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暗殺大国アメリカ―キング暗殺50周年によせて

アメリカ理解(2018/04/14) キング記念日、ノースウッズ作戦、ウォーレン委員会、「キング殺し」「ケネディ殺し」、リー・ハーヴェイ・オズワルド、ジェームズ・アール・レイ 
ケネディ大統領暗殺の下手人とされたオズワルド  暗殺されたマーチン・ルーサー・キング・ジュニア
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 アメリカは英仏と共に、東部時間13日午後9時(日本時間14日午前10時)、シリアに攻撃を加えました。その口実として使われたのが、またもや「アサド政権が化学兵器を使って民衆を殺している」というものでした。

 最初は「毒ガスを使って二重スパイだった元ロシア軍諜報員を殺そうとした」という口実でロシアを悪魔化しようとしたのですが、これは嘘だったことが暴露されそうになった途端に、アメリカは「アサド政権が民衆を殺そうとしている」という口実で戦略を一変させました。

 その証拠に、イギリス外務省は「ロシアが毒ガスを使った」とするサイトを削除してしまったばかりでしたし、そもそもシリア領土内で風前の灯火となっているイスラム原理主義勢力を一掃するために今さら化学兵器を使わねばならない理由は全く見当たりません。

 またシリア東グータ地区ドゥーマの市民が化学兵器で深刻な被害を受けているという映像も自作自演であったことは、地元市民の証言で明らかになっています。市民によれば、そのような攻撃は一切なかったというのです。
*ドゥーマ化学兵器使用がでっち上げである無数の証拠がある【動画】
https://jp.sputniknews.com/middle_east/201804134779091/
*攻撃されたとされるドゥーマ地区で、化学兵器の痕跡なし
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-38.html (寺島メソッドメソッド翻訳NEWS)

 以上の経過を考えると、アメリカが爆撃したとされる場所は「自作自演の11地区」であり、証拠隠滅の作戦ではないかという意見もあります。ところが安倍政権は何の検証もなく、「シリアの化学兵器の使用を許すまじ」と米国政府の決意に支持を表明し、相変わらずの対米従属ぶりを示しました。

 いずれにしても、これまでにアメリカが国内・国外でおこなってきた数々の「業績」を見れば、自国民であれば外国の民衆であれ、暗殺・殺害はアメリカの「おはこ」ですから、今度の「アサド政権による化学兵器の使用」というのも、良識あるひとにとっては、「またか」「どれだけ人を殺せば気が済むのか」という思いを禁じ得ないでしょう。
 何しろアメリカは国内でもキング牧師やケネディ大統領でさえ暗殺するのですから、まして国外の名もなき民衆は単なる虫けらにしか見えないのではないでしょうか。
 それを勇気をもって暴露し証言しているのが、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者でもあったPCR(ポール・グレイグ・ロバーツ)です。

 そこで以下では、PCR氏の鋭い告発を翻訳して紹介します。これは元々「マーティン・ルーサー・キング」という題名だったのですが、内容は、短いながら、のキング暗殺だけでなくケネディ大統領の暗殺や民間航空機の爆殺計画など、アメリカによる謀略にもふれていましたので、「暗殺大国アメリカ」とさせていただきました。
 ちなみに、キング牧師が暗殺されたのは1964年4月4日であり、今年はちょうどその50周年に当たります。その意味でも、4月のこの時期に、これを訳出し皆さんに紹介するのは、それなりの意味があるのではないかと考えています。ただしPCR氏の論旨が読者に伝わりやすいように、訳出にあたっては、原文の文順や段落順序を大幅に入れ替えました。御理解いただければ幸いです。


暗殺大国アメリカ――キング、ケネディ、ノースウッズ作戦
http://www.paulcraigroberts.org/2016/01/19/martin-luther-king-paul-craig-roberts/
Paul Craig Roberts、January 19, 2016

 アメリカによる全ての偽装攻撃や暗殺と同様、1968年のマーチン・ルーサー・キングの暗殺も隠蔽された。

 キングの事件では、犯人だとされたジェームズ・アール・レイは、でっち上げられた身代わりだった。ジョン・F・ケネディ大統領の場合は、オズワルドが、ロバート・ケネディの場合シーハン・シーハンがそうだったのと同様だ。

 コレッタ夫人を初めとしてキング家の人々は、証拠に注意を払った他のあらゆる人々と同じく、自分たちが事実を隠蔽され、犯人とされた人物名だけを手渡されたことも気づいていた。

