全国に広がりつつある福島原発告訴団、抗議のハンガーストライキを続ける福崎さん――OccupyMovementの中心地「経産省前テントひろば」を訪ねて(3)

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断食中の福崎裕夫(やすお)さん

http://www.labornetjp.org/news/2012/1005shasin

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前回のブログは、「ふくしま集団疎開裁判」と「1か月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さんに焦点をあてて書く予定でしたが、「ふくしま集団疎開裁判」だけで私の力が尽きてしまいました。

そこで今回は「1か月ハンスト」を闘っている福崎裕夫さんに焦点をあてて書く予定ですが、その前に「国会議員のコーナー」「イベントカレンダーのコーナー」についても紹介しておかないと、「あおぞら放送」の紹介としては不公平かなと思います。

また上記コーナーで知った貴重な情報もありますので、そのことから書き始めます。

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10月5日の「あおぞら放送・経産省前テントひろばから~」は、まず「国会議員のコーナー」から始まりました。
http://www.labornetjp.org/news/2012/1005shasin

民主党の中川治・川内博史の両氏が登場し、脱原発への思いを熱く語っていましたが、最初から一貫して「脱原発」の姿勢を貫いてきたわけではなかったことを率直に反省しつつ、今後の闘いに何が必要かを語っていたところが、私には非常に好感が持てました。

「民主党の中では少数派だけれど選挙で勝たなければならない」「原発推進派の議員を落選させなければならない」と力説していましたが、まさにそのとおりでしょう。

しかし、そのためには「どの政党」「どの候補者」が「どんな政策」を掲げているかを明らかにさせなければなりません。その点で下記の資料が非常に役立つのではないかと思いました。

経産省前テントひろば【国会議員原発意見聴取プロジェクトのページ】
http://space.geocities.jp/nicesenkyo/file001.html

この「あおぞら放送」に招かれている議員は上記アンケートに誠実に答えたひとを優先させているようですが、このアンケートは9月14日(金)現在の集計なので、今後もっとアンケートの集約率をあげる必要があるのではないでしょうか。

9月14日(金)現在で、アンケート回収率は社民党100%、共産党80%ですが、この表を回収率の上位順に並べ替えるなどして、このアンケートに誠実に答えようとしない政党・個人を、「あおぞら放送」などで暴露していくことが効果的かも知れません。

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<註> 「首都圏反原発連合」のホームページでは下記のような「今まで毎週金曜の首相官邸前抗議でスピーチした国会議員リスト」を公開していますから、このようなリストを有権者に宣伝・拡散していくことも、有効な戦術になるでしょう。

首相官邸前抗議および「7.29脱原発国会大包囲」でスピーチした国会議員リスト
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=1276

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国会議員のコーナーの次が「イベントカレンダー」のコーナーでした(動画の最初から20分あたりです)。
http://www.ustream.tv/recorded/25933245

ここでは、「さようなら原発1000万人署名」に取り組んできた大江健三郎さんたちが主宰する次の集会案内もありました。すでに800万筆の書名が集まっているようですが、1000万筆達成まで継続するそうです。

10月13日(土)さようなら原発集会in日比谷
http://sayonara-nukes.org/2012/09/121013/

しかし、このコーナーで私が一番印象に残ったのは、「9・19 さようなら原発5万人集会」のスピーチで参加者の胸を大きく揺すぶり、英訳を通じて世界にもその名を知られるようになった武藤類子さんを団長とする「福島原発告訴団」の案内でした。

この中で、告訴団の活動が福島県民だけでなく、北海道から九州に至るまで全国に事務局をもち、活動の幅をさらに広げつつあることを知りました。

福島原発告訴団
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

インターネットで調べて見ると下記のようなサイトがリンクされていて、「陳述書の記述例」「Q & A」といった案内もあるので非常に便利です。天皇の御用邸のある那須塩原でも説明会があるようですから、それだけ被害が深刻だということでしょう。

全国告訴の申し込み
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/p/blog-page_8201.html
陳述書の記述例
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/p/blog-page_07.html
Q & A
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/p/blog-page_28.html

