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「神に選ばれた国」と「神に選ばれた民」に未来はあるか、その9

アメリカ理解(2019/04/22) ロシアゲイト、特別検察官ロバート・ミューラー、下院議員イルハン・オマール、下院議員アレキサンドリア・オカシオ=コルテス、イラン・コントラ事件、ベネズエラ特別大使エリオット・エイブラムス

イスラム教徒であることを堂々と名乗って下院議員に当選したイルハン・オマール(左)
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社会主義者であることを堂々と公言して下院議員に当選したアレキサンドリア・オカシオ=コルテス(右)

 
特別検察官ロバート・ミューラー(​Robert Mueller)の「ロシアゲート」に関する捜査報告書が公開されました。
 2年がかりの調査でしたが、ロシアが2016年の大統領選挙でトランプ米大統領やその他のアメリカ人と共謀したという具体的証拠をなにひとつ示すことはできませんでした。
 考えてみれば、これは当然のことで、アメリカが他国の選挙に関わったり政権転覆をはかることはあっても、ロシアがわざわざアメリカの選挙を裏で操作する理由は考えられません。
 にもかかわらず民主党幹部がここまで「ロシアゲイト」にこだわるのは2つの理由が考えられます。ひとつはアメリカ初の女性大統領になりたかったヒラリー女史の復讐心です。自分が選挙戦で負けたのは「選挙戦で掲げた政策がアメリカ民衆の心を捉えるものでなかったからだ」ということを認めたくないからです。
 自分が負けたのはロシアによる裏工作によるものであり、したがってトランプ大統領はプーチンの傀儡(かいらい)操り人形だということにしておけば、自分の選挙政策や選挙運動のやり方を批判されずにすみますから、こんなに都合のよいことはありません。
 そこで最近ではドイツやイギリスやフランスでも同じ戦術を使い始めました。選挙で負けそうな政権が、「ロシアが選挙に介入しようとしている」という宣伝で、人気のある政党や立候補者を攻撃するというやりかたです。
 それはともかく、民主党幹部が「ロシアゲイト」にこだわったもうひとつの理由は、トランプ大統領がロシアと裏で共謀したという疑惑を掻きたてれば、トランプ大統領の罷免にまで持ち込むことができるかも知れないし、たとえ罷免できなくても、次の大統領選挙でトランプを引きずり落とすことに役立つからです。
 すなわち、「トランプはプーチンの傀儡だというマイナスイメージを大宣伝することによって、トランプ大統領の再選を防ぐことができるだろう」という戦術です。
 しかし、このような戦術は多分、マイナス効果にしか働かないでしょう。民衆の心に響く政策を掲げることなしに、トランプ叩きにのみ専念していたら、ますます民衆の心は民主党から離れていくからです。
 私の推測では、このような民主党幹部の姿勢が変わらない限り、トランプ再選の確率は、ますます高まっていきます。ですから、トランプ再選の後押しをしているのは、実は民主党の幹部たちなのです。
 このような幹部に対する民主党の若い革新的女性議員たち(たとえばイルハン・オマールやアレキサンドリア・オカシオ=コルテスら)の憤りが、アメリカから遠く晴れた地に住む私の耳にまで聞こえてくるような気がします。


以下は長周新聞連載(9、最終回)です。文字が小さくて読めないという方は、下記のサイトを御覧いただけると有り難いと思います。
*「神に選ばれた国」と「神に選ばれた民」に未来はあるか
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/10854

長州新聞20190210神に選ばれた国と神に選ばれた民に未来はあるか⑨227
長州新聞20190210神に選ばれた国と神に選ばれた民に未来はあるか⑨229
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「神に選ばれた国」と「神に選ばれた民」に未来はあるか、その8

アメリカ理解(2019/04/12)
 ウィキリークス、ジュリアン・アッサンジ、チェルシー(元ブラッドリー)・マニング、ユダヤ人フィンケルスタインのイスラエル批判、イスラエル商品の「ボイコット(B)・資本引き揚げ(D)・制裁(S)」を呼びかける「BDS運動」

