「世界ランキングで10位に入る大学を目指す」という方針は、なぜ間違いか――京都大学新聞インタビュー 「グローバル時代の英語を考える」を終えて

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 京都大学新聞のインタビュー「グローバル時代の英語を考える ― 「外国人教員」「英語で授業」は何をもたらすか」(後編)の発行およびWeb掲載が、先日2月19日に終わり、長い長い旅からやっと解放された安堵感にひたっています。
「グローバル時代の英語を考える ― 「外国人教員」「英語で授業」は何をもたらすか」後編(2014.02.16)
http://www.kyoto-up.org/archives/1972

 インタビューの前編が発行・発売されたのが2013年11月16日ですし、インタビューそのものがおこなわれたのが10月13日ですから、最終的にこの仕事が完結するのにやがて4か月もかかったことになります。
「グローバル時代の英語を考える ― 「外国人教員」「英語で授業」は何をもたらすか」前編(2013.11.16)
http://www.kyoto-up.org/archives/1905

 この間(かん)ずっと精神的に宙づり状態でしたから、正直言って疲れました。というのは、これが終わらないと他のことに精神を集中することができず、何をしていても、この後編が終わるまでの「片手間仕事」という感を拭いきれなかったからです。
 それでも、このブログ「百々峰だより」では、インタビューでは語りきれなかったこと、あるいはインタビューを裏から支える資料を載せるという観点で、自分なりの努力を積み重ねて来たつもりなので、まあそれなりの意味はあったかなと思っています。

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 しかし「後編」を読み直してみて、京都大学の「世界ランキングで10位に入る大学を目指す」という方針について、言うべき本質的なことを、あのインタビューでは語っていないことに気づきました。そこで今回のブログでは、この点について詳しく論じてみたいと思います。
 この「世界ランキングで10位に入る大学を目指す」という方針について、私はインタビュー「後編」で次のように述べました。
京都大学は世界10位に入る大学になるとかいう目標を掲げていましたよね。あれも馬鹿げた話だなあと思う。世界何位って、一体どこが格付けしてるの? 企業でも格付け会社がありますよね。あの格付がいかにでたらめだったかというのは、アメリカの企業が軒並み悪行をはたらいて金融崩壊したときに明らかになりましたよね。有名な話では、エンロンっていう会社があって、そこが格付け会社の評価でAAA(最高位)だったんですよ。だけど後でよく調べてみたら、電力を販売する会社だったんだけど、悪さの限りをしてたわけ。つまり、格付け会社も分からずに格付けしてるし、自分に都合のいいように格付けする。デリバティブなどという摩訶不思議な商品の格付けもそうだったよね。これは間違いありませんっていうAAAの金融商品が軒並み暴落してたじゃない。裏で不正ばっかりしててさ。だとすれば、大学の格付けだってどこまで信用できるのか。


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 しかし、この「世界ランキングで10位に入る大学を目指す」という方針がおかしいのは、実は「格付け会社の『格付け』がどこまで信頼できるのか」よりも、それが教育学的に見て根本的に間違っているからなのです。
 インタビューに臨む前までは、この点についても語る予定だったのですが、脱線して他のことを話しているうちに肝心な論点を失念してしまったのです。
 では、この「世界ランキングで10位に入る大学を目指す」という方針は、教育学的に見て、なぜ間違っているのでしょうか。それは次のようなたとえを出すと分かりやすいかも知れません。
 たとえば、親が子どもに「クラスで一番になることを目指して勉強しなさい」と言ったとします。これは子どもを勉強させるための動機付けとして正しいものでしょうか。それとも勉強というものにたいする間違った動機付けでしょうか。
 あるいは、教師が、生徒たち皆に「このクラスで一番になるために勉強しなさい」「この学校で一番になるために勉強しなさい」と言うでしょうか。もしこのような言い方が正しいとすれば、「一番になれない生徒」「一番になることなど望まない生徒」は学校で学ぶに価しないことになりはしませんか。
 また他方で、教師から「クラスで一番になるために」「学校で一番になるために勉強しなさい」と言われて頑張って一番になったとして、その一番だった生徒は幸せだったのでしょうか。そのような動機付けを与えられた生徒は、学習を楽しむことができたのでしょうか。その「学習」は「楽習」だったのでしょうか。