放射能に汚染された瓦礫が全国に拡散されれば、汚染の少ない食べ物を福島などに届けることもできなくなります。また産地を偽装された農産物や海産物が全国に出回っているようですから、こうなると原発事故の被害は日本全国に拡大していきます。

このままでは安心して口にできる食べ物が日本になくなってしまいます。私も告訴団の一員になることを真剣に考え始めました。

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<註> なお「首都圏反原発連合」のホームページによれば「11.11反原発100万人大占拠」の開催が決定したようです。
http://coalitionagainstnukes.jp/

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やっと、1ヶ月の断食ストライキを闘っている福崎裕夫(やすお)さんを紹介するところまできました。

私が「経産省前テントひろば」を訪れたのは池袋で富田先生にお会いしてからの帰り道でしたから、2時半頃だったと思います。

「テントひろば」といっても実際は経産省の敷地内の小さな一角にテントが二つ立っていて、しかもテント内に入るためには経産省が張りめぐらした鎖を跨(また)がないと中に入ることができないようになっていました。

ズコッティ・パークの「Occupy Wall Streetのテント村」 と同じように、この「経産省前テントひろば」も何度か撤去されそうになりながら(ときには右翼の妨害や嫌がらせも続いたようですが)今までこれを維持してきたひとたちの努力には、ただただ感服するのみです。

私がテントの中に入って、『肉声でつづる民衆のアメリカ史』を取り出しながら受付の女性に訪問の主旨を説明していたら、そのテントを出たり入ったりを繰り返しているひとがいました。それがなんと!ハンガーストライキ17日目を迎えた福崎裕夫(やすお)さんでした。

そして福崎さんからいただいた資料をよませていただいて、氏が2005年に3か月も入院して舌がんと闘ったあと、再発の危険を乗り越えて、2007年4月から足かけ1年3か月の日本縦断旅行をやり遂げたひとだったことを知り、「2度びっくり」を味わいました。

しかも、その動機が憲法改正が持論の安倍晋三内閣の誕生だったそうです。これに危機を感じた福崎さんは、「憲法9条」の旗をかついで徒歩による日本縦断旅行を思い立ったとのことでした。いただいた資料には次のように書かれていました。

 命が自分の思いどおりにならないことを福崎さんは、がんになって気づかされたという。
 「自分が生かされているのなら、再び議員になったり、金儲けで世間を見返すとかじゃないだろうと。こう思ったら、無計画な野宿の旅に飛び出せたんです」
 「修行僧なら自分で欲望や煩悩を捨てる勇気が必要になります。僕の場合は自分の意志ではなく、がんという病によってすべ剥ぎ取ってもらいました。その空っぽになった福崎という人間の器に、9条行脚が飛び込んできた感じなんです」 福崎さんには天命だつた。(『がんサポート』エビデンス社、2012年3月号、104頁)


世の中には本当にすごいひとがいるもんだなと改めて感心させられました。氏の語ることばも哲学的でした。

その福崎さんが、「原発再稼働」に我慢ができず、今度は1か月の断食に踏み切ったそうですが、「今朝までは娘のいる池袋から通っていたが、体力的に難しくなってきたので、今晩からはこのテントで寝泊まりさせていただくことになりました」とインタビューで語っていました。

以下は、その福崎さんの「断食声明」です。

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原発再稼働反対、みんな一歩を!
福崎裕夫、広島県府中市上下町上下1300ー1

2012年9月19日(金)より10月19日(金)まで、首相官邸前か、その付近で一か月の断食を行います。東京の地理に疎いので、まだ場所が確定していません。

国民の多くが原発再稼働に反対であるにもかかわらず、強引に再稼働を進める政府。その政府に抗議する。国民の多数が再稼働反対。しかし、それを無視する政府に対し、行動を起こさない国民大多数も問題。政治的責任は国民一人一人にある。それを放棄した大衆が独裁を生む。ヒットラーは選挙で選ばれた。国民よ、責任を持って発言し、行動する「市民」であれ。

