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世界はいま「大転換」のとき 2 ― 「神によって選ばれた国」「神によって選ばれた民」その2、

国際教育(2018/06/24) 金正恩(キム・ジョンウン)、文在寅(ムン・ジェイン)、習近平(シー・ジンピン)、文鮮明(ムン・ソンミョン)、富豪イゴール・コロモイスキー、国務次官補ビクトリア・ヌーランド女史、高高度防衛ミサイル(THAAD)、地上配備型弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」、統一教会、国際勝共連合、EEF(東方経済フォーラム)、一帯一路(海のシルクロードと陸のシルクロード)、イラン「アメリカ大使館」人質事件、朝鮮←イスラエル→アメリカ


北朝鮮「外国特派員を招待して核実験場の爆破を公開」
北朝鮮「核実験場の爆破」
Punggye-ri Nuclear Test Site being blown up during the dismantlement process on May 24, 2018 / Reuters
https://www.rt.com/news/429565-trump-nuclear-north-korea/

 前回のブログを書いてから、次の出版物『魔法の英会話――不思議なくらいに英語が話せる練習帖』『寺島メソッド「日本語教室」――英語教師のための作文技術』の編集に追われているうちに、あっという間に1か月が経ってしまいました。
 このブログは、1か月の空白をおくと宣伝のページが入り込んできて、不愉快で、かつ非常に読みにくい画面になってしまいます。そこで恥ずかしながら、慌ててこのブログを書いる始末です。読者の皆さんには本当に申し訳なく思っています。

 それはともかく前回のブログでは、連載「世界はいま『大転換』のとき②」として、「世界で孤立する『神によって選ばれた国』『神によって選ばれた民』」という題名で、イスラエルとアメリカを取りあげました。そしてブログの最後を次のように結びました。

 トランプ氏は大統領選挙戦で、「国内の立て直しに専念する。そのため海外に手を出すことはやめ、ロシアと協力しながらイスラム原理主義勢力を一掃し、海外の米軍を撤退させ、軍事費を国家再建にまわす」ことを公約したのですが、今はオバマ前大統領も顔負けするほどの軍拡に走り出してしまいました。
 その後の言動は先述のとおり、アメリカの威信を回復させるどころかますます世界から孤立させるものでした。
 しかし考えようによっては、トランプ氏はいまアメリカ大統領として世界に巨大な貢献をなしつつあるとも言えます。
 というのは、アメリカが振りかざしている「アメリカ例外主義」「神から与えられた明白な使命(マニフェスト・デスティニー)」が、このようにはっきりと目に見えるかたちで世界に提示されたことは、かつてなかったからです。
 これはトランプ氏の登場なしにはあり得なかったでしょう。オバマ氏の偽善的な姿勢が、アメリカの真の姿を覆い隠してきたからです。
 まだまだ核戦争の危機が完全に消えたとはとは言えませんが、絶対的帝国として世界に君臨していたアメリカが、これを機会に、その流れを多極主義へと転換することになるとすれば、世界の平和にとってこんなよいことはありません。
 トランプ大統領が登場して、「マニフェスト・デスティニー」を露骨なかたちで世界に顕示し、自らを孤立化に追い込んだこと――これを第2の「大転換」として私があげるゆえんです。


