放射能汚染地図(5) ―福島からの便り 「フクシマ県民かく被曝せり、国には後世、県民200万の健康管理に御尽力をたまわらんことを・・・」

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動画=写真集 「チェルノブイリの子どもたち」
http://www.youtube.com/watch?v=_LA_PnAQONo&NR=1&feature=fvwp

[原発が何をもたらすか。この映像と音楽に大きく胸を揺さぶられます。前半の3分だけで結構です。ぜひ視聴ください。
そして「フクシマの子どもたち」という写真集が出ないように、全力で「集団疎開」を(せめて「学童疎開」だけでも)実現させなくては・・・]
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"World Shocking !Japanese Standard level – 2000 becquere !!"
http://savechild.net/archives/4047.html

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私の主催する英語教育研究会は、私が高校から大学へ異動した1986年に起ち上げたものでしたが、その頃に会員だった教師のことが、東日本大震災以来ずっと心に引っかかっていました。

そこで地震直後に過去の会員名簿をひっくり返して、電話をかけてみたのですが、そのときは電話が混み合っていたのか何度かけても通じませんでした。

その後は私も体調が思わしくなかったり頼まれていた翻訳が予定どおりに進まなくて時間が取れず、そのままになっていました。やっと翻訳も終わり「索引づくり」に移行したので、改めて電話をして見ようという心と体のゆとりが生まれました。

今度は幸いにも電話がつながり、久しぶりに懐かしい声を聞くことが出来ました。そして現地の様子を聞いていると、前回のブログで紹介したのと全く同じ嘆きと怒りを(「被曝する大地と人々」『Days Japan』7月号)、今度は生の声として聞くことができました。

多くの親や子どもたちが福島から脱出したくても「郷土を捨てて逃げ去る卑怯者」扱いされたり、多くの他の自治体から集団疎開や学童疎開を受け入れるという呼びかけがあっても、それを福島県当局や教育委員会が握りつぶしてしまうというのです。

チェルノブイリ事故のときは、ソ連当局はバスを何十台、何百台も用意して住民を脱出させたが、この福島では県知事によって「拉致」され脱出できない―と彼女は本気とも冗談とも取れるような調子で、現地の実情の一端を語ってくれました。

私はどう励まして良いのかことばを失ってしまいました。「せめて私ができることは、私のささやかなブログを通じて世論を動かす手助けをすること、原発がもたらすものの真実を伝えていくことだけです」としか言えませんでした。

すると数日後に彼女の夫君から長いメールが届きました。読んでみると現地に住んでいる人にしか伝えられない怒りと嘆きが、真っ直ぐに私の胸を直撃し、これは私の胸にだけしまっておくのは余りにも勿体ないと思うようになりました。

そこで早速もういちど電話をしたら、今度はいきなり夫君が電話口に現れたので、上記の私の気持ちを伝えたところ、幸いにも快諾を得ることができました。以下がそのメールです。ぜひ読んでいただいて、NHK では決して報道されない現地の実情を知っていただきたいと思います。


前略、狐狸庵先生

お久しぶりです。

昨日(26日)妻が狐狸庵先生から安否を尋ねる電話を頂戴いたしました。まことに有難うございました。先生におかれましては大病を患い、ブログを拝読させていただいたら、まだ手術の後遺症に苦しんでいるようなので衷心よりお見舞い申し上げます。

さて、皮肉にも世界の中で今最も有名なフクシマ県で家族3人被曝しながら毎日戦々恐々として生きております。東北の人はというか、フクシマ県人はあまりにもお人よしで物分りがよすぎます。

原発事故から10日たった日から、県の放射線リスク管理アドバイザーとして長崎大学の(Mr.100ミリとフクシマでは揶揄される)山下俊一ら3人の御用学者が安っぽい「安心・安全」を県内各地の講演会で謳い、それを新聞・市民便り等で流布し、放射線の影響を過小評価したがるABCC/ICRPに順ずる『低量線被曝は健康に問題ないという学説』を喧伝したので、それを疑うことなく信じてしまっている向きが多いのが現状です。

