「役に立つ英語」とは:北朝鮮問題に寄せて

寺島研究室ブログを開設して初めての投稿になります。以後よろしくお付き合いください。

ところで、平成22年3月27日(土)退職記念講演の際には、多くの方に参加いただき有難うございました。

講演テーマの一つが「英語読みのアメリカ知らず」だったわけですが、もう一つのテーマは「日本のようなEFLの環境では、ESLの環境で英語育をするのとは違って、『聞く』『話す』ことよりも『読む』『書く』ことの方がはるか大切だし、『役立つ』英語教育にもなる」ということでした。

その詳細は拙著『英語教育が亡びるとき:「英語で授業」のイデオロギー』でも述べたとなので説明は省きますが、これはチョムスキーの言う「メディア・コントロール」か逃れるためにも非常に重要なことだと考えています。

最近、韓国軍艦「天安」の沈没事があり、またしても北朝鮮が話題になり、それが同時に沖縄問題にも波及しつつある状を考えると、上記の観点はますます重要性を増しているのではないでしょうか。

というのは、NHKを含めて、一般の大手メディアを見聞きしている限り、北朝鮮を一方に非難する報道に満ちていて、「このような北朝鮮を隣国に抱えている限り沖縄から『止力』としての米軍を撤退させることは危険だ」という論調は強まるばかりのように思るからです。

しかし、拙著『英語教育が亡びるとき』でも紹介したDemocarcy Now!を「視聴したり「読んだり」していると、全く別の視点があることを知ることが出来ます。たとえばDemocarcy Now!(2010年5月26日(水))の記事では、朝鮮戦争の研究者として右にるものがいないと言われているシカゴ大学教授 Bruce Cumings 氏が、Amy Goodmanのンタビューに答えて、次のような見解を述べています。

Historian Bruce Cumings: US Stance on Korea Ignores Tensions Rooted in 65-Year-Old Conflict;North Korea Sinking Could Be Response to November ’09 South Korea Attack
http://www.democracynow.org/2010/5/27/nk

これを視聴すれば(あるいは文字起こしされた英文を読めば)日本の大手メディアが主しているのとは全く違う考え方があることが分かります。「話す力」よりも「読む力」いかに重要かが、この事件を通じても分かるのではないでしょうか。
(なお韓国・北朝鮮をめぐる背景については下記を御覧ください。
Korea and International Affairs. With Sun Woo Lee. January 24, 2006.
http://www.chomsky.info/interviews/20060124.htm
拙訳:チョムスキー・インタビュー060124「韓国・北朝鮮と国際情勢」公開060710
http://www42.tok2.com/home/ieas/chomsky_interview060124korea060710.htm)

なお、上記のインタビューでCumingsは、北朝鮮が攻撃した可能性を全面否定はしてませんが、「爆発も魚雷もなかった!」として、それを全面的に否定している別の記事あります(下記の手紙を参照)。
http://www.seoprise.com/~bu/dk/Letter_to_Hillary_Clinton_US_Secretary_of_State.pdf

これは、5月20日に調査報告書を出した韓国民軍合同調査団に、韓国国会から推薦さて加わっていた3名の専門委員のうちの一人SHIN SNAG-CHUL氏が、ヒラリー・クリトン国務長官あてに書いた手紙です(手紙というよりは報告書に近い)。

この手紙を書いたSHIN SNAG-CHUL氏は、韓国海洋大学を卒業後、海軍士官として艦や空母に乗務、またコンテナ船の船員や、「現代」「サムスン」「大宇」といった大手企の造船部長を務めた後、沈没した天安号事故に関する軍民合同調査委員会の調査委員でこの事件が一歩間違えば第2の朝鮮戦争になるかも知れないと考え(投獄の危険も顧みず思い切ってクリントン国務長官に手紙を書いたそうです。
http://nobasestorieskorea.blogspot.com/2010/05/urgent-fwd-from-korea-letter-to-hillary.html

手紙原文は韓国語でしたが、それを韓国NGO「SPARK」が英訳したものだそうです。繰り返しになりますが、これだけを見ても、英語を「話す」ことよりも「読み」「書き」する力をつけておいた方が、EFL環境ではいかに役立つか、「メディア・コントロール」に抗する上でいかに重要かが、改めて確認できるように思われます。


<追記> この記事に関連して、沖縄問題についてもDemocarcyNow!に重要なインタューが載っていましたので、本当は、それも紹介したいと思っていたのですが、最近、調が悪く、ここで力尽きてしまいました。次回に回したいと思います。(2010/05/30、記)


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