まってきています。その一つが前回のブログで紹介したNYTimesの社説でしたが、今回は「日本特派員協会」の緊急声明を紹介したいと思います。

これについては前回のブログで下記のURLを紹介するのみにとどめまし。
http://www.fccj.or.jp/ (特派員協会ホームページ)
http://tkajimura.blogspot.jp/2013/11/designated-secrets-billprotest.html
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/11/foreign-correspondents-club-of-japan.html

しかし、「特派員協会ホームペーシに載っている日本語訳も、PeacePhilosophyに載せてある乗松氏の日本語訳も、この訳文では日本外国特派員協会々長ルーシー・バーミンガム氏が英文で発表した抗議声明の趣旨がよく分からない箇所がある」という声が私のところに届いてきました。

確かに読み直してみたら分かりにくいところが散見されますので、白内障が悪化して右目が不自由なのですが、情勢が緊迫しているだけに無理を押して改訳を試みました。この改訳が「特定秘密保護法案」を廃止または根本的修正に追い込む運動に少しでも貢献できたらと願っています。

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外国特派員協会が

『特定秘密保護法案』に強い懸念を表明


FCCJ "Designated Secrets Bill" Statement of Deep Concern
http://www.fccj.or.jp/images/FCCJ-State-Secrets-Protest-eng.pdf


日本外国特派員協会は、いま日本の国会で審議中の「特定秘密保護法案」について強い懸念を抱いている。

われわれが特に危惧しているのは、同法案の中にジャーナリストにたいする起訴や投獄を可能にする条文が含まれており、与党のなかに、それと同種の発言をおこなっている議員が少なからずいることである。

開かれた社会における調査報道の真髄は、政府の秘密活動を暴(あば)き、市民に伝えることにある。そのような報道活動は犯罪ではない。それどころか行政のありかたを点検し、その横暴・行き過ぎを抑えるという意味で、民主主義の根幹とも言うべきものである。

本法案は、報道の自由はもはや憲法で保障された権利ではなく、政府高官が「充分な配慮を示すべき」単なる考慮事項に過ぎない、と受け取られても仕方がない条文である。

その上、この「特定秘密保護法案」には、「不適切な方法」で政府の政策に関する調査・取材をしてはならないといった、ジャーナリストへの特別な警告まで含まれている。これは明らかに報道を職業とするものへの直接的な脅迫であり、しかも個々の事例でいかようにも解釈できる許しがたい条文となっている。このような曖昧模糊とした文言は、ジャーナリストを意のままに訴追する権限を政府に与えることになる。

日本外国特派員協会の会員には外国籍のみならず日本国籍を有するものもいる。1945年に設立された由緒ある当協会は、一貫して、報道の自由と情報の自由な交換を、日本と諸外国との間の友好関係や相互理解を維持・増進するための不可欠な手段とみなしてきた。

以上の趣旨をふまえて、われわれは国会に対し、「特定秘密保護法案」を廃案とするか、もしくは大幅に修正することを強く要請する。さもなければ、この法案は日本における民主主義の未来と報道活動にたいして重大な脅威となると考えるからである。

ルーシー・バーミンガム
日本外国特派員協会々長
平成25年11月11日

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『南ドイツ新聞』が「特定秘密保護法案」をきびしく批判


Süddeutsche Zeitung 11.Nov.2013


この法案の反民主性と危険性については、日本外国特派員協会(会員2000名)が、「特定秘密保護法案」の廃案ないしは大幅修正を求めて抗議声明を出した11月11日、ドイツでも、『南ドイツ新聞』が同法案をきびしく批判した記事を載せました。

ブログ「明日うらしま」によれば、「秘密事項原子力発電/日本市民はもはや核施設の安全性について知ってはならない」との見出しで、原発に関する情報秘匿を例に挙げて、民主主義の基本を否定するものであると解説しているそうです。
http://tkajimura.blogspot.jp/2013/11/designated-secrets-billprotest.html

同ブログでは、この記事についてさらに次のような解説を付けています。

 また、日本での権力の公文書の私物化と隠蔽の一例として、沖縄返還時の核付き返還の秘密協定文書が、政府の保管ではなく、安倍総理の大叔父である当時の佐藤栄作元総理の遺産の中から出てきたことを挙げています。
 その上で、このような酷い法案を安倍政権が実現しようとする裏にはアメリカの圧力があるのではないかとの見方を紹介しています。このような見解はすでに10月29日に、ニューヨーク・タイムズが社説で指摘しています。
 これらは報道の数例でしかありませんが、特派員協会の抗議声明に見られるように、特派員たちの自らの職業に対する弾圧法であるとの強い危機感は、民主主義擁護を基本とする者にとっては全く正当なものです。
 したがって同法案が可決成立するようなことになれば、日本の国会の世界の民主主義を脅かす行為として、全世界から集中的に批判の的になることは明らかです。
 要するに、日本の国会議員は世界から彼らの民主主義認識の常識を問われているのです。情けないことに、そのことすら認識していない無能な国会議員が多数であるようです。
 少なくとも、この法案成立と同時に、日本の報道の自由は、中国並みのランクに格付けされることだけは確実ですから、それくらいの自覚は持ってほしいものです。


上記で明日うらしま氏は「日本の報道の自由は、中国並みのランクに格付けされることだけは確実です」と書いていますが、リビアのカダフィ打倒のときもそうでしたが、今のシリア情勢を読んでいる限りでは、アメリカの大手メディアも中国並みのランクであることだけは、註記しておきたいと思います。

私が前回のブログ「NYTimes の社説も批判する秘密保護法案」で次のように書いたのは、そのような意味が込められていました。

それにしても、ニューヨークタイムズでさえ社説でこのような批判をおこなっているのに、そのことを日本の大手メディアは私たちに紹介していません。これもチョムスキーのいう「メディアの家畜化」の一例ではないでしょうか。


しかし、日本のメディアの流れもいま少しずつ変わり始めています。これも民衆運動の力によるものでしょう。

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<註> 海外の眼がいかに日本に注がれているかを示す記事は他にも次のようなものがあります。
*【秘密保護法案、国際基準を逸脱】
米政府元高官ハルペリン氏  秘密多いと管理困難に(11月23日、共同)
http://www.47news.jp/47topics/e/247843.php                  
*国際連合特別報告者「特定秘密保護法案は透明性を脅かすものである」
ジュネーブ(2013年11月21日):国際連合人権理事会の特別報告者の二人が、日本国政府が国会に提出した特定秘密保護法案に関し、強い懸念を表明した。
http://www.himituho.com/%E5%90%84%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%8A%97%E8%AD%B0%E5%A3%B0%E6%98%8E/

