ウクライナ情勢の読み方(番外編)―元CIA高官は語る 「IAEA事務局長・天野之弥はアメリカの傀儡(かいらい)だ」

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元CIA高官レイ・マクガバン
 

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 ウクライナでは、アメリカに支援された勢力が武装してクーデターを起こしました。それに異を唱えて「連邦制」などの強力な自治を求める東ウクライナのひとたちを、今度は「テロリスト」と称して武力鎮圧するという事態が続いています。
 オデッサの惨劇については前回のブログでお伝えしたとおりですが、極右勢力やネオナチが実権を握っている暫定政権を、EUやアメリカが抑えないかぎり状況はますます深刻化していくでしょう。今ではジャーナリストまで拘束される事態になっているのですから。
 しかし日本の大手メディアは相変わらずオバマ政権の命にしたがってロシア制裁に加担するようです。これでは「集団的自衛権」なるものが認められれば、アメリカの「嘘で固められた戦争」に自衛隊を派遣せざるを得なくなり、莫大な血税を無駄づかいさせられることになるでしょう。そして自衛隊員の命も。
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 今回からは英語教育について書くつもりでしたが、そこで急遽、予定を変更し、ウクライナ情勢の読み方(番外編)として、CIA高官レイ・マクガバン氏の発言を翻訳して紹介することにしました。
 マクガバン氏は、元CIA 上級分析官で、ブッシュ(シニア)大統領への日例指示 [PDB:President's daily briefing] の作成、国家情報評価 [NIE: National Intelligence Estimates] の主任を務めたほどの高官でした。
 また27年間の勤務の最初の10年はロシアの外交政策を担当しました。現在は、アメリカの情報機関を退職したひとたちが結成した「諜報活動の乱用を批判する団体」(VIPS:Veteran Intelligence Professionals for Sanity)の運営委員を務めています。
 なお以下の翻訳は、DemocracyNow!(2014/03/03)で放映されたディベートのマクガバン発言、しかもその一部です。この番組で、マクガバン氏の論争相手として登場したティモシー・スナイダー氏は高名なイエール大学の歴史学教授です。
 マクガバン氏は、自称「レベラル左派」のスナイダー氏がウクライナの現状を「独裁者に抗して立ち上がった民衆」という単純な図式でしか見れないのは驚くばかりだ、と反論していました。

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<註> なお時間がある方は下記のブログをもう一度読み直していただければ幸いです。そうすれば、マクガバン氏の主張をもっとよく理解していただけると思うからです。
ウクライナ情勢の読み方(5):クーデターの主役NGO
― CIAに取って代わった、USAID「アメリカ国際開発庁」&NED「アメリカ民主主義基金」
http://pub.ne.jp/tacktaka/?entry_id=5247034

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キエフ大公国


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翻訳:元CIA高官は語る 
「IAEA事務局長・天野之弥はアメリカの傀儡だ」
http://www.democracynow.org/2014/3/3/who_is_provoking_the_unrest_in

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レイ・マクガバン(RAY McGOVERN):
 幾つかのことを言っておきたい。誰がこの民衆蜂起を操っているかだ。それがはるかに重要だ。
 バーレーンを見てみろ。シリアを見ろ。程度の問題はあれ、エジプトでさえ、そうだ。これらの運動で初めは民衆が決起した。
 問題は「その運動を誰が乗っ取ったか」だ。誰が運動に火をつけたか?さらに誰がその火に油を注いだか?自分たちの戦略的利益のために。
 ウクライナで起きたことを見れば、それは一目瞭然だ。
 そのようなことは、昔はCIAの仕事だった。自分の体験からしても、それは、れっきとした事実だ。いいいかい、それが今はNEDの仕事になっている。ウクライナでは、「アメリカ民主主義基金」(NED: the National Endowment for Democracy)によって、何千ドルもの札束が投入され、62ものNGO事業が進行していた。
 こんなことを言うと、それはしばしばロシア人の被害妄想として一蹴される。だが、いいかい。我がアメリカは、実際そのようなことをやっているんだ。東ヨーロッパや他のところでやってきたことを、このウクライナでもやっているんだ。