 私がこのように、世界における「神にのよって選ばれた国」アメリカの孤立化を紹介して間もなく、さらに「神によって選ばれた民」「神によって選ばれた国」の孤立化を歴然と示す二つの出来事がありました。
 ひとつは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とトランプ大統領との直接対話が、2018年6月12日に、シンガポールで実現したことであり、もうひとつは、国連人権理事会からの脱退を、6月19日に、アメリカが表明したことです。
 キム委員長とトランプ大統領の直接対話が実現したことは世界の平和にとって非常に好ましいことでした。これは、核戦争を回避しようと努力してきたひとたちに大きな希望を与えるものでした。しかし、同時にこれは軍事帝国アメリカの一層の衰退と孤立化を象徴するできごとでした。
 というのは、これまでトランプ氏は、個人的にはキム氏との直接対話を望むと言いながらも、他方では、DeepStateの意向に沿って「朝鮮が完全な非核化を約束し実行しないかぎりキム委員長とは会わないし韓国との共同軍事演習もやめない」と言明し続けていたからです。
 にもかかわらずトランプ氏が一転して前言を翻し、直接対話に乗りだしたのは、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が先導して北朝鮮との直接対話の気運を作りだし、北朝鮮も、それに応えて、2018年5月25日に、米英韓中露5カ国の外国記者団まで招いて、核実験場の爆破を公開したからです。
 このような北朝鮮による核廃絶の意思表明は、韓国はもちろんのこと平和を望む多くの人々の支持を得ましたから、この高まる大きな世論を無視して、経済制裁や武力による恫喝のみを繰りかえしていては、ますますアメリカの傍若無人さが際立って、孤立が進行してしまいます。
 というよりも、世界中の世論によるアメリカの孤立化が、シンガポールでの直接対話となって実現したと言うべきでしょう。
 ではキム委員長に核実験場の廃棄・爆破を決断させた要因は何だったのでしょうか。これについて櫻井ジャーナル(2016/06/17)は次のような興味ある説明をしています。

 (ソ連崩壊後)ミハイル・ゴルバチョフに見捨てられてから生き残りに必死だったであろう朝鮮は、統一教会やイスラエルと手を組み、東アジアの軍事的な緊張を高めたいアメリカにとって好都合なこと、例えば核兵器の開発やミサイルの発射事件を行ってきた。
 こうしたことは中国やロシアから止めるよう説得されていたが、無視してきた。
 ロシアの前身であるソ連に裏切られたという思い、アメリカ軍の強さに対する恐れが朝鮮を動かしてきたのだろうが、昨年4月の攻撃でロシアや中国への信頼が戻った可能性がある。(下線は寺島)
 しかも、韓国がロシアや中国と連携している。ロシアの防空システムがあれば、アメリカ軍をそれまでのように恐れる必要はないと考えても不思議ではない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201806160001/

 
 北朝鮮がミサイル実験をするたびに、それを口実に韓国や日本に巨額の武器を買わせ、THAAD(高高度防衛ミサイル)や地上配備型弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」を韓国や日本に配備して中国包囲網を強化してきました。
 と同時に、モリカケ問題などで安倍政権が国会で追い詰められているときに、具合のよいことに、いつも北朝鮮がミサイル騒ぎを起こしてくれて、NHKを初めとする大手メディアは、世論の批判が安倍政権に向かわず北朝鮮非難へと集中する役割を果たしてきました。
 私はいつもこのことを不思議に思ってきました。そもそも貧困に喘いでいるはずの北朝鮮が、核実験やミサイル開発に向ける技術やお金はどこから手に入れたのだろうか。中国とロシアの関係は悪化していたのだから、どこが裏で支援していたのだろうか。これが私にとって最大の謎でした。
 この疑問を解いてくれたように思われたのが、上記の櫻井ジャーナルで指摘されている二つの事実、すなわち「生き残りに必死だったであろう朝鮮は、統一教会やイスラエルと手を組み・・・」、および「昨年4月の攻撃でロシアや中国への信頼が戻った可能性がある」という説明でした。
 まず後者の「昨年4月の攻撃」ですが、これについて櫻井ジャーナルは、「昨年4月の攻撃が中国や朝鮮の考え方に変化を与えた可能性はあるが、それはトランプ大統領の主張とは逆だろう」として、次のように説明しています。

 ドナルド・トランプ米大統領は、シンガポールで朝鮮の金正恩労働党委員長との会談を行った6月12日、​FOXニュースのシーン・ハニティのインタビューを受けたが、その最後の部分で、昨年(2017年)4月6日にシリアで実行した攻撃について語っている。
 その攻撃とは、地中海にいたアメリカ海軍の2駆逐艦(ポーターとロス)が巡航ミサイル(トマホーク)59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射したもの。
 シリア政府軍が自国民に対して化学兵器を使ったという口実だったが、証拠はなく、それが事実でなかった可能性は極めて高い。
(中略)
 トランプ大統領は昨年4月6日のシリア攻撃で発射されたミサイル全てが目標にヒットしたと主張しているのだが、被害が事実上、なかったことが判明している。
 しかも、ロシア国防省によると、目標に到達したのは23機だけ。いくつかは地上に落下しているが、残りは不明。海中に落下した可能性が高い。
 トランプ大統領の主張とは違い、アメリカのミサイルはロシアの防空システムを突破できていないと言える。


