オバマの偽善・アメリカの犯罪(1) 「北朝鮮の核実験問題を考える」――核実験を再開し、「非核地帯」の前進を妨げているのは誰か、北朝鮮問題を原発再稼働・核兵器保有の口実にさせてはならない

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緊急情報:福島で激増する甲状腺ガン(February 18, 2013)
Fukushim:a kids have skyrocketing number of thyroid abnormalities
http://rt.com/news/fukushima-children-thyroids-abnormalities-cancer-444/



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最近、日本の大手メデイアでは中国のニュースや北朝鮮の核実験ばかりが前面に出ているようです。近所のおばさんまでもが「北朝鮮なんかぶっつぶしてしまえ」という発言をしていますから怖くなります。

北朝鮮の核実験はアメリカがいまだに朝鮮戦争を休戦状態のままにして、あわよくばリビアやシリアと同じように武力で政権転覆を謀ろうとする動きにたいする精一杯の抵抗でしょう。

いつまでも北朝鮮を孤立と貧困に追い込んだまま、和平条約も結ぼうとしないアメリカにたいする抗議です(他方で、北朝鮮が「朝鮮半島を非核地帯にしよう」と提案していることも大手メディアでは全く紹介されていません)。

「核兵器を持っていないとイラクのようにやられる」という教訓をもっとも正確に学んだのは北朝鮮だろう」とチョムスキーも言っています。
チョムスキー・インタビュー060124「韓国・北朝鮮と国際情勢」
http://www42.tok2.com/home/ieas/chomsky_interview060124korea060710.htm

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この核実験の直前に米軍と韓国軍の合同演習があり、北朝鮮の政権転覆後にどうやって軍隊を上陸させるかをメインとした軍事演習だったと、DemocracyNowのインタビューで、朝鮮情勢の専門家ティム・ショーロックTim Shorrocは次のように述べています。

毎年のようにアメリカと韓国は大規模の軍事演習をおこなっている。それには色々なものがある。

たとえば、 "OPLAN 5098" という軍事演習がある。これは北朝鮮がとくに激怒している演習だが、それは基本的には政権転覆の予行演習になっているからだ。名目上は政権が崩壊したときに備えるという口実になっているが、実態はまったく違う。

アメリカと韓国がやっているのは、自分たちが核兵器で先制攻撃をしたときの予行演習だ。彼らは北朝鮮に乗り込んでいくための演習をしている。北朝鮮の領土を占領して韓国=アメリカ合同軍を駐留させる演習だ。要するに政変時にそこを占領する演習なのだ。

この演習には他の目的もある。それはアメリカと韓国が現在もっている全ての兵器を試験してみるという目的だ。だから、これらの演習は危険きわまりないものだ。
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<註> 英語原文は下記のとおりです。
North Korea Nuclear Test Sends Message to Washington One Week After U.S.-South Korean War Games
http://www.democracynow.org/2013/2/12/north_korea_nuclear_test_sends_message
  TIM SHORROCK: Well, every year the United States and South Korea hold very large military exercises. There's different ones.
  There's one called "OPLAN 5098" that they—North Koreans take particular umbrage at, which is basically a practice run of regime change in North Korea. It's ostensibly to prepare for a collapse of the regime.
  But what they do is they practice first-strike nuclear capability. They practice invading North Korea. They practice taking over the territory of North Korea and having South Korea-U.S. forces, you know, take over it while there's a crisis there.
  And there's other war games, you know, basically aimed at testing all the weaponry the United States and South Korea have, and these are seen as very dangerous.