 真実を明らかにしようとする長年の取り組みの結果、キング家の人々は、刑事訴訟では勝てないことが分かっていたので、なんとか民事訴訟で証拠を明るみに出そうとした。
 
 その結果、本当の証拠に直面した陪審員団は、一時間しかかからずに、マーチン・ルーサー・キングが政府機関を含んだ陰謀によって殺害されたと結論づけた。

 その詳細については、以下の記事に述べられているので、時間のある方は是非とも参照していただきたい。

*MLK ASSASSINATED BY US GOVT: King Family civil trial verdict 「キングはアメリカ政府によって暗殺された:キング家の訴えによる民事裁判の判決」
*Court Decision, U.S. "Government Agencies" Found Guilty in Martin Luther King's Assassination 「判決、キング暗殺でアメリカの『政府機関員』が有罪だと認められた」

 マーチン・ルーサー・キングは、ジョン・F・ケネディ同様、ワシントンの支配者=国家安保体制の被害妄想による犠牲者だった。

 キングは当時わずか39歳で、公民権指導者としての立場を確立していた。だがFBIは確信していた。キングは共産主義者とつながっており、彼が率いていた運動は国家安全保障の脅威に発展しかねないと。

 当時のアメリカでは、公民権を強調することはアメリカ批判を意味していた。多くの人々が、アメリカ批判と共産主義者の主張を混同していた。アメリカを批判するのは主として共産主義者たちだったからだ。

 そしてここに、アメリカの欠点を指摘する日の出の勢いの指導者がいた。キング牧師である。そしてベトナム戦争に対しても反対の声をあげはじめていた。

 マーチン・ルーサー・キングの殺害に対するワシントンの対応は、彼の名を冠した国民の祝日「キング牧師記念日」(1月の第3月曜日)を創設することだった。ちなみに、キング牧師の誕生日は1月15日である。

 自分の機関員によって殺害された人物を、政府が讃えるということは、誰がキングを殺したかという議論を終わらせ、厄介な問題を処分するのに賢明な方法だった。


 ではケネディ大統領の場合は、どうだったのか。暗殺されるに至ったケネディの「罪状」は次のとおりだ。

 ケネディは、ライマン・レムニッツァー大将の作成したキューバ政権転覆計画「ノースウッズ作戦」を拒否し、CIAのキューバ侵略計画に反対し、キューバ・ミサイル危機をめぐってソ連と紛争を起こすためのレムニッツァーの計画を拒絶し、統合参謀本部議長としてのレムニッツァーを排除した。そして冷戦を和らげるべくフルシチョフとこっそり交渉した。

 こうした結果、「軍安保複合体」の連中はケネディに恨みもち、かつ確信した。ケネディは共産主義に対して甘く、米国にとって安全保障上の脅威になったと。

 ここで「ノースウッド・プロジェクト」とい作戦に着目してほしい。この作戦は、アメリカの旅客機を撃墜することだったのだ。その目的は、カストロに責任転嫁してキューバ政府を転覆することだった。搭乗しているアメリカ国民を殺戮しても彼らは平気だったのだ。これがアメリカなのだ。

 この最高機密とされていた「ノースウッズ作戦」は、1997年に公表された。ウォーレン委員会によるジョン・F・ケネディ暗殺の調査およびその後の委員会調査が不十分だとして、そのはるか後に設置された「暗殺記録審査委員会」によるものだった。

 この作戦計画は、1962年に、統合参謀本部によってケネディ大統領に提出されたもので、ペンタゴンの計画は、アメリカの旅客機を撃墜し、アメリカ国民を殺戮することだった。
 その目的は、カストロに責任転嫁して、キューバに政権転覆を実現する侵略のために国民の支持を作り出すことだった。

 ケネディ大統領はその報告書を拒否した。
 その決断は、「ケネディはいったい共産主義に対して立ち上がる力と信念をもっているのか」という国家安保体制、CIAやペンタゴンのケネディに対する疑念を強めた。
https://en.wikipedia.org/wiki/Operation_Northwoods


 ところで、ケネディ暗殺では、シークレット・サービス自体が策謀に引き込まれていた。暗殺場面のフィルムを見ると、警備をするシークレット・サービスの要員が、致命的な銃撃の直前に、大統領の自動車から離れるよう命じられていたことが分かるからだ。