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レイ・マクガバン(RAY McGOVERN):
 もはやソ連など存在しないんだ」というお説教をありがとう。だけどロシアの国益は存在する。それは9世紀からずっと存在している。分かるかね?
 ロシアはそこから始まった。今のキエフを首都とするキエフ大公国がロシアの起源だ。だから、はるか昔にさかのぼる。その後の歴史は省略して、まあ、こうしてロシアとウクライナは現在に至っているわけだ。
 ところでウクライナ大使館にいるジェフリー・ピアット(Geoffrey Pyatt)とは何者か。ピアットは国務省高官のひとりで、上からいわれたとおりのことをする人物だ。自分ではCIAの一員か何かのように思っているようだ。今じゃCIAはこんなことはほとんどしないからね。それで国務省が肩代わりしなければならないってわけだ。
 それはともかく、ピアットとは何者か。彼はむかしオーストリアのウイーンにいた。ウイーンで何をしていたのか。彼は天野之弥の選挙運動の参謀だった。天野之弥を国際原子力機関 (IAEA:the International Atomic Energy Agency)の事務局長にするつもりだったからね。なぜって、アメリカは事務局長のエルバラダイを嫌いだったから、一刻も早くエルバラダイを放逐したかったんだ。
 アメリカは天野之弥の一件をよく知っていた。それはウイーンのピアットから送られた電信で明らかだ。これはウィキリークスで暴露されたことだが、ピアットは興奮してこう言っている。
 「天野之弥はいま幸せの絶頂だ。俺たちが全力で支援して事務局長にしたんだからね。それでいま天野はもう少し金をくれと要求してきている。自分のオフィスを改造する金を欲しいってわけだ。」
 このことからすると、いま国務省の連中がやっていることは明々白々だ。CIAに倣(なら)った自分流の秘密工作だ。ねらった獲物を手に入れるための秘密工作で、IAEAの事務局長選挙も大成果だった。
 そしてピアットは今、ビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)の命にしたがって行動している。彼女は言わばネオコンの一員であり国務省の女王だ。ヨーロッパ担当の国務省副長官(国務次官補)で、自分じゃ国家のために尽くしているつもりだ。しかしクッキーなんぞ配って、誰の利益にもなっていないことをやっているんだ。

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<註> アメリカの思考法や行動の仕方について述べた下記のチョムスキー論考も、今回の事件を考える大きなヒントを与えてくれると思います。
翻訳:チョムスキー「世界はアメリカの所有物だ」(2008/01/01)
http://www42.tok2.com/home/ieas/Chomsky_AmericanProperty080806.pdf
なお、マクガバン氏の発言原文は次のとおりです。
出典:Who Is Provoking the Unrest in Ukraine?
―A Debate on Role of Russia, United States in Regional Crisis
http://www.democracynow.org/2014/3/3/who_is_provoking_the_unrest_in


RAY McGOVERN:
  Well, a couple of things. You know, it really depends more on who seizes control of these uprisings.
  If you look at Bahrain, you know, if you look at Syria—even Egypt, to an extent—these were initially popular uprisings.
  The question is: Who took them over? Who spurred them? Who provoked them even more for their own particular strategic interests? And it's very clear what's happened to the Ukraine.
  It used to be the CIA doing these things. I know that for a fact. OK, now it's the National Endowment for Democracy, a hundred million bucks, 62 projects in the Ukraine.
  So, again, you don't have to be a paranoid Russian to suggest that, you know, they're really trying to do what they—do in the Ukraine what they've done in the rest of Eastern Europe and elsewhere.