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 実は、上記のような疑問を提起したのは、私の体験からもきています。というのは、私が能登半島の高校に入学したとき偶然にも一番だったのです。そのとき母校の中学校の先生たちは「おめでとう。卒業するときも一番で卒業するよう頑張ってくれ」と言って送り出してくれたのですが、それが私にとっては大きな負担になってしまいました。
 私が中学生の時、他人(ひと)の田を借りなければ生計をたてることができないほどの貧農でしたから、私の高校進学先として普通科高校は選択肢の中に入っていませんでした。通学先としてはかなり遠いのですが、金沢市立工業高校に行き、卒業したらすぐ就職して経済的に両親を助けることしか考えていませんでした。
 ですから母校の中学校で高校進学のための模擬試験が繰り返されていても、それは私にとって日ごろの勉強した結果を試す単なる「腕試し」の機会にすぎず、その模擬試験で何位になろうが私にとっては大きな関心事ではありませんでした。
 ところが1ヶ月に1回おこなわれる模擬試験で、回数を重ねるたびに私の順位が上昇し、高校入試が近づく頃には、私は学内1位になってしまったのです。その頃の私は、自分の好きなペースで好きなように勉強していましたから、勉強することがそれほど苦痛ではありませんでした。むしろ楽しみながら勉強していたように思います。
 ところが母校の中学校の学級担任は、私の母に「金沢の工業高校ではもったいないから地元の進学校に行かせて大学まで進学させなさい」と強く勧めたそうです。それで結局、地元の進学校を受験することになり、結果として入試の成績が一位で高校に入学することになってしまったのでした。
 しかし私にとっては「卒業するときも一番で卒業するよう頑張ってくれ」と母校の中学校の教師たちに言われたことが非常な重荷になって、高校時代の勉強を心底から楽しむことができませんでした。私にとって高校時代は、まさに灰色のハイスクールでした。結果として一番で卒業することはできましたが、そのことに何の喜びも感じられませんでした。後味の悪い思い出だけが残っています。

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 京都大学の「世界ランキングで10位に入る大学を目指す」という方針をニュースで読んだとき、真っ先に頭に思い浮かんだのが、この私の高校時代の苦い思い出でした。
 勉強というものは,本来「知的好奇心」に導かれておこなわれるべきものでしょう。また教師の任務は「知りたくなる」「学びたくなる」、すなわち生徒の知的好奇心をかき立てるような授業をすることではないしょうか。
 私の家内も、高校に入学したてのときから物理や数学の授業で「この問題は**大学の入試問題です」と言って、その解法ばかりを講義する教師がいて、中学校の時は理科や数学が好きだったのに、それだけで、その科目にたいする興味を失ったと言っていました(ちなみに、その高校は県下のナンバーワン・スクールでした)。
 私の高校時代には、まだ幾何学というものが残っていて、その公理や定理に従って厳密に論理を組み立てていく世界がとても面白く、また「補助線」を一本引くだけで、あっというまに新しい解法が見えてくる世界は、人生を生きていく上でも大きな参考になるように思えました。
 これは他の科目についても同様で、「**大学の合格者数で県下1位ををめざす」ということを目標にして、受験の技術としてしか教科を教えないとすれば、生徒たちは高校でいったい何を学ぶことになるのでしょうか。生徒たちは学ぶことの面白さや楽しさをどこで学ぶのでしょうか。
 京都大学の「世界ランキングで10位に入る大学を目指す」というのも、どこかの高校が「東大合格者数で全国10位に入る高校を目指す」と言っているのと大同小異ではないでしょうか。
 このような目標を強制される大学で教える教員は、教育や研究を楽しむことができるのでしょうか。このような目標を強制される大学で学ぶ学生は、授業や学習を楽しむことができるのでしょうか。

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<註> 以上のような苦い体験から、私は首尾よく大学に入学できたとき秘かに誓ったことがありました。それは「今後は自分の知的好奇心にしたがって勉強する」「今後は受験や点数や順位のために勉強することは金輪際しない」という決意です。私がTOEICやTOEFLを大学の授業や入試に組み込もうとする今の体制に強い嫌悪感を覚えるのは、このような理由からです。

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 私が石川県で高校教師として教えていた頃、ある事件が起きました。「金沢大学に何名合格させるか」を念頭において受験問題集を解くだけの授業に反発して、それに抗議するビラ「高校は予備校ではない」を学内に貼って回る生徒たちが現れ、教師集団が慌てふためくという事件が起きたのです。
 そのビラは生徒の目に十分ふれる前にはがされてしまい、そんな事件があったことも知らない生徒が多かったようでした。
 生徒指導課が調べて見ると、その事件を起こした生徒たちはいずれもクラスのトップ集団にいる生徒で、志望校も金沢大学どころか東大や京大を志望校とする生徒も含まれていたそうです。
 そのことが分かると、「彼らを謹慎処分などにするとかえってビラを目にしなかった生徒にまで事件を知らせることになる」というので、結局その生徒たちにたいする処分は校長による厳重注意ということで終わってしまいました。
 このビラまきをした生徒たちと、「世界ランキングで10位に入る大学を目指す」という方針を出した京都大学執行部と、どちらが学問を目指すうえで、高潔な姿勢を持っていると言うべきなのでしょうか。
 私には、その答えは言う必要のないほど歴然としているように思います。

