年賀挨拶(明けましておめでとうございます)

遅ればせながら明けましておめでとうございます。

ブログを書き始めてから初めての正月を迎えました。ほかの人のブログを覗くと、やはり新年の挨拶を書いているようなので、自分も書かなくてはいけないと焦りながら正月を過ごしました。

といっても、ほとんど正月を返上して翻訳に取り組んでいるので、正月らしい休息を取ったのは1月1日だけでした。というのは出版期日が決まっていて、来年の2月までに出版しないと版権が切れてしまうと出版社からお叱りを受けたからです。

それから逆算すると、新年の3月(どんなに遅くとも6月)くらいまでには脱稿していないと、その後の校正や索引づくりが間に合わなくなります。今までは心臓手術の予後を気遣って、翻訳にあまり集中しないようにしてきたのですが、どうもそんなわけには行かない状況になってきたようです。

それで1月2日から翻訳に復帰したのですが、やはりブログの「新年挨拶」が気になります。いただいたばかりの年賀状を読んでいたら、かつて高校教師をしていたときの友人から「ブログを読ませてもらっています」と書いてあったので、なおさらブログをこのまま放置できないという気分に追い込まれてきています。

数学の教師である彼でさえ読んでくれているのだから、やはり少し時間を取って書かなくてはと思いながら、愛犬ミック(他界したタックの兄弟です)を連れて日課の散歩をしていたら、突然ひとつのアイデアが浮かびました。「そうだ!年賀状で書いたことを、そのままコピーして,何か少し付け足すだけでもいいんだ!」と思ったのです。

そこでまず、既に友人その他に送った年賀状の文面をそのまま以下に紹介します。私の賀状を既に受け取っておられる方には新鮮みがないかも知れませんが、お許しください。

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謹 賀 新 年 2011

 2010年3月で定年退職を迎え、いよいよ待望の「晴耕雨読」の生活に入ることができると楽しみにしていたのですが、思いもかけず6月に心臓のバイパス手術を受け、いまだに病後の療養生活を送っているという状態です。
 しかし、2年前から頼まれていた下記の翻訳を一刻も早く完成しなければならず、最近は手術跡の痛む傷を「痛み止め」を飲みながら悪戦苦闘しています。ちなみに、ハワード・ジンはミリオンセラーの名著『民衆のアメリカ史』の著者であり、下記はその資料編にあたるものです。

Howard Zinn &Anthony Arnove,
Voices of a People's History of the United States

 もうひとつお知らせしておきたいのは、拙著『英語教育が亡びるとき』(明石書店、2009)が第3刷りになるという知らせを出版社からいただいたことです。
 本当はハワード・ジンの翻訳を先に頼まれていたので、そちらを優先しなればならなかったのですが、文科省が新しい学習指導要領を発表し、とんでもない教育方針を出したので、止むに止まれず、突貫工事で上記の書を執筆しました。
 心臓のバイパス手術を受けざるを得なくなったのは、この執筆のため無理を重ねたことが一因になっているかも知れないと思うのですが、現場で苦しんでいる先生方からは好感を持って受け止められているようなので、今は「無理をしても、書いて良かった」という思いのほうが強くなっています。

 ところでオバマ政権は、アフガン戦争をパキスタンにまで拡大し、無人機による無差別爆撃は、ブッシュ氏4年分の殺戮を1年で更新してしまいました。中南米においても、ブッシュ氏ですらおこなわなかったクーデタ―を矢継ぎ早におこない、更に 「アメリカ人であっても暗殺する」 と公言するまでになりました。
 ところが残念なことに、「憲法9条」 をもつ菅政権は、このようなオバマ政権に異議を申し立てるどころか、プードル犬のごとく付き従うのみです。そこで、ささやかな抵抗として、国際教育総合文化研究所を起ち上げ、ホームページ「寺島研究室」を再開すると同時に、ブログ「百々峰だより」を書き始めました。体が壊れない程度に 「細く長く」 頑張るつもりですので、従前にも増して御指導御鞭撻いただければ幸いです。

ホームページ「寺島研究室」
http://www42.tok2.com/home/ieas/

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毎年このように、葉書1枚に、私の1年の思いを書き込んで送っているのですが、限られた枠内に入りきれず、書きたいことで割愛せざるを得なかったことが多くあります。

