何故それを改訳したか―外国特派員協会の声明「秘密保護法案は廃案または大幅修正すべきである」

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歴史の逆行を許すな!~「秘密保護法」反対集会 1万人の怒りと熱気

http://www.labornetjp.org/news/2013/1121shasin2


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「特定秘密保護法案」衆院採決の危機を前にして、大集会が開かれた11月21日の日比谷野外音楽堂は、怒りに立ち上がった1万人の人々で、集会開始6時30分の10分前にすでに満杯になり、音楽堂の外にも数千人の人々があふれました。

既に報道されている通り、維新の会は記名投票の末、賛成27人、反対23人で「修正合意」への賛成を決めました。秘密指定期限の基準が30年から60年へ倍増するという、「修正」どころか「改悪」へと突き進み、みんなの党とともに「翼賛政党」へと転落しました。

それでも、あと二人が反対に回れば、決議自体ができないほどの僅差でしたから、右翼政党と呼ばれる維新の会でさえこのような事態に追い込まれるほど、世論の力が大きかったと言うべきでしょう。もう一回り大きなうねりが日本全体を覆えば、廃案も不可能ではないとさえ思えるほど、大きな集会だったと思います。

集会の詳しい報告および今後の日程については下記を御覧ください。
*11月21日、活動報告
http://www.himituho.com/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%A0%B1%E5%91%8A/
*全国活動状況
http://www.himituho.com/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E9%81%8B%E5%8B%95%E6%83%85%E5%A0%B1/
*STOP!「秘密保護法」最新情報
http://www.himituho.com/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0-%E6%9C%80%E6%96%B0%E6%83%85%E5%A0%B1/
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いま日本政府が強行採決しようとしている「機密保護法」については、福島原発事故以来、秘密主義が横行してきたことから世界中の眼が日本に集まってきています。その一つが前回のブログで紹介したNYTimesの社説でしたが、今回は「日本特派員協会」の緊急声明を紹介したいと思います。

これについては前回のブログで下記のURLを紹介するのみにとどめまし。
http://www.fccj.or.jp/ (特派員協会ホームページ)
http://tkajimura.blogspot.jp/2013/11/designated-secrets-billprotest.html
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/11/foreign-correspondents-club-of-japan.html

しかし、「特派員協会ホームペーシに載っている日本語訳も、PeacePhilosophyに載せてある乗松氏の日本語訳も、この訳文では日本外国特派員協会々長ルーシー・バーミンガム氏が英文で発表した抗議声明の趣旨がよく分からない箇所がある」という声が私のところに届いてきました。

確かに読み直してみたら分かりにくいところが散見されますので、白内障が悪化して右目が不自由なのですが、情勢が緊迫しているだけに無理を押して改訳を試みました。この改訳が「特定秘密保護法案」を廃止または根本的修正に追い込む運動に少しでも貢献できたらと願っています。

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外国特派員協会が

『特定秘密保護法案』に強い懸念を表明


FCCJ "Designated Secrets Bill" Statement of Deep Concern
http://www.fccj.or.jp/images/FCCJ-State-Secrets-Protest-eng.pdf


日本外国特派員協会は、いま日本の国会で審議中の「特定秘密保護法案」について強い懸念を抱いている。

われわれが特に危惧しているのは、同法案の中にジャーナリストにたいする起訴や投獄を可能にする条文が含まれており、与党のなかに、それと同種の発言をおこなっている議員が少なからずいることである。

開かれた社会における調査報道の真髄は、政府の秘密活動を暴(あば)き、市民に伝えることにある。そのような報道活動は犯罪ではない。それどころか行政のありかたを点検し、その横暴・行き過ぎを抑えるという意味で、民主主義の根幹とも言うべきものである。

本法案は、報道の自由はもはや憲法で保障された権利ではなく、政府高官が「充分な配慮を示すべき」単なる考慮事項に過ぎない、と受け取られても仕方がない条文である。

その上、この「特定秘密保護法案」には、「不適切な方法」で政府の政策に関する調査・取材をしてはならないといった、ジャーナリストへの特別な警告まで含まれている。これは明らかに報道を職業とするものへの直接的な脅迫であり、しかも個々の事例でいかようにも解釈できる許しがたい条文となっている。このような曖昧模糊とした文言は、ジャーナリストを意のままに訴追する権限を政府に与えることになる。