ロンドン警察によって逮捕され、エクアドル大使館から引きずり出されるジュリアン・アッサンジ
ジュリアン・アサンジ
https://www.rt.com/news/456212-julian-assange-embassy-eviction/

 アメリカで、内部告発者チェルシー(元ブラッドリー)・マニングが逮捕されたのはつい最近ことでした。
 ところが今度はイギリスで、ロンドン警視庁の捜査官が4月11日にエクアドル大使館へ乗り込み、内部告発支援グループの「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アッサンジを逮捕しました。
 アッサンジの弁護団メンバーによると、すでに取り下げられている事件で出頭しなかったことではなく、​アメリカからの引き渡し要請に基づくもの​だそうです。(櫻井ジャーナル2019.04.12)
 しかしトランプ大統領は、2016年のヒラリー・クリントン女史を相手にした選挙戦では、アッサンジとウィキリークスの活動を賞賛していたのですから、奇々怪々な話です。
 とはいえ、この逮捕は、アメリカの大統領は「DeepStateの操り人形にすぎない」ということを、再び全世界に見せつけるものとなりました。
 というのは、トランプ氏は、大統領選の最中には、「CIAやNATOは過去の遺物だから解体すべきだ」「今後は他国に介入するのはやめ国内経済の立て直しに専念すべきだ」と言っていたにもかかわらず、大統領になった途端に季語修正せざるを得なかったからです。

 それはともかく、ウィキリークスは「政府など権力による犯罪を内部告発するひと」を励まし支援する報道機関として創設されました。アメリカおよび他の国には内部告発を保証する制度や法律もあるのですが、それがまともに機能してこなかったからです。
 本来は権力を監視し批判する機能を託されている新聞やテレビも、現在の大手メディアを見れば分かるように、その役割を放棄しつつあります。その穴を埋めようとして登場したのがウィキリークスでした。
 「民主党幹部が予備選でヒラリー女史を勝たせるため、サンダース候補の選挙運動を妨害する活動を画策している」という内部告発情報を暴露したのも、ウィキリークスでした。 この情報がトランプ勝利の一因になったと思われているので そこで民主党幹部は、今でも「トランプはロシアの傀儡だ」「アッサンジはプーチンと共謀してアメリカの転覆を謀っている」と声高に叫んでいるわけです。

 いずれにしてもアッサンジの逮捕は、報道機関ウィキリークスを潰すための口実ですから、これは明らかにアメリカが民主主義の旗手として自ら誇りにしてきたはずの「言論に自由」を自ら破壊するものです。ですから、本来は極めて恥ずべき行為のはずです。
 ところが、「今や我々の資産が手に入った」と「(ほとんどの)議員がアッサンジの逮捕に大はしゃぎ」なのですから、アメリカの知性に堕落ぶりは目も覆わんばかりです。やはり「神に選ばれた国」は何をしても許されるというのでしょうか。
* 'Our property now': (Most) US lawmakers rejoice over Assange arrest
「今や我々の資産が手に入った:(ほとんどの)議員がアッサンジの逮捕に大はしゃぎ」

https://www.rt.com/usa/456292-democrats-republicans-trump-assange-arrest

 櫻井ジャーナル(2019.04.12)は今度の事件を次のように締めくくっています。けだし名言です。

アッサンジの逮捕は、権力者にとって都合の悪い情報を明らかにすることは許さないという彼らの意思表示。大統領や首相というよな表面的な「権力者」はともかく、そうした人びとを操っている人びとに触れたり、支配システムの根幹を揺るがすような情報を明らかにすることは犯罪だという宣言だ。米英の支配層は一線を越えた。今回の逮捕は権力者と対決しているジャーナリストすべてに覆い被さってくる。

 権力者と対決しているジャーナリストや代替メディアは、日本では極めて数が限られているだけに、それらの未来がますます心配になってきます。


以下は長周新聞連載(8)です。文字が小さくて読めないという方は、下記のサイトを御覧いただけると有り難いと思います。
*「神に選ばれた国」と「神に選ばれた民」に未来はあるか
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/10854

長州新聞20190210神に選ばれた国と神に選ばれた民に未来はあるか⑧225
長州新聞20190210神に選ばれた国と神に選ばれた民に未来はあるか⑧226
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「神に選ばれた国」と「神に選ばれた民」に未来はあるか、その7