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 実はこの事件が起きたとき、「このようなことを生徒が自主的にやるはずがない。裏で先導している教師がいるに違いない」と言い出す教師がいて、私までもが校長室に呼び出されて厳重注意を受ける羽目になってしまいました。
 この「濡れ衣事件」の詳細については拙著『英語にとって教師とは何か』(155-157頁)に書いたので詳細は割愛しますが、「このようなことを生徒が自主的にやるはずがない」という感覚そのものが、生徒の能力をまったく見くびった、驚くべき感覚だと私には思われました。
 逆に言えば、このようなことを口にする教師たちの頭には、授業で「創造的思考力」「批判的思考力」を育てることは初めから存在していなかったことを、この事件は問わず語りに語っているようにも見えます。
 京都大学の場合も、初めから「世界ランキングで10位に入る大学」を目指して教員の尻を叩いているかぎり、その目標はおそらく達成できないでしょう。
 しかし逆に、そこで教育・研究にはげむ教員・研究者に思うぞんぶん教育や研究に専念できる環境を保証すれば、教員や院生のなかから多くのノーベル賞受賞やフィールズ賞受賞者が続々と誕生することになり、その結果として「世界ランキングで10位に入る大学」になるかもしれません。だが、その逆はおそらくあり得ないでしょう。
 それは韓国が「**年までにノーベル賞受賞者を**人にする」という目標を掲げながら、莫大な金をかけて英才学校をつくり、授業も英語でおこなうことを続けているにもかかわらず、いまだにそれが達成できていないことをみれば分かります。それどころか、京都大学新聞インタビュー「後編」で述べたように、韓国の優秀な生徒・学生はアメリカその他に脱出しているのです。

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 いま京都大学が目指している方向とまったく逆の軌跡をたどった事例が、東大合格者数全国一で名をはせた灘中学・高校です。今でも灘校は東大合格者数で常に上位の一角を占め続けています。
 今でこそ灘校は「東大合格者数ランキングの常連」「各界の名士を輩出した名門校」などと評価されていますが、今から60年ほど前までは、「公立校のすべり止め」というのが、関西での一般的認識でした。
 1950(昭和25)年、中勘助の自伝的小説『銀の匙(さじ)』を中学校の3年間を通じて読み込むという風変わりな授業が始まりました。始めた教師の名は橋本武(はしもと・たけし)と言い、当時はまだ公立校のすべり止めに過ぎなかった灘校を名門進学校に導いたひとりとして、「伝説の教師」と呼ばれています。
 橋本氏の授業は、『〈銀の匙〉の国語授業』『伝説の灘校教師が教える、一生役立つ、学ぶ力』などで知ることができますが、私がここで指摘したかったことは、私立の名門進学校として知られる灘校の「授業のありよう」です。それは受験問題を解く予備校のような授業ではありませんでした。
 そこには統一進度・統一テストがないどころか、検定教科書さえ使わなくてもよい「授業の自由」「研究の自由」が許されていたのです。
 私が従来から灘校にたいして持っていたイメージは、「東大の合格者数を増やすために、中学時代に高校の教科書はすべて終え」「高校で使う教材は、受験にシフトをしぼり受験問題集だけを使う」というものでした。というのは実際にそのような私立の中高一貫校があることを知っていたからです。
 ところが『〈銀の匙〉の国語授業』などを読んでみたら、実際の灘校はまったく違っていたのです。中学の3年間を『銀の匙(さじ)』だけで国語の授業をするということが許されていた学校があった!「にもかかわらず」東大の合格率が全国一を誇る!これは私には信じがたいことでした。二重の驚きでした。
 しかし、いま考えると「にもかかわらず」ではなく「だからこそ」ではなかったかと思うのです。受験問題集に焦点化した授業をおこなってこなかった――だからこそ真の学力を持った生徒を育てることができ、「東大合格者数ランキングの常連」「各界の名士を輩出した名門校」になったのではないかと思うのです。
 最初から受験問題集しか解いてこない学校から、自分で疑問を創り出し、批判的創造的にものを考える生徒・学生は育ちようがないからです。私には橋下武氏の授業を受けた生徒の中から、海渡雄一(かいど ゆういち)氏のような弁護士が生まれたのも、偶然とは思えませんでした。

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<註> 今これを書きながらもう一つ思い出したことがあります。それは自分が母校の進学校で統一進度・統一テストでがんじがらめに縛られていたとき、「俺に教材の自由、教育方法の自由を与えてくれれば、金沢大学どころか東大にでも入ることのできる本物の学力を育ててやれるのに」と歯ぎしりしていたことです。いま思えば、私の気持ちは『〈銀の匙〉の国語授業』をおこなった橋本氏の気持ちと、たぶん同じだったのです。
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<註> 海渡氏は、このたび大きな問題になった「特定秘密保護法案」を厳しく批判し、日本弁護士連合会秘密保全法制対策本部副本部長という重責を担って活動してきただけでなく、他にも日本弁護士連合会事務総長、監獄人権センター事務局長。脱原発弁護団全国連絡会共同代表、脱原発法制定全国ネットワーク事務局長などの肩書きをもって東奔西走しています。(ちなみに、弁護士で参議院議員の福島瑞穂(元社会民主党党首)とは、夫婦別姓を実行するため婚姻届を提出しない事実婚関係にある。)