 ジョン・F・ケネディを殺害した政府工作員が誰だったのかを、司法長官だった弟のロバート・ケネディは知っていた。だからロバート・ケネディは、次期大統領に立候補して、殺害された兄の計画を暴露し、その犯人を処罰する途上にあった。

 もしロバート・ケネディが大統領になってれば、国家安保体制の機関員が告訴され有罪判決を受けていただろう。そして“CIAをバラバラに解体する”という彼の願いは達成されていたであろう。だが彼も暗殺された。


 ケネディ大統領の暗殺を調査するウォーレン委員会は、犯人とされたオズワルドが単なる身代わりだったことを理解していた。
 しかし委員会はまた次のことも理解していた。冷戦の真っただ中で暗殺の真実をアメリカ国民に話してしまうことは、国家の安全保障に対する国民の信頼を破壊してしまうだろうと。だから委員会は隠蔽以外の代案はないと考えたのだ。

 こうしてウォーレン委員会にたいする不満が第2の調査につながった。今回はアメリカ下院の暗殺に関する特別委員会によるものだった。この報告は、JFK暗殺から16年後の1979年に公開されたが、やはり多くが隠蔽されたままだった。
 しかし、この特別委員会は認めざるを得なかった。陰謀が現に存在し、狙撃犯は1人以上だったということを。そして「陰謀の可能性に関するウォーレン委員会とFBIの調査には重大な欠陥があった」ということを。
http://www.archives.gov/research/jfk/select-committee-report/part-1c.html


 まっとうな批判を国家反逆罪と混同することはよくあることだ。そう遠くない昔、オバマが任命したキャサリン・サンステイーンはこう述べた。
 「アメリカ国民が騙されていたと知る前に、9/11真実運動はFBIによる潜入捜査をうけ、信用を落とされた。そして国民は戦争と、市民的自由の喪失を受け入れた」
 国土安全保障省長官ジャネット・ナポリタノはこう述べた。
 「国土安全保障省の焦点はテロリストから“国内過激派”に変わった」
 彼女が長官としての職を辞任し、カリフォルニア大学の学長になる前のことだ。彼女の言う「国内過激派」とは、戦争に反対する人々、環境保護主義者、そして政府を批判する人々を含んでいた。

 歴史を通して、思慮に富んだ人々は、真実が政府の敵であること、政府の大半は私物化されていることを理解している。
 私的権益のために政府を利用する小さな集団によって政府は支配されているのだ。政府が公共の利益のために働いているという考え方は、アメリカの大変な欺瞞の一つだ。
 こうした権益の邪魔をする人々は、決して優しく扱われない。だからこそ、ジョン・F・ケネディ とマーチン・ルーサー・キングは殺害されたのだ。こうしてケネディの弟、ロバート・ケネディも殺害された。


<註1>  キング暗殺の民事裁判の判決が出された後におこなわれた記者会見のようすを下記資料から知ることができます。とりわけ興味深いのコレッタ夫人の挨拶です。
*Assassination Trial – Full Transcript.pdf「民事裁判の全体像」
http://www.thekingcenter.org/sites/default/files/KING%20FAMILY%20TRIAL%20TRANSCRIPT.pdf
*Assassination Trial – Family Press Conference.pdf「キング一家の記者会見」
http://www.thekingcenter.org/sites/default/files/Assassination%20Trial%20-%20Family%20Press%20Conference.pdf

<註2> 櫻井ジャーナル(2018/04/06)はキング暗殺に関して、次のような興味ある事実を紹介しています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804060000/
 <ロン・ポール元下院議員によると、当時、キング牧師の顧問たちは牧師に対してベトナム戦争に焦点を当てないよう懇願していたという。そうした発言はジョンソン大統領との関係を悪化させると判断したからだが、牧師はそうしたアドバイスを無視したのである。
 大統領の意思には関係なく、戦争に反対し、平和を望む人々をアメリカの支配システムは危険視している。例えば、FBIが1950年代にスタートさせた国民監視プロジェクトのCOINTELPRO、CIAが1967年8月に始めたMHケイアスも、ターゲットはそうした人々だった。
 MHケイアスによる監視が開始された1967年はキング牧師がリバーサイド教会でベトナム戦争に反対すると宣言、またマクナマラ国防長官の指示で「ベトナムにおける政策決定の歴史、1945年-1968年」が作成された年でもある。
この報告書の要旨、つまり好戦派にとって都合の悪い部分を削除したものをニューヨーク・タイムズ紙は1971年6月に公表した。いわゆる「ペンタゴン・ペーパーズ」である。
 この報告書を有力メディアへ渡した人物はダニエル・エルズバーグだが、エルズバーグはその後、宣誓供述書の中でキング牧師を暗殺したのは非番、あるいは引退したFBI捜査官で編成されたJ・エドガー・フーバー長官直属のグループだと聞いたことを明らかにしている。>