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報道されないアメリカの核実験
出典:Unreported by the Media: America's Nuclear Weapons Tests. The Truth is a “Bitter Pill”
http://www.globalresearch.ca/unreported-by-the-media-americas-tests-of-nuclear-weapons-the-truth-is-a-bitter-pill/5315513
 


朝鮮情勢の専門家ティム・ショーロック氏は、先述のDemocracyNowインタビューで、さらに次のように述べています。

この核実験の目的を考えると、われわれアメリカ人がアメリカ政府の朝鮮半島で果たす役割について強い関心を持つことは非常に重要だ。それほどアメリカの影響力は巨大なのだ。

多くの記者が北朝鮮について書いているが、まるでアメリカは中立的な監視者であるかのような書き方だ。それを北朝鮮は非難しているのだ。

知ってのとおり、実際に朝鮮戦争があり、60年前の7月に終わった。しかしそれは停戦だった。平和条約を結んだ上での終戦ではなかった。停戦協定を結んだのは、[北朝鮮と韓国ではなく] アメリカと北朝鮮だった。

北朝鮮はこの間ずっと平和条約を結んで正式に戦争を終わらせたいと言い続けてきた。彼らはアメリカと直接に交渉したいと望んでいるし、私もこの間、同じ主張を繰り返してきた。

アメリカが現在の事態から脱却する唯一の道は、核開発やミサイル開発の停止に向けて北朝鮮と直接の交渉をもつこと以外にない。
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<註> 英語原文は下記のとおりです。
North Korea Nuclear Test Sends Message to Washington One Week After U.S.-South Korean War Games
http://www.democracynow.org/2013/2/12/north_korea_nuclear_test_sends_message
  TIM SHORROCK: I think that for the purposes of this particular test, it's important for us, as Americans, to keep focused on the role of the United States there, which is massive.
  And a lot of journalists in America write about it as if the United States is just some kind of neutral observer that happens to be the brunt of North Korean criticism.
  In fact, there was a Korean War, as we all know, that ended 60 years ago this July. It ended with an armistice; it did not end with a peace agreement. The two combatants that signed the agreement were the United States and North Korea.
  North Korea has been saying for years they would like to have a peace agreement to formally end the war, and they would like to have negotiations directly with the United States. And I've been saying this for years.
  I think the only way out of this for the United States is to hold direct negotiations and talks with North Korea on stopping its nuclear program and stopping its missile program.

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<註> 北朝鮮の気象衛星の打ち上げについても「北朝鮮いじめ」が進行していることについて、グレゴリー・エーリヒ氏(Gregory Elich)が下記で詳しい説明をしていますが、ここでは割愛させていただきます。
Putting the Squeeze on North Korea
http://www.globalresearch.ca/putting-the-squeeze-on-north-korea/5321689
 要するに「飢饉のため食糧難にあえぐ北朝鮮が、気象衛星を上げることによって少しでも農業生産に役立てたいということ」「打ち上げた気象衛星ロケットは貧弱で核弾頭を乗せて攻撃用として使える代物ではない」というのが上記論文の主旨です。

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このように北朝鮮の動きはアメリカを牽制するためのものであって、日本は全く眼中に入っていません。

しかし平和憲法を変えて核兵器も所有する軍事大国にしたい勢力は、これを絶好の機会にして大宣伝しています。それは同時に、原発を止めて廃炉にしようとする運動にたいして、反撃する絶好の機会としても利用するでしょう。

また中国にたいする包囲網を強化しようとしているアメリカにとっても、「テロ国家」としての北朝鮮は、下記チョムスキーインタビューにあるとおり [北朝鮮に対決させる振りをしながら日本と韓国を同盟させ] 中国を封じ込めるためにも 必要不可欠の存在です。
http://www42.tok2.com/home/ieas/chomsky_interview060124korea060710.htm

この流れはブッシュ大統領のときから全く変わっていません。それどころかオバマ氏になってからいっそう強くなったと言ってよいと思います。ブッシュ氏が大統領だったときから悪名高かったジョン・ブレナンJohn BrennanをCIA長官にしようとしているのですから。

Stop the US War Machine: The Movement to Impeach Obama
http://tv.globalresearch.ca/2013/01/stop-us-war-machine-movement-impeach-obama

中国がアメリカ主導のシリア制裁には国連で拒否権を発動していたのに、北朝鮮の核実験には拒否権を行使しなかったのも、そのような背景を考えるとよく理解できます。

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アメリカの核実験:サンディア国立研究所のZマシン


https://share.sandia.gov/news/resources/releases/2006/physics-astron/hottest-z-output.html