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 以上これまで私は、「東大合格者数ランキング20位に入る学校」を目指した教育や受験勉強にだけシフトした授業づくりをしなかったからこそ、灘校は「東大合格者数ランキングの常連」「各界の名士を輩出した名門校」になったのではないかと述べてきました。
 同じことは日本のノーベル賞受賞者の多くについても言えるのではないでしょうか。京都大学新聞インタビュー(後編)でたびたび言及した山中伸弥氏や益川敏英氏も、私が調べたかぎりでは、最初からノーベル賞をもらうために大学に入ってはいませんし、研究テーマもノーベル賞をもらうために設定されたものでもありませんでした。
 ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏も同じです。ノーベル賞をもらうことを目標に研究したのではありませんでした。それは次のような逸話からもうかがうことができます。
東北大学在学時に単位を落とし1年間の留年生活を送り、大学卒業後は大学院へ進学せずソニーの入社試験を受けるも不合格。就職先が決まらず指導教授の勧めで京都の島津製作所の入社試験を受け合格。

 そのうえ田中氏の東北大学における専攻は、電磁波・アンテナ工学であり、化学分野の技術研究に従事したのは、島津製作所入社後に技術研究本部中央研究所に配属されてからです。この点から見ても、田中氏が最初からノーベル賞の受賞を目指していたとは、とても考えられません。
 また、電話による受賞の報が伝えられたとき「びっくり」だと思い(ドッキリカメラの意)本気にしなかったが、家の前に報道陣が大挙押し寄せやっと現実と考えた――という逸話も、田中氏がノーベル賞をまったく意識せずに研究してきたことを物語っています。

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 要するに科学者が研究するときは,純粋に「知的好奇心」「知的探求心」に動かされて研究するのであって、ノーベル賞受賞などという世俗的な動機で研究することはほとんどないと言ってよいと思います。
 それどころか、「世界ランキング何位」とか「ノーベル賞受賞」などという世俗的な動機で研究テーマを選ぶような大学や人物に、そのようなランキングやノーベル賞が訪れた試しはないと言ってよいのではないでしょうか。
 何度も言いますが、「世界ランキング何位」とか「ノーベル賞受賞」などという目標にしたがって研究しているかぎり、ほとんど何も生まれないのです。
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私たちは若者をどのような国に留学させようとしているのか(下)――三重苦[授業料の高騰、学生ローンの利子高騰、就職難と最低賃金]が渦巻くアメリカ

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アメリカの卒業式風景――「俺を雇ってくれ!」と書いた帽子をかぶった卒業生

http://rt.com/usa/record-high-us-student-debt-775/

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 前回のブログでも述べたように、安倍内閣の教育再生実行会議の案では、日本人学生を外国に送り込むことが大きな柱のひとつになっています。そして送り込む第一の対象国としてアメリカを念頭においていることは間違いないでしょう。だからこそ「大学入試にTOEFLを使え!」という政策が出てきたりするわけです。
 しかし安倍氏が送り込もうとしているアメリカは、本当に日本の学生を留学させるのにふさわしい国なのでしょうか。それを前回のブログではアメリカ国内に渦巻く「三つの暴力」という視点で考えてきたわけですが、今回はアメリカ国内に渦巻く「失業と貧困」「学生の借金地獄」という観点で、この問題を考えてみたいと思います。

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 というのは、アメリカでは多くの学生が高額の授業料を払えずに借金地獄に陥り、卒業してもその借金(ローン)を払い続けるためにだけ働くというのが実態です。それどころか、その借金の取り立てで家を失い路上生活者になるということも珍しくなくなってきているからです。
 なぜそのようなことになるかというと、今のアメリカでは製造業のほとんどは海外に行ってしまっていますから大学を卒業してもまともな仕事がなく、あるのは低賃金で働くサービス産業のようなものしかなくなってきているからです。よほどの高学歴と幸運がなければ金融街で働くことは無理でしょう。
 そこで、いまアメリカでは学生の間にカナダに脱出するという新しい現象が生まれつつあります。というのは、このような高額の授業料を払う余裕のないひとにとってカナダは、はるかに安い費用で大学に行き、博士号や修士号などの学位を手に入れることができる国だからです。
 ところが今の自民党政権の教育政策は、皮肉なことに、「低賃金と高失業率、暴力と銃乱射事件が渦巻くアメリカ」「多くの学生がカナダに脱出し始めているアメリカ」へ、日本の学生を送り込もうとしているのです。以下では、具体的事実にそくして、その実態を紹介してみたいと思います。

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 まず第一に、アメリカの学生がいかに借金地獄に陥っているかは、次の記事(Democracy Now!、August 20, 2013)からも明らかです。
U.S. Student Loan Bubble Saddles a Generation With Debt and Threatens the Economy
http://www.democracynow.org/2013/8/20/matt_taibbi_us_student_loan_bubble