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RAY McGOVERN:
  Well, I appreciate the lesson as to how the Soviet Union doesn't exist anymore. Russian interests exist, and they have since the ninth century, OK?
  That's where Russia began, you know, Kievan Rus', in Kiev. And so, this goes back a long way. Now, fast-forward to today.
  Who is Geoffrey Pyatt? Well, Geoffrey Pyatt is one of these State Department high officials who does what he's told and fancies himself as a kind of a CIA operator, because now the CIA doesn't do much of this stuff, and so State Department have to do it.
  Now, who is he? He was in Vienna. What was he doing in Vienna? He was orchestrating the election of Amano, Amano to be head of the IAEA, the International Atomic Energy Agency, because they didn't like Baradei, the guy that they tried to get rid of earlier.
  But they knew that Amano—and it's clear from cables from Vienna, from Pyatt, released by WikiLeaks, that Pyatt was glowing and saying, "Amano is so happy for all our support in making him head of the IAEA, and now he's asked us for a little bit more money, because he'd like to fix up his office."
 I mean, it's so apparent what State Department types now are doing, in a self-styled sort of covert action, political action sort of thing, so to create the right results. And the IAEA is a big deal, OK? Pyatt played a very crucial role in that, and now he's doing the bidding of the likes of Victoria Nuland, who I would describe as a neocon, prima donna assistant secretary of state for European affairs who is doing our country—doing no one any good, cookies or not.
  
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ウクライナ情勢の読み方(補足編)―立ち上がり始めたアメリカの民衆 「ネオナチへの資金提供をやめろ!」「オデッサの虐殺を繰りかえさせてはならない!」

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オデッサ市民が逃げ込んだビルに、ネオナチが火炎瓶を投げ込んで、少なくとも46人が死亡

http://www.answercoalition.org/national/news/take-action-stop-funds-for.html

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 情勢が緊迫しているだけに、じっとしていられず腰痛を押して先日やっと「ウクライナ情勢(7)」を書き終えました。
http://pub.ne.jp/tacktaka/?entry_id=5253693
 しかし私がブログで予想していたように流血の惨事が起きています。とくにオデッサの惨劇は目も覆わんばかりです。ビルに逃げ込んだ人々を、火炎瓶を投げ込んで、何十人も焼死させています。
 それで前回のブログで「ウクライナ情勢については、ここで一旦うちどめにする」と言ったのですが、大手メディアが真実を伝えないので、またやむを得ずパソコンに向かい始めました。

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 冒頭に紹介した写真は、アメリカの有名な反戦団体ANSEWER(Act Now to Stop War and End Racism)から送られてきた記事に載っていたものです。
 その記事には、「行動を起こそう:ネオナチへの資金提供をやめろ!」(Take Action: Stop funds for neo-Nazis in Ukraine! )という大見出しがついていて、そのすぐ下に冒頭の写真が載っています。そして、この写真には次のような説明が付いていました。
オデッサはファシスト民兵組織の拠点であるどころか,その逆だ[彼らは一般市民から浮き上がり一般市民と敵対している]。5月2日(金)、彼らは無実の一般市民を、何十人もオデッサの組合会館に閉じこめ、建物内で焼死しつつあるひとびとを嘲(あざけ)りながら、ナチス讃歌を歌っていた。床に残った灰の上には、スプレーで、ナチスのシンボルが描かれていた。少なくとも38人が死に、そのなかには、火事から逃げだそうとしたとき[ネオナチ民兵に]殴打されて死んだひともいた。


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<註> 原文は次のとおりです。
Take Action: "Stop funds for neo-Nazis in Ukraine! "
http://www.answercoalition.org/
Far from their stronghold cities, a militia of fascists trap dozens of innocent civilians in Odessa's trade union building on May 2, singing pro-Nazi songs to taunt those burning alive inside. Nazi symbols were spray painted on the ashes. At least 38 people died, including many who were beaten to death when they tried to escape the fire.

