オバマの偽善、イスラエルとの共謀、血に染まった「青天井の牢獄」ガザ、報道陣へのミサイル攻撃、「民族浄化」としてのパレスチナ

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前回のブログを書いてから早くも10日以上も経ってしまいました。この間にあまりにも多くの出来事が起き、そのどれもが重要なので、一刻も早くブログを書きたいと心が焦るばかりで体が動きません。

近くでおこなわれたアーサー・ビナードさんの講演を2回も参加し、講演後の懇親会に 出たり(場所もテーマも別々です)、その間に私の主催する英語教育研究会の実践懇談会がおこなわれたりしたので、多分その疲れが出たのでしょう。

このブログを「まだか、まだか」と待っておられる皆さんには本当に申し訳なく思っていますが、相変わらず起きているよりもベッドで過ごす時間の方が長い状態ですので、それに免じてお許しください。

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<註> 福島原発告訴団は、11月15日、1万3262人分の告訴・告発状を福島地検に提出しました。告訴人は全47都道府県に広がり、6月提出の福島県民1324人分と合わせれば1万4586人もの人が、適切な捜査を求めて訴えるという、かつてない大規模告訴となりました。解散騒ぎでこのような重大ニュースが消されてしまってはなりません。
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2012/11/blog-post_17.html
 もう一つ嬉しいニュースは、「君が代」不起立を理由にした停職処分1ヶ月の差し戻し裁判の判決が11月7日に出て、河原井純子さん(東京都立特別支援学校元教諭)が勝訴したことです。停職処分による精神的苦痛は未払い給与の支払いだけではすまされないとして30万円の賠償を都に命じる画期的な判決でした。
http://www.labornetjp.org/news/2012/1107kawarai

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http://rt.com/news/gaza-family-idf-mistake-017/(以下、写真はすべて同じ出典)

* 一般読者の皆さんへ: 以下では英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねています。時間のない方は飛ばして読んでください。
* 英語教師の皆さんへ: 授業における会話ブーム(しかも覚えてもすぐ忘れる)のおかげで、生徒どころか英語教師の「読む力」も大きな落ち込みを見せています。この英文記事が「読む力」の回復に少しでも役立てば幸いです。
* 教育研究者の皆さんへ: 最近わたしは、英語を学ぶ目的の一つは、アメリカの実像を知り日本を「第二のアメリカ」にしないことにある、と考えるようになりました。以下は、今まであまりにも「虚像のアメリカ」を教えてきた私の反省が込められています。
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今この文章を書いている間にもイスラエルによるガザ攻撃が続いています。イスラエルはシリアの反政府勢力に武器などの援助を続ける一方、今回の攻撃でパレスチナの「ガザ地区」に冷酷きわまりない爆撃を続けています。

殺されているひとたちの多くが女性や子どもなのですから、いかに理不尽な攻撃なのかがよく分かると思います。その理不尽さは、ガザ地区のメディアセンターをミサイル攻撃で破壊するという蛮行で、いっそう顕著なものになりました。

Israel Wounds Journalists in Attack on Gaza Media
http://www.democracynow.org/2012/11/19/headlines#11192

多くの報道陣が拠点をかまえている建物にミサイルをぶちこむという行為は明らかな「戦争犯罪」行為ですが、同時にこのような行為は、「自分たちのやっていることがいかに世界に知られては困る行為か」を間接的に語っていることにもなります。

さらに皮肉なのは、この攻撃の対象になった報道機関は、下記の記事でも分かるように、パレスチナのTV局だけではなく。イスラエル支持で有名なアメリカの右派放送局FoxNewsまでもが含まれていたことでした。

On Sunday, six Palestinian journalists were wounded when Israeli missiles slammed into the Gaza offices of the Hamas TV station, Al Aqsa, and the Lebanon-based Al Quds TV. A number of international media outlets, including Fox News, CBS and Sky News, have used studios in the targeted buildings.
http://www.democracynow.org/2012/11/19/headlines#11192

要するに、イスラエルはFoxNewsにも自分のやっていることを知られたくなかったのです。

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かつてブッシュ氏が嘘をついてイラク攻撃を開始したとき、やはり外国からの報道陣がたくさん陣取っていたバクダッド市内パレスチナ・ホテルを戦車から砲撃し、スペイン人ジャーナリストら(*)が殺害される事件がありました。

(*→ホセ・コウソ [スペインのテレビ局テレシンコのカメラマン]、タラス・プロチュク [ロイター通信のカメラマン])

このときも、パレスチナ・ホテルが外国報道陣の拠点だったことは、アメリカ軍の上層部には分かっていたことでした。これは、その当時、諜報機関で働いていたAdrienne Kinne さん(女性)の証言で明らかになっています。