アメリカ理解(2019/04/03)
 イスラエルの「民族浄化作戦」「国家自決法」、血に染まった「青天井の牢獄ガザ」、ウィキリークス、ジュリアン・アサンジ、チェルシー(元ブラッドリー)・マニング

逮捕され護送されるブラッドリー・マニング (右写真)現在のチェルシー・マニング
マニング上等兵 チェルシー・マニング (2)


 元アメリカ陸軍兵士ブラッドリー・エドワード・マニング(現在は性転換してチェルシー・マニング)は、2019年3月8日、大陪審で証言台に立つことを拒否したという理由で、再び刑務所に引き戻されました。
*Chelsea Manning jailed for refusing to testify on WikiLeaks
https://on.rt.com/9pt4 (8 Mar, 2019)
 マニングは、2009年に陸軍「情報分析官」としてイラクへ派遣されていました。しかしアメリカ軍が一般市民を空から銃撃し、子どもを含む多数の死傷者を出した録画映像をウィキリークスに漏洩したことが「スパイ罪」にあたるとして、2013年8月に軍事刑務所での35年の刑を言い渡されて服役していました。
 しかし、2017年1月に当時の大統領バラク・オバマがマニングに対し恩赦を与えたことで、2017年5月17日に釈放されましたが、陸軍からは不名誉除隊の処分を受けていました。その彼が、「法廷侮辱罪」すなわち「大陪審で証言台に立つことを拒否した」という理由で、再び刑務所に引き戻されることになったわけです。
 そもそも彼が「スパイ防止法」を犯したとされる行為は、アメリカ軍が犯した戦争犯罪行為、すなわち「軍隊は一般市民を殺傷してはならない」とする国際法をアメリカ軍が兵器で破っていることを内部告発するものでした。アメリカ政府は罪を犯したものを処分するのではなく、良心に耐えかねて内部告発したものに35年の刑を課したのです、
 アメリカ軍にしてみれば「内部の恥を外部に曝した」ことは許しがたい利敵行為・裏切り行為であり、これは一種のスパイ行為にたるだというわけでしょう。アメリカが世界に向かって声高に叫んでいる「正義」というものがこの程度のものだということを、この判決は世界に知らしめることになりました。
 (オバマがマニング氏を恩赦せざるをえなかった背景には、蒸気のような、世界的世論の轟々たる非難を浴びたからでもありました。)
 このたびマニングが再び刑務所に収監されることになったのは、「ウィキリークスの創立者のひとりであるアサンジに内部告発する情報を渡したこと」について大陪審の証言台に立つことを拒否したからでした。連邦地歩裁判所はm」これを「法廷侮辱罪にあたる」としてマニングの週刊を命じたのでした。
 そもそもウィキリークスはCNN放送やNYタイムズと同じ報道機関です。これらの放送局や新聞社は内部告発に基づく「スクープ」記事を何度も報道してきましたから、ウィキリークスだけが特別視されるいわれはありません。特別視されるのは、ウィキリークスがアメリカ政府など権力機関の嘘や犯罪を大胆に暴いてきたからに他なりません。
 そのためアサンジ氏はエクアドル大使館に亡命しましたが、エクアドル政府が親米政権へと大転換した結果、現在のところ、氏はエクアドル大使館に監禁状態です。そして、いつアメリカ政府に引き渡されて「秘密裁判である大陪審」にかけられ死刑または終身刑を受けるか分からない状況にあります。マニングが証言台に立つことを拒否したのは、その意味で当然のことでした。
 しかし同時に、投獄を覚悟した元情報分析官マニングの証言拒否には、感動を覚えざるを得ません。

以下は長周新聞連載(6)です。文字が小さくて読めないという方は、下記のサイトを御覧いただけると有り難いと思います。
*「神に選ばれた国」と「神に選ばれた民」に未来はあるか
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/10854

長州新聞20190210神に選ばれた国と神に選ばれた民に未来はあるか⑦223
長州新聞20190210神に選ばれた国と神に選ばれた民に未来はあるか⑦224

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