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アメリカ製F35「欠陥戦闘機」147機、6兆2000億円を爆買いの愚

総合文化(2019/05/07) F35=1機116億円、アメリカ政府監査院(GAO)、未解決の欠陥が966件、給付型奨学金の予算は105億円、自主避難者への住居支援が約80億円、1機分で認可型保育所90戸

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2018年12月24日、三沢基地で行われたF-35A配備記念式典
U.S. Air Force/Tech. Sgt. Benjamin W. Stratton/Handout via REUTERS 

前回のブログでは、私も会員になっている「NAJAT:武器取引反対ネットワーク」の杉原浩司代表から、[転送・転載歓迎」として、「大軍拡をやめさせ、憲法の理念を活かす政治を―2019年憲法記念日にあたって」と題する声明が届いたことを紹介しました。
 その声明では、安倍政権のすすめる「大軍拡」についても簡単にふれられていたのですが、その「大軍拡」についてさらに詳しく説明したものが筆ではないかと思われました。しかし幸いなことに、それに関するメールが杉原さんから届いています。
 そのメールで杉原さんは冒頭で次のように書いていました。
 「政府の給付型奨学金の予算は、2018年度で105億円とF35Aの1機分より少ない。今年3月に打ち切られた、原発事故での自主避難者への福島県からの住居支援の額が約80億円です。F35A1機分のお金があれば、90の認可型保育所を新設できます。
 「しかし、安倍政権はあくまでF35A・B戦闘機計147機の爆買いを強行する構えです。」
 「私のコメントも紹介された、志葉玲さんによるYAHOO!ニュースの記事が"爆読み"されています。大きな反響を呼んだ結果、Newsweek日本版にも転載されました。ぜひご一読ください。」
 そこで以下では、Newsweek日本版にも転載された志葉玲さんの記事を転載させていただくことにしました。
 福島原発事故で被災したひとたちにたいする支援が打ち切られ、阿蘇山の噴火で仮設住宅の生活を強いられている人たちも放置されたままです。安倍政権の眼はアメリカ政府にのみ向けられ、国民には消費税増税だけが押しつけられようとしています。
 このような政府にたいする怒りを行動に移すエネルギーは、高価な欠陥商品=F35A・B戦闘機の具体的事実を知ることによってしか生まれてこないように思います。私が志葉玲さんの記事を転載したいと思った所以です。
 この記事には衆院予算委員会(2019.2.15)における宮本徹議員の質問も動画で視聴できるようになっていました。25分程度のものですから、何か仕事をしながら耳で聞くだけでもよいので、ぜひ聞いていただきたいと思いました。
 これをお聞きいただければ、F35A・B戦闘機がいかに深刻な欠陥をもった戦闘機であるかを、生々しい事実で知ることができます。F35を操縦していた自衛官がいままだ行方不明のままという事故も、起こるべくして起きた事故だということが分かりました。


墜落したF35、1機分のお金で何ができたか
―「欠陥商品」147機6兆2000億円を爆買いの愚

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/f35114762000.php
志葉玲(フリージャーナリスト)Newsweek 2019年4月16日(火)

<度重なる事故で性能が疑問視されているF35の爆買いをアメリカに約束した日本。その代償は高くつく>

 航空自衛隊三沢基地(青森県)所属の最新鋭戦闘機F35Aが太平洋上で墜落したと、10日、岩屋毅・防衛大臣が記者団に語った。
 同戦闘機の尾翼の一部が発見されたものの、操縦していた自衛官は、まだ行方不明のまま。大変痛ましいことであり、筆者としても、その生存を祈りたい。
 他方、F35シリーズは、以前からその安全性が疑問視されてきた上、1機116億円もする「米軍史上、最も高価な戦闘機」であることから、同シリーズを147機も爆買いしようとする安倍政権の計画にも批判の声が上がっている。

<懸念されていた966件の欠陥>

 安倍政権の兵器爆買いの問題を指摘してきた市民団体「NAJAT(武器取引反対ネットワーク)」代表の杉原浩司さんは「F35のトラブルは以前から懸念されていた」と語る。
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(F35A戦闘機 米国防総省のサイトより)