 政府財界は「原発が稼働しなければ、電力不足となる」と宣伝したが、電力不足はなかった。そもそも電気がそんなに要るのか。60%も食料を輸入しなければならないのか。日本で発生する食料廃棄物で世界の飢餓が救える。金儲け至上の新自由主義のもとでは、食べ物は飢えた人にではなく、金のある人に渡る。そして日本では大量の食料を廃棄している。今問われているのは今まで通りの物質生活を続けられるかどうかではなく、支え合う社会、貧困を生み出さない社会に変えるかどうか。

フクシマの民は「捨てられた」という。政府と東電は原発事故災害補償を完全実施すべき。それなのに次のフクシマを起こそうとしている。正気とは思われない。私の住む広島県府中市上下町の公立病院は自治体合併後、強引に縮小され、訴訟に至っている。周辺なら切り捨ててもよいという中央の論理はフクシマと同じ。流入人口で、ふくれあがった都市は地方を切り捨てれば自然消滅する。中央の論理を見直すときでは。東京の富は略奪の結果だと思う。

半永久的に生命を奪い続ける放射性物質。それは未来を殺すこと。その未来は現代に抗議も反撃もできないのに。私たちは原爆や原発をつくった時にはすでに罪を犯している。それなのに自動販売機で多量の電力を消費する必要があるのか。どうして「ヒロシマの平和運動は「核の平和利用」によろけたのか。どうして今、大本営発表報道なのか。どうして私たちはこんなにも愚かなのか。

次の原発事故で日本が破滅するまでもなく、民主主義をはじめ、日本社会はすでに崩壊が始まっている。でも、まだ間に合うと…思う。

まだ、一歩を踏み出していない人に呼びかけます。地球のため、未来のため、民主主義のために一歩を踏み出しましょう。お願いします。

2012年9月7日

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<註> ハンスト中の福崎裕夫さんの姿は冒頭の写真で、氏の語りは下記動画[最初から55分ほど]で実際に目にすることができます。)
http://www.ustream.tv/recorded/25933245

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福崎さんや「テントひろば」の運営をしているひとたちと話しているうちに、4時近くになってしまいました。

すると「4時から『あおぞら放送』が始まるから、もし時間があれば、そこに『通りすがり』というコーナーがあるので出てもらえませんか」というはなしが舞い込んできました。

そんなわけで、日本のOccupy Movementの中心地「経産省前テントひろば」で、「あおぞら放送」に私も出演することになったわけですが、非常に疲れた一日であると同時に、非常に充実した一日でもありました。

(先週金曜日の報告を書いているうちに、もう次の「あおぞら放送」の日になってしまいました。となると福崎さんの断食=ハンガーストライキは本日10月12日で「24日目」にはいることになります。氏の健康が心配です。)

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<註1> なお福崎さんは上記の声明で「自動販売機で多量の電力を消費する必要があるのか」と問いかけていますが、本当にそのとおりです。自動販売機はアルミ缶の製造にも莫大な電力を消費します。また肥満の元凶であるという理由でアメリカの学校では撤去運動が進んでいますが、日本では増える一方です。原発事故が起きてから急に、私の住む田舎の畑地まで(しかも一挙に複数台!)進出するようになりました。
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<註2> 世界資本主義の悪玉「IMF&世界銀行」の年次総会が東京で開幕しました。しかし世界経済の「司令塔」でもあるIMF・世界銀行の本当の姿は伝えられていません。日本政府に消費税増税案を提言したのは、実はIMFだったそうです。
 レイバーネットTV放送は10月12日(金)に「IMF&世界銀行の正体~世界の貧困をつくるのは誰?」という特集を組み、大手メディアが報道しないIMF・世界銀行の「正体」に迫る企画をしています。
http://www.labornetjp.org/tv視聴サイト
http://www.labornetjp.org/news/2012/1012TV番組内容
http://www.labornetjp.org/news/2012/1349855107056staff01 抗議行動一覧

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