書評 『英語教育が亡びるとき:「英語で授業」のイデオロギー』

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99歳のジャーナリスト・むのたけじ氏(元朝日新聞、「たいまつ」発行人)が吠える ~ 臣民から脱却せよ!

1月14日、日本記者クラブで開催された「秘密保護法廃止・安倍退陣を求める共同行動」の記者会見で
http://www.labornetjp.org/news/2014/0114shasin2
「秘密保護法」廃止、国会大包囲!!(国会開会日の1月24日)
http://www.himituho.com/

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 インド在住の日系作家モハンティ(荒木)三智江さまから、EH研究会という英語教育関係者のメーリングリストを通じて、拙著『英語教育が亡びるとき』にたいする書評をいただきましたので、以下に紹介させていただきます。
 三智江さまのブログ「インドで作家業」には略歴が次のように書かれています。
http://blog.goo.ne.jp/michiemohanty
 <1987年インド・オリッサ州の聖地プリーに移住し、現地男性と結婚後ホテルオープン、文筆業の傍ら宿経営に携わる。著書には「お気をつけてよい旅を!」、「インド人にはご用心!」「車の荒木鬼」などがある。『文芸思潮」銀華文学賞2013佳作入賞>
 このたび三智江氏が、小説「ゆきのした秘恋」で、日刊県民福井(中日新聞傘下)主宰の「ふくい新進文学賞」の佳作に輝き、その表彰式(2013年12月23日)のため帰国されることを知りました。
 そこで拙著『英語教育原論』『英語教育が亡びるとき』を謹呈したところ、さっそく『英語教育が亡びるとき』にたいする書評をいただきました。それを読んでいたら思わずこの紙面でその内容を紹介したくなりました。
 というのは、英語教師の拙著にたいする少なからぬ感想が「先生の文章は難しい」というものでしたから、三智江さまの「一見して難しく思えることがわかりやすい的確な日本語で書かれており、文芸物が好きな私にもすんなり入り込める」という言葉が,私にとって取りわけ印象的だったからです。
 いま安倍内閣の教育再生実行会議および文科省は、日本の経済力を強化するため日本人に英語力をつけることが不可欠だとして、「英語で授業」を高校の英語授業だけでなく大学の一般教育の授業にまで拡大しようとしています。
 しかし、「一見して難しく思えることがわかりやすい的確な日本語で書かれており」「文芸物が好きな私にもすんなり入り込める」説明的文章を難しく感じる英語教師が多いとすれば、これは非常に深刻な事態だと思うからです。
 これでは行間を「ふくらませて」味読せねばならぬ文学作品は、手も足も出ないのではないでしょうか。
 しかも、母語の水準を越える外国語能力を身に付けることは、まず不可能ですから、母語の読解力(そして母語の表現力)が低ければ外国語の到達レベルもその程度で頭打ちになります。ところが文科省は英語教師の国語力がどの程度のものかも調べずに、いきなり「英語で授業」を英語教師に要求しています。これでは、英語教育の未来は暗いと言わざるを得ません。私が「英語教育が亡びるとき」と言うゆえんです。
 三智江さまのメールに触発されて、次々と書きたいことが浮かんできたのですが、次回に回したいと思います。

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寺島先生
Ccみなさまへ

明けましておめでとうございます。インド在住のモハンティ三智江です。昨年中は大変お世話になり、ありがとうございました。本年もくれぐれもよろしくお願いいたします。

さて、早速ですが、昨年十二月の一時帰国中、寺島先生にお贈りいただいた『英語教育が亡びるとき』を新年早々読了しましたので、感想を記させていただきます。

まず、以前に『チョムスキーの教育論』を読ませていただいたときにも感じたことですが、先生がお書きになっている日本語が素晴らしいこと、私にとっては異質のジャンルで、ご高著は、EH研究会とのご縁がなければ、紐解くことは断じてありえなかった種類の書ですが、一見して難しく思えることがわかりやすい的確な日本語で書かれており、文芸物が好きな私にもすんなり入り込めること、ブログをお読みしたときにも感じたことですが、先生の日本語は、第一級との印象を新たにいたしました。

英語教育というご専門を究められていくなかで、ことばを操る者としての責任に目覚められ、翻訳にあたっても、ご自分で書かれるにあたっても、的確かつわかりやすい説明・描写を心がけている努力が感ぜられます。