<註3> 国内の蓄積された矛盾、支持率の低下をみれば、英米仏の現政権が戦争をしたがっていることは、よくわかります。やはり「戦争は国家の健康法」なのです。
*「戦争は国家の健康法である」上・中・下
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-295.html
 日本の安倍政権も森友学園など問題を抱えていますから、それを一気に吹き飛ばすために戦争の勃発を待ち望んでいる可能性があります。
 また、シリア情勢が、一歩でも間違えれば、核戦争・第3次世界大戦に突き進む緊迫した状況にあることを次のブログがよく伝えています。

*「世界の終わりまで、あと十日」
Paul Craig Roberts 2018年4月12日 
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-b7f8.html
*「OPCWのチームが調査を始める直前、米英仏はシリアをミサイル攻撃」
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804140001/



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二重スパイだったスクリパリ大佐の毒殺事件によせて ― 安倍首相と文(ムン)大統領の知性を比較する

国際教育(2018/03/01 CIA長官ジーナ・ハスペル、元ロシア軍大佐セルゲイ・スクリパリ、BBC記者アンドリュー・ギリガン、イギリス国防省生物化学兵器担当官デイビッド・ケリー博士、ニュルンベルク裁判「侵略の罪」「人道の罪」、戦争犯罪人(ブレアとブッシュ)


初の女性CIA長官 ジーナ・ハスペル                英国科学者ケリー博士(59歳)
Gina Haspel k-1058539477.jpg
https://www.rt.com/usa/421168-haspel-cia-director-profile/
http://oriharu.net/gabana_n/Sizen/Zizi/hibi0307/hibi-niisi0307-19.htm



 前回のブログからまたもや1か月が経とうとしています。相変わらず書きたいことが山積しているのですが体が動きません。書きたいことがありすぎて、どれから手をつけようかと思っているうちに時間が過ぎていきます。
 他方、森下敬一博士が運営する「お茶の水クリニック」を訪れ、薬を処方してもらったにもかかわらず、やっと40キロを越えていた体重が、どういうわけか減り続けて、今は37.5キロまで落ちてしまいました(いわゆる「好転反応」?)。
 そのためか気力体力がいまいち充実せず、ついついブログが遅れ、ついには「百々峰だよりを楽しみにしています」というメールが届くまでになりました。本当に申し訳なく思っています。


 それはともかく、欧米の動きを見ると、ますます核戦争への動きが強くなっているように感じられてなりません。
 ロシアとイギリスの二重スパイだった人物が、毒ガスによって殺されそうになったことを理由に、イギリス政府はロシア外交官60人を追放し、他方でトランプ大統領の側近が次々と好戦派の人物にすげ替えられているからです。
 ロシアの大統領選挙が間近に迫っているなかで、元GRU(ロシア軍参謀本部情報総局)大佐セルゲイ・スクリパリと娘のユリアをロシアが毒物で殺すことは、再選を目指しているプーチン大統領にとって有害無益であることは歴然としています。
 にもかかわらず、何の証拠も示さず、イギリスのメイ首相は外交官追放に乗りだし、ロシアとの緊張関係を一挙に強めました。
 イギリスにおけるテレサ・メイ政権の人気は落下する一方で、このまま放置すると次の選挙で労働党のコルビー政権が誕生する可能性が極めて強くなってきていますから、それをどうしても阻止しなければなりません。そこで裏でCIAと手を組んで偽旗事件をつくりあげたのではないかと疑われています。
 あるいはCIAが仕組んだ芝居をメイ政権が最大限に利用したのかも知れませんが、いずれにしても、ロシア政府が証拠の提出を求めても英国政府はこれを拒否していますし、ロシア政府による共同調査の提案も拒否しています。よほどロシアとの緊張関係を高めたいのだとしか感じられません。
 「疑わしきは罰せず」というのは、刑法の常識だったはずですが、なんと驚いたことに、メイ女史は逆に、プーチン大統領にたいして「この暗殺事件にたいして無実である証拠を提出せよ」と要求したのですから、開いた口がふさがりません。
 イギリスの大手メディアも、これにたいして異を唱えませんでしたから、イギリスの知性とはこの程度のものだったのでしょうか。
 他方、トランプ政権も、「証拠はないがイギリス政府の言うことを信じている」と述べ、イギリスとそれに追随するNATO諸国の動きを支持しました。ロシアの脅威を口実に旧東欧諸国に高額の武器を売りつけたいアメリカにとっては、こんなに都合のよい事件はありません。
 このような動きと、トランプ大統領による「初の女性CIA長官」の任命とは、全く無縁であるとは考えられません。なにしろジーナ・ハスペル女史は、CIAがタイに有する秘密の収容所を管轄していた人物で、拷問を指揮監督していたことで有名になっていたのですから。
*「スノーデン氏:次期CIA長官はEUを訪問すると逮捕される危険性」
https://jp.sputniknews.com/world/201803144667785/
*Torture master? Who is Gina Haspel, 1st woman to head CIA
「拷問の達人?ジーナ・ハスペルとは誰か、初の女性CIA長官」

