福島の子どもたちの36%に異常が!、放射能線量計の数値を操作する文科省?――Occupy Movement の中心地「経産省前テントひろば」を訪ねて(2)

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http://www.labornetjp.org/news/2012/1005shasin

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前回のブログを私は次のように結びました。

 今回のブログは主として、集団疎開裁判を闘っている森園和重さんと弁護士・柳原敏夫さんが、「福島から世界へ」のコーナーで報告した福島の汚染の生々しい実態について書くつもりで、いろいろ資料を集めたのですが、そこにたどり着かないうちに私の方が力尽きてしまいました。
 そこで今日は、ここで止めさせていただきます。どうかお許しください。次回は(できれば明日にでも)、この「ふくしま集団疎開裁判」と、脱原発をめざして「1ヶ月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さん(この日で17日目)に焦点をあてて、「テントひろば訪問記」の続きを書く予定です。


そこで今日は、「ふくしま集団疎開裁判」と「1ヶ月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さんに焦点をあてて、「テントひろば訪問記」の続きを書きます。

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「あおぞら放送」の3番目は、英語同時通訳付きの「福島から世界へ」のコーナーでした。ここでは、集団疎開裁判の会の森園和重さんと弁護士の柳原敏夫さんが出演し、裁判の現状を報告しました。
http://www.ustream.tv/recorded/25933245 (最初から28分ほどのところ)

ここでは、まず柳原弁護士から裁判の現状が報告されたのですが、従来だったら書類審査だけで終わる仙台高等裁判所の審理が、今回は原告・被告双方を呼び出して話をきくという異例の進行になっているそうです。

これは世界のメデイアが裁判の進行を注視しているからではないかと柳原さんは述べ、Business Insiderという英字紙の記事をパネルで紹介していました。さっそく調べて見ると下記の記事が見つかりました。

36 Percent Of Fukushima Children Have Abnormal Growths From Radiation Exposure
http://www.businessinsider.com/a-stunning-36-percent-of-fukushima-children-have-abnormal-growths-from-radiation-exposure-2012-7
CONFIRMED: 36 Percent Of Fukushima Kids Have Abnormal Thyroid Growths And Doctors Are In The Dark
http://www.businessinsider.com/fukushima-children-have-abnormal-thyroid-growths-2012-7#ixzz217FKkN3C

この記事によると、福島の子どもたちの36%に異常が見つかっているようですが、日本の大手メディアでは、ほとんど報道されていません。

柳原さんの報告でさらに驚いたのは、「福島県内で空間線量を測るモニタリングポストの値が意図的に低く抑えられている可能性がある」という調査結果でした。

柳原さんの説明では、いま別の場所で矢ケ崎克馬・琉球大学名誉教授が記者会見を開いて、その調査結果について記者会見を開いているということだったので、帰宅してからすぐに、その記事がどこかに載っているのではないかと調べました。

すると次の記事が見つかりました。

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「福島の線量、意図的に低く公表か」 市民団体独自調査
朝日新聞デジタル社会、記事2012年10月5日18時41分
http://www.asahi.com/national/update/1005/TKY201210050360.html

「市民と科学者の内部被曝(ひばく)問題研究会」は5日、東京都内で記者会見し、福島県内で空間線量を測るモニタリングポストの値が意図的に低く抑えられている可能性があるとの独自の調査結果を公表した。

研究会は今年、文部科学省が設置したモニタリングポスト約100カ所の近くで空間線量を測った。

この結果、公表されているモニタリングポストの値より平均して10~30%高かった。ポストから10メートルほど離れた所では、平均で40~50%高かったという。

研究会の矢ケ崎克馬・琉球大学名誉教授(物理学)は「値を低くみせるために、モニタリングポストの周りは除染を徹底したり、数値を操作したりしているのではないか」と話した。

文科省原子力災害対策支援本部は「意図的に低くみせるようなことはしていない。周辺が除染されたモニタリングポストの情報は福島県のホームページで公開している」としている。

子どもたちに真理・真実を教えることをモットーとするはずの文科省が、嘘・偽りの空間線量を発表している可能性があるというのですから、ことは重大です。

この事実を補強する事例として、森園さんは、福島で実際に計測したガイガーカウンターの写真を持参し、公表されている値がいかに造られたものであるかを示していました。

そして「モニタリングポストのところは除染してあるので低いが、少し離れただけでこんなに違う」「ホットスポットがいたるところにある。そこで子どもたちが遊んでいる。こうした状況を皆の力で変えていきたい」と訴えていました。

詳しくは下記映像で見てください。
http://www.ustream.tv/recorded/25933245 (最初から45分くらいのところ)

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さらに森園さんは、10月03日づけ毎日新聞のスクープ記事をパネルで持参し、もっと驚くべき事実を皆の前で音読していました。以下は私が帰宅してからインターネットで調べたものです。

福島健康調査:「秘密会」で見解すり合わせ
毎日新聞 2012年10月03日
http://mainichi.jp/select/news/20121003k0000m040149000c.html