他方、北朝鮮の核実験を強く非難する一方で、オバマ氏は核兵器の性能を調べる新たなタイプの核実験]を何度もおこなっています。

ところが大手メディアは一向にこれを問題にせず、北朝鮮やイランだけを攻撃しています。実に奇妙な話です。「俺は銃を持つがお前は持つな」と言われて誰が納得するのでしょうか。(「憲法9条」をもつ国が言えば説得力があるでしょうが・・・)

もっと悪いことには、「核兵器のない中東」を目指す国際会議は、世界各地から核兵器廃絶を目指す国連の会議で、2012年12月の下旬にヘルシンキでの開催が予定されていました。しかし、アメリカはこの会議の実行委員会に対する影響力を利用し、この会議の開催を中止しました。

オバマ氏が北朝鮮の核実験を非難しても、それがいかに「ダブルスタンダード(2枚舌)」であるかを示す最高の例かも知れません。

以下は私が調べたかぎりで見つかったアメリカの核実験情報です。まず最初は下記ブログで載せられていた記事です。

「みんな楽しくHappy♡がいい♪」
―2011年3月11日。その後私は変わりました
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2377.html

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1)中國新聞2012/09/23「アメリカ、6回目の新型核実験」

米国が、核兵器の性能を調べる新たなタイプの核実験を8月下旬にしていたことが22日、分かった。同様の核実験は4~6月に5回目を実施していたことが判明したばかり。これで少なくとも6回行われたことになる。

米エネルギー省傘下の国家核安全保障局(NNSA)の担当者が中国新聞の取材に答え、今後も核実験を継続する方針を示した。

担当者によると、最後に実験したのは8月27日(現地時間)。それまでの5回と同じニューメキシコ州のサンディア国立研究所にある「Zマシン」という装置を使用。強力なエックス線を発生させ、超高温、超高圧の核爆発に近い状況を再現し、プルトニウムの反応をみる。核実験場や爆薬は必要としない。

担当者は「実験から得たデータでシミュレーションをする。保有する核兵器の安全性や確実性を維持できる」と意義を強調。使用するプルトニウムの量は「1回につき8グラム以下」と説明した。一方、この実験の通算回数などの質問には回答しなかった。

新たなタイプの核実験は、オバマ大統領就任後の2010年11月に初めて行われた。5回目の実施が明らかになった19日以降、広島県内の自治体は相次いでオバマ大統領宛てに抗議文を送付した。

新たに判明した8月の核実験に対し、広島市は「事実確認し、対応を検討する」としている。

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2)長崎新聞コラム(水や空)2012/01/11「アメリカの新型核実験」
 
アメリカのオバマ大統領が「核なき世界を目指す」とチェコ・プラハで演説し、核兵器廃絶を求める人々に大きな希望を与えたのは2009年4月だった。

▲それから3年。アメリカが昨年夏と秋に、核兵器を保有し続けるのに必要な情報を得るためとして新たなタイプの核実験をしていたことが明らかになり、被爆地で抗議の声が上がっている。

▲新たな核実験では、「Zマシン」と呼ばれる、強力なエックス線発生装置を使って
核爆発に近い超高温、超高圧の状態をつくり、核兵器の材料プルトニウムの反応を調べたという。

▲アメリカの核実験は1945年7月に史上初めて実施以降、地上や海洋などで繰り返され、問題視されると、実験の場を地下へ移して継続。97年からは爆発を伴わずにプルトニウムの状態を調べる地下施設での臨界前核実験に替わった。

▲そして一昨年11月、「Zマシン」による実験開始。発表を受け、専門家の梅林宏道さんは「実験目的は、臨界前核実験でいわれた保有核兵器の信頼性・安全性の維持管理と極めてよく似ている。臨界前に替わる実験になる可能性がある」と指摘した。新型核実験の判明した回数は今度で4回。梅林さんは続くとみる。

▲オバマ大統領は演説で敵を抑止するための核戦力は維持するとも言った。新型核実験はその方針に沿っているが、核なき世界の実現にどう役立つのか、世界が納得する説明をすべきだ。(謙)

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アメリカの核実験:サンディア国立研究所のZマシン

https://share.sandia.gov/news/resources/releases/2006/physics-astron/hottest-z-output.html