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 ビルに逃げ込んだ人々を、火炎瓶を投げ込んで何十人も死亡させています。かつてナチス親衛隊がドイツでおこなった数々の暴行を思い起こさせるものです。
 上記の情報では38人になっていますが、RT情報では46人です。ナチス讃歌を歌いながら市民を火あぶりにしているというのですから背筋が寒くなります。
 アメリカはEUとNATOを手下に使いながら、クーデター暫定政権を裏で支えていますから、このようなアメリカ政府の後押しを抑えるのはアメリカ国内の世論しかないと思っていたら、ようやく国内でも動きが出始めて少し安心しました。
 というのは、冒頭の写真で紹介したように、アメリカの有名な反戦団体ANSEWERが下記のような声明を出して行動を呼びかけているからです。
「ネオナチへの資金提供をやめろ!、オデッサの虐殺を繰りかえさせてはならない!」
Stop funds for neo-Nazis in Ukraine! Not another Odessa massacre!
http://www.answercoalition.org/

 上記の声明では、ホワイトハウスと議会にたいするこの要請運動に何千人もの人々が参加していると述べ、さらに5月9日(金)には、ホワイトハウス前で「直接行動」をおこなうので参加してほしいと呼びかけています。
 ニューヨークタイムズを初めとするアメリカの大手メディアが、かつてのイラク戦争の時と同じように、単なる政府の旗振り役と化しているときだけに、このような動きが出始めていることは嬉しいかぎりです。
 なおANSWERの声明ではウクライナにおけるネオナチの現状についてかなり詳しい分析が付けられていましたので以下に訳出しておきます。

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<註> オバマ氏と議会にたいする要請には、下記URLから参加できます。
「政府と議会に洪水のようなメールを送ろう」
Help flood the White House and Congress with emails!
http://www2.answercoalition.org/site/R?i=IA563yoo56hITe1X_mc3Tg
 なお、イラク戦争の時には反戦の意思を鮮明にしていたDemocracyNow! が、今はまったく腰砕けの報道をしていることは、残念きわまりないことです。同報道から「ネオナチ」ということばが1度たりとも出てきたことがないからです。

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ウクライナのネオナチに税金を使うな!!

http://www.answercoalition.org/

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翻訳 「ウクライナの人々にたいするネオナチの脅威は、嘘ではなく現実だ」
The menace of neo-Nazism for the people of Ukraine is very real.
http://www.answercoalition.org/national/news/take-action-stop-funds-for.html


 ウクライナにおけるネオナチの台頭は、ギリシア、フランス、オーストリア、オランダなど、ヨーロッパにおける多くの、他のファシスト政党にいっそうの勢いを与えつつある。ファシズムの復活はヨーロッパのすべてのひとびとに深刻な脅威となってきている。

 ネオナチの民兵が、5月3日(土)、港湾都市オデッサで、38人の反ネオナチ活動家を殺戮した。彼らは活動家たちを組合会館本部に追い込んで、建物に放火した。閉じこめられたひとたちは燃えさかる建物から脱出しようとしたが無駄だった。極右のネオナチ民兵たちが、ナチス讃歌を歌いつつ、まわりを取り囲んでいたからだ。彼らは大声で活動家たちを嘲罵し、プーチン大統領とロシアを侮辱する言辞を吐いていた。

 元AP通信社の記者で、今はインターネット紙CN通信(Consortium News)の仕事をしているロバート・パーリィ(Robert Parry)は、オデッサにおける殺戮のようすを、次のように生々しく報告している。
 「火の手がますます強くなっていったとき、なかで死にかけている活動家たちにたいして、侮蔑的にも、外では葬送の曲としてウクライナ国家が歌われていた。そのうえ建物には、ナチスの鍵十字に似たシンボルが、スプレーで描かれ、「ガリシア親衛隊」という落書きもあった。これは「ウクライナ民族軍」を指し、第2次大戦中に「ナチス親衛隊」(the German Nazi SS)との共同作戦で、東部戦線のロシア人を殺した部隊だ。」