 つまり、アメリカは59機ものミサイルを発射したのですが、目標に到達したのは23機だけで、その6割は打ち落とされているのです。しかも目標に到達した23機も、事実上は何も被害を与えていないのです。
 もうひとつ北朝鮮の姿勢を変えさせる事件がありました。それを櫻井ジャーナルは先の解説(2018.06.17)に続けて、次のように伝えています。

 そして今年(2018)4月、アメリカ軍は再び偽情報を宣伝しながらシリアをミサイル攻撃した。アメリカ国防総省の発表によると、攻撃のターゲットはバルザー化学兵器研究開発センター(76機)、ヒム・シンシャー化学兵器貯蔵施設(22機)、ヒム・シンシャー化学兵器(7機)で、全て命中したとしている。
 が、「攻撃目標」と「使用されたミサイルの数」が不自然で、現地の様子とも符合しない。
 それに対し、ロシア国防省の説明によると、この攻撃で米英仏の3カ国は103機の巡航ミサイルを発射、そのうち71機をシリア軍が撃墜したという。
 今年は短距離用の防空システム、パーンツィリ-S1が配備されていたが、これが効果的だったようだ。アメリカはリベンジを狙って返り討ちに遭った。
 ロシア国防省は攻撃された場所として、ダマスカス国際空港(4機。全て撃墜)、アル・ドゥマイル軍用空港(12機。全て撃墜)、バリー軍用空港(18機。全て撃墜)、サヤラト軍用空港(12機。全て撃墜)、メゼー軍用空港(9機。うち5機を撃墜)、ホムス軍用空港(16機。うち13機を撃墜)、バザーやジャラマニの地域(30機。うち7機を撃墜)を挙げている。


 つまり、発射されたミサイルのうち7割は撃墜されているのです。前回の撃墜率は6割でしたから、大きな前進と言うべきでしょう。しかも狙ったのは化学兵器施設だったとするアメリカの出張が全く嘘だったということも暴露されてしまいました。
 そもそもシリアの化学兵器は国際団体監視の下で全て廃棄されているのですから、このような嘘は初めから意味のないことでした。
 だとすれば、北朝鮮が「ロシアの防空システムがあれば、アメリカ軍をそれまでのように恐れる必要はない」と考えて自分もロシアや中国に接近したいと思ったとしても不思議ではないわけです。まして韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領がロシアや中国に接近し両国と連携し始めているのですから、なおさらのことです。
 こうしてキム委員長は急速に中国に接近し、習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談に至ったのでした。

別れを惜しむ、ムン・ジェイン(文在寅)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長
Moon Kim
South Korean President Moon Jae-in bids farewell to North Korean leader Kim Jong Un. / Reuters
https://www.rt.com/news/427852-north-korea-moon-jae/

 では第2の事実「生き残りに必死だったであろう朝鮮は、統一教会やイスラエルと手を組み・・・」については、どうでしょうか。
 反共団体として名高い「統一教会」が、共産主義国家として悪罵を受けている北朝鮮と手を組んでいるという事実を、私は、初めは信じられなかったのですが、Yahoo!ニュースが次のような事実を報道している(2015/8/30)ことを知り、やっと納得することが出来ました。

北朝鮮の国営メディアである朝鮮中央通信は8月30日、金正恩第一書記が、韓国発祥の宗教団体・世界基督教(きりすときょう)統一心霊協会(統一教会)の教祖である文鮮明(ムン・ソンミョン)氏の3周忌に際し、遺族らに弔電を送ったことを伝えた。
 日本では霊感商法や有名芸能人の「合同結婚式」などで社会問題化した統一教会だが、教祖の文氏は、もともと北朝鮮・平安北道(ピョンアンブクト)出身だ。
 社会主義体制の北朝鮮とは、反共団体である国際勝共連合の活動などを通じて長年対立していたが、1991年に電撃的に訪朝。当時の金日成主席と和解して以降、密接な関係を築いてきた。
 金正恩氏は文鮮明氏の死亡時と1周忌に際しても弔電を送っている。