関連記事

何故それを改訳したか ― NYTimes の社説も批判する秘密保護法案

「自由主義」を標榜する国日本の、

「不自由」を強制する秘密保護法


Japan's Illiberal Secrecy Law:
New York Times editorial (October 29, 2013)
http://www.nytimes.com/2013/10/30/opinion/international/japans-illiberal-secrecy-law.html?_r=1&

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http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/1372/

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<解説> 
 ニューヨークタイムズが10月29日の社説で、"日本の「秘密保護法案」が、日本版NSCとセットでアメリカ政府から要請されたものであり、それは自由と民主主義を根底から堀り崩すものである" ときびしく批判ていることを知りました。
 以下にその拙訳を紹介します。[ ]内の挿入語句は訳者による補足です。
 それにしても、ニューヨークタイムズでさえ社説でこのような批判をおこなっているのに、そのことを日本の大手メディアは私たちに紹介していません。これもチョムスキーのいう「メディアの家畜化」の一例ではないでしょうか。
 アメリカのNSCがCIA、NSAという諜報機関を使って、世界中を盗聴し世界中に殺戮と戦争をバラ捲いていることは、マニング氏やスノーデン氏によって今や天下周知の事実になっているにもかかわらず、そのアメリカのプードル犬となり日本版NSCと日本版スパイ防止法をつくろうとしていることは、日本国民として恥ずかしいかぎりです。
 というのは、オバマ氏以前は、1917年につくられた「スパイ防止法」で3人しか訴追されていないのに(悪法として名高いから当然でしょう)、彼が大統領になってからは、その2倍以上もの政府高官が裁判にかけられたり刑務所に送られたりしています。
 政府の悪行を暴いた人物が処罰され、悪行を働いた人物は誰ひとりとして処罰されていないのです。安倍氏は「第2のオバマ」になりたいのでしょうか。
────────────────────────────────────────

日本政府は、人々の知る権利を土台から堀り崩す秘密法案を、成立させようとしている。この法律は、すべての政府省庁に、防衛、外交、スパイ防止、テロ防止に関連する情報を秘密指定できる権利を与える。しかし何をもって秘密とするかの基準がない。このような基準なしでは、政府にとって不都合な情報は、すべて秘密指定できる。

この法案では、秘密をもらしたことが発覚したばあい、その政府職員は最高10年の懲役となる。このような条項は、不正行為を内部告発しようとする職員の意欲・勇気を奪い、情報を秘密指定することに拍車をかけることになろう[まさにそれがこの法案の狙いなのだ]。

これまでは情報を「防衛機密」として秘密指定する権限をもつのは防衛省だけだった。しかしその前科たるや凄まじいものだ。防衛省によって2006ー2011年に秘密指定された5万5千件の文書のうち、なんと3万4千件が、秘密指定期間が終わったとき破棄された。国民に知られては困るものだったわけだ。こうして、公開されたものは、たった1件だけだった。

この新法が通れば、秘密の指定期間も無期限延長が可能となる。しかもこの法案は政府の説明責任をいっそう限定し縮小させるものとなっている。選挙によって選ばれた国民の代表者[国会議員]に、秘密について議論する場を保証する、明確な条項がないからだ。

この法案は、もうすでに不透明な政府を、さらに不透明なものにするだろう。というのは、「不正」「不当」な方法で情報を得たばあいは最高5年の懲役にするぞ、と報道関係者を脅迫しているからだ。日本の新聞各社は、記者が政府職員に取材できなくなるのではないか、と懸念している。世論調査によると、国民もこの法案がもたらす悪影響について大きな不安、強い疑いを抱いている。にもかかわらず安倍晋三政権は、この法案を一刻も早く通すことにのみ熱心だ。

安倍氏がこの法案を必要としているのは [アメリカ政府の要請で] アメリカ型の国家安全保障会議NSCを設立するためだ。ワシントンが「日本が情報統制をもっと厳しくしないと、これ以上の情報を与えないぞ」と言っているからだ。安倍氏が提案しているNSCは6部門をもうけているが、他の部門は「同盟・友好国」「その他の地域」などとなっているのに、1部門だけは国名を名指しで「中国・北朝鮮」となっている。

このような動き [新たにNSCを設置し秘密法案をつくること] は、これまで安倍政権が中国にたいして取ってきた対決的姿勢を反映しているだけでなく、安倍政権のタカ派的外交政策を示すもうひとつの前兆となる。それは当然ながら、市民の人権を害するのみならず、東アジアに、日本政府にたいするいっそうの不信感を生み出すことになるだろう。


────────────────────────────────────────
<註> 上記のニューヨークタイムズ社説は下記ブログで知りました。このブログはドイツ在住の日本人が書いていて、興味深い記事がいっぱい載っています。
ブログ「明日うらしま」
http://tkajimura.blogspot.jp/

また下記に乗松聡子氏による上記社説の翻訳(Nov.13,2013)が載っていましたが、一般の読者にはやや分かりにくいと思われたので、全面的な改訳を試みたのが上記のものです。
PeacePhilosophy
http://peacephilosophy.blogspot.ca/2013/11/japans-illiberal-secrecy-law-new-york.html

<参考>
日本外国特派員協会:
「特定秘密保護法案」は報道の自由及び民主主義の根本を脅かす悪法であり、撤回、または大幅修正を勧告します。(平成25年11月11日)
ルーシー・バーミンガム。日本外国特派員協会々長
http://www.fccj.or.jp/ (特派員協会ホームページ)
http://tkajimura.blogspot.jp/2013/11/designated-secrets-billprotest.html
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/11/foreign-correspondents-club-of-japan.html
関連記事

日弁連会長声明と「ツワネ原則」、STOP!「秘密保護法」 11.21大集会


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<解説>
 安倍政権は、今国会で秘密保護法案を制定するために、11.21大集会の前の、20日か21日には特別委員会で採決し、参議院に送ろうとしています。
 法案内容が新聞やテレビで知られるようになるにつれて、この法案にたいする反対世論、慎重審議を求める声は強まる一方です。
 ところが安倍政権は法案を慎重審議するどころか、むしろ短期間で成立させようと急速に動き始めています。特別委員会で採決し、参議院に送ろうとしています。いかにこの法案が国民に知られては困る内容かがよく分かります。
 ことの重大性と緊急性をふまえて日本弁護士連合会は、11月15日(金)に下記のような緊急「会長声明」を発表しました。
 とくに「ツワネ原則」という国際原則を、安倍政権が真っ向から踏みにじろうとしていることに注目していただきたいと思います。

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特定秘密保護法案に反対し、

ツワネ原則に則して秘密保全法の在り方を

全面的に再検討することを求める会長声明





国が扱う情報は、本来、国民の財産であり、国民に公表・公開されるべきものである。

「特定秘密の保護に関する法律案」は、行政機関が秘密指定できる 情報の範囲を広くかつ曖昧に設定し、かつ、運用の実態は第三者がチェックできない一方で、このような情報にアクセスしようとする国民や国会議員、報道関係 者などのアクセスを重罰規定によって牽制するもので、まさに行政機関による情報支配ともいうべき事態である。