 さる2月22日にウクライナ合法政府を倒したのは、2003年に我々をイラク戦争に引きずり込んだのと同じネオコンの政治家たちが裏で指導した作戦の一部だった。

 ビクトリア・ヌーランド女史は、イラク戦争の時、ディック・チェイニー副大統領の外交問題主席顧問だった人物で、今は国務省のウクライナ担当の副長官だ。彼女は政権転覆後の政府に誰を据えるかを、2014年1月に電話で語っていた。その録音テープが漏洩し、今では[YouTubeで]公開されている。

 また彼女はジョン・マケイン上院議員と一緒にキエフの街頭抗議行動に参加し、その写真も撮影されている。このような彼らの行動が、当時の反政府運動の指導者たちにアメリカが支持してくれているとの信頼を与えた。彼らは今やネオナチ極右派や政党「スボボダ」の指導層におさまっている。

 もう一つ付けくわえるならば、ビクトリア・ヌーランド女史は、「アメリカ新世紀“ネオコン・プロジェクト”」の共同発起人ロバート・ケーガンの妻だ。ブッシュ大統領のイラク戦争を立案し、その青写真を提供したのも、このプロジェクトの仲間だった。

 ヌーランド女史はロシアにたいする敵意むき出しの人物で、ファシストが先導する運動を、国務省職員としてキエフで公然と推進していた。彼女はウクライナにおける抗議運動の重要性を、ワシントンにある反動的反共的シンクタンクで説明した。キエフのダウンタウンから帰った直後の2013年12月におこなったそのスピーチで、彼女は語った。「我々はウクライナに50億ドル以上も投じてきた。それはウクライナに安全と繁栄と民主主義を保障するためだ。」

 この国アメリカの民衆はウクライナで広がりつつある危機について非常に歪められた情報を与えられている。この危機はアメリカが後押しをした政権転覆から始まったものだ。しかもその目的はウクライナの全てをNATOに吸収し、ロシアと強い結びつきをもっていた経済的政治的つながりを逆転させることだった。ヌーランドもマケインも、そして今ではアメリカ政府の全体も、政権転覆作戦を推進した民兵勢力がネオナチだったという事実に感ぜず満足しているようだ。

 さる2月22日(土)、ウクライナ議会の建物に攻撃をかけ占拠したのはネオナチの民兵だった。彼らは、選挙で選ばれた政府と街頭で抗議活動をしていた勢力との間で合意されていた協定を破壊し、準ファシストの新政権をつくりあげた。この政府は即座に、少数派民族のための公用語だったロシア語を禁止した。

 アメリカの民衆はいま行動を起こしつつある。我々は、自分たちの税金が、ネオナチの人物で組閣された政府に、送られるのを許すわけにはいかない。たとえ雀の涙ほどの額であっても。 


<註1> 上で紹介されているロバート・パーリィ(Robert Parry)の記事は、下記を参照ください。オデッサの殺戮事件のみならず、これまでにアメリカが極右勢力やネオナチを利用して世界各地で体制転換をしてきた詳しい説明があります。

「生きながら焼かれたウクライナの抗議者たち」
Burning Ukraine’s Protesters Alive

http://consortiumnews.com/2014/05/10/burning-ukraines-protesters-alive/(May 10, 2014)


<註2> また次のRT記事では、48人ものひとが未だに行方不明のままで、さらに60人が病院に収容されていて、そのうち26人が瀕死の状態だということです。
Odessa massacre 9 days on: Dozens still missing, residents commemorate the dead
http://rt.com/news/158124-odessa-fire-memorial-radicals/(10.05.2014)

また次のLiveJournal(LJと略記)の記事では、オデッサの惨劇が目を背けたくなるような生々しい写真が20枚以上も掲載されています。これはRTですら報道していないものです。
How the thugs killed Odessa inhabitants in the Trade Unions House - the details of bloody scenario
http://ersieesist.livejournal.com/813.html

上記の記事原文はロシア語ですが、英語版を和訳したものが『アジア記者クラブ通信』5月号に載っています。この記事の「追記」には「殺害された人数は300人と見こまれる」と書かれていました。
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Author:狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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