「非情」の福島市、「情け」の函館市 ―とてもきれいな市営住宅を、優先的に1年間は無料で貸してくれた!! 「自主避難」の地から寄せられた痛切なる思い、大きな怒り (上)

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動画:「子どもの疎開」求め裁判闘争、郡山でデモ
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1255 (約6分)
動画:福島の親が「自主避難する権利を求めて」意見陳述 原子力損害賠償紛争審査会
http://www.youtube.com/uniontube55?gl=JP&hl=ja#p/u/1/ugWhQZcIdAU (約3分)


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私が組織している英語教育研究会の、かつて会員だった教師の夫君から下記のようなメールが届きました。読んでいると、「自主避難」をしているひとたちの苦悩が痛いほど伝わってきます。

これは私ひとりが死蔵しておくべきものではなく、もっと多くのひとに読んでいただくべきものだと考え、ブログへの転載許可をお願いしました。本人から快諾を得ましたので下記に転載させていただきます。

(ただし私信であるので歴史的社会的背景を知っていないと分かりにくいところもあるように思いますので、註が必要だと思われるところに下線を引き、註番号を入れました。また固有名詞は仮名に替えてあります。)

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前略、狐狸庵先生

お体の具合はいかがですか。病を押して更新なさっているブログをいつも興味深く拝読させて戴いています。

我が家は、とうとう家族分散です。9月末に私と二男が北海道函館市に引っ越してきました。家内は、福島に残留という形になりました。家族ばらばらの生活は寂しいのですが・・・。
 国や県が「安全・安心」「微量の被曝は大丈夫だ!だから留まれ!」と言いだしたら、満州の「王道楽土」に送り込まれ、置き去りにされた民草の歴史を紐解き[註1]、「絶対に、逃げろ」です。
 普段は、差し障りのないことしか言わない作家の五木寛之が終戦(敗戦)記念日にNHKで同じ事を自分の経験を示唆的に述べていたのを記憶しています。

私は、5月に長男がこちらの高校へ転校するために函館市入りしたのを皮切りに、津軽海峡超えは半年で都合5回目です。
 函館市は、良心の欠片(かけら)もない腐った福島県や福島市とは違い、放射線を科学的に恐れる福島市民に対して、一時避難に雇用促進住宅を提供して、二次避難の現住所の市営住宅[とてもきれい]を、函館市民の入居希望者を飛び越して、優先的に1年間は無料で貸してくれました。
 一時避難の雇用促進住宅に夏休みに家族で「保養」のために18日間入居した際には、3日間は、入居準備の「繋ぎ宿泊」として地元の湯川温泉に「無料」3泊4日3食付で泊めていただきました。これこそが、困っている人間に対する「情け」ではないかと思います。
 3月からあちらこちらに「自主避難」した際の出費は二百万に及びそうです。東電にはきっちり支払って欲しいものです。

憲法25条にのっとり、国家は放射能の脅威からすべての県民の健康を守らなくてはならない義務があるのですが、すべて「経済活動」優先で押し通すつもりです。かくも非情な仕打ちに加え、国際原発マフィアに史上初の被曝人体実験の経過と結果を売り渡す算段をしている[註2]のはまさに鬼畜の所業そのものです。

マスコミは事故当初から社会の「木鐸」であることを忘れ、国家の「番犬」に成り下がったのですが、それでは飽き足らず、ひたすら「風評被害」を喧伝して止みません。
 マスゴミに追い銭はくれてやりたくないので、6月には、学生時代から購読していた「朝日」に三行半(みくだりはん)を突き付けました。外野で、毎時2μ㏜もある野球場で高校野球予選を強行して、「美談」を売り物して稼ぐ極悪ビジネスに「正論」を期待するのは無理です。