 この記事は、もうひとつ衝撃的事実を報じていました。何と安倍晋三氏や自民党タカ派勢力は、これまで統一教会(および北朝鮮?)と親密な関係を築いてきていたのです。Yahoo!ニュースは上記の報道に続けて、次のような解説を載せていました。

それだけではない、文氏は安倍晋三ファミリーとも親密な関係を築いていた。
 統一教会は観光や自動車生産で北朝鮮を支援してきたほか、北朝鮮が旧ソ連製の弾道ミサイル潜水艦を「スクラップ」として輸入する際にも、同教団系の企業が関与していた。
 また、統一教会は、日本の弁護士グループから「信者らが違法な物品販売等で再三刑事摘発されている反社会的団体」と指弾されている一方、自民党政治家と親密な関係を築いてきたことで知られる。
 中でも、安倍晋三首相の祖父である岸信介元首相は文氏ととくに親密で、最近では、山谷えり子国家公安委員長と国際勝共連合の関係がメディアで取り沙汰された。
 石原慎太郎元都知事も同組織から選挙支援を受け、熱烈な感謝のメッセージを送っている。


 要するに、表では「力で屈服させろ」と北朝鮮を声高に非難しつつ、裏では統一教会を通じて北朝鮮を支援し、アジアの緊張関係を高め、それを口実に日本の軍拡と改憲(=壊憲)を一気に進めるという、高度な戦術を安倍政権は取ってきたわけです。
 (ちなみに、山谷えり子国家公安委員長が関係していたとされる「国際勝共連合」は、統一教会の外郭団体です。)
 これはアメリカも全く同じで、「冷酷な独裁政権」と北朝鮮を声高に非難しつつ、「金正恩の斬首作戦」などの軍事演習を繰りかえしてアジアの緊張関係を高め、それを口実に韓国や日本に巨額の兵器を買わせてきました。
 と同時にアメリカは、北朝鮮との緊張関係を口実に、THAADやイージスアショアなどの超巨額かつ超攻撃的な武器を韓国や日本に配備して中国包囲網を強化する、という高等戦術を駆使してきたのです。そして安倍政権は「東のプードル犬」として、このようなアメリカの戦略に積極的に協力してきました。
 ですから、このような高等戦術のなかで、北朝鮮は踊らせられてきたとも言えるわけです。もっとうがった見方をすれば、キム委員長とトランプ大統領は、「お互いに悪罵を投げつけ合いながら中国包囲網を強化するという猿芝居を演じてきたのではないか」という疑いすら浮かんで来ます。
 北朝鮮にしてみれば、このようなかたちで敵対しつつあった中国に恨みを晴らすつもりだったのかも知れませんが、シリアにおけるロシア軍とロシア兵器の目を見張るような働きが、キム委員長の姿勢を大逆転させたのではないか――これが櫻井ジャーナルの意見であるように私は思われました。
 こうしてアメリカの孤立(そして安倍政権の孤立)は、世界が注視する中でいっそう歴然としてきたのでした。

 では櫻井ジャーナルが「生き残りに必死だったであろう朝鮮は、統一教会やイスラエルと手を組み・・・」と指摘している「イスラエルとの関係」については、どうでしょうか。これについても櫻井ジャーナル(2017/11/15)は次のように述べています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/20171115/

 中国には一帯一路(海のシルクロードと陸のシルクロード)というプロジェクトがある。かつて、輸送は海路の方が早く、運搬能力も高かったのだが、技術の進歩によって高速鉄道が発達、パイプラインによるエネルギー源の輸送も可能になった。海の優位さが失われている。
 しかも中国は南シナ海からインド洋、ケニアのナイロビを経由して紅海に入り、そこからヨーロッパへ向かう海路も計画している。この海路を潰すため、東の出発点である南シナ海をアメリカは支配しようと考え、日本はアメリカに従ったということだ。
 ところが、2016年6月に大統領となったロドリゴ・ドゥテルテはアメリカに従属する道を選ばない。ベトナムなどもアメリカの好戦的なプランから離れていく。ロシアと中国は東アジアでの経済的な交流を活発化させて軍事的な緊張を緩和しようとする。
 例えば、今年(2017年)9月4日から5日に中国の厦門でBRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の会議が開催され、9月6日から7日にかけてロシアのウラジオストックで同国主催のEEF(東方経済フォーラム)が開かれた。
 このイベントに朝鮮も韓国や日本と同様、代表団を送り込んでいる。韓国がロシアや中国との関係を強化しようとしていることは明白だ。
 こうした中、核兵器の爆発実験や弾道ミサイル(ロケット)の発射実験を繰り返し、アメリカの軍事的な緊張を高める口実を提供してきたのが朝鮮にほかならない。BRICSの会議やEEF(東方経済フォーラム)が開かれた直後、9月15日にもIRBM(中距離弾道ミサイル)を発射している。