 このインタビュー番組で政治記者マット・タイビMatt Taibbiは、ローリング・ストーン誌で発表された新たな記事"Ripping Off Young America: The College-Loan Scandal"(『搾取される米国の若者:大学ローン・スキャンダル』)を下敷きにしながら、次のように述べています。
 「学生ローンの不当な高金利は米国の高等教育の暗い秘密だ。問題なのは、インフレ率の2、3倍もの高騰を見せている、あきれるほどに高い学費だ。
 この高騰は、2008年以前の数年間に急騰した住宅価格の動きに不気味なほどに似通よった上昇傾向を見せている。
 これは、州立大学でここ数年にわたって若者世代に対して体系的に行われてきた、恥ずべきで弾圧的な暴虐だ。」

 タイビは、オバマ政権は次の10年間で、学生の借り手たちに何の抜け道を与えることなく、学生ローンで1850億ドルを捻出しようとしていると言います。政府の財政赤字のつけを学生ローンでまかなおうとしているというのです。
「ギャンブラーですら破産宣告をすることができる。それなのに学生ローン地獄に入った若者たちは、この負債から決して逃れることができない。学生は、就職に失敗しても、あるいは在職の途中で首を切られて失業しても、借金地獄から逃れられないのだ。」

 つまり学生にだけは「自己破産宣告を許さない」とする法律をつくったのです。これが、弱者=「黒人」を売り物して大統領に当選したオバマ氏の教育政策なのです。

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<註> 競争主義をあおりたてる "Race to the Top"という教育政策を提出したのもオバマ氏でしたから、これも、いかにもオバマ氏らしい政策だとも言えます。
 これでは、あの悪名高いブッシュ氏が提出した "No Child Left Behaind Act"「落ちこぼれゼロ法案」の方が素晴らしく思えてきます。
 なおローリングストーン誌に発表されたマット・タイビ氏の記事(August 15, 2013)は次のサイトから読むことができます。
Ripping Off Young America: The College-Loan Scandal
http://www.rollingstone.com/politics/news/ripping-off-young-america-the-college-loan-scandal-20130815


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「今すぐ借金の棒引きを!」と訴えるプラカード
A woman holds a placard on Hollywood Boulevard while protesting the rising costs of student loans for higher education on September 22, 2012. (AFP Photo / David Mcnew)
http://rt.com/usa/record-high-us-student-debt-775/

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 学生が授業料のために借りたお金の返済にいかに苦しんでいるかは、RT(RussiaToday)
の次の記事でも明らかです。
Delinquent US student loans hit record high, with over $100 billion past due
(アメリカの学生ローンの滞納者は歴史的な高さにのぼっている。期限を過ぎても未納になっている額は1000億円にもなる)
http://rt.com/usa/record-high-us-student-debt-775/(May 25, 2013)

 この記事によると、2013年度学生の70%は平均35200ドルの借金を抱えて卒業するそうです。借金の額はもちろんのことですが、もっと大きな問題は、それにかけられている不当に高額な利子です。
 政府による学生ローンでさえ現在の3.4%という利率は、すでに2倍の6.8%という高利子になることが決まっていますし、将来的にはさらに値上げをして、10.5%を上限とする案も検討されているそうです。
 政府が大手銀行に金を貸すときには0.75%の利子なのですから、なぜそれと同率ではいけないのでしょうか。。これでは政府の役割は単なる「高利貸し」と何ら変わらないことになります。
 それでも「大学を卒業すれば高額の給料取りになれる」というのであれば何の問題もないでしょう。しかし、アメリカの現実はまったく逆です。次のRT記事によれば、最近の卒業生の半分は正規の仕事(full-time work) についていません。
Half of recent grads can’t get full-time work, study shows
http://rt.com/usa/college-grads-recent-percent-763/(April 23, 2012)

 しかも次の記事によれば、何十万もの学生が、卒業しても手にできる仕事は、最低賃金のもの(minimum wage jobs)しかないのです。この記事は、卒業生の50%近くが大卒の資格を必要としない仕事につき、その38%は高卒の資格すら必要ないと報じています。
Hudreds of thousands of college graduates work minimum wage jobs
http://rt.com/usa/college-graduates-minimum-wage-174/(April 01, 2013)

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 先にも述べたように、アメリカの新しい法律では、学生ローンは唯一「自己破産」を許されないものとなっていますから、政府は住宅ローン会社やクレジットカード会社よりも強力な「貸し剥がし」の権力を持っています。
 ですから、学生たちは大学を卒業して就職できたとしても、学費ローンの返済に追われ、車を買ったり、家を買ったり、結婚したり、子どもをもったりすることを、後回しにせざるを得なくなっているのです。
 この状況をさして次のRT記事は、「学生借金と雇用市場が 『賃金奴隷の世代』をつくりだしている」と述べています。
Student debt, job market creating 'generation of wage slavery'
http://rt.com/usa/student-debt-generation-wage-slavery-903/(May 06, 2013)

