W教研を終えて思ったこと反省したこと(中)

前回は、W県高等学校教職員組合主催の教育研究講座「英語部会」に招かれて講演した反省記録の前半部をお伝えしました。

心臓手術の痛みがまだ完治しないのと愛犬が癌の末期を迎えていて介護に疲れているのが重なり、続きがなかなか書けませんでした。

やっと少し元気が出てきたので、上記反省の後半部を以下に記すことにします(ちなみに上記の愛犬は『魔法の英語』あすなろ社/三友社出版の表紙を飾っている柴犬雑種です)。


上記「講演会」の午後は「理論学習とワークショップ」となりました。具体的には「読みの指導と文章の構造」「構造読みのワークショップ」の三つを取りあげました。

最初の「リズム読み・通し読み・表現読み」は理論学習を兼ねて私が在職していたときに担当していた「英語科教育法Ⅰ」で書いた学生の最終レポートを輪読してもらいました。

というのは、理論学習として拙著『英語にとって音声とは何か』あすなろ社/三友社出版を取りあげても良かったのですが、むしろこれを教科書にしながら「学生たちが英語音声にどのように挑戦していったのか」「そして学生たちが英語音声に対してどのように自信を回復していったのか」を、彼らの生の声で知ってもらった方が良いと考えたからです。

この資料は退職記念講演会で資料として配付してあるものですが、これに対する感想が余り聞こえてこず少し残念に思っていたので(詳しい説明抜きの配りっぱなしでは仕方のないことでしょうが)この講座で取りあげることにしたのでした。幸いにも少しは反響があったようで、K先生の報告には次のように書かれていました。

<先生の教え子2人のレポートを参加者で輪読しました。学生たちがMichael Moor's Closing Speechをリズム読み,表現読みをすることにより「英語らしい」発音を獲得していく過程に,英音法の幹はリズム読みにあると再確認しました。初めて参加した人にはBlowin' In the Windのリズム読みをやっていただきたかったのですが,時間の都合でできなかったのが残念でした。>

なお配布した資料は下記に再録されていますので興味がある方は是非ご覧ください。
学生レポート「リズムよみ・通しよみ・表現よみ」
http://www42.tok2.com/home/ieas/finalreport.dramaticreading.pdf

午後の本番は「構造よみのワークショップ」にありましたので、その前段の理論学習として、「読みの指導と文章の構造」という論文を取りあげて、やはり輪読してもらいつつ解説を加えました。

「読みの指導と文章の構造」(『英語にとって学力とは何か』三友社出版1986:42-49)
http://www42.tok2.com/home/ieas/reaing%20structure.pdf

<註:この「読みの指導と文章の構造」という論文は、説明的文章と文学作品の構造を統一的に捉えるものとして、「寺島モデル」を、1984年の中部地区英語教育学会で本邦初に提起したものです。
 この「寺島モデル」は、自分では素粒子論における「坂田モデル」に匹敵するものではないかと密かに思っているのですが、私の主催する記号研の会員でさえ余りその価値をあまり理解してもらえていないようなので、ちょっと残念に思っています。
 ちなみに、名古屋大学の坂田昌一氏が提起した「坂田モデル」は後にノーベル物理学賞を受賞することになった益川理論の土台になったものです。>

さて理論学習を終えて、いよいよ「構造読みのワークショップ」のワークショップに入るわけですが、その様子を先述のK先生は次のように報告しています(本当は「輪読」の意義についても述べたいのですが別の機会にさせていただきます)。

<文章の構造について,資料を輪読しながら,先生の説明を受けました。その後,ワークショップ形式で英文と格闘することになります。8つのパラグラから成る文章を,前文,序論,本論,結論,後文に分けていく作業ですが,その前段階の記号づけに悪戦苦闘している私たちがいました。
 読み終えた人からホワイトボードに自分なりの解答を書いて,ディスカッションです。5,6の異なる意見を先生にうまくまとめていただいて全員が納得できる答にたどり着くことができました。これまでの自分の「読み」の浅さに気づかされました。>

上記の「構造よみ」についてK先生は、「8つのパラグラから成る文章を,前文,序論,本論,結論,後文に分けていく作業ですが,その前段階の『記号づけ』に悪戦苦闘している私たちがいました」と書いています。

この「前段階の記号づけ」は英文に三つの記号を書き込みながら直読直解して行く作業ですが、後で振り返ってみると、私はこの段階で「構造読みワークショップ」の組立てに完全に失敗していたのでした。それについては(疲れが出てきたので)次号で述べることにしたいと思います。

<註:この「記号づけ」による直読直解についても説明している長くなるので、ここでは割愛させていただきます。詳しくは拙著『英語にとって学力とは何か』『英語にとって文法とは何か』および寺島美紀子『英語直読直解への挑戦』などを御覧ください。>

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