今ただ一つ信じられるメディアは「ネット」の反骨心が旺盛であるブログやサイトです。先生の紹介するものと重なるものが多いのは「やはり・・・」という感慨があります。

今晩は、私の近況を報告するだけで短く切り上げようとしているのに、長くなってきたのでこの辺で止めます。
 いったん書き始めると気の遠くなるほどの思いに駆られ、「報道されない真実」に言及したくなりますが、次は、「出・福島記」ということでメールを送りたいと思います。

参照:現福島県立医大副学長・神谷研二について
http://arita.com/ar3/?p=4210

たぶん福島市では私が4月初旬に「経歴」を発見してメールで拡散したのですが、当時はまだ、山下・高村・神谷=100ミリシーベル・キチガイトリオは「県放射線管理アドバイザー」であったのです。
 現在、“メンゲル山下”は副学長(実質的な学長)、しかし神谷は前科があるので(非常勤)の副学長[註3]、というのが福島県の巷間で語られる認識だと思います。
 この事実を「朝日新聞」は知っていて、「まずいのではないか」と思いながらも記事にはしなかった。その後、山下大先生の「朝日がん大賞」受賞という事件がありましたが、これは狂気の沙汰でしかありません。

草々

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拝復、狐狸庵先生

前回のメールをブログに掲載して戴いて結構です。そこで、最近インパクトが大きかったことを少し書き足しておきます。

函館市職員から教えてもらった避難者数は、福島県から(ほとんどが放射線の不安から)87世帯222人だそうです。

被ばく線量は、「100ミリシーベルト/年」までは安全としている「朝日新聞」の調査によると、県民の34%が避難希望。小中学生を持つ家庭は50%です。福島は広い県ですから、3.15以降の高濃度汚染の影響が小さかった猪苗代湖以西の会津地方の方々はそれほど「危機感」はないのであると思われます。

よって県を南北に縦貫する東北新幹線と東北自動車道沿いの人口の多い都市、南から白河市・須賀川市・郡山市・二本松市・福島市・伊達市は、あくまでも推測ではありますが、避難希望は過半数、小中学校がいる世帯のそれは四分の三を超えるだろうといっても過言ではないでしょう。ただし、県内に避難希望をする人がいるのですが、大方は空間線量のみに傾注して、内部被曝を考慮しない知識の乏しい結果ではないかと思えます。

実際こちらに引っ越してくる数日前にご近所のSさんから、隣に県北地方(伊達郡)のホットスポットから引っ越してきた世帯がいる話をしていたこところ、丁度その一家が車で帰ってきました。小学生3人兄妹だけでも悪夢を見ているようで痛ましいので、私は「なんで放射線管理区域に越してくるのか」とSさんにつぶやいたら、なんと奥さんが車からヨッコイショと降りてきたのです。「身重」だったのです。慨嘆していいのか憤慨すべきなのか同情すべきなのか?極めて悩ましい複雑な心境に心が引き裂かれる気分でした。Sさんは、「ここから出て行く人(=私のこと)もいるのに・・・」と吐き捨てるような口調で言いました。

このような、あってはならない「非日常」を何度も目の当たりにしながら「日常生活」を重ねていくと、私たち福島県民の人間らしい感覚は麻痺し理性的な判断は鈍り、「人権」を諦めてしまうのでしょうか。

こちらに来れば、完璧ではないけれど自分の子供の健康は守れますが、寝る前は、毎晩「一刻も早く学童疎開(希望者だけどもよいから)が叶うように」と祈っております。福島県民よ「蜂起してデモろう!!」

P.S 今夜は函館に広瀬隆さんが講演に来たので、息子と拝聴しました。日曜の夜で風雨が強い中320名の聴講者数は、フクイチ事故から津軽海峡をはさんでわずか20km先に建設中の、“Full Mox”の「大間原発」[註4]に対する危機感の表れでしょう。

草々

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以上が、いただいたメールの全てです。そこで「下線を引いた部分の解説」を以下に載せるつもりだったのですが、これだけでも十分に長いので、それは次号にしたほうが良いと思うようになりました。次号をお待ちいただければ幸いです。

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