したがって、正しく放射線を怖がり疎開を求める人には、戦前の翼賛会よろしく「逃げるのは卑怯、復興の妨げになる」という言論統制を『絆(きずな)』(戦前なら「一億一心」などという語)を用いてやんわりとしかけて、良識ある行動をとろうとする人間を『非国民』のごとく分類しようとする意図が垣間見られます。

しかしながら、現在はネットの時代ですから、先生のブログに登場する反原発派や原発事故に対して批判的な学者や評論家の発するコメントは、反骨心のある県民からは絶大なる支持を受けています。

私は、3.11震災後2日間は停電のために「ラジオ」で原発事故の推移を聞いておりましたが、まるで戦前の大本営発表そのもののようで、聞いていて『反吐』がでそうでした。

東電や保安院がたとえ飛行機が突っ込んできても何重の防御で絶対安心『放射能は漏れません』のお墨付きが、震度5ぐらいで原子炉配管・電源設備にガタがきて、津波で電源が失われ、水素爆発とメルトダウンを起こし、しかもスルーしていたのに、御用学者は「大丈夫爆発しない」とごまかしました。

名前は失念しましたが、東大の某教授は、「ベント」に際してテレビで、フクシマ県民には「ごく微量で危険はない」といっておきながら「東大の実験室の換気は止めるよう」にファクスで指示していたという(アエラかフライデー?)記事を読んだときは憤懣やるかたない怒りで手が震えました。

東日本がすべて汚染されるかもしれない危機的な状況のなかでも、政府は(フクシマ県民は)馬鹿で単純で、すぐパニックを起こして逃げ惑い大混乱を引き起こす『愚民』扱いをして、真実を伝えることなく、文部科学省が福島県に送ったSPEEDIも「プルサーマル」を推進した佐藤雄平知事にどうやら握りつぶされたような話が伝わっております。

よって「風下に風下に」逃げたために一層ひどく被曝したという悲劇が起こったわけです。まさに「フクシマ県民かく被曝せり、国には後世県民200万の健康の管理にご尽力をたまわらんことを・・・」という悲しい現実が進行中です。

悲しいかな、雄平知事は、親玉は筋金入りの原発推進派で30年前に「フクシマ県民は原発があるから健康・・・」と妄言した偽黄門=渡部恒三衆議院議員の甥です。

彼は偽黄門のかばん持ちをやった後参議院議員となり、その後、国策に抗いスジを通したがゆえに一円の収賄もないのに有罪になった前知事の後釜に座った「無能」な権力者です。

この一族支配はかなり深刻で、姻戚関係にある、いわき市の吉田泉衆議院議員もまた、毒饅頭をたっぷり食ったようで、事故後も「原発のおかげで潤った面もある・・・」のような原発3法に未練たらたらとしたコメントが新聞にありました。

フクシマ市民は、3月15日夕刻から突然20μ㏜毎時という平常値の500倍の放射線を浴びはじめました。新聞・テレビは、マニュアルどおりの『被曝』を説明するが、その後政府の「直ちに・・・、念のため」という枝野氏のきわめてあいまいで、将来の健康被害に対して免責を宣言しているような無責任なコメントが、フクシマ県民を当惑させてしまったのではないでしょうか。

とりわけ、震災後10日ぐらいは東北道と東北本線の被害が大きかったので、食品入荷量が不足しました。水道の断水箇所が多く、水を求めて多くの人が長い列を作り、購入量制限かかったスーパーに長時間ならんだり、ガソリンを給油するために雪が降りしきる真夜中から徹夜で並んだりと「被曝」しながらも目の前の生活に追われました。

その結果、精神的に疲れきった多くの人の中には、頭に蓋をしてしまい「放射能」にたいしては安易な『安全』『安心』を吹聴してくれる悪魔のささやきに毒された者も多かったように思えてしかたありません。