当連合会では、
本年9月12日に「『特定秘密の保護に関する法律案の概要』に対する意見書」を、
同年10月23日に「秘密保護法制定に反対し、情報管理システムの適正化及び更なる情報公開に向けた法改正を求める意見書」を公表し、
同月25日に「特定秘密保護法案の閣議決定に対する会長声明」 を公表した。

当連合会の相次ぐ意見表明に対して、新聞やテレビ、ラジオ、雑誌、インターネットニュースなどがこぞって法案を問題とする報道を行うようになったこともあり、多くの国民が法案に関心を抱くとともに、法案の賛否に関わらず早急な成立を望まない声が日増しに強くなっている。

このような国民の意向 を受けて、政府及び国会には、法案の慎重審議が強く求められている。

ところが、政府及び与党は、法案を慎重審議するどころか、むしろ短期間で成立させようとしている様子さえ窺える。

政府及び与党が我が国における法案の重要性を強く認識するのであれば、尚更のこと、国民の理解と納得を得られるよう、法案の内容を検討し直すべきである。

「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(以下「ツワネ原則」という。)は、自由権規約19条等をふまえ、国家安全保障分野において立法を行う者に対して、国家安全保障への脅威から人々を保護するための合理的な措置を講じることと、政府の情報への市民によるアクセス権の保障を両立するために、実務 的ガイドラインとして作成されたものであり、本年6月、南アフリカ共和国の首都・ツワネで公表されたものである。

当連合会では、これまでの提案を踏まえ、ツワネ原則による法案の見直しと撤回を求める。

以下、ツワネ原則に則して特定秘密保護法案の問題点を指摘する。

1 ツワネ原則1、4は国家秘密の存在を前提にしているものの、誰もが公的機関の情報にアクセスする権利を有しており、その権利を制限する正当性を証明するのは政府の責務であるとしている。

しかし、法案にこの原則が明示されていない。

2 ツワネ原則10は、政府の人権法・人道法違反の事実や大量破壊兵器の保有、環境破壊など、政府が秘密にしてはならない情報が列挙されている

国民の知る権利を保障する観点からこのような規定は必要不可欠である。しかし、法案には、このような規定がない。

3 ツワネ原則16は、情報は、必要な期間にのみ限定して秘密指定されるべきであり、政府が秘密指定を許される最長期間を法律で定めるべきであるとしている。

しかし、法案には、最長期間についての定めはなく、30年経過時のチェックにしても行政機関である内閣が判断する手続になっており、第三者による チェックになっていない。

4 ツワネ原則17は、市民が秘密解除を請求するための手続が明確に定められるべきであるとしている。

これは恣意的な秘密指定を無効にする上で有意義である。しかし、法案はこのような手続規定がない。

5 ツワネ原則6、31、32、33は、安全保障部門には独立した監視機関が設けられるべきであり、この機関は、実効的な監視を行うために必要な全ての情報に対してアクセスできるようにすべきであるとしている。

しかし、法案には、このような監視機関に関する規定がない。

6 ツワネ原則43、46は、内部告発者は、明らかにされた情報による公益が秘密保持による公益を上回る場合には、報復を受けるべきでなく、情報漏えい者に対する訴追は、情報を明らかにしたことの公益と比べ現実的で確認可能な重大な損害を引き起こす場合に限って、許されるとしている。

しかし、法案では、 この点に関する利益衡量規定がなく、公益通報者が漏えい罪によって処罰される危険が極めて高い。

7 ツワネ原則47、48は、公務員でない者は、秘密情報の受取、保持若しくは公衆への公開により、又は秘密情報の探索、アクセスに関する共謀その他の罪 により訴追されるべきではないとし、また、情報流出の調査において、秘密の情報源やその他の非公開情報を明らかすることを強制されるべきではないとしている。

しかし、法案にはこのような規定がないどころか、第23条ないし第26条の規定によって広く処罰できるようにしている。


この原則の策定には、アムネスティインターナショナルやアーティクル19のような著名な国際人権団体だけでなく、国際法律家連盟のような法曹団体、安全保障に関する国際団体など22の団体や学術機関が名前を連ねている。

この原則には、ヨーロッパ人権裁判所やアメリカ合衆国など、最も真剣な論争が行われている地域における努力が反映されている。

起草後、欧州評議会の議員会議において、国家安全保障と情報アクセスに関するレポートにも引用されている。

当連合会は、政府が安全保障上の理由によって一定の事項を一定の期間、秘密とする必要があると判断し対応していることを、全面的に否定するものではない。 しかし、このような対応を許容することによって、国民の基本的人権である言論の自由、プライバシー権が侵害されるべきではない。

法案に上記のような構造的な問題点があることが明らかであるから、政府は、法案を一旦白紙に戻し、現存する国家公務員法や自衛隊法などの中に含まれる秘密保全法制も含めて、秘密保全法制の在り方を根本的に見直すべきである

2013年(平成25年)11月15日、
日本弁護士連合会、会長 山岸憲司

http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/131115.html

────────────────────────────────────────
<註> なお秘密保護法案の反対運動に関する情報は下記にあります。いろいろな情報・資料・映像がリンクされていて非常に役立ちます。

*「STOP!秘密保護法」ホームページ
http://www.himituho.com/
*OurPlanetTVホームページ
http://www.ourplanet-tv.org/
*「レイバーネット日本」ホームページ
http://www.labornetjp.org/
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それは広島型原爆14000個に相当する放射能を有している!!

福島原発4号機の使用済み燃料棒の取り出しは

「世界終末」への道程か!?




<解説> 以下は下記のZNet記事を翻訳したものです。
Fuel Removal From Fukushima's Reactor 4 Threatens 'Apocalyptic' Scenario
By Andrea Germanos、Source: Common Dreams
http://www.zcommunications.org/contents/196122/print (October 26, 2013)
 東電は、早ければ11月8日にも、4号機の使用済み燃料プールから燃料集合体を取り出す作業に取りかかる予定でした。しかし、急きょ、昨日5日になって1~2週間延期を発表しました。
 作業開始の段階からアメリカの技術支援を受け入れることに決めたものの、米国エネルギー省から「安全性を確認する実証試験なしに作業を開始する危険性」を指摘されたからでしょう。ぶっつけ本番でこんなに危険な作業に臨もうとしていた東電の無知・無謀さに、呆れるどころか恐怖を感じます。
[11月6日(水)記]



