内部告発者エドワード・スノーデンが「サム・アダムス賞」を受賞! 他方で緊迫する日本の「機密保全法案」!!

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スノーデン氏に「サム・アダムス賞」を手渡す、元NSA, CIA, FBI, DOBの高官たち

http://rt.com/news/rt-whistleblowers-snowden-prize-983/
http://www.democracynow.org/2013/10/14/edward_snowden_is_a_patriot_ex
Edward Snowden (3rd R) alongside UK WikiLeaks journalist Sarah Harrison (2nd R) and the US whistleblowers (L to R) Coleen Rowley (FBI), Thomas Drake (NSA), Jesselyn Raddack (DoJ) and Ray McGovern (CIA)

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本当は「もう一つの京都大学事件(5)」の続編を書きたいのですが、いま安倍内閣が画策している「特定秘密保護法」が緊迫した情勢を迎えています。

そこで、やむなく予定を変更して、内部告発者スノーデン氏が受賞した「Sam Adams賞」と、今にも閣議決定されようとしている「秘密保護法」について書きたいと思います。

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さる2013年10月9日(水)、ロシアに臨時亡命しているNSA(国家安全保障局)内部告発者エドワード・スノーデン氏が数ヶ月ぶりにモスクワでカメラの前に姿を現しました。

サム・アダムス賞(Sam Adams Award)の授賞式に臨むためです。

この賞は、CIAを退職した人たちが結成したSAAII「情報機関の高潔さを求めるサム・アダムスの会(Sam Adams Associates for Integrity in Intelligence)」から内部告発者に授与される賞です。

この賞をたずさえてモスクワを訪れたのは、いずれも有名なNSA、CIA、FBIなどの元高官4人です。しかも彼らはいずれも内部告発者としてアメリカ政府から厳しい追及を受けた人たちばかりでした。

以下はその氏名です。

レイ・マクガバン(Ray McGovern、元CIA分析官) ベトナム戦争時に内部告発者となった同僚のCIA職員Sam Adamsを記念してアダムス賞を創設した人物の一人。

コリーン・ロウリー(Coleen Rowle、元FBI捜査官) 911事件におけるFBIの失敗を内部告発して、2002年にサム・アダムス賞最初の受賞者となった。彼女は同時に、その年のタイム誌「Person of the Year」にも選ばれた。

トマス・ドレイク(Thomas Drake、元NSA高官) 911事件のあとブッシュ大統領が合州国憲法をふみにじる大規模な盗聴活動を開始したことを内部告発し、スパイ防止法違反で逮捕されたが、最終的に無罪をかちとった。2011年に受賞。

ジェスリン・ラダック(Jesselyn Radack、元司法省DOJ倫理顧問) いわゆる「アメリカン・タリバン」として有名になったJohn Walker Lindhが、弁護士も逮捕状もなしの軍事裁判を告発した。2011年にドレイク氏と同時受賞。上記のドレイク氏の無罪をかちとった弁護団の一員でもあった。

なお、ウィキリークスの創設者であり、今はイギリスのエクアドル大使館に亡命中のジュリアン・アサンジ(Julian Assange)も、2010年に同賞を受賞しています。

スノーデン氏がロシア経由で南米に亡命しようとしたとき(またロシアで一時亡命せざるを得なくなったときにも)大きな援助の手を差しのべたのが、ウィキリークスでした。

またブログ冒頭で紹介した写真で、スノーデン氏の右隣にいる女性がウィキリークスから派遣されたサラ・ハリソン(Sarah Harrison)で、この事件のためアサンジ氏だけでなく彼女もオバマ氏からしつこく付け狙われる運命になりました。

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<註> さらに時間のある方は下記のブログおよび翻訳も参照いただければ幸いです。
元CIA高官レイ・マクガバンは語る「拷問は間違った情報を手に入れる最良の方法」
http://pub.ne.jp/tacktaka/?entry_id=4769248
http://www42.tok2.com/home/ieas/McGovern.html
 また、サム・アダムスという人物、および「サム・アダムス賞」についてはレイ・マクガバン氏による下記HPに詳しい説明があります。
Sam Adams Award
http://raymcgovern.com/sam-adams-award.html