 「今年2月に国会で宮本徹・衆院議員が追及したように、F35シリーズは昨年1月の時点で未解決の欠陥が966件もあることが、米政府監査院(GAO)に指摘されていました。 実際、2017年にパイロットの酸素欠乏が6回も起きるなど、F35シリーズは重大トラブルを起こしていますし、未だそれらの欠陥を改善しきれていません。
 F35シリーズの海兵隊仕様であるF35Bは、昨年9月に墜落事故を起こし、米国防総省は国内外の全てのF35シリーズの飛行を一時停止していました。
 それにもかかわらず、2012年に決めていたF35Aを42機購入に加え、安倍政権は昨年末に閣議決定した『中期防衛力整備計画』で、105機(うち42機はF35B)も追加購入するとしているのです」(杉原さん)。


【動画】F35 欠陥把握せずに爆買い(2019.2.15 衆院予算委員会 宮本徹議員の質問)

<1機116億円のF35のかわりにできたこと>

 安全性に疑問が持たれる上、1機116億円という高価さからも、杉原さんは安倍政権のF35シリーズ爆買いを批判する。
 「政府の給付型奨学金の予算は、2018年度で105億円とF35A 1機分より少ない。今年3月に打ち切られた、原発事故での自主避難者への福島県からの住居支援の額が約80億円です。F35A1機分のお金があれば、90の認可型保育所を新設できます。
 F35シリーズは維持管理費も高く、運用30年で1機あたり307億円もかかります。安倍政権が計画している147機の購入費・維持管理費をあわせると、総額で6兆2000億円という莫大な金額となります。
 人々の暮らしや教育への支援をないがしろにしながら、トランプ政権に媚を売るために、欠陥戦闘機を爆買いすることは許されません」(同)。

 野心的な軍拡を進める中国やロシアに対抗するためには、防衛費増はやむ無しという主張もあるが、杉原さんは「むしろ、逆効果」と反論する。
 「レーダーに映らず、強力な爆弾を搭載できるF35シリーズは極めて攻撃性の高い戦闘機で、日本の防衛戦略の基本方針である『専守防衛』の域を超えています。
 F35シリーズを自衛隊が大量配備することは、中国やロシアにさらなる軍拡の口実を与え、際限のない軍拡競争で日本の財政をさらに圧迫するという事態を招きかねないのです」(杉原さん)。

<兵器爆買い、トランプのさらなる要求を招く>

 安倍政権のF35シリーズ爆買いの背景には、安全保障とは別の動機もあるようだ。
 防衛省や自衛隊の動向に詳しい半田滋・東京新聞論説兼編集委員に筆者が聞いたところ 「米国のトランプ大統領は日本の自動車に関税をかけようとしています。それを防ぐため、F35シリーズやイージス・アショアなど米国の兵器を爆買いしているのです」という。
 「これに味をしめたトランプ大統領が来年秋の大統領選での再選に向けて、日本へさらに法外な要求をしてくるかもしれません」(同)。

<カナダはF35購入を白紙に>

 トランプ大統領のご機嫌をうかがうために、あまりに高価かつ安全性にも疑問が生じているF35シリーズを爆買いするべきなのか。
 カナダも、トランプ政権から貿易摩擦にからみ圧力を受けているが、F35シリーズについては、65機を購入する計画を白紙にし、今年5月に改めて次期戦闘機の入札を行うとしている。
 その入札は、必ずしもF35にこだわらず、ユーロファイタータイフーン(英独伊等の共同開発)や、ラファール(フランス製)、グリペン(スウェーデン)も含めて行うのだという。
 日本としても、今回の事故の原因を徹底的に検証するとともに、人々の生活や教育への支援をないがしろにしている中での兵器爆買い自体を見直すことが必要なのではないだろうか。(了)

[執筆者] 志葉玲
 パレスチナやイラクなどの紛争地での現地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、米軍基地問題や貧困・格差etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに寄稿、テレビ局に映像を提供。著書に『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『原発依存国家』(扶桑社新書)、『イラク戦争を検証するための20の論点』(合同ブックレット)など。イラク戦争の検証を求めるネットワークの事務局長。オフィシャルウェブサイトはこちら。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。


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