https://www.rt.com/usa/421168-haspel-cia-director-profile/

 こんな拷問支持者を新CIA長官に任命しただけでなく、トランプ大統領は、超タカ派として有名だったジョン・ボルトンを、新たな米大統領補佐官(国家安全保障担当)に指名しました。ですから、トランプ大統領は今や完全に Deep State 「裏国家・闇の政府」の軍門に下ったとしか考えられません。
 トランプ内閣の報道官は、記者会見でイギリス政府の行動を支持する根拠は何かと質問されて、「証拠はないがメイ政権がそう言っているのだから信じる以外にない」と返答しています。
 しかし、アメリカが「大量破壊兵器」を口実にイラク侵略へ踏み切るとき、当時のブレア政権による報告書(いわゆる「9月文書」2002年9月)が決め手になった、とパウエル国務長官は述べています。
 ところが、情報機関の反対を押し切って「破滅から45分のイギリス人」という嘘を無理矢理に報告書にねじ込んだのは、ブレア首相の首席補佐官だったアラステアー・キャンベルだということが今では分かっています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201607140001/
 つまりイギリス政府の言うことを信じて行動した結果がイラク戦争と中東の破壊・殺戮の始まりだったのに、またもや同じ失敗を、トランプ政権は繰りかえそうとしているわけです。
 米国トランプ政権の知性と英国メイ政権の知性、その双方が「知性の低さ」を競い合っているようにすら見えます。
 このイラク戦争はニュルンベルク裁判で言う「侵略の罪」「人道の罪」に当たりますから、当時のブッシュ大統領もブレア首相も、「戦争犯罪人」として、国外から一歩でも外へ出ると、市民によって逮捕される可能性があります。


 ところで、イラクへの先制攻撃を正当化するために嘘を発信したとされる「9月文書」について、BBCの記者だったアンドリュー・ギリガンが2003年5月に、この文書ではイラクの大量破壊兵器の話が誇張されていると番組で伝えました。
 「英政府は脅威を誇張するため、45分以内にイラクが大量破壊兵器を実戦配備できるという情報を、報告書に盛り込ませた」というのです。
 (サンデー・オン・メール紙はキャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切って「45分話」を挿入したと伝えています。)
 しかも、ギリガン記者が「45分話」をBBCで語って間もなく、彼の情報源が国防省で生物兵器を担当しているデイビッド・ケリー博士(59歳)だということがリークされました。そしてケリー博士は7月15日に外務特別委員会へ呼び出され、17日に変死しています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201607140001/(櫻井ジャーナル20160714)
 これは当局によって「自殺」と片付けられましたが、外務特別委員会で真実を証言する前に、ケリーが詰め腹を切らされたか、あるいは暗殺されたかのどちらかだ、というのが大方の推測でした。
 ちなみに、情報源のデイビッド・ケリーが変死、ブレア首相はこの事件を調べるためにジェームズ・ハットン(ハットン卿)を委員長とする「独立」調査委員会(実は「お手盛り」の調査委員会)を設置しています。
 そして、2004年1月にハットン委員会はBBCを批判する内容の報告書を発表、グレッグ・ダイクBBC会長やギリガンBBC記者は放送局から追放されました。この後のBBCは、アメリカの侵略戦争を正当化するための単なる宣伝機関になり、偽情報を公然と伝えるようになりました(現在のNHKを見るような気がします)。