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スノーデンの「サム・アダムス賞」授賞について語る、4人の元アメリカ政府高官 (中央は司会者)

http://rt.com/news/rt-whistleblowers-snowden-prize-983/
Whistleblowers Jesselyn Radack, Thomas Andrews Drake, Ray McGovern and Coleen Rowley (L to R) and presenter Kevin Owen (C) in RT’s studio in Moscow

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ところで、「スノーデンを今年度のノーベル平和賞に!」いう声が世界の各地から聞こえていたのですが、ノーベル賞選考委員会は化学兵器禁止団体OPCH(The Organization for the Prohibition of Chemical Weapons)に平和賞を授与しました。

オバマ大統領はイスラエルと一緒になってシリア爆撃を声高に主張していたのですが、国連査察団による検証結果が出ないうちに爆撃しようという動きに、世界の世論は大きく反対に傾いていました。

それどころかアメリカ議会でも、共和党の議員のなかですら爆撃反対の声を上げるものが出始め、評決をとっても賛成が得られそうにない状況になっていました。

そこへ、シリアを説得して「化学兵器廃棄」という助け船を出したのがロシア大統領プーチン氏でした。こうしてオバマ大統領は「議会で否決される」という屈辱をプーチン氏によって救われ、かろうじて面子(めんつ)を保つことができたのでした。

その結果、中東一円に戦火が拡大しかねないイラク爆撃、そして莫大な難民が発生して手のつけようのない状態になる恐れがあったイラク爆撃、これを回避させたプーチン氏にノーベル平和賞を!という声も出始めていました。

というのは、オバマ氏が国内どころか世界中の政府・企業・国民を盗聴していることが、スノーデン氏の内部告発で明らかになり、亡命先を求めて途方にくれていたスノーデン氏に臨時亡命を認めたのもプーチン氏だったからです。

しかし、ノーベル選考委員会は、スノーデン氏にもプーチン大統領にも(あるいは米軍の犯罪を暴露したマニング氏にも)平和賞を授与せず、化学兵器禁止団体OPCHに平和賞を授与しました。

こうしてOPCHはいまシリアの化学兵器廃棄にとり組んでいますが、中東で核兵器と化学兵器の両方をもつイスラエルがまったく免罪されたままシリアやイランだけが「武装解除」に追い込まれていく事態は、中東民衆の誰をも納得させていません。

「これを機会に中東一帯を核兵器および化学兵器の禁止地帯にしろ、それはシリアやイランも賛成していることだ」とチョムスキーは主張しているのですが、国連はそのような方向に動かずシリアやイランの「武装解除」だけを求めています。

つまり今度のノーベル平和賞の授与は、イスラエルやアメリカの望む方向を後押ししただけでした。こうして今度の授賞は、またもやノーベル平和賞の政治性を浮き彫りにしただけに終りました。

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トマス・ドレイク氏(元NSA高官)と、ジェスリン・ラダック女史(元司法省・倫理顧問)

http://rt.com/news/snowden-award-wikileaks-video-093/

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ところで「サム・アダムス賞」の授賞式およびレセプションの会場は明らかにされていません。というのは、場所が明らかになると、オバマ氏得意の拉致・誘拐・暗殺が可能になり、スノーデン氏の身に危険が及びかねないからです。

現在のオバマ政権がどれほど腐敗しているかは、この一事だけでも歴然としています。

しかし元CIA高官が口を揃えて言っていることは、それでもスノーデン氏のおかげでアメリカ国内だけでなく、国際的にもアメリカのスパイ行為に抗議する大きな声があちこちで出始めているということです。

いま、ブッシュ大統領のときに「愛国者法案」に強く賛成した共和党議員でさえ、NSAの無差別な盗聴行為・スパイ行為を規制すべきだと言い始めています。これをジェスリン・ラダック女史は‘Snowden effect’「スノーデン効果」と呼んでいます。