 こうしていまアメリカでは、大卒の学生が高卒を職場から追い出していますから、高卒の資格しかない若者の失業率は、いまや19.1%にも上っています。
 その結果、いまアメリカの若者は、大学を出ても学士号に見合う仕事がないにもかかわらず大学を出ざるを得ないという矛盾に直面しています。
 その一つの解決策が、アメリカを逃げ出して(flee)、学費の安いカナダの大学に行くという方法でした。次のRT記事は、その間の事情を詳しく説明しています。
Americans flee to Canada for college education
http://rt.com/usa/american-canada-education-drain-473/(April 26, 2013)

 この記事によれば、アメリカの大学では毎年平均32000ドルの学費が必要ですが、カナダでは5000ドルで済みます。アメリカでは、学期ごとに50000ドルも払わねばならない大学もあるのですから、いかに安いかがよく分かります。
 もう一つ具体例をあげるとすれば、カナダのモントリオールにあるMcGill Universityは「北のハーバード」と称されるくらいに有名な私立大学ですが、ここの4年間の学費が、アメリカの首都ワシントンにあるGeorge Washington Universityの1年分です。
 ですから、上記のRT記事によれば、いまマギル大学の6%がアメリカ人ですが、このまま事態が推移すれば、近い将来その比率は倍加するだろうとみられています。

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 このようにアメリカでは自国を逃げだす若者が増えているにもかかわらず、安倍内閣は、大学入試の科目としてTOEFLを受験させ、日本人学生を大量にアメリカへ送り込もうとしています。
 しかし、よく考えてみると「自国を逃げ脱す若者が増えている」「にもかかわらず」ではなく、「自国を逃げだす若者が増えている」「からこそ」なのかもしれません。
 というのはアメリカとしては、若者に逃げ出されたままで放置しておくわけにはいきません。何らかの方法で逃げ出した学生の穴埋めをしなければならないからです。そこでターゲットになったのが日本だった!というわけです。
 これは私の「仮説」ですが、拙著『英語教育原論』で詳述したように、いま日本全国の学校に配置されているALT(外国語指導助手)が貿易摩擦の解消策だったことを考えると、まったく荒唐無稽の仮説だとは思えないのです。
 アメリカの赤字財政を穴埋めするために無理やり買わされた商品が、ALTという「英語人」だったとすれば、その次に買わされるものがTOEICやTOEFLという商品だったとしても何の不思議もないからです。
 TOEICという「ビジネスイングリッシュ」の能力を測るはずの商品が、全国の大学に、理系学部を中心とする大学・学部にまで、研究費を削ってまでも購入を強制されるようになってから10年近くが経ちます。
 そしてTOEICを強制していた舌の根も乾かないうちに、今度は「TOEFLを受験させろ!」「海外に送り出す留学生を倍増して12万人に!」と大声で叫んでいるのが、今の政府・文科省なのです。
 こんな理不尽なことががまかり通っているのは、教育の論理ではなく別の論理(政治・経済の論理)が働いているから、としか考えられません。
 というのは、学費が安いとされている州立大学でも、州民と州外の学生では授業料は格段の開きがあります。さらに国外から来る留学生の授業料は州民の3倍になるところも珍しくありません。ですから、カナダに逃げ出した穴埋めに、日本から何万人もの留学生が来るとすれば、アメリカにとってこんなに美味しい話はありません。
 そのうえ、州立大学でさえ最近の学費の高騰ぶりはすざまじいものですから、その3倍もの授業料を払ってくれるお客がいれば、アメリカは逃すはずはありません。それどころか、ALTの時と同じように、裏で日本政府に圧力をかけてでも留学させようとするでしょう。私の「仮説」が出てくるゆえんです。
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私たちは若者をどのような国に留学させようとしているのか(上)―三つの暴力 [銃暴力、性的暴行、家庭内暴力] が渦巻くアメリカ

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アメリカでは毎日、1時間に1人の割合で、子どもが銃で殺されている

http://rt.com/usa/usa-children-gunshot-incidents-279/(January 28, 2014)

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 安倍内閣は、「英語力=経済力、英語力=研究力、英語力=国際力」と称して、2020年までに海外の大学・大学院で学ぶ日本人留学生を現在の2倍となる12万人に増やす方針を明らかにしました。
 大学入試にTOEFLを!という提案も、この一貫として出されたものでした。というのは、留学生を12万人増やすと言っても、その念頭にあるのはアメリカであり、アメリカ留学に必要なTOEFLを大学入試に使えば一石二鳥だと考えたのです。
 しかし、日本人の大学生全員がアメリカに留学するわけでもありませんし、2万円以上もする高額の受験料を国民の血税でアメリカに支払うのは、まったく無意味としか言いようがありません。
 さらに考えなければならないのは、日本人の大学生を不用意にアメリカに送り込んで大丈夫なのかという問題があります。というのは下記の論文でも明らかなように、いまアメリカでは「 毎日平均87回も殺人が起きている」からです。
Violence: The American Way of Life
翻訳「暴力、それはアメリカの生活様式だ」
http://www42.tok2.com/home/ieas/ViolenceTheAmericanWayOfLife.pdf