 <終末論的可能性、すなわち「世界を破滅させる」恐れがある作業が、壊れて沈みかけている福島第1原発4号機で、少なくとも今から2週間後に、早くも11月8日には始まると予想されている。
 原発を操業する東電(TEPCO)が原子炉建屋の最上階に設置された使用済み燃料貯蔵プールから1300本の使用済み燃料棒を取り出そうとしているが、それは広島型原爆14000個に相当する放射能を有している。>



 4号機建屋じたいはメルトダウンしてはいないものの、水素爆発をして、いまや傾いて沈みかけており、もういちど地震がきたらひとたまりもあるまい。ジャパンタイムズ紙は事態を次のように説明している:
 燃料棒を取り出すために東電は273トンの可動式クレーンを建屋上部に設置し、それを別室から遠隔操作する予定だ。(中略)
 使用済み燃料棒は貯蔵されている棚(ラック)から引き抜かれ、別の重い鉄製の格納容器に一本ずつ挿入される。そのあいだにも使用済み燃料棒の集合体は水中に冷却されている。燃料棒が取り出され格納された容器が、冷却プールから引き出され、地面に下ろされると、即座に貯蔵施設にある損傷のない別の冷却プールに移されることになる。
 通常であれば、そのような作業は長くとも3か月で終わる。しかしこのような複雑な仕事を、東電は2014会計年度内に完了させたいとしている。


このような前代未聞の大規模な計画にたいして世界中から警鐘が乱打され続けてきた。400トンもの使用済み燃料を手動で取り出そうとする前代未聞の計画だからだ。しかもその作業を、壊れた原発を収束できないま現在まで失敗に失敗を重ねてきた張本人の東電がやるというから、なおさらのことだ。

元アメリカの核エンジニアで、研究教育組織「Fairewinds Energy Education」の所長であるアーニー・ガンダーセンArnie Gundersenは今年の夏こう警告した。
膨大な使用済み燃料の取り出し作業は難航するだろう」「東電の仕事が成功するだろうと即断するのは全くの論理矛盾だ。


医学博士ポール・ガンターPaul Gunter(「Reactor Oversight Project」所長)は、メリーランド州タコマパークに拠点がある研究所「Beyond Nuclear」の一員でもあるが、木曜日(10月24日)に警鐘を鳴らし、独立系ニュースサイト「Common Dreams」に次のような声明を出した。
状態の不確実性と数百トンの核燃料集合体が並んでいることを考えると、高放射性で危険連続の燃料棒取り出しとなるであろう。


ガンダーセンは使用済み燃料棒の取り出しという困難な過程を次のように例えている:
 もし核燃料の貯蔵ラックをタバコの箱だと考えるなら、つまりタバコを一本まっすぐに引き出すとするなら、うまく出てくるだろう。
 しかし、このラック(棚)は既に歪んでしまっているから、タバコをまっすぐに引き出そうとすると破損して、放射性セシウムやキセノンやクリプトンといった他の気体を空中に放出する可能性がある。
 それが11月に起きるか、それとも12月・1月になるか分からないが、そうなるとみんな建屋から避難してしまっていて、燃料棒は損傷したまま、燃料棒は気体を発散させている・・・そんなニュースを耳にすることになるのではないかと恐れている。(中略)
 燃料棒をむりに引き抜こうとするとき浮遊物質の放出がさらに多くなるだろう。もし強く引っ張りすぎると燃料棒がポキッと折れてしまう。貯蔵棚が歪んでしまっているので,燃料棒は加熱し、冷却プールは沸騰する。最終的にはかなりの燃料棒が取り出せずにずっとそこに堆積したままになる可能性がある。


ジャパンタイムズ紙はさらに次のように付け加える:
燃料棒の取り出しは通常ならミリ単位まで正確な位置を知っているコンピュータの助けを借りておこなわれる作業である。高濃度の放射性物質に満ちた環境のなかで、しかも実質的に真っ暗闇で作業するのだから、クレーンが燃料棒のひとつを落下させたり損傷させたりする危険がある。そのような事故がひとつでも起これば、東北地方に今までをはるかに越える惨事をもたらすことになるだろう。


長年の反核活動家ハーベイ・ワッサーマンHarvey Wassermanは事態をさらに次のように説明している。
使用済み燃料棒はつねに冷却しておかねばならない。もし空気にさらされると、ジルコニウム被覆合金が火を噴き、燃料棒が燃えだして、膨大な量の放射能が放出される。万一、燃料棒が互いに接触し、すなわち崩壊してひとつの大きな塊となると、爆発も起こりうる。


RTは「最悪のシナリオ」をさらに次のように付け加えている:
冷却槽が落下して地面に激突し、燃料棒が塊になって放り出されると、核分裂して何度も爆発を引き起こし、2011年3月以上の惨事になるだろう。


ワッサーマンは、この計画は非常に危険だから国際的な事業として引き継ぐべきだとし(これにはガンターも同意見だが)、それを次のように述べている。
このような危険な任務は東電に任せるべきではない。一刻も早く、独立した国際的専門家の監督・管理にまかせるべきだ。


さらにワッサーマンは「コモンドリーム」に次のように述べた。
 福島4号機から燃料棒を降ろすことは、かつて経験したことのない空前の危険な技術的作業になるだろう。これまでの経過はすべて、東電がそれを安全におこなうことはまったく不可能だし、じっさいに何が起こっているかを国際社会に伝える情報もまったく信頼がおけないことを示している。また、それを日本政府がやったほうがうまくいくと信じる理由もない。この仕事は世界最高の科学者と技術者の献身的な集団によってのみ取り組まれるべきであり、それに必要な資金も可能な限り彼らに提供されるべきだ。
 このような状況で放射能が放出されるようなことになれば、それを形容する言葉は「世界の破滅」「世界の終末」しかない。なぜなら放出されるセシウムだけでも広島型原爆14000個に匹敵するからだ。もし作業をやり損なえば、放射能の放出で作業現場からすべての人間を避難させることになり、電子設備もすべて機能しなくなる。そうすれば数十億キュリーの致命的な放射能が大気と海洋に吹き出すので、人類はどうすることもできずに立ちすくむのみだ。


ワッサーマンの警告と同じくらいに恐ろしいのは、死の灰の研究者クリスティーナ・コンソロChristina Consoloも同じように警鐘を鳴らしていることだ。彼女はRTに述べた。最悪のシナリオは「これがほんとうの黙示録」となることだ、と。

ガンターの警告もまた恐ろしい。
時間が決定的に重要だ。また地震が起きると、損傷した原子炉建屋とその最上階にある使用済み燃料プールを倒壊させるのではないか、という懸念が残っているからだ。