‘Courage is contagious’: Whistleblowing Fantastic Four talk ‘Snowden effect’ on RT
http://rt.com/op-edge/snowden-russia-whistleblowers-courage-003/

ところが、日本は世界の流れと逆方向に向かって流れ始めています。安倍内閣は公明党も道連れにしながら、オバマ氏に見習って、日本をアメリカ流の監視国家にしようとしているのです。

戦前のような、治安維持法と特高(特別高等警察)が闊歩した暗黒社会に引き戻したい、これが安倍氏の願う方向のようです。

なぜなら消費税が増税され、さらにTPPが導入されれば、貧富の差は極点に達し、99%の民衆が反乱=「世直し一揆」に立ち上がるであろうことは、十分に予想されるからです。それを事前に封殺するためには、国民の「知る権利」「表現の自由」に強い縛りかけておかなくてはならないからです。

いまアメリカでは、「平和運動」「環境運動」「消費者運動」の活動家すら「テロリスト」として扱われ監視の対象になっていることを思い起こしてください。情報公開法(FOI:Freedom of Information Act) や内部告発者保護法(Whistleblower Protection Act)がある「自由の国アメリカ」でさえ、この状態であることを思い起こしてください。

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<註> 創価学会の初代会長・戸田城聖は、創価学会の前身=創価教育学会をつくりあげた牧ロ常三郎とともに、戦前、治安維持法によって投獄されました。このことを今の公明党はどう考えているのでしょうか。今の「特別秘密保護法」は、公明党・創価学会にとって、自らの墓穴を掘っているとしか考えられません。

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しかし先述のとおり、スノーデン氏を初めとする勇気ある内部告発者のおかげで、‘Snowden effect’「スノーデン効果」という新しい風が、世界中で吹き始めています。

Noam Chomsky: Imperial Power on the Decline
http://www.zcommunications.org/america-s-imperial-power-is-on-the-decline-by-noam-chomsky

ジェスリン・ラダック女史はDOJ司法省を追い出された後、政府の説明責任を追求する団体(GAP: Government Accountability Project)を起ち上げ、「内部告発者を守る運動」の先頭に立っています。

ですから、日本で今もっとも求められているのは、GAPのような「内部告発者を守る組織」であり、内部告発者を顕彰する「サム・アダムス賞」なのです。

そして、そのために真っ先に立法しなければならないのは、徹底した「情報公開法」や「内部告発者保護法」です。決して「特別秘密保護法」(実は「機密保全法「治安維持法」)ではありません。

というのは、TPPはアメリカの国会議員ですら内容を知らされていない秘密に満ちた協定ですし、北朝鮮の「脅威」を口実に、アメリカから買わされる巨額の軍事兵器など、日本政府としては、国民に知られては困る内容があまりにも多すぎるからです。

DemocracyNow!(2013/10/04)は次のようなインタビューを載せています。

「企業版トロイの木馬」
オバマが推進する秘密主義のTPP貿易協定は米国の法律書き換えにつながる

http://democracynow.jp/dailynews/13/10/04/1
http://www.democracynow.org/2013/10/4/a_corporate_trojan_horse_obama_pushes

いずれにしても、平和憲法改悪を目指し、かつアメリカの巨大多国籍企業、巨大軍事産業に奉仕する安倍内閣としては、この「特別秘密保護法」はどうしても通過させねばならない法律であることは確かでしょう。

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今回のブログでは、この法案についても詳しく書く予定だったのですが、もう長くなってきましたので、割愛させていただきます。下記情報をぜひ御覧ください。

秘密保全法に反対する全国の運動・集会
http://nohimityu.exblog.jp/20851299/
秘密保全法資料 - NPJ News for the People in Japan(2013/10/20)
http://www.news-pj.net/siryou/himitsuhozenhou/
特定秘密保護法案に反対する日弁連会長声明(2013年10月03日)
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/131003.html
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