日本外国特派員協会の会員には外国籍のみならず日本国籍を有するものもいる。1945年に設立された由緒ある当協会は、一貫して、報道の自由と情報の自由な交換を、日本と諸外国との間の友好関係や相互理解を維持・増進するための不可欠な手段とみなしてきた。

以上の趣旨をふまえて、われわれは国会に対し、「特定秘密保護法案」を廃案とするか、もしくは大幅に修正することを強く要請する。さもなければ、この法案は日本における民主主義の未来と報道活動にたいして重大な脅威となると考えるからである。

ルーシー・バーミンガム
日本外国特派員協会々長
平成25年11月11日

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『南ドイツ新聞』が「特定秘密保護法案」をきびしく批判


Süddeutsche Zeitung 11.Nov.2013


この法案の反民主性と危険性については、日本外国特派員協会(会員2000名)が、「特定秘密保護法案」の廃案ないしは大幅修正を求めて抗議声明を出した11月11日、ドイツでも、『南ドイツ新聞』が同法案をきびしく批判した記事を載せました。

ブログ「明日うらしま」によれば、「秘密事項原子力発電/日本市民はもはや核施設の安全性について知ってはならない」との見出しで、原発に関する情報秘匿を例に挙げて、民主主義の基本を否定するものであると解説しているそうです。
http://tkajimura.blogspot.jp/2013/11/designated-secrets-billprotest.html

同ブログでは、この記事についてさらに次のような解説を付けています。

 また、日本での権力の公文書の私物化と隠蔽の一例として、沖縄返還時の核付き返還の秘密協定文書が、政府の保管ではなく、安倍総理の大叔父である当時の佐藤栄作元総理の遺産の中から出てきたことを挙げています。
 その上で、このような酷い法案を安倍政権が実現しようとする裏にはアメリカの圧力があるのではないかとの見方を紹介しています。このような見解はすでに10月29日に、ニューヨーク・タイムズが社説で指摘しています。
 これらは報道の数例でしかありませんが、特派員協会の抗議声明に見られるように、特派員たちの自らの職業に対する弾圧法であるとの強い危機感は、民主主義擁護を基本とする者にとっては全く正当なものです。
 したがって同法案が可決成立するようなことになれば、日本の国会の世界の民主主義を脅かす行為として、全世界から集中的に批判の的になることは明らかです。
 要するに、日本の国会議員は世界から彼らの民主主義認識の常識を問われているのです。情けないことに、そのことすら認識していない無能な国会議員が多数であるようです。
 少なくとも、この法案成立と同時に、日本の報道の自由は、中国並みのランクに格付けされることだけは確実ですから、それくらいの自覚は持ってほしいものです。


上記で明日うらしま氏は「日本の報道の自由は、中国並みのランクに格付けされることだけは確実です」と書いていますが、リビアのカダフィ打倒のときもそうでしたが、今のシリア情勢を読んでいる限りでは、アメリカの大手メディアも中国並みのランクであることだけは、註記しておきたいと思います。

私が前回のブログ「NYTimes の社説も批判する秘密保護法案」で次のように書いたのは、そのような意味が込められていました。

それにしても、ニューヨークタイムズでさえ社説でこのような批判をおこなっているのに、そのことを日本の大手メディアは私たちに紹介していません。これもチョムスキーのいう「メディアの家畜化」の一例ではないでしょうか。


しかし、日本のメディアの流れもいま少しずつ変わり始めています。これも民衆運動の力によるものでしょう。

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<註> 海外の眼がいかに日本に注がれているかを示す記事は他にも次のようなものがあります。
*【秘密保護法案、国際基準を逸脱】
米政府元高官ハルペリン氏  秘密多いと管理困難に(11月23日、共同)
http://www.47news.jp/47topics/e/247843.php                  
*国際連合特別報告者「特定秘密保護法案は透明性を脅かすものである」
ジュネーブ(2013年11月21日):国際連合人権理事会の特別報告者の二人が、日本国政府が国会に提出した特定秘密保護法案に関し、強い懸念を表明した。
http://www.himituho.com/%E5%90%84%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%8A%97%E8%AD%B0%E5%A3%B0%E6%98%8E/

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