彼は続けて述べた。
そんなことにでもなれば、文字どおり覆いのない大気中で、もういちど核爆発を起こさせ、北半球全体を火の海に投げ込むことになりかねない。


ことの重大性を考えれば世界中の目が福島に注がれるべきだとワッサ―マンは述べ、次のように結論づけている。
これは反核か否かをこえた問題だ。いま地球の運命が危機にある。だから全世界が今後はフクシマの一挙手一投足を監視すべきなのだ。1万1千本の燃料棒が周辺に散乱することになれば、高濃度の汚染水が絶え間なく大洋に流れ込み、人類の生存そのものが危険に晒される。




フクシマ事故16ヶ月後のセシウム137による海洋汚染シュミレーション
(出典:キール海洋研究所GEOMAR Kie1)

http://tkajimura.blogspot.jp/2012/07/blog-post_13.html


<訳註> 
1 以下の動画は、アーニー・ガンダーセンの語る「福島4号機が倒壊したら!?」です。
http://www.youtube.com/watch?v=2EwVK2gFcSw(字幕付き34分)
次のRT記事は英文を読まなくても写真を見るだけで福島4号機の現状が分かります。
http://rt.com/news/fukushima-fuel-rod-removal-365/

2 ドイツのキール海洋研究所(GEOMAR)が2012年7月6日づけで発表した福島第一原子力発電所の事故による太平洋の海水放射能汚染の長期シュミレーションが下記動画にあります。
http://www.youtube.com/watch?v=vAU00aL-_ic&feature=youtu.be (2分45秒)
http://www.youtube.com/watch?v=MqRogjLKbzk (2分39秒、経過年も明示)
 しかも、このシュミレーションは東電が以前に発表した、極めて低い嘘の数値をもとにしていますから、太平洋岸の魚はもう食べれないことは明らかでしょう。
 日本の大手メディアは、このような情報をまったく出していません。「秘密保護法」が通れば、もっと深刻な事態になるでしょう。なお、この動画は下記ブログを参照していて発見したものです。
http://tkajimura.blogspot.jp/2012/07/blog-post_13.html

3 秘密保護法案の反対運動に関する情報は下記にあります。いろいろな情報・資料・映像がリンクされていてとても勉強になります。
*「STOP!秘密保護法」ホームページ
http://www.himituho.com/
 たとえば下記は11月5日の海渡雄一弁護士の報告レジュメです。東京新聞11月9日付けでも報道されましたが今回の「秘密保護法」は国際基準から大きく逸脱するものです。
*「ツワネ原則(国際基準)から逸脱する、秘密保護法案」
http://www.himituho.com/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%9F%BA%E6%BA%96-%E3%83%84%E3%83%AF%E3%83%8D%E5%8E%9F%E5%89%87/
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日本の新しい国家機密法が、内部告発者を黙らせ報道の自由を危険にさらす


フク・シー(黙れ、静かにしろ!)・マ
日本の新しい国家機密法が、内部告発者を黙らせ報道の自由を危険にさらす


http://rt.com/news/japan-state-secrets-law-712/
Japanese Prime Minister Shinzo Abe (3RD-L) speaks during a joint-meeting by Nuclear Emergency Response Headquarters and Nuclear Power Disaster Management Council at the prime minister's official residence in Tokyo (AFP Photo)


<解説> 以下は、RTニュース を翻訳したものです。
Fuk-‘hush’-ima:Japan's new state secrets law gags whistleblowers, raises press freedom fears
http://rt.com/news/japan-state-secrets-law-712/(October 25, 2013)
 今まで日本のことが世界のメディアに登場することはあまり多くなかったのですが、福島原発事故いらい、その頻度が激増しました。
 ところが、11月8日から始まる福島第1原発4号機の燃料棒の取り出し作業は、一歩間違うと福島や日本どころか北半球全体を包み込む大惨事になる恐れがあるにもかかわらず、それを日本の大手メディアはまったく報道していません。
 今でさえこんな状態なのですから、いま安倍内閣が可決させようとしている「特別秘密保護法案」が成立すればどんな日本が出現することになるのか、それは単に日本を破滅に導くだけでなく、北半球全体をも道連れにしかねない――そんな思いがRTの記者にこのような記事を書かせたのだと思います。
 蛇足ですが、記事の題名が、Fuk-‘hush’-ima となっていることにも注目ください。福島(Fukushima)と「黙れ」「しっ!, 静かに!」(hush)が、掛詞になっています。RTのニュースは、このように題名のつけ方が抜群なので、いつも感心して見ています。[November 5, 2013]


 
新しい法案のもとで、福島原発の状況のみならず多くの国民的重要問題が国家機密に指定されるだろう。ひとたびこの法案が成立してしまうと,内部告発者は最長10年間も投獄される可能性がある。
 他の国々と比べると日本は国家機密の漏洩に対する罰則がゆるいとも言えるが、この新しい法律の導入でそれが大きく変わるだろう。金曜日に閣議決定したこの法案を、安倍内閣は12月6日の閉会までに国会で採決にもちこみたいとしている。
 連立与党は両院の安定多数を占めているから、これにたいする反対を難なく乗り越えることができると思われている。しかし反対派は、この新しい法律が行政側に巨大な権力を与えてしまい、国民の眼から情報を隠蔽し報道の自由を大きく侵害することにつながる、と批判している。

 現在の日本では防衛上の問題だけが国家機密に指定されており、しかも軍関係者以外は、その情報を漏洩しても、最高でも1年の刑期だ。ただし防衛省の職員が機密を漏洩した場合は5年の刑期、極秘情報が米軍関係のものであった場合には10年になる可能性がある。
 新しい法律は秘密漏洩者にもっと厳しい罰を与えることになるだろうが、もっと重要なことは、この新しい法律で、防衛省以外の行政機関も自分たちの情報を国家機密に指定できるようになることだ。この法案では保護の対象となる分野は、防衛・外交・テロ対策・スパイ対策の4つだ。

 新しい法律では情報を5年間の機密扱いにできる。そしてさらに最長で30年間の延長ができることになっている。しかし30年の期限が切れた後、それを延長するためには閣議決定が必要としているが、それを何年の延長にするかについては何の縛りもない。
 日本弁護士連合会「秘密保全法制対策本部」の武藤忠明弁護士は、ロイター通信社の質問にたいして次のように答えている。
 したがって「この法案によって人々に知らされるべき情報が永遠に秘密にされてしまう可能性が出てきた」だけでなく「この法案のもと、行政機関は自分たちの好き勝手に機密情報の範囲を決めることができます。」<訳註1>


 日本のマスコミ監視組織は、この法案により、規制官庁と電力会社との結託・なれ合いといった大きな不正も、政府が隠蔽してしまうことになりかねないとを恐れている。というのは、すでにそのような結託が2011年の福島原発事故の重大な要因となったからだ。地震と津波で原子力発電所はメルトダウンを起こしたが、発電所の運営会社である東京電力はその汚染水を食い止めるのに失敗し、今も汚染水は漏れ続けている。
 東京電力はその危機と福島の事実を曖昧にしてきたことで、この間ずっと非難されてきた。事態の推移とその詳細は、メディアによって報道されたあとになって、やっとそれらの事実を追認する始末だった。