英語の前に母国語をまず究めることの大切さが書かれていますが、そのお手本のような日本語で、門外漢の私が惹かれるのはひとえにその表現としての母語の流暢さです。読ませる筆力をもってらっしゃるがゆえに、英語教育の話も、興味深いトピックとしてすんなり入ってくるのです。

アメリカの貧困も、前著やブログをご拝読させていただき、初めて知った事実で、本書にも書かれている大方の英語の先生同様、自由で豊かな民主主義国家とばかり思い込んでいたもので、意外な実態にびっくりしました。

英語教育と政治の問題も、ちょうど文学と政治の絡み、作品に社会的メッセージを盛り込むや否やを悩んでいた私には、ぱっと目の前が明るくなるような啓示を得ました。右か左ではなく、真実にのっとること、真実を書くこと、それがまさしく表現者の責任かもしれません。いえ、そうであるべきです。

英語が語彙が多すぎて沼のようなもので、切りがないというくだりにも共感。失礼ながら、英語の専門家でおられながら、先生ご自身にもそのもどかしさのようなものが感ぜられ、親近感を覚えました。

私自身も、インドに移住以降、英字紙を読んで二十六年、日本語を読むペースで普通に読めるようになりましたが、そのつど意味不明の単語が出てくる、それをいちいち辞書を引いていたら、時間がかかってしょうがないので、飛ばして前後の文脈から推測する、これが私の英語の早読み方です。時間のあるときだけ、辞書を引くようにしていますが、そうすると、勝手にこうと思い込んでいた単語の意味がまったく別の意味だったりで、愕然とする始末です。単語ひとつにも意味がいっぱいあるし、いくら覚えても切りがない英語にお手上げといいたくなるときです。

ご高著の終盤は、読み方指南書、文章作法にもなっているように思え、大変勉強になりました。説明的文のしぼって読むと、文学作品のふくらませて読む、説明と描写の違いなど、英語教育には門外漢の私も(一応英語の教養課程は取っており、免状はもっているのですが、本書にもあったように、将来を見越してとっておくか程度の動機でした)、普段読み書きに携わる文筆業者にとっておろそかにできぬ示唆がありました。

全体を通して読んで、なぜ先生が文科省の新指導要領「英語で授業」に反対なさるのかが、関与文献からの引用や、表などの図解で納得いく説明で書かれているので、よくわかりました。外国語教育は「母語を耕し、自分を耕し、自国を耕す」ためにあるべきとは、けだし名言です。
 移住者である私がもじると、外国在住(海外見聞)は、「母語を耕し、自分を耕し、鏡として自国を新たに振り返る二重思考を育てる」ということになるでしょうか。移住以後もずっと、母語で情報発信してきましたが、日本の活字が氾濫する市場から遠ざけられたことが、昔の古きよき日本語を温存するに期せずして役立ったような気がします。その反面、手を伸ばせば届く距離に和書がなく思う存分読めなかったことが、ハンデともなっているのですが。

日本語にしろ、英語にしろ、読むことは大事ですね。量を読むことによって、語彙が培われる。英語の読み書きをしっかりしておけば、自然会話力もついてくる、その通りだと思います。

英語教育に携わる方々の時間的余裕がないプレッシャー、ストレスも改めて知りましたが、フィンランドのように自由裁量で海外研修、それも欧米のみならず、アジア、ラテンアメリカほかの世界を見る目、その過程で英語以外の外国語を学ぶ余裕がもたらされることを祈ってやみません。

お忙しいと思いますが、みなさまどうぞインドにもお訪ねください。価値観が転倒するカルチャーショック国で、人生の命題について深く考えさせられる精神大国です。英語が通じますので、英語教育者の方々には比較的旅しやすい国かと存じます。

以上、拙いながら、思うがままに書き連ねましたが、的外れのことを言っている箇所がありましたら、くれぐれもご容赦ください。

寺島先生ならびにメンバーの皆様には、今後ともご指導ご鞭撻のほどくれぐれもよろしくお願い申し上げる次第でございます。

追記
特定秘密法後法案についての卓見もありがとうございました。先生のブログで、浦島太郎の私もよりよき理解を得たような気がします。重ねて御礼申し上げます。

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