Fmr. Military Intelligence Sgt. Reveals US Listed Palestine Hotel in Baghdad as Target Prior to Killing of Two Journalists in 2003 
(元米軍諜報部高官との独占インタビュー:2003年の米軍による砲撃で2人のジャーナリストが死亡 バグダッドのパレスチナホテルは最初から攻撃目標だった)
http://www.democracynow.org/2008/5/13/fmr_military_intelligence_officer_reveals_us

キンヌさんは、1994年から2004年まで米軍諜報機関で働き、事件当時はジョージア州フォート・ゴードンで、イラクとアフガニスタンの衛星電話を傍受する任務についていました。

キンヌさんは、米軍のイラク侵攻作戦(「衝撃と恐怖」作戦)の準備段階で、自分の所属する基地に電子メールで送られてきた攻撃対象リストにパレスチナ・ホテルがあることを発見。

それまでの電話傍受で、同ホテルにはジャーナリストしかいないことを知っていたので、上司に「ジャーナリストたちはこのホテルにいて安全だと思っている」と直訴しましたが、退けられたといいます。


報道陣を真っ先に抹殺しようとする戦争は必ず後ろ暗いところがあるに決まっているのです。戦争の口実とされた「フセインが大量破壊兵器をもっている」という嘘も、暴露されるにはそれほど時間がかかりませんでした。
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<註> それと同じように「イランが核兵器を開発している」という嘘も、そのうち簡単に暴露されることになるのかもしれません。もし原発をもっていることが核兵器開発と同義なのであれば、あれだけの大事故を起こしながらも再稼働に固執する日本こそ、「裏で秘かに核兵器の開発をねらう国」として真っ先に糾弾されねばならないことになるでしょう。
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もっと驚いたことは、このような蛮行を大統領に再選されたばかりのオバマ氏が「我々は全面的にイスラエルの行為を支持する」と、訪問先のミャンマーで堂々と表明したことでした。

Palestinian Toll Mounts in Gaza as Obama Defends Israeli Assault
http://www.democracynow.org/2012/11/19/headlines#11191
President Obama: "There’s no country on earth that would tolerate missiles raining down on its citizens from outside its borders. So we are fully supportive of Israel’s right to defend itself from missiles landing on people’s homes and workplaces and potentially killing civilians."

オバマ氏は上記の声明で「いかなる国も家庭・職場に打ち込まれて市民を殺害するミサイルから自国を防衛する権利がある」という理由でイスラエルを擁護しているのですが、これこそまさに「白を黒と言いくるめる」ものと言うべきでしょう。

というのは、非公式な停戦協定が成立していたにもかかわらず、しかもその停戦協定に積極的だった軍事部門の責任者 Ahmed Jabari 氏を空から暗殺して、2日間続いていた停戦を自ら破ったのは、イスラエルの方だったからです。

Hamas Commander Was Assassinated Hours After Receiving Truce Deal from Israel
(ハマスの指令官はイスラエル側の停戦申し入れを受け取った数時間後に暗殺された)
http://www.democracynow.org/2012/11/16/israeli_negotiator_hamas_commander_was_assassinated
Israel broke an informal ceasefire on Wednesday by assassinating Hamas military commander Ahmed Jabari in an air strike. Jabari was assassinated just hours after he received the draft of a permanent truce agreement with Israel, which included mechanisms for maintaining the ceasefire.

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このイスラエルによる攻撃は「金魚鉢の中で逃げ惑う金魚」を狙い撃ちにするのに似ています。というのは、ガザ地区はイスラエルによって周囲を封鎖されていますから、ガザ地区の住民は金魚鉢のなかの金魚と同じく外へは出れないからです。

こうしてガザ地区の住民は、隠れる場所も逃げる場所もない空間を走り回るだけで、最終的には死を待つ以外にありません。これほど残酷な攻撃があるでしょうか。

"Nowhere to Run": Israel Fires Over 500 Strikes in Gaza, Civilian Toll Grows in Humanitarian Crisis
(「逃げ場なし」イスラエルがガザ空爆500回以上、人道危機の中で市民の犠牲者が増加)
http://www.democracynow.org/2012/11/16/nowhere_to_run_israel_fires_over

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この攻撃が始まる少し前に、世界的に著名な言語学者チョムスキーがガザで開かれた国際学会に参加していたのですが、イスラエルはチョムスキーにガザ入国を許さなかったので、やむなく(大変な時間と距離を使って)エジプト経由で行かざるを得ませんでした。