今もテレビのテロップには1時間ごとの各地の放射線量が流れています。4月ごろまでは、その但し書きには『胃のエックス線検査は・・・シーベルトで、「(専門家は)問題はない」としている』という「積算量」に煙幕を張る作戦や、東京―ニューヨーク飛行は・・・ミリシーベルトでもクルーは健康であるという話を持ち出したりして、いつのまにか、人間は少々被曝しても安全であるという奇妙な話に摩り替えが行われました。

このように、根拠のない「安全・安心」を撒き散らして、県民を『洗脳』する卑劣な報道を、メディアは恥じることもなく今も延々と続けています。恥ずかしい限りです。

フクシマのJAやCOOPは、セシウム134,137あわせて97㏃/kも検出される(「昨年まで名産」の)さくらんぼを、「安全」として全国に送りましょうと宣伝してやまないのです。

ほとんどの日本人は、口に入る物の放射能基準「暫定」値は原発事故前の「標準」値の何百倍、何千倍かを知らないがゆえに、他都道府県の多くの方が復興支援の一環としてフクシマ県産や茨城・群馬・千葉・栃木・神奈川・静岡・宮城(南部)の野菜を食べ牛乳を飲んでいます。

そんな『美談』は世論の誘導として利用されるだけで、健康を考えたら取り返しの付かないことになったら大変ですから即刻やめて欲しいと思っています。

まずありえないとは思いますが、フクシマがもとのきれいな土地になったら食べて欲しいと思います。

「灰色」の野菜・果物は、フクシマから持ち出さないで、すべて東電に買い取ってもらえばよいのです。短絡的な人情消費が二次汚染、三次汚染を広めていくのは見るに耐えません。

私は、農家の方には、申し訳ないのですが「風評被害」はお門違い、「原発被害」だと言っています。汚染地の「地産地消」はやめましょう。

また、土をひっくり返すとそれだけでセシウムが20cmぐらい地中にもぐりこんでしまい除染どころか『地下水』汚染になってしまいます。そうなると300年たたないと限りなくゼロにはもどりません。

つまり土も水も完全にお陀仏になったら、すべての生態系が異常をきたすのだから、人間も当然住めない環境になっていきます(いやもうなっているか?)。小出裕章氏のいわゆる『地球汚染』です。

「絶対に漏れない」安全が、いつのまにか「被曝限界量」と「許容量」の引き上げがらみの「安全」に話が変わったのには呆れて物が言えません。一番ひどいのはNHKです。

今でもNHKニュースを見ると、避難勧告や避難勧奨地域は別として福島市はところどころにホットスポットがあるけれども「まあ大丈夫」というふうな錯覚に陥ってしまうような報道をし続けています。思わず「子供を殺す気か」とテレビの前で怒鳴ってしまいました。

また、震災後のNHK福島には、今まで見たことないアナンサーや記者がたくさんTVに登場しています。おそらく職員の健康を憂慮して「線量」を量り、たっぷりと県外で休息をとってから数日復帰してまた休むというローティションをとっているのでしょう。

そのように放射線にたいして「科学的に怖がる」人間たちが、ガイガー所持者は稀有で、専門的な知見に乏しい無防備な「県民」に被曝しても安全・安心といい続けてきた『責任』は重く、人道に反する罪を問われるべきです。

なんら戦果を収めなくても「敵に甚大な損害をもたらし、わが軍の被害は軽微なり」という大本営発表をそのまま報道して日本を破滅へと導いた「罪」と本質的にはなんら変わりがありません。

こんなことは言いたくはありませんが、われわれフクシマ県民は、東京で使う「たかが電気」のために、人間としての尊厳を踏みにじまれ、『棄民』化されて、生存権が脅かされているのです。