 上記の説明にあるように、今までアメリカによる中国包囲網に加わっていたベトナムやフィリピンも、アメリカ離れを始めているのです。ここでもアメリカの孤立化が進行していることは明らかです。これに唯ひとり従っているのが日本政府・安倍政権です。
 北朝鮮も、この路線を裏から支えてきたことは上記の説明でも明らかでしょう。それが中国の北朝鮮にたいする姿勢を一層硬化させてきたことも疑いのないところですが、これについて櫻井ジャーナルは、さらに詳しく、次のように重要な事実を暴露しています。

このところ朝鮮の爆発実験やミサイルの発射は成功しているようだが、少し前までは四苦八苦していた。
 ところが、短期間の間にICBMを開発し、水爆の爆破実験を成功させた可能性があるという。そこで、外国から技術、あるいは部品が持ち込まれたと推測する人もいる。
 ミサイルのエンジンについて、イギリスを拠点にするシンクタンク、IISS(国際戦略研究所)のマイケル・エルマンは、朝鮮がICBMに使ったエンジンはソ連で開発されたRD-250がベースになっていると分析、朝鮮が使用したものと同じバージョンのエンジンを西側の専門家がウクライナの工場で見たとする目撃談を紹介している。
 また、ジャーナリストのロバート・パリーによると、​エンジンの出所だと疑われている工場の所在地は、イゴール・コロモイスキーという富豪(オリガルヒ)が知事をしていたドニプロペトロウシク市(ウクライナのドニプロペトロウシク州、現在はドニプロ市と呼ばれている)にある。


 北朝鮮が核実験やミサイル発射をするたびに、私は、「そのような技術やお金はどこから出ているのだろうか」という疑問をもち続けてきたことは最初に述べたとおりですが、この叙述で、私の疑問はかなり解消された気がしました。
 しかし、ウクライナとイスラエルの関係はどうなっているのでしょうか。北朝鮮とイスラエルは、どのような関わりでつながっているのでしょうか。この疑問について櫻井ジャーナルは、さらに次のような説明を加えています。

 富豪コロモイスキーは、ウクライナ、キプロス、イスラエルの国籍を持つ人物で、2014年2月のクーデターを成功させたネオ・ナチのスポンサーとしても知られている。2014年7月17日にマレーシア航空17便を撃墜した黒幕だとも噂されている人物だ。
 国籍を見てもわかるようにコロモイスキーはイスラエルに近い人物だが、朝鮮はイスラエルと武器の取り引きをした過去がある。
 1980年のアメリカ大統領選挙で共和党はイランの革命政権に人質解放を遅らせるように要求、その代償としてロナルド・レーガン政権はイランへ武器を密輸したのだが、その際、イランは大量のカチューシャロケット弾をアメリカ側へ発注。
 アメリカはイスラエルに調達を依頼し、イスラエルは朝鮮から購入してイランへ売っているのだ。この関係は切れていないと考えるのが自然だろう。
 その後も朝鮮とイスラエルとの関係は続き、イスラエルには朝鮮のエージェントがいるようだ。そのエージェントがエンジンの件でも重要な役割を果たしたという情報も流れている。