 いま日本でも同じような事件が起きています。毎日新聞(2018年3月9日)ではそれを次のように伝えています。
https://mainichi.jp/articles/20180310/k00/00m/040/100000c

 財務省近畿財務局の男性職員が神戸市内の自宅で自殺していたことが9日分かった。複数の関係者によると、男性は、近畿財務局で学校法人「森友学園」への国有地売却を担当する部署に所属していたという。遺書のような書き置きが見つかっている。
捜査関係者などによると、今月7日、神戸市灘区の自宅マンションの室内で自殺していたのが見つかった。兵庫県警は事実関係を明らかにしておらず、自殺した理由も分かっていない。
 森友学園へは2016年6月に鑑定評価額から約8億円を引いた1億3400万円で大阪府豊中市の国有地が売却された。男性の役職は16年当時、近畿財務局の上席国有財産管理官。学園側との交渉にあたっていた統括国有財産管理官の部下で同じ職場だった。関係者によると、昨年秋以降、病気を理由に休んでいたという。
 土地売却を巡っては大阪地検が背任容疑などの告発を受理して捜査を進めているほか、今月に入り、売却に関する近畿財務局の決裁文書が書き換えられたとする疑惑が浮上していた。

 つまり、普通に推測すると、イギリス国防省生物兵器担当官デイビッド・ケリーと同じ展開だったのではないかと疑われるのです。
 というのは、この自殺した男性は、近畿財務局の上席国有財産管理官で、学園側との交渉にあたっていた統括国有財産管理官の部下だったからです。
 ですから、売却に関する近畿財務局の決裁文書が書き換えられたとする疑惑が浮上した時点で、国会に呼び出されたり、検察からの捜査対象となって留置される可能性があったわけです。
 このように部下を死に追いやっても、その事件の当事者であり最高責任者である安倍首相は術策を尽くして、平然と逃げ切りを謀っています。
 この安倍政権の知性は、米国トランプ政権の知性と英国メイ政権の知性と比べると、どこに位置するのでしょうか。
 朝鮮半島の平和と統一を目指し、アメリカの反対を押し切って、北朝鮮と独自外交を展開している韓国の大統領ムン・ジェイン(文在寅)の知性と比べると、安倍首相の知性はどこに位置しているのでしょうか。
 そして前大統領パク・クネ(朴 槿恵)の不正疑惑を追及し、ついに彼女を牢獄に追いやった韓国人民衆の知性と比べると、韓国人を常に軽蔑の対象としてきた多くの日本人民衆の知性は、どこに位置するのでしょうか。


<註1> 
 偶然に次のような記事が目にとまりましたので紹介しておきます。
*「鳩山元首相、スクリパリ事件について見解示す」
https://jp.sputniknews.com/politics/201803314733321/
<註2> 
 プリンストン大学およびニューヨーク大学の名誉教授であるステファン・コーエンが、アメリカで孤立無援の闘いをしながら、下記のような論文を発表しています。
*Unproven allegations against Trump and Putin are risking nuclear war - Stephen Cohen
「トランプとプーチンにたいする根拠なき告発は核戦争への危険」
https://www.rt.com/op-ed/422673-russiagate-skripal-cold-war/
<註3> 
 ブレア首相の「9月文書」の嘘を暴露して死に追いやられたケリー博士について、もう少し詳しい説明を下記に見つけました。
*「情報源」の英科学者、遺体で発見 イラク脅威「誇張報告」疑惑
http://oriharu.net/gabana_n/Sizen/Zizi/hibi0307/hibi-niisi0307-19.htm
<註4> 
 以下の記事を読むと、官僚も政治家に翻弄される犠牲者であることが分かります。とくに棒グラフに注目ください。
*官僚のメンタル休職者は民間の3倍。国会対応、政治家の理不尽に翻弄される
https://www.businessinsider.jp/post-163990

 しかし自殺するくらいなら内部告発者になってほしかったと思います。公務員は「公僕」なのですから、「国民に奉仕する存在」ではなく「安倍氏だけに奉仕する存在」なら、存在する価値があるのか―そういう気持ちをもつ国民も少なくないのではないでしょうか



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