 上記論文では、さらに「戦争のためアフガニスタンに行くほうが、シカゴで暮らすより危険ではない」とすら述べています。そこで以下では、アメリカにおける暴力の実態をもう少し詳しく紹介することにします。

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<註> アメリカにおけるもう一つの問題は、学費が高騰しているので授業料を支払うために借金地獄に陥ったり、それを避けるために学費の安いカナダにどんどん学生が逃げ出していることです。
Americans flee to Canada for college education
http://rt.com/usa/american-canada-education-drain-473/(April 26, 2013)

 またアメリカでは大学を出ても学位に見合った仕事がありません。それほど失業率が高く、仕事が見つかったとしても最低賃金に近い仕事だったりパートの仕事しかないのです。
Hundreds of thousands of college graduates work minimum wage jobs
http://rt.com/usa/college-graduates-minimum-wage-174/(April 01, 2013)

 英語力=経済力ならば、なぜ英語の本場であるアメリカの学生の状況は、こんなにも深刻なのでしょうか。
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http://rt.com/usa/usa-children-gunshot-incidents-279/

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 アメリカの国内における暴力は、大きく分けると次の三つに分類できるように思います。すなわち「銃暴力」「性的暴行」「家庭内暴力」の三つです(国外の暴力の最たるものはイラク戦争を典型例とする「侵略戦争」です)。
 まず「家庭内暴力」ですが、Democracy Now!(January 22, 2014)が報じた次の記事では、アメリカで疫病のように全国規模で広がる衝撃的な家庭内暴力を検証し、その暴力からの生存者と彼らの支援者の苦難に焦点を当てています。
Private Violence: Survivors & Advocates Confront Victim Blaming & the Epidemic of Domestic Abuse
http://www.democracynow.org/2014/1/22/private_violence_survivors_advocates_confront_victim

 この記事を読んでいて、まず驚いたのは「人質事件の80%は家庭内暴力だ」という事実でした。
 ふつう人質事件というと銀行強盗を思い浮かべるのですが、実は夫が妻や子どもを虐待していて、警察官が駆けつけてきたとき人質になっている家族を銃で殺して自分も自殺したり、銃撃戦で警官に殺されることが少なくないというのです。
 ユタ州パークシティで毎年1月に開かれるサンダンス映画祭で話題を呼んだドキュメンタリー映画『Private Violence』をつくった監督キット・グルエル氏は、「アメリカでは暴力に対する感覚がとてつもなく鈍くなっている。そのため、女性たちが瀕死の暴行をうけない限り司法制度は動かない」と言います。
 通俗的な見解では「アメリカはレディファーストの国であり、男性は女性に優しい」はずなのですが、実態はまったく異なることがこれで分かりました。アメリカは極端な家父長制社会であり、よほどのことがないかぎり、男性は女性や子どもに何をしても許される――これがアメリカの実態のようです。
 グルエル監督は上記の記事で次のようにも述べています。
 「家庭内暴力の環境で育つと、子どもは学校でもうまくいかず、家出をしたり、女の子だと10代で妊娠、男の子だと暴力的になったりギャングの一員になったりする。家庭内暴力はあらゆる問題の温床だ。」

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 上でグルエル監督は「家庭内暴力はあらゆる問題の温床だ」と述べていますが、このような環境で育った男性が、女性にたいして性的暴行(強姦RAPE)をおこなうようになったとしても、何の不思議もないでしょう。
 最近話題になった事件で、女子高校生が部室でレイプ被害にあったことを学校に通報したら逆に「公然わいせつ罪」に問われて退学させられ、なんと!処罰として矯正施設へ送られました。
Texas Student: After Reporting Rape, I Was Accused of "Public Lewdness," Sent to Disciplinary School
http://www.democracynow.org/2014/1/3/texas_student_after_reporting_rape_i

 レイプした犯人がその学校を代表するスポーツ選手だったこともあり、こんなことが公になると学校の名誉に関わるから、その女子高校生が男子高校生を誘惑したというかたちにしたかったようです。アメリカでは,このような事件は珍しくありません。
 ところでオバマ氏は最近、大学構内における性的暴行を取り締まるための特別委員会を設置すると発表しました。これは、知的環境であるべき大学においてさえ性的暴行が絶えないことを如実に示しています。
 ホワイトハウスの報告書によると、女子学生の5人に1人がキャンパス内で性的暴行に襲われています。しかも、そのうちの12%しか警察に通報されていないというのです。大学の構内でさえこのような環境にあるとすれば、学生が住んでいるアパートやその近辺ではどのような比率になるでしょうか。
 安倍内閣は、アメリカがこのような実態であることを承知の上で、何万人もの学生をアメリカに送り込もうとしているのでしょうか。知っていて送り込むのであれば一種の犯罪者ですし、知らないで送り込むのであれば自らの不明を恥じるべきでしょう。