アメリカに帰国したとき、チョムスキーはインタビューに答えて、ガザ地区のようすを 「青天井の牢獄」"open-air prison" と呼びました。それをチョムスキーは次のように説明しています。
http://www.democracynow.org/2012/11/14/noam_chomsky_on_gaza_and_the

それは青天井の刑務所のようなものです。住民はすべてイスラエルにたいする市民的不服従のゆえに牢獄に入れられているのです。そこに住む住民がもつ抗しがたい気持ちは、誰か他人によって完全に管理統制されているという感情です。専制的政府が生活のすべてを管理するのです。立ったり、座ったり、食べ物を見つけたり、トイレに行ったり、その他すべてのことをイスラエルが決めるのです。住民は何もできません。

それがガザ地区の基本的な生活様式です。住民はそのような生活に何とか適応しようとします。しかしそれはイスラエルという外的権力にたいして常に隷属して生きることです。それはパレスチナ人を辱(はずかし)め、誇りを奪うこと以外に目的はありません。もちろんイスラエルにも口実はあります。誰でも口実は作れますから。しかし、その口実は全く意味のないものです。

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<註> 英語原文は下記のとおりです。

Noam Chomsky on Gaza,
http://www.democracynow.org/2012/11/14/noam_chomsky_on_gaza_and_the
  It’s an open-air prison. As soon as you—you know, we’ve all been in jail for civil disobedience and so on. The overwhelming feeling everyone gets is somebody else is in total control of you. There’s an arbitrary authority who can control anything you do. Stand up, sit down, you know, find something to eat, go to the bathroom—whatever it may be, they all determine it; you can’t do anything.
  Now that’s basically what it’s like living there. And, you know, there’s—people find ways to adapt, but it’s just a constant—it’s constant subjugation to an external force, which has no purpose except to humiliate you. Of course, they have pretexts—everybody has pretexts—but they don’t make any sense.


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かつてDemocracyNow!を読んでいたら、イスラエルはガザの住民にどれだけの水や食料を与えれば最低限生きていけるかを厳密にカロリー計算して、供給を管理しているという報告が載っていて驚愕しました。要するに、イスラエルはガザ地区の住民を「生かさぬよう」「殺さぬよう」管理しているのです。

今回このブログを書くにあたって、その記事を探してみたのですが、なかなか見つかりませんでした。しかし代わりに「イスラエルがおこなっている行為は『民族浄化』“Ethnic Cleansing”である」とする国連人権委員会の報告を見つけました。

U.N. Investigator Accuses Israel of “Ethnic Cleansing”
http://www.democracynow.org/2011/3/22/headlines#32211
A top United Nations investigator has called on the U.N. Human Rights Council to investigate Israel’s continued expansion of illegal settlements in the West Bank. The U.N. Special Rapporteur on Human Rights in the Palestinian Territories, Richard Falk, described Israel’s actions as a form of ethnic cleansing.

この場合の「民族浄化」は、イスラエルから入植者たちが西岸地区のパレスチナ住民から土地や家屋を力尽くで奪っていくことを指しているのですが、今回のガザ攻撃は(4年前の攻撃と同じく)住民の命そのものまで奪うのですから、正真正銘の「民族浄化」作戦と言うべきでしょう。

にもかかわらずオバマ氏がイスラエル全面支持を公言する意図が私には分かりません。これでは、彼が受賞した「ノーベル平和賞」の名誉にますます傷がつくだけですから。

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<註> このブログの冒頭部分で、ブッシュ氏がイラク戦争を始めたとき、アメリカ軍の戦車がジャーナリストたちで満杯だったバグダッドのパレスチナ・ホテルを砲撃した事件を紹介しました。
 このとき、スペイン人カメラマン、ホセ・コウソも殺されました。スペインが事件に関与した3人の米兵を起訴し、身柄の引き渡しを要求したにもかかわらず、アメリカはこれを拒否し続けてきました。沖縄に似た状況です。
 ところが、ウィキリークスはもう一つ新しい事実を暴露しました。アメリカ政府がスペイン政府に圧力をかけて、遺族が起こした裁判を中止させようとしていたことが、「マドリッド米大使館からの公電」によって明らかになったのです。
 オバマ氏が、イギリス政府やスウェーデン政府に圧力をかけて、ウィキリークスの創始者アサンジを逮捕・拘束しようと、権謀術数をこらしている理由も、これで納得できるのではないでしょうか。

Leaked Cables Reveal U.S. Pressured Spain to Drop Case of Cameraman Killed in 2003 Attack on Journalists in Baghdad 
(漏れた公電が明かす:米国が裁判中止へ圧力、バグダッドでの米軍によるジャーナリスト砲撃死亡事件)
http://www.democracynow.org/2010/12/1/us_pressured_spain_to_drop_case

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狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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