 秘密保護法法案を批判する学者たちも、その新しい法案によって、政府とその政府が守ろうとしている者たちの行動をメディアが監視できなくなると言っている。
 「その法律は日本のジャーナリストを萎縮させることになるのは明らかだ」と明治大学法学部教授のローレンス・レペタ氏は言う。


http://rt.com/news/japan-state-secrets-law-712/
Fukushima Governor Yuhei sato (orange helmet) inspects the spent fuel pool in the unit 4 reactor building of Tokyo Electric Power Co (TEPCO) Fukushima Dai-ichi nuclear power plant at Okuma town in Fukushima prefecture on October 15、 2013. (AFP Photo/Jiji press)
────────────────────────────────────────

 そのような懸念に答えるものとして、安倍内閣は、市民の知る権利と報道の自由に対しては「最大限の配慮」をするという条項を法案に付け加えた。
 この追加は安倍首相ひきいる自由民主党の連立与党である公明党の要求によって行われたものだが、それによれば、その情報を得る目的が公共の利益にかなうものであり、かつ違法な行為や極端な不正行為によって得られたものでないかぎり、その報道は合法であるとしている。

 このような追加条項の背景には1970年の「不祥事」がある。そのとき新聞記者が違法に政府の機密情報を入手したとして告訴され有罪とされたのだが、1972年にアメリカが沖縄を日本に返還する際「費用の約400万ドルを日本政府がもつ」という密約を、その記者・西山太吉氏が暴露したのだった。
 西山氏の報道は2000年になって事実だったことが判明した。しかし情報源が氏と関係のあった既婚女性の外務省職員から受け取った文書だったことから、氏は辞職に追い込まれ、氏の勤務していた新聞社にも大きな打撃となった。

 日本の法律では、どんな取材活動が「非常に不適切」と見なされるのかという明確な定義がない。この法案が通ると、そのような「非常に不適切な」方法を使って情報を得たジャーナリストなど非公務員に対して、最長5年の刑期を言い渡すことになる。しかし、合法的にその情報を得たことが判明したとしても、国家機密を報道したジャーナリストが罰を受けないということは条文のどこにもない。この法案の「報道の自由」という条項はたんなる政治的な飾りにすぎないとして痛罵されている所以(ゆえん)である。

 このような批判にも係わらず、安倍内閣はこの法案の速やかな採択を主張している。いま計画されている国家安全保障会議(NSC)の設立にこの法案が必要不可欠だだからという。NSCには様々な省庁から参加するから、この法案がなければこの新しい組織のなかを飛び交う情報を保護することができなくなるというのである。

 自由民主党は過去にもさらに厳しい秘密保護法案を成立させようとしたことがある。その動きは、2010年にひとつのビデオ映像が「漏洩」して、さらに強くなった。それは、東シナ海尖閣諸島付近で中国漁船と日本の巡視船が衝突した映像で、現在は野党となっている当時の与党・民主党は、その時すでに緊張関係にあった中国政府とのさらなる関係の悪化を恐れて、そのビデオの公表を避けようとしたのである。<訳註2>

 日本にも第2次世界大戦前および大戦中は厳しい国家機密法[治安維持法]があった。そのゆえ敗戦後、政府の秘密主義は、軍国主義的伝統および旧日本帝国時代を連想させる他のものと共に、強い疑惑の目で見られてきた。安倍氏の自由民主党はこのような流れに楔(くさび)を打ち込もうとする日本の[右翼的]政治集団の一つだ。


────────────────────────────────────────
<訳註>
1 日弁連「秘密保全法制対策本部」が作成した「秘密保護法に反対!」の分かりやすい資料が下記URLにあります。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/secret.html

2 上記のビデオ映像は海上保安庁内で研修用に作成されたもので、政府が保秘を命じるまでは比較的自由に閲覧できるようになっていました。また当時の自民党は上記の映像を国民に全面公開せよと迫っていたのですから、現在の法案とまったく整合性が取れません。

3 ドイツのキール海洋研究所(GEOMAR)が2012年7月6日づけで発表した福島第一原子力発電所の事故による太平洋の海水放射能汚染の長期シュミレーションが下記動画にあります。
http://www.youtube.com/watch?v=vAU00aL-_ic&feature=youtu.be
http://www.youtube.com/watch?v=MqRogjLKbzk
 太平洋岸の魚はもう食べれないことは明らかでしょう。日本の大手メディアは、このような情報をまったく出していません。「秘密保護法」が通れば、もっと深刻な事態になるでしょう。
 なお、この動画は下記ブログを参照していて発見したものです。
http://tkajimura.blogspot.jp/2012/07/blog-post_13.html
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もう一つの京都大学事件(その7)――日本の植民地言語政策とアメリカの対日「心理作戦」「文化工作」から何を学ぶか

英語教育(2014/11/03)
松田武 アメリカのソフトパワー石 剛 2005
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私は前回のブログを次のように結びました

 しかも、この輸入された「英語」「英語人」が、英語力=研究力だけでなく英語力=洗脳力としても大きな役割を持たされていたことは、以前のブログ "もうひとつの京都大学事件(2)― 松田武『戦後日本におけるアメリカのソフト・パワー』" で書いたとおりです。
 このことを考えると、京都大学の「外国人100名雇用」計画(これはさらに150人が追加されて総計250人になる予定)は、単に「人間の輸出入問題」として片付けることのできない重大な問題をはらんでいるように思われます。これについては、すでに長くなりすぎていますので、次回にゆずります。


私がこのように書いたのは、『日本の植民地言語政策研究』を読んでいて、アメリカが日本にたいしておこなってきたのとまったく同じことを、日本も清国にたいしておこなっていたのだということを発見したからでもありました。以下はその引用です。

秦純乗[北京中央日本語学院教務長、華北日本語教育研究所調査部長]は正面に答えずに、さらに次のように述べている。

「我々が日本語を教授するのは、中国人に日本語を習得させるためにではなくて、中国人に日本語による教育を享受せしめるためである。語を換えて言へば、新しき華北に新しき大東亜が要求する中国人を日本人によって作り出すためである。(中略)語学を教へるためでなく、人間を作るためである。」

このように、日本語教育は、言語の教育を目的とするのではなく、日本語によって人間に対する考え方の改造と教育を目的にしなければならない、秦のことばによれば「アジヤの血を清浄にする」ために、「混濁した中国民族の血液の中に注射し」なければならないというのである。(前掲書135-6頁)


────────────────────────────────────────
このように、中国における日本語教育は、「言語の教育を主目的とするのではなく、日本語によって中国人の考え方の改造を教育の目的にしなければならない」とされていたのでした。

