日本人全員に英語4技能は必要か――大学入試を食いものにしながら肥え太る教育産業(下)
長周新聞の連載については前回の投稿で終えるつもりだったのですが、新聞に載った3回の記事を雰囲気だけでも知りたいという要求がありましたので以下で紹介することにします。
下記のWebサイトでも論文は読むことができるのですが、Webの記事は文字ばかりで新聞に載せられたときの雰囲気がよく分からないという意見です。
* 日本人全員に英語4技能は必要かー大学入試を食いものにしながら肥え太る教育産業
https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/14511
確かに調べてみたら、新聞に載せられていた写真が、かなり削られていました。これでは読む意欲がかなり減少するのではないかと思いました。
それはともかく、先日の日経新聞(2019/12/3)に「日本の15歳、『読解力』15位に後退」という記事が載っていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52905290T01C19A2CC1000/?n_cid=NMAIL007_20191203_Y
私は『英語で大学が亡びるとき』(明石書店2015)で、文科省が間違った英語政策を続ける限り、英語力は「ザルみず効果」で停滞または低下、他方で、英語で無駄な時間と精力を奪われ、国語力の劣化がさらに進行するだろうと予言しておきました。
それがみごとに予言どおりになったのですから、喜んでいいのか悲しんでいいのか。
そう思っていたら、私が主宰する研究所の一員から、藤原正彦「『英語教育』が国を滅ぼす」という論考が『文藝春秋』1月号に載っているという知らせが届きました。
サブタイトル「大学入試改革は産業界主導の愚民化政策である」という主張は、この間ずっと私が言ってきたことですので、内容的に特段の目新しさはないのですが、右派の雑誌と目されている『文藝春秋』の表紙に、朱書きで、これが1月号の目玉記事だとして紹介されていることに大きな意義を感じました。




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