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<註> アメリカの大学における性的暴行の記事は下記のとおりです。
Obama Launches Task Force on Campus Sexual Assault
http://www.democracynow.org/2014/1/24/headlines#12410
  President Obama has launched a new task force to combat sexual assault on college campuses. A new White House report says one in five women college students have been sexually assaulted at school, but just 12 percent notify police. The task force will be asked to lay out goals for increasing rates of arrests, prosecutions and convictions.

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 さて、アメリカ国内で最も深刻なのは「銃暴力」「銃による殺傷」です。
 すでに冒頭で,アメリカでは「 毎日平均87回も殺人が起きている」と述べている論文を紹介しましたが、つい最近も、アメリカでは毎日、1時間に最低1人の子どもが銃で撃たれているという研究が発表されました。
At least 1 American child is shot every hour - report
http://rt.com/usa/usa-children-gunshot-incidents-279/(Jan.28,2014)

 これはイェール大学医学研究科(the Yale School of Medicine)の医学博士John Leventhal氏らがおこなった調査・研究で、専門誌『小児科学Pediatrics』にその報告が載せられました。
 それによると、18歳未満の子どもが毎日28人(つまり1時間に最低1人)、銃で撃たれているというのです。しかも、その3分の1は死亡しているそうです。
 子どもが銃で撃たれた事件として最近もっとも有名になったのは、2012年12月14日にサンディ・フック小学校(Sandy Hook Elementary, in Newtown, Connecticut)で起きた銃の乱射事件でした。この事件では、20人の子どもと6人の教師が亡くなりました。
 この事件があってからアメリカでは銃規制をめぐる大論争が起きましたが、事態は一向に改善する兆しはみえません。たとえば上記の「アメリカでは毎日1時間に1人の割合で子どもが銃で撃たれている」という記事の最後は次のような文で締めくくられています。
Yet in 2013 there were 28 school shootings in the US. In January 2014 there have already been at least seven school shootings throughout the United States.(それにもかかわらず2013年には28の学校で銃の乱射事件があった。また2014年1月だけでもすでに7つの学校で銃の乱射事件が起きている。)

 アメリカ全土で昨年2013年は28件の銃暴力事件が起きているということは、1か月に2件以上の割合です。しかも1月に入ってからは、すでに少なくとも7件の事件が起きているのですから、このままいけば下手をすると今年2014年は84件(=7件X12か月)の銃乱射事件が起きる可能性があることになります。

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 銃の乱射事件は学校のなかにおいてでさえ起きるのですから、まして学校外で起きる可能性はもっと高くなります。たとえば、DemocracyNow!(2014年1月27日)のヘッドラインニュースでも次のような報道がありました。
3 Dead in Shooting at Maryland Mall
http://www.democracynow.org/2014/1/27/headlines#1278

 このメアリーランド州のショッピングモールで起きた銃の乱射事件では、19歳の男が銃を乱射して自殺し、スケートボードの店員二人(21歳、25歳)が殺されています。この記事の最後は、次の文章で終わっています。
In another incident of gun violence, a student was killed Friday in a campus shooting at South Carolina State University. It was at least the fifth school shooting in the United States this month.(もう一つ銃暴力の事件が起きている。1月24日(金曜日)にサウスカロライナ州立大学で学生が1人、キャンパス内で殺された。アメリカでは、今年になって、これで少なくとも5回目のSchool Shootingが起きたことになる。)

 先に紹介した1月28日の記事では「7回目のSchool Shooting」となっていて、この「5回目のSchool Shooting」の記事の日付は1月27日ですから、ほとんど連日のようにどこかの学校・大学で銃の乱射事件が起きていることになります。
 その証拠に、DemocracyNow! は1月22日の記事でも、インディアナ州のパーデュー大学で少なくとも1人の学生が銃で殺されたことを報じています。アメリカでは、大学でさえ、このような状態なのです。
Purdue University Campus Shooting Kills 1 in Indiana
http://www.democracynow.org/2014/1/22/headlines#12211


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 このように最近のアメリカでは、学外はもちろんのこと大学の構内すら安全ではありません。女性はいつどこでレイプ(強姦)されるか分かりませんし、男性でさえ、いつどこで銃の乱射事件に巻き込まれるか分かりません。
 繰り返しになりますが、安倍内閣は、アメリカがこのような実態であることを承知の上で、何万人もの学生をアメリカに送り込もうとしているのでしょうか。知っていて送り込むのであれば一種の犯罪者ですし、知らないで送り込むのであればその不明を恥じるべきでしょう。
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Author:狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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