つまり、松田武『戦後日本におけるアメリカのソフト・パワー:半永久的依存の起源』で詳述されているように、アメリカによる占領後の日本では「英語教育」が「洗脳力」の役割を持たせられていたのと同じく、清国においては「日本語教育」が「洗脳力」として大きな役割を持たされていたわけです。

この関連で、石剛『日本の植民地言語政策研究』を読んでいてもうひとつ私の目をひいた箇所がありました。それは日本が清国を「半永久的依存」国家にするためにおこなった日本語教育および各種の「言語政策」「文化工作」です。

たとえば前掲書(112頁)では、日本が清国にたいしておこなうべき「言語政策」「一般社会における普及方策」として次のような項目があげられています。

1)おもな地方において、教科書以外は学費を要しない民間日本語学校または日本語講座を開設すること、
2)支那文の新聞、雑誌などに日本語研究欄を設け、紙芝居、演劇、映画を通して「思想善導」とともに、正しい日本語を自然に習得させること、
3)ラジオ放送による日本語講座をいっそう盛んにすること、
4)録音による日本語指導の方法を考えること、
5)図書館に日本事情および日本語に関する図書、掛図、写真などをそなえること、
6)各種の交通機関従業員にいっそう日本語使用を徹底させ、宗教団体などをも日本語の普及に連絡努力させること、
7)日本語学校などに適当な奨励方法を講じ、その振興をうながし、一般民衆に日本語学力習得程度を証明する検定制度を設け、
8)官公署、学校、銀行、会社、工場などにおいては、官吏、教職員、または経営者などに対して日本語を教授し、その日本語の教授および学習使用に対して奨励の方法を講じること、
9)日本の歌、詩、民謡などの普及・宣伝、広告に使用するポスター、ビラの文書は平易な日本語をもって表現させることなど

────────────────────────────────────────
上記の諸項目における「日本語」を「英語」に置き換えれば、それがほとんどそのままアメリカが戦後の日本にたいしておこなってきたことに酷似していることが分かるはずです。

たとえば、アメリカが1950年代の日本にたいしておこなった「心理作戦」「文化工作」については、藤田文子「1950年代のアメリカ対日文化政策の効果」『津田塾大学紀要』(41巻2009:19-43)では、次のようにまとめられています。

1. アメリカ文化センター(全国14都市に設置);書籍ならびに教育映画の閲覧と貸し出し、英語のクラス、セミナーや講演会、レコード・コンサート、映画の上映会、地域の人々(とくに有識者)との交流。
2. 人物交流プログラム: 知識人、メディア関係者、労働組合幹部、官僚、実業人などの指導者層や学生を視察や留学のためにアメリカに派遣。来日するアメリカ人学者や著述家による講演と交流。
3. 出版: USIAあるいはUSISが作成するパンフレット、ニューズレター、雑誌、書籍の配布。アメリカに関する洋書や共産主義を批判する洋書の翻訳、親米的な日本人の著者と出版社に対する資料提供と資金援助。
4. 放送: USIA作成の番組を放送局に提供。番組作成に必要な資料の提供。[NHKや民放に提供されたニュースや解説も、USIAが制作・執筆であったことは伏せられていた。また米軍によるVOA放送もこの一貫だった。]
5. 映画: 占領期から引き継いだ数百点におよぶ記録映画をさらに拡大し、アメリカ文化センター、都道府県視聴覚ライブラリー、学校、公民館、労働組合、その他さまざまな組織で上映。共産主義の脅威や日本の再武装の必要を説く映画館用の劇映画の製作。
6. 展示: 「原子力平和利用博覧会」や写真展「人間家族」など全国を巡回する大規模な展示からセンターの壁を飾る小規模な展示。[原子力平和利用博覧会は1年間にわたって各地を巡回し、東京だけでも800万人の入場者を数えた。]
7. 著名なアメリカの芸術家、運動選手、交響楽団、舞踊団などによる公演と交流。[たとえば日本における野球熱は、1950年代にアメリカが資金援助して野球チームを派遣したことによるところが大きい。]

* 上記の[ ]内は私の補足です。

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松田氏の前掲書の副題「半永久的依存の起源」で象徴的に示されているとおり、アメリカは1951年9月8日に対日講和条約を結んで占領政策を終わらせた後も、日本を「半永久的な」「依存国家」(=属国)にするために、ロックフェラーを1950年1月22日、日本に派遣して、その調査研究を報告書としてまとめさせました。

この同年4月16日に提出されたロックフェラー報告書では、日本の知識人を主な対象にした次の五つの計画案が提言されていました。(これについては以前にも書きましたし、とくに第四の「徹底した英語教育プログラム」については詳しく紹介しました)。

第一は、東京に文化センターを設立すること、
第二は、東京と京都に学生を対象とする国際会館を設立すること、
第三は、国の指導者および学生を対象とする人物交流計画を継続すること、
第四は、徹底した英語教育プログラムを実施すること、
第五は、資料交換プログラムを実施すること

この提言を受けて、「パネルD-27」というコードネームで呼ばれる作戦班がつくりあげた「対日心理作戦」計画が大統領および国家安全保障会議で承認されたのは、1953年1月末のことでした(藤田2003)。そして、すでに1952年4月から活動を開始していた東京のアメリカ大使館を拠点で、この計画が本格的に展開されていきました。

その成果が前述のように、藤田(2009)によって、「アメリカ文化センター」など7項目にまとめられているのですが、「映画」の項目では、「日本の再武装の必要を説く映画館用の劇映画の製作」と書かれていることに注目していただきたいと思います。

日本ではともすると、「日本の平和憲法は占領時代にアメリカによって押しつけられた憲法だから」「憲法を改正して軍隊をもてる憲法、集団的自衛権を行使できる憲法にしよう」という主張がなされることがありますが、「日本の再武装の必要を説く劇映画」を製作して憲法を変えさせる工作をしていたのが実はアメリカだったことが、これで分かります。

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<註> 当時の日本の知識人の多くがアメリカにたいして不信感をもったのは、このようなアメリカの身勝手な変わり身の早さでした。「平和の旗手」であるかのように思われていたアメリカが、1950年代に入ると、あっというまに「戦争の旗手」へと早変わりしたからです。だからこそアメリカの知識人対策も巧妙を極めたわけです。

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また「展示」という項目では、「原子力平和利用博覧会」などの「全国を巡回する大規模な展示」がおこなわれたと書かれていることにも注目してほしいと思います。

これは1954年3月1日に太平洋のビキニ環礁でおこなわれたアメリカ軍の水素爆弾実験によって遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」が被曝したことをきっかけとして日本全国で燎原の如く広がった反核運動をおさえるために企画されたものでした。それは反米運動になる恐れがあっただけでなく「核利用」の禁止運動にもなりかねないと思ったからです。