しかし実は、「せっかくブログで年賀状を紹介するのであれば、紙幅の関係で泣く泣く削ってしまったものも、この機会に紹介しておくのも悪くないのではないか!」ということも、愛犬を連れて散歩していたときに思いついたのでした。

そんなわけで、最初の原稿段階では次のようなことも書いてあったのですが、最終的には削除しました。

<民主党の新政権ができて沖縄と日本に新しい希望が生まれたかと思っていたら、あっけなく鳩山政権が崩壊して菅政権に変わりました。しかし菅政権の政策を見る限り、自民党と何ら変わるところがなく、それどころか、最悪だった小泉・竹中コンビの時代に逆行しつつある感すらします。これでは貧富の格差は広がるばかりです。
 この状況は米国と酷似しています。オバマ政権で新しい希望が生まれたかと思いきや、アメリカ国内では、貧困者を放置したまま最富裕層への減税をするなど、ブッシュ時代と何も変わるところがないどころか、愛国者法案を延長して国民を監視し、(イスラム教徒はもちろんのこと)平和運動や環境運動の活動家すら逮捕・拘禁する事態に至っています。>

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上の文面では、オバマ氏が「中南米においても、ブッシュ氏ですらおこなわなかったクーデターを矢継ぎ早におこない、更に 『アメリカ人であっても暗殺する』 と公言するまでになりました」と書きましたが、葉書という小さな紙面では、その根拠を示すことができませんでした。興味がある方は下記を御覧ください。

クーデターから1年:依然として続くホンジュラスにおける弾圧
http://democracynow.jp/dailynews/10/06/28/4、dailynews date: 2010/6/28(月)
ホンジュラスの軍部クーデターを率いた将軍 米国の軍事学校で訓練
http://democracynow.jp/dailynews/09/07/01/3
ホンジュラス・クーデターの背後にあるもの セラヤの経歴をたどる
http://democracynow.jp/dailynews/09/07/01/4、dailynews date: 2009/7/1(水)
エクアドル大統領が語る、米国による9月のクーデター事件、ウィキリークスによって暴露された「米国による気候資金提供の拒否」、賛否両論の森林計画REDD
http://democracynow.jp/dailynews/10/12/09/1、dailynews date: 2010/12/9(木)

上記の最後に紹介したものは、最近のウィキリークスの暴露で明らかになった米国のエクアドルへの援助拒否の詳細、2010年9月におきた彼に対するクーデター未遂事件、そして市場主導の森林保護策として賛否両論のあるREDD(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減策)への支持について、エクアドルの大統領ラファエル・コレアにインタビューしたものです。

エクアドルは、米国主導のコペンハーゲン合意に署名しなかったことで援助を失った国の一つです。内部告発サイト=ウィキリークスによって最近公表された極秘の米外交公電は、米国が2009年のコペンハーゲンでの気候会議をいかに操作したか、「温暖化をくい止めるのに役立たない」としてコペンハーゲン決議に反対したボリビアやエクアドルに、米国が資金援助をしないことに決めたことなど、新事実を暴露しました。

また年賀状では、オバマ氏は「更に 『アメリカ人であっても暗殺する』 と公言するまでになりました」とも書きましたが、これについては下記を御覧ください。

CIA の米国民暗殺命令は合法か?
http://democracynow.jp/dailynews/10/04/08/3、dailynews date: 2010/4/8
CIA、秘密暗殺プログラムで民間軍事会社ブラックウォーター社を使用
http://democracynow.jp/dailynews/09/08/20/1、dailynews date: 2009/8/20(木)

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このように、年賀状に書いたことの根拠を示していくと、どんどん時間が取られていきます。このブログも、せめて正月3が日が過ぎた1月4日(火)にはインターネットにアップしたいと思っていたのですが、このままでは、これを掲載するのが1月5日になってしまいそうです。

そこで年賀状の追加部分「オバマ政権で新しい希望が生まれたかと思いきや、アメリカ国内では、貧困者を放置したまま最富裕層への減税をするなど、ブッシュ時代と何も変わるところがないどころか、愛国者法案を延長して国民を監視し、(イスラム教徒はもちろんのこと)平和運動や環境運動の活動家すら逮捕・拘禁する事態に至っています」の根拠については、なるべく簡単にしたいと思います。