上記で問題にされている「Zマシン」については下記に詳しい説明があります。時間がある方は覗いてみてください。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2377.html

次の記事もインターネットで検索して見つけた「IRIB WORLD SERVICE」というホームページからのものです。

(内容的には中国新聞や長崎新聞と重なっているところもありますが、アメリカが世界で最大の核兵器保有国でありながらCTBT包括的核実験禁止条約に署名していない事実など、上記の新聞ではふれられていないことにも言及されています。)

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アメリカの地下核実験に対する反発(2012/12/09)
http://japanese.irib.ir/

マッキー解説員

アメリカが、西部ネバダ州で行った地下核実験は、多くの反発を招いています。この実験に対して真っ先に反発したのは、イランでした。

イラン外務省のメフマーンパラスト報道官は、アメリカが、核廃絶に関する国際的な取り決めに繰り返し違反していることに触れ、今回の核実験は、核廃 絶に関するアメリカ政府の矛盾した行動を示すものだとしました。

メフマーンパラスト報道官は、「この行為は、世界の平和と安定を崩すことになる」と語りました。

さらに、フィンランドでの中東非核化国際会議を中止するためのアメリカのあらゆる方向からの圧力に触れ、「アメリカの核実験は、長年に渡る国際世論の核兵器廃絶の要求を無視するものだ」と述べました。

アメリカ政府は、自国の核兵器を改良するために核実験を実施している一方で、イランの平和的な核活動に対して偽りを述べ、イランに最も厳しい政治的、経済的な圧力を加えています。

アメリカは世界で最大の核兵器保有国でありながら、CTBT包括的核実験禁止条約に署名していません。なぜなら、この条約に署名すれば、核兵器庫の拡大が制限されてしまうからです。このような状況の中で、アメリカのオバマ大統領は、核兵器のない世界の実現を訴えています。

実際、アメリカ政府は、自分たちに対して、"好きなだけ核兵器庫を拡大できる"という特権を与えています。その一方で、アメリカの覇権主義的政策に 反対する国々は、核エネルギーなど、核技術を平和利用する権利すら認められていません。

このようなアメリカの政策は、イランの平和的な核活動に対して見られています。アメリカ政府は、国際世論を欺き、イランが核兵器を獲得しようとしていると偽ることにより、イランに対する政治的な圧力、経済制裁、軍事攻撃 の脅迫を正当化しようとしています。

世界、特に中東の核兵器廃絶に対するアメリカ政府の捉え方は、中東地域で覇権主義的な政策を推し進めるためのものです。しかし、世界の安全を脅かしているのは、アメリカの核兵器庫に他なりません。アメリカの一部の政治家は、時折、アメリカの覇権主義的な政策に反対する国々に対して、核兵器を使用することをほのめかしています。

もちろん、アメリカの地下核実験に反発したのは、イランだけではありません。アメリカの原爆の最初の犠牲となった広島市の関係者も、この実験に反発 を示しました。広島の松井市長は、記者団に対し、「世界の核兵器廃絶を訴えていたオバマ大統領が、なぜ、このような実験を行ったのか驚いている」と語りま した。また、「オバマ大統領が、政策決定の際に広島の人々の感情を考慮に入れるよう望んでいる」としました。

また、長崎原爆被災者協議会の山田事務局長も、「アメリカが長崎の被爆者の感情を理解できないことは遺憾だ。今回の実験は、アメリカがいつでも核兵器を使用できることを証明した。このような国に世界を主導する資格はない」と表明しました。

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<註> アメリカが「臨界前核実験」を隠れ蓑にして核開発を進めていることについては下記の英文記事でも詳しく説明されています。
Unreported by the Media: America's Nuclear Weapons Tests. The Truth is a “Bitter Pill”
http://www.globalresearch.ca/unreported-by-the-media-americas-tests-of-nuclear-weapons-the-truth-is-a-bitter-pill/5315513

なお,この記事は『アジア記者クラブ通信』1月号に翻訳が掲載されています。興味のある方はバックナンバーを取り寄せて読んでみてください。
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狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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