 アメリカもEU諸国も、ウクライナの政変をアメリカが裏で支援したネオナチによるクーデターだったということを、いまだに認めていません。
 しかし、これが長年にわたって大金を注ぎ込んでアメリカの仕組んだクーデターだったことは、オバマ政権時の国務次官補ビクトリア・ヌーランド女史が公開の場で堂々と述べたとおりです。
 ウィキペディアによれば、彼女は、2013年12月13日にワシントンで開かれた「ウクライナを巡る会議」において、「米国は、ソ連崩壊時からウクライナの民主主義支援のため50億ドルを投資した」と語っています。
 またヌーランド女史は、2014年4月、テレビ局CNNのインタビューでも、米国は「より強い民主主義的な政府を目指すウクライナ国民の欲求をサポートするために」50億ドルを拠出した、と述べているのです。
https://jp.sputniknews.com/us/201701263276021/
 (ただし、ヌーランド女史は、「ウクライナの政変は民衆革命だ」と主張しネオナチの暗躍についても認めていませんが、ネオナチの存在は今では公然化しています。いまだに日本の大手メディアは、このことを報じていません。)
 しかし、いずれにしても、北朝鮮がウクライナを経由してイスラエルとつながってきたことだけは確かなようです。
 もし、これが事実だとすれば、アメリカが統一教会やイスラエルと協力しつつ裏で仕組んだ猿芝居に、金正恩委員長はまんまとのせられ、中国封じ込め政策に利用されてきたのではないか、という疑いすら出てきます。そして私たち日本人も、この猿芝居に騙され、日本中に鳴り響いた「Jアラート」に翻弄されたことになります。
 とはいえ、いま北朝鮮はアメリカと正面から対峙し、中国やロシアとの関係改善へと、新しい方向に歩み出そうとしていることだけは確かなようですから、その意味でも、アジアにおけるアメリカの孤立化は、ますます鮮明になってきたように見えます。そこで慌てふためいているのが安倍政権です。

 以上で、私が今回のブログで論じようとしてきた、「アメリカとイスラエルの孤立化を示す、さらなる二つの出来事」のうちの前者についての説明を終えたいと思います。まだ論じ残したもうひとつの出来事、すなわち「国連人権理事会からの脱退」が残されているのですが、もう長くなりすぎていますので、今回はこれで打ち止めにして、次回に譲りたいと思います。


<註1> このブログを書くに当たって、いろいろ調べているうちに、次のような衝撃的記述を見つけたので、ここに紹介させていただきます。

イラク戦争に失敗してネオコンは退潮した。それでもネオコンは生きていてオバマ政権にも入り込んだ。ネオコンとして今も生き残っているのがビクトリア・ヌーランド国務省国務次官補(ヨーロッパ・ユーラシア担当)である。彼女の夫のロバート・ケーガンがネオコン第 3世代の代表だ。・・・ビクトリア・ヌーランド女史は、明らかにムーニー(統一教会員)である。そしてヒラリー派だ。(『トランプ大統領とアメリカの真実 』178頁)


 統一教会の旧名称は「世界基督教統一神霊協会」(今は「世界平和統一家庭連合」と名乗を変更)で、アメリカにも支部があることは知っていたのですが、まさかヌーランド女史までが統一教会の一員であったことに驚愕させられました。
 これが事実だとすれば、統一教会とイスラエルは、北朝鮮だけでなくウクライナでも暗躍してきたことになります。
 ちなみに、ウィキペディアによれば、統一教会は「開祖・文鮮明の姓ムンから、俗にMoonies(ムーニーズ)の名で知られていて」、アメリカでの活動は次のように説明されています。

1954年5月に韓国ソウルで世界基督教統一神霊協会が創設され、1965年に文鮮明一家と幹部たちは宗教・政治的情宣活動の拠点をアメリカに移し、世界宣教・経済活動を拡大し、巨大な統一運動傘下組織を作った。韓国の多くの少数派宗教団体と異なり、朝鮮半島を超えて世界中に普及したという特異性を持つ。世界193か国に支部がある。・・・文鮮明は戦闘的な反共産主義者であり、共産主義は神の摂理に基づく民主主義に対抗する悪魔によるものとされた。


