英語力は「貧困力」(番外編、その3)、消費税の増税は必要か―月刊『楽しい授業』編集部への手紙(その1)

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アメリカ最大の破産都市デトロイトで、「職をよこせ」とデモをする自動車産業の労働者たち


Chrysler Transport worker James Theisen carries a "Detroit Needs Jobs" sign as he joins a demonstration of about a dozen workers demanding jobs, in front of Cobo Center in Detroit.
http://rt.com/op-edge/detroit-bankruptcy-usa-economy-405/

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 安倍政権は「英語力=経済力」と称して「TOEFLを大学入試や卒業要件に!」という政策を掲げてきましたが、それにたいする反論としてこれまで私は「英語力=貧困力」の事例をいくつも対置してきました。
 それに関してまだまだ書きたいことは山積しているのですが、このところ腰痛がひどくなり、長時間パソコンに向かっていることができません。そこで私が過去に書いた論文を連載のかたちで紹介することにより、当面の「つなぎ」にしたいと考えました。

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 安倍氏が声高に叫んでいる「成長戦略」なるものは、よく調べてみると、小泉政権のときに打ち出されてた「構造改革」と何ら変わるところがありません。結局、「庶民増税」と「規制緩和」(→「民営化」「アメリカ企業の参入」)なのです。
 この「庶民増税」は「消費税8~10%」という政策になって表れていますし、「規制緩和」の極致がアメリカ巨大企業の言い分を丸呑みさせられる「TPPへの参加」いう政策でしょう。

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 このTPPは「地産地消」を日本政府に禁じ「アメリカ企業の参入」を最大限に認めさせようとするものですから、安倍氏の言う「美しい日本」を完全に破壊することになるでしょう。
 「美しい日本」を唱道し右翼=タカ派として有名な安倍氏の「愛国心」なるものがどのようなものか、それはこの「TPPへの参加」という政策によって如実に示されているように思います。
 というのは、「英語力=経済力」の本家本元でありながら財政難であえいでいるアメリカを、「美しい日本」を破壊してまでも守り救ってやろうとするのが、「TPPへの参加」という貿易政策なのですから。
 (今やアメリカと一体になり巨大多国籍企業と化した日本の大企業も、日本国民の利益を顧みず、このような政策に加担しています。)

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かつてアメリカ産業界の中心だったデトロイトで、消失したまま放置されているアパート


A burnt out abandoned apartment building is seen in Detroit.
http://rt.com/op-edge/detroit-bankruptcy-usa-economy-405/

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 それはともかく、「消費税の増税」という政策ですが、これは財政赤字を解消し経済を好転させるためには避けて通れない道であるかのように宣伝されていています。
 しかし、はたして本当にそうなのでしょうか。これに関連して非常に興味深いのが、月刊『楽しい授業』2008年10月号の裏表紙に載った「日本の税金の変遷:グラフで見る世界244」という記事です。
 本文の詳しい解説を読む限り、消費税増税があたかも当然の流れのように書かれています。というのは最後に「消費税がこれからの税の中心になるのではないでしょうか」と結ばれているからです。
 そこで慌てて反論を書き、月刊『楽しい授業』編集部宛に送付しました。この雑誌は私の敬愛する板倉聖宣(きよのぶ)氏が編集代表をしている極めてユニークな月刊誌ですから、ひょっとして載せていただけるのではないかと考えたからです。

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かつて自動車産業の中心地だったデトロイトで、放置されたまま朽ち果てている自動車工場


The abandoned and decaying manufacturing plant of Packard Motor Car is seen in Detroit
http://rt.com/op-edge/detroit-bankruptcy-usa-economy-405/(July 22, 2013)

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 しかし残念ながら私の原稿は何の返事もなく「なしのつぶて」状態になってしまいました。そこで、せっかくの論考(月刊『楽しい授業』編集部あての手紙)がこのまま闇に消えていくのは余りに勿体ないと考え、研究室HPに載せることにしたのでした。
「消費税の増税は必要か―月刊『楽しい授業』編集部への手紙」

 今これを読み返してみると、決して古くなっていないどころか、むしろ今こそブログの読者に読んでみて欲しいと思うようになりました。そこで、これを数回に分けてブログで紹介しようと思い立ちました。
 というのは、ホームページに載せただけではよほど奇特なひとでもないかぎり読んでいただけないと思うからです。よろしくお付き合いいただければ幸いです。

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<註> 自民党政権下の「規制緩和」で派遣社員ばかりが増え、しかも激減した正社員の給料すら減額か横ばい状態ですから、「消費税8-10%」となれば、消費者の購買力が急速に落ち込みます。これでは景気が後退することは目に見えています。
 そのうえ安倍内閣は年金や生活保護など福利厚生費も大幅に削る予定ですから、景気がよくなるはずがありません。もてはやされているアベノミクスなるものも、EUやアメリカの大都市を荒廃させつつあるものとほとんど同じものです。
医療・福祉への1ドルは 3ドルの経済成長をもたらす
http://www42.tok2.com/home/ieas/HowAusterityKills.html

 アベノミクスは一部投資家の利益を大きく増大させるかも知れませんが、このまま進行すれば、日本に第2のデトロイトが登場する日も遠くないでしょう。そんな強い不安が私にはあります。やはり「英語力=貧困力」なのです。

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