民放は、トヨタの広告料の1.5倍を、ポーンと支払う東電に気兼ねして、事故直後は、『原発事故』はあくまで津波という「天災」であり、「人災」という言説を闇に葬ってしまえといわんばかりの歪曲報道統制ぶりには憤りを超えて、開いた口塞がりませんでした。

これはまさに、武田邦彦教授が言う「人命より原子炉が大切」という原子力村の「狂気」であり、このままフクシマにこのまま残っていたら「見殺し」にされると恐怖すら禁じえません。

書き始めると、頭の中に去来するものがあまたありすぎて、取り止めがつかないので筆をおきます。人生が変わってしまったのだから仕方ありませんね。

でもフクシマ県人ならもう同じ経験をほかの都道府県の人間には絶対に味あわせたくないので、先生のような発信力のある文化人には思いを赤裸々に語らねばならないと思いメールを送りました。

お体をいたわりながら、決してムリなさらずに、私たち『第3の被曝者』のために、あるいは社会正義の観点から、文化人としてブログでご発言されんことを願って止みません。

ご夫妻のご健勝を祈念して・・・。

セシウムが雨水に溶けるフクシマより

草々

<註> 上のメールで「国策に抗いスジを通したがゆえに一円の収賄もないのに有罪になった前知事」とありましたが、この詳しい事情については『知事抹殺、つくられた福島県汚職事件』(佐藤栄佐久、平凡社、2009)を御覧ください。それにしても、「国策(?)に従わないものは冤罪を捏造してでも放逐・抹殺する」闇の勢力が、この日本に存在するというのは本当に恐ろしいことです。


「こんなに緩い日本の暫定基準値」
http://savechild.net/?p=1287

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福島からいただいた上記のメールだけでも十分に現地の実情が分かっていただけると思いますが、この電話のあと、次のような動画あることを知りました。子どもを持つ福島のお母さんたちが毎日をどのような思いで生きているかは、この動画からもひしひしと伝わってきます。

動画 『福島のお母さん達の、心からの叫び、張り裂ける思い』(企画「いのちを守るお母さん全国ネット」)
http://savechild.net/?p=1965 (27分)

上記の動画は30分ちかくもあるので、毎日を忙しさに追いまくられている人には(私は引きずり込まれて、つい最後まで見てしまいましたが)、これを全て見終わるのは少し大変かも知れません。そんな人には下記の動画をみていただけたらと思います。

動画:学校の集団疎開求め仮処分申請〜郡山の子ら14名
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1132 (6分半)

動画:山下俊一「放射線アドバイザー」の解任を求める署名開始
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1124 (7分半)

最後の動画は、福島県の「放射線リスク管理アドバイザー」に任命されている山下俊一長崎大学教授の解任などを求め、6月20日、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」など7団体が記者会見を行ったようすを記録したものです。

記者会見で、「子どもを放射能から守る福島ネットワーク」の中手聖一さんが、声を詰らせながら次のように語っている姿に胸を衝(つ)かれました。

「親の立場から許しがたいのは、山下氏が『大丈夫だ』『子どもを外で遊ばせていい』という発言をくりかえしたこと。彼を信じて子どもを外で遊ばせた親たちは今、わが子を被ばくさせてしまったことへの後悔と罪悪感で苦しんでいる。県民の健康影響を調査する検討委員に山下氏は最もふさわしくない。」

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福島の原発事故を終息させるための作業は、いつ終わるのか見通しも立たない情勢です。

それにも関わらず「再稼働」を全国の自治体に要請する海江田氏の言動には、思わず耳を疑ってしまいました。

今の政府をこのような方向に突き動かしている裏の勢力は、いったい誰(あるいは何)なのだろうか、そんな深い疑問が湧いてきました。

こんな状況では、いつまで経っても心と体が休まらず、病気が治るどころか再発するのではないかという不安と恐怖が私にはあります。

早くブログ本来の目的だった「ことばの科学」に戻りたいのですが、いつになったら、その日が来るのでしょうか。

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