<註2> 私は、櫻井ジャーナル(2017/11/15)から下記のような引用をしつつ、北朝鮮がイスラエルから援助を受けながら核実験やミサイル開発をしてきたのではないかと、述べました。
 「1980年のアメリカ大統領選挙で共和党はイランの革命政権に人質解放を遅らせるように要求、その代償としてロナルド・レーガン政権はイランへ武器を密輸したのだが、その際、イランは大量のカチューシャロケット弾をアメリカ側へ発注。アメリカはイスラエルに調達を依頼し、イスラエルは朝鮮から購入してイランへ売っているのだ。この関係は切れていないと考えるのが自然だろう。」
 しかし、上記の引用で「1980年のアメリカ大統領選挙で共和党はイランの革命政権に人質解放を遅らせるように要求、その代償としてロナルド・レーガン政権はイランへ武器を密輸した」という件(くだり)については、もう少し説明を付け加えないと理解しにくいのではないかと思うようになり、慌ててこの註を書き始めています。
 この「共和党とイラン革命政権との裏取引」について時系列に沿って略述すると次のようになります。

 1980年の大統領選挙では、現職ジミー・カーター大統領(民主党)とロナルド・レーガン候補(共和党)の間で接戦が繰り広げられていた。
 その当時、カーター政権は、イラン革命(1979)でテヘランのアメリカ大使館が占拠され、大使館員52人が人質にとられるという試練を抱えていた。
 1980年4月、特殊部隊デルタ・フォースによる人質救出作戦に失敗し、2期続投を目指すカーター政権への大きな打撃となった。
 このため、カーター政権の外交姿勢を「弱腰」と批判する共和党を勢いづかせる結果となった。
 1980年10月18、19日、共和党の大統領指名を争う予備選に出馬し、レーガン政権の副大統領へ転身を企むジョージ・H・W・ブッシュ(元CIA長官)とレーガンの選挙チーム責任者ウイリアム・ケイシー(後のCIA長官)は、パリで密かにイラン政府関係者と会談した。
 共和党は、イランの最高責任者ホメイニ師ほかイラン政府関係者に賄賂と武器供給を約束し、人質解放時期をレーガン大統領就任時まで延長するように交渉した。
 これは、「レーガンが大統領に当選した暁にはお望みの武器を供給するから、それまでは人質解放をしてくれるな」という交渉だった。
 カーターの在任中に人質事件を解決させないことで彼の人気を落とし、接戦を繰り広げていた大統領選挙で、レーガンを当選させるという隠密作戦だった。
 その結果、この選挙でカーターは敗北し、1981年1月20日、レーガンが第40代大統領に就任した。
 同日、人質となっていたテヘランのアメリカ大使館員らも無事解放され、生還した。人質解放がレーガン大統領の誕生で実現し、共和党は「強いレーガン大統領」を演出することに成功した。


 まさに「事実は小説よりも奇なり」です。イラン革命は「アメリカを後ろ盾とする王制独裁国家に対する革命」でしたから、本来ならイラン政府とは敵対関係のはずです。
 にもかかわらず共和党は、自分たちの利益を最優先にして、イランと取引したのです。しかも何と!敵に武器(大量のカチューシャロケット弾)を売るというのですから、信じがたい光景です。
 そしてレーガン政権は「イスラエルに調達を依頼し、イスラエルは朝鮮から購入してイランへ売っている」のですから、何度も言いますが、まさに「事実は小説よりも奇なり」です。
 ですから、今度の核実験やミサイル開発でも、北朝鮮とアメリカとの間でどのような裏取引があったか、凡人にはとても推し量ることは出来ません。レーガン大統領は、この後も有名な「イラン・コントラ事件」で全く同じ手口を使っています。ここでも仲介役としてイスラエルが暗躍していました。
 だとすれば、私には櫻井ジャーナルの説明は信じるに値する分析ではないかと考えています。それにしても私たちは何と恐ろしい世界に生きているのでしょう。よほど腹を据えてかからなければ、まんまと権力者がばらまく嘘に騙されてしまいます。
 北朝鮮もトランプ大統領を無邪気に信じて行動すれば、まさにリビアの二の舞になるでしょう。これまでの言動を見れば分かるように、アメリカ政府の政策は猫の目のように変わるのですから、いつ前言を翻して攻撃に移るか予想だにできません。
 ましてトランプ大統領は今や DeepState の傀儡と化しているのですから尚更のことです。しばしば「今日の約束」は「明日の反故」となるのです。



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狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

Author:狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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