東京電力福島第1原発事故を受けて福島県が実施中の県民健康管理調査について専門家が議論する検討委員会を巡り、県が委員らを事前に集め秘密裏に「準備会」を開いていたことが分かった。準備会では調査結果に対する見解をすり合わせ「がん発生と原発事故に因果関係はない」ことなどを共通認識とした上で、本会合の検討委でのやりとりを事前に打ち合わせていた。出席者には準備会の存在を外部に漏らさぬよう口止めもしていた。(以下略)


調べて見て、さらに驚いたことは、子どもたちに36%もの異常が見つかっているにもかかわらず、2次検査が必要とされたのは全体の0.5%で、その他の人は2年後の次の検査まで検査は必要ないとされていたことです。

 
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2413.html

もっと大きな問題は、不安に思った母親がセカンドオピニオンを求めて他の病院に行こうと思っても、福島県は「2次検査は2年後に行うとする」と言っているため県内の病院では受け付けてもらえず、県外で再検査を行うしかない――という不合理がまかりとおっていることです。

これでは、福島県がおこなっている県民健康管理調査は、「県民の健康を守るためではなく、福島県民をモルモットにした人体実験ではないか」という疑問や意見が出てくるのは、当然とも言えます(ちなみにベラルーシの子どもらたち甲状腺がん検査は半年に一回おこなわれています)。
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<註> 私はすでに2011年10月25日のブログで下記のような記事を書いています。現在の事態を見ると、このときの不安が的中したようです。

原爆障害調査委員会(ABCC)と、その後身である放射線影響研究所(RERF)が、広島でおこなったと同じ「人体実験」を、福島でもおこなうつもりなのだろうか?
http://pub.ne.jp/tacktaka/?daily_id=20111025

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このコーナーの最後で、弁護士の柳原さんは、「ふくしま集団疎開裁判」は世界的に著名な言語学者チョムスキーも支援を表明していることを明らかにし、その支援表明が載っている下記の小冊子も近日発売されることを紹介しました。

『いま子どもがあぶない 福島原発事故から子どもを守る集団疎開裁』(本の泉社)600円

柳原さんの発言で、もう一つ私の注目をひいたのは、国際連合の人権理事会から任命された特別報告者が、本年11月15日に来日し、福島の子どもたちの健康被害の実態を調査・監視・助言を行い、勧告を出す予定だという事実でした。

この特別報告者の来日により、東電や日本政府(&福島県当局)が積み重ねてきた嘘・欺瞞がさらに明らかになるであろうと予想されます。

なお、「ふくしま集団疎開裁判」で原告側が仙台高裁に提出した主張と証拠の一覧表は下記のとおりです。ここには貴重な事実・報告がぎっしり詰まっていて驚かされました(「一覧表」内のリンクをクリックしてみてください)。

仙台高裁に提出した主張と証拠の一覧表
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2012/10/blog-post_9.html

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最後になりましたが、「福島から世界へ」のコーナーは英語通訳つきでした。この通訳をしていた松元ちえさんの英語力に感心させられました。

今でも「経産省前テントひろば」は観光バスが必ず通過する東京の観光名所になりつつありますが、彼女のおかげで「テントひろば」は世界に知れ渡ることになるでしょう。

そのうち「経産省前テントひろば」は外国人観光客の訪問スポットになるかも知れません。

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今回のブログは、「ふくしま集団疎開裁判」と「1ヶ月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さんに焦点をあてて書く予定でしたが、「ふくしま集団疎開裁判」だけで私の力が尽きてしまいました。

私の「テントひろば訪問記」は2回で終わる予定だったのに、また続きを書かざるをえない羽目におちいってしまいました。これではいつまで経っても本来の英語教育に復帰できるかと疲労感が募ってきますが何とか頑張ります。

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<註1> 国連人権委員会(2006年に改組されて「国連人権理事会」となった)と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の関係、および国連人権理事会が任命する「特別報告者」(健康の権利に関する「特別報告者」のアナンド・グローバー氏)については、下記の報告書に詳しい説明があります。
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/kou156Kakiuti-report.pdf

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<註2> ノーム・チョムスキーが「ふくしま集団疎開裁判」に支持と支援を表明した英文は下記のとおりです。
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2012/01/blog-post_9391.html

It is a privilege to be able to lend personal support to the Fukushima Evacuate Children Lawsuit. There is no better measure of the moral health of a society than how it treats the most vulnerable people within it, and none or more vulnerable, or more precious, than children who are the victims of unconscionable actions. For Japan, and for all of us, this is a test that we must not fail.
(Noam Chomsky、2012/01/12)

※以下は上記サイトに付けられていた訳文です。

「ふくしま集団疎開裁判」に個人的な支援ができることを光栄に思います。社会が道徳的に健全であるかどうかをはかる基準として、社会の最も弱い立場の人たちのことを社会がどう取り扱うかという基準に勝るものはなく、許し難い行為の犠牲者となっている子どもたち以上に傷つきやすい存在、大切な存在はありません。日本にとって、そして世界中の私たち全員にとって、この法廷は失敗が許されないテスト(試練)なのです。」
(ノーム・チョムスキー、2012年1月12日)

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