オバマ・共和党合意の減税延長に対して「バナナ共和国(リパブリツク)だ」と、バーニー議員が議会で8.5時間の批判演説、
http://democracynow.jp/dailynews/10/12/13/1、dailynews date: 2010/12/13(月)

12月13日に、ブッシュ大統領時代から続いている富裕層国民への減税延長の法律に関する重要な投票が行われました。オバマ大統領が発表して論争の巻き起こっている法案には、今回の投票が発表された前週、大きな批判が起こりました。しかしそのなかで最も強く反対したのはバーニー・サンダース上院議員です。

米国上院では、フィリバスター〔filibuster〕といって「長時間の演説などの合法的な手段によって議事の進行を妨げること」が認められていますが、サンダースは10日午前10時24分、議会で演説を始め減税計画を批判しました。そして午後6時59分まで、8時間半以上のあいだ、白髪の議員は演台を離れることはありませんでした。

上記のニュースは、共和党にも民主党に属さない「バーモント州選出の独立派議員」バーニー氏がおこなった演説の一部を報道したものですが、非常に感動的なものでした。ぜひ視聴していただきたいと思います。英文スクリプトも付いていますので、文字で確認することもできます。

チョムスキーがいつも言っているように、「米国は2大政党制だと言っても、頭が二つで胴体が一つの、同じ穴のムジナに過ぎない」わけで、金持ち減税=貧乏人増税に正面切って反対したのは、結局「インデペンデント」のバーニー氏しかいなかったのです。その結果、この法案は上院で可決されてしまいました。

このような米国議会を見ていると、日本の自民党と民主党を見ているような気がします。日本はまだ完全な「2大政党制」ではありませんから、米国ほどひどくはなっていませんが、日本も米国と同じような「2大政党制」になったら、どんなに大きな不幸が待ち受けているか―この映像ニュースはそのことをはっきり示しているように思います。

これらのことを上記の映像ニュースから知ることができます。しかし、以上のことを理解するには、英語を読んだり聞いたりして分かる力が必要ですが、現在の文科省が進める「コミュニケーション」中心の英語教育では、「会話ごっこ」がどうしても時間的に大きな比重を占めますから、いつまでたっても本当の英語力は育ちません。これが拙著『英語教育が亡びるとき:「英語で授業」のイデオロギー』を書いた大きな動機の一つでした。

(また、「英語読みの米国知らず」「日本を第二の米国にしないために英語を学ぶ」というのも拙著のテーマの一つでしたが、このことの重要性も、上記で紹介した幾つかの事実から分かっていただけたのではないかと思います。)

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ここまで書いたら、既に1月5日(水)の午前零時36分になってしまいました。

そこで、年賀状の追加後半部分「オバマ政権は・・・どころか、愛国者法案を延長して国民を監視し(イスラム教徒はもちろんのこと)平和運動や環境運動の活動家すら、逮捕・拘禁する事態に至っています」の根拠については、次回のブログに回したいと思います。

本当はウィキリークスについて書きたいこともあったのですが、明日は(実は、もう「明日」になってしまているのですが)翻訳に復帰しなければなりませんので、泣く泣く、ここで打ち止めとさせていただきます。

ただ一つだけ紹介しておきたいのは、先のブログで紹介したウィキリークスの支援サイトは(ノーム・チョムスキーやダニエル・エルズバーグが呼びかけ人になっている)、現在の時点(2011年1月4日)で8500名の署名が集まっていることです。

We Support WikiLeaks
http://salsa.democracyinaction.org/o/592/p/dia/action/public/index.sjs?action_KEY=5343

またYouTubeでも次のような支援サイトができていて、たった1分半程度の呼びかけなのですが、文字と音楽の組合せが絶妙なので感心しました。日本の音楽家にも、このような骨のある人物が登場して欲しいものです。

IsupportWikiLeaks.org
http://www.youtube.com/watch?v=768xY_2PFcA&feature=related

さらに若者が次々と自分のメッセージを録画録音して載せていることを発見して驚きましたが、このサイトの力によるものではないでしょうか。若者がこのように大きく動き出していることに希望を感じました。

http://www.youtube.com/watch?v=Ygd44LTo1aM&NR=1


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