そこでアメリカは「原子核の平和利用」という宣伝を大々的におこない、読売新聞社と日本テレビを前面に押し立てて全国各地で開催された「原子力平和利用博覧会」は、空前の規模で盛り上がりつつあった反核平和運動を封じ込めることに成功したのでした。そして,これが同時に日本で原子力発電を導入するきっかけにもなったのでした。

[アメリカと協力しつつ原子力導入に暗躍した正力松太郎(読売新聞社と日本テレビの社主)については、有馬哲夫『原発・正力・CIA』(新潮選書、2008)に詳述されています。]

かくして世界で初めての被爆地として反核平和運動の先頭に立っていた広島市でさえ、この博覧会を訪れた人数は約11万人にものぼり、「原子力平和利用」の重要さが市民の頭に徹底的に叩き込まれた結果、当時の渡辺忠雄市長も「原子力の平和利用」を言い始めるに至ったのでした。アメリカ「心理戦略」「文化工作」の見事な勝利でした。

今から思うと、『鉄腕アトム』を描いて人気を博した手塚治虫も、アメリカの「心理戦略」にまんまと載せられてしまったと言えるのではないでしょうか。漫画の連載時期は、ちょうどこの時期と重なるからです。ちなみに、広島市での博覧会は、広島県、広島市、広島大、中国新聞社とともに広島アメリカ文化センターも主催団体として名を連ねています。

いまだに日本は福島原発事故を収束できずに苦しんでいますが、その淵源が1950年代のアメリカによる「対日心理作戦」「対日文化工作」にあったこと、「アメリカ文化センター」や「英語教育プログラム」という「ソフトパワー」もその重要な一翼を担っていたことは、きちんと認識しておく必要があるのではないでしょうか。

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いま安倍内閣「教育再生実行会議」の案として出されている、「国際化を断行する」大学、外国人教師を大量に採用して「英語で授業をする」大学、大学入試や卒業要件に「TOEFL受験を義務づける」大学という政策も、以上のような過去をふまえて考えれば、表向きの美辞麗句の裏に何かが隠されているのではないか、と疑ってみる価値はあるように思うのです。

以前のブログ(2013.9.26)で紹介したとおり、過去の京都大学で当時の総長がUSIS(米国広報文化局)と協力しつつ大学内の反米主義・左翼思想を撲滅するための活動を行ってきた事例があるだけに、なおさら私の危惧は強くなるのです。このような動きを京都大学だけでなく全国の主要大学で展開しようとしているのが、現在の高等教育政策ではないかと、疑いたくなるのです。

いま軍の軸足をアジアに移し、中国封じ込め政策に重点を置き始めているアメリカにとって、日本の重要性は強まることはあっても弱まることはないからです(孫崎享『不愉快な現実――中国の大国化、米国の戦略転換』(講談社現代新書、2012)。またTPPの参加国は、日本を抜きにすると圧倒的に発展途上国が多数ですから、日本が脱退すれば、アメリカにとって経済的にも大打撃です。

そのうえ(大使館などを拠点にした)「国連本部の盗聴」「ドイツ首相の携帯電話の盗聴」「ブラジル首相と国営企業の盗聴」など、「テロとの戦争」を口実にしたアメリカのさまざまな悪行が、スノーデン氏によって赤裸々に暴露された現在、日本を「抱き込む」ことの重要性は増す一方だと考えてよいでしょう。だからこそ私たちはアメリカの駆使する「ソフトパワー」に目をこらす必要があるのです。

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松田武氏は、1951年1月に日本政府と対日講和条件を協議するために東京を訪問した時のダレス国務長官を、『戦後日本におけるアメリカのソフト・パワー』のなかで次のように描写しています。

 ダレスは公衆の面前では、日本のことを「戦勝国によって指図される国」ではなく、「相談される当事国」と表現し、雅量のある調子で語った。
 しかし私的な場所では、ダレスは、解決すべき主たる重要な問題は「我々の好きな場所に我々の好きなだけの期間、我々の好きなだけの軍隊を駐留させる権利を手に入れることではないのかね」と側近に語った。
 ダレスの本音と建前の二重発言に示されるように、アメリカ政府は、実際に日本の領土内に合衆国の基地システムを保持することに成功した。(前掲書126頁)


こうしてアメリカは1951年9月に対日講和条約と日米安保条約の二つの条約を結ぶことにより、占領期に日本から獲得した重要な諸権利と特権の大部分を継続的に保持したのでした。それから60年以上も経っているのですが、前述のとおり、アメリカにとって日本の重要性はいささかも変わっていません。

また松田氏は前掲書(副題は『半永久的依存の起源』)で次のようにも述べています。

 しかし、鋭敏な合衆国の指導者は、当面の「抱き込み」のコストのみに注意を奪われていたわけではなかった。彼らは、日本を日米の二国関係という狭い視点からでなく、もっと広い世界システム全体から眺め、「抱き込み」策の積極的な側面や合衆国の長期的な利益を考えていた。
 つまり、日本が安全保障と経済の領域においてアメリカ合衆国に依存し続けるということ、そのような半永久的な日本の依存性は、合衆国が長期にわたって日本にかなりの影響力を持ち続けることを意味していた。
 世界四大工業地域の一つとしての日本の戦略的な位置が特に重要であっただけでない。それ以上に、日本を「抱き込む」ことにより、合衆国は、日本の領土内に軍事基地システムの展開が可能になり、それによって合衆国に脅威をもたらしていると考えられる場所ヘアメリカ軍をいつでも展開し、ヘゲモニー秩序を維持することが可能になったのである。
 まさにこれが合衆国の指導者が考えていた長期的な利益の中身であった。


これを読むと、日本を「抱き込み」、日本が安全保障と経済の領域においてアメリカ合衆国に半永久的に依存し続けるよう、アメリカが今も「ソフトパワー」を全面展開させているであろうということに疑いをもたないようになりました。

私が安倍内閣の教育再生実行会議による「高等教育改革案」を額面どおりに受け取れない理由の一つが上記のような事実にあります。というのは沖縄軍事基地への対応やTPPの受け入れ姿勢などをみれば分かるように、安倍内閣は従来の自民党内閣のなかでも最もアメリカの政策に忠実な政府ではないかと思うからです。

安倍氏の選挙ポスターには「日本を取りもどそう!」とありましたが、これは「日本を売り渡そう!」の誤植ではないかと疑っています。

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<註> アメリカの、「パネルD-27」というコードネームで呼ばれる「対日心理作戦計画」については、下記を参照しました。
藤田文子2003 「1950年代のアメリカ対日文化政策―概観」『津田塾大学紀要』35巻: 1-18
藤田文子2009 「1950年代のアメリカ対日文化政策の効果」『津田塾大学紀要』41巻:19-43


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