Global OCCUPY Movement (4) ―「占拠」運動で帰還兵の若者が頭蓋骨を打ち砕かれて瀕死の状態! カリフォルニア州オークランドでゼネラル・ストライキの呼びかけ!!



http://www.occupyoakland.org/
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<註> 以下では、英文をたくさん引用してあります。しかし半分は自分のメモを兼ねていますので、時間のない方は飛ばして読んでください。

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前回のブログでは、「原発いらない福島の女たち~100人の座り込み」アクションと、世界中で Global "Occupy" Movement がどのように展開されているかを紹介しました。

最初はアメリカの「占拠」運動を紹介するつもりで書き始めたのですが、書いているうちに長くなってきたので、アメリカのことは断念して次回にまわすことにしました。

しかし、この間、アメリカでは大変なことが起きていました。というのは、アメリカ全土に「占拠」運動が広がっていますが、カリフォルニア州オークランドでは、警官が「占拠」を排除しようとして、参加者の一人の頭蓋骨を砕かれるという事件が起きたからです。

10月25日、警察は2度にわたり、オークランド市役所前の「オークランドを占拠せよ」の野営地から抗議者を追い出しました。しかし26日、数千人の抗議者が野営地を、取り戻しました。

公園を取り戻そうとした抗議者を、警察は、最初は夜明け前の奇襲によって、そして2度目は12時間たったその晩に、閃光弾や催涙ガスによって追い出そうとしたのです。

そしてこの抗議活動に参加していた24歳のイラク戦争退役軍人スコット・オルセンが、25日夜、警察の砲弾により頭蓋骨を破砕され、意識不明の危篤状態で病院に運ばれました。今は絶対安静の状態です。

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頭蓋骨を砕かれ血まみれになっているスコット・オルセン
http://www.democracynow.org/2011/10/27/iraq_war_vet_hospitalized_with_fractured

「嘘の理由」でイラクに送り込まれた若者で、生きて帰ってこなかったもの、帰ってきても体の一部が失われたり、心を病んでホームレスになったりしているものは、少なくありません。

帰還兵は帰国しても、約束されていた奨学金がもらえなかったり、約束されていた治療が受けられなかったり、帰還兵援護局に行っても仕事の世話をしてもらえなかったりで、その多くが生活苦に喘いでいます。

アメリカ全土に拡大している「占拠」運動に多くの帰還兵が参加しているのは、このような背景があります(ベトナム戦争のあとでも多くの帰還兵がホームレスになっっています)。

しかしスコット・オルセンは、海兵隊員として2度も戦地に送り込まれたにもかかわらず五体満足で帰ってくることができました。

ところが彼は、よりによって、「アメリカの地で」「アメリカ人によって」命を奪われようとしたのです。これほど皮肉なことがあるでしょうか。

この事件がアメリカ全土で憤激を呼んだのは、単に上記のような「皮肉」だけではありませんでした。

次のビデオが示すように、警官に撃たれてオルセンが横たわっているのを発見した参加者が、慌てて救助に駆けつけたにもかかわらず、彼らを目がけて警官が何度も閃光弾を発射したのでした。

Oakland Policeman Throws Flash Grenade Into Crowd Trying To Help Injured Protester
(1分程度の動画です。ぜひ見てください)

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戦場でも白畑を掲げて投稿してくるものは攻撃してはならないことになっていますし、負傷者がいればそれを救助することが国際法で決められています。しかしオークランドは戦場ではありませんし、抗議参加者は全くの非暴力で抗議活動をしているだけでした。

このような警官の非情な行動に対してアメリカ全土で、オルセンの命を気遣った「徹夜の祈りと抗議の集会(Vigil)」が開かれました。

またオークランド「占拠」運動の「全員総会(General Assebly)」では、「地域の職場や学校で11月2日にゼネラル・ストライキを!」という呼びかけを、圧倒的多数で可決しました。

オークランドは元は軍港のあったところですが、「港湾労働者倉庫組合」の活動家であるClarence Thomasは、応援のため総会に駆けつけ、次のように演説して、「全員総会」の決議を支持しました。

「ゴム弾・催涙ガス・警棒などで、畏怖と衝撃を与えても、この運動を止めることはできない。いまハイランド病院ではイラクからの帰還兵が、自分の命をかけて脳の手術と闘っている。彼はイラクの戦地で2度も生きのびた。ところが彼は、帰国した我が祖国で撃たれてしまった。いま二つの戦争が進行している。国外の戦争と国内の戦争だ」

Longtime California labor activist Clarence Thomas spoke at a rally on Thursday in Oakland.
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#0

Clarence Thomas of the International Longshoreman and Warehouse Union also praised calls by the Occupy Oakland General Assembly for a general strike in Oakland next week.

Clarence Thomas: "Rubber bullets, gas, sticks, shock and awe, cannot stop this movement. There is an Iraqi (sic) veteran fighting for his life in Highland Hospital. He survived two tours in Iraq. But when he came home, he was shot at the war at home. There’s two wars going on: there’s a war abroad and a war at home."

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オークランドは湾を隔ててサンフランシスコの真向かいにある街で、黒人やアジア系の住民が多いところです。

その北を車で30分ほど走ると、名門カリフォルニア州立大学バークレイ校があります。またその南を車で30分ほど走ると、私が1年間、日本語を教えていたカリフォルニア州立大学ヘイワード校があります。

またオークランドは、黒人解放運動の指導者マルコムXが暗殺されたあと、彼の思想的影響でブラック・パンサー党が結成され、その本拠地があったところとしても有名です。

たまたま読んだ本でそのことを知り、その本を頼りにブラック・パンサー党の本部跡を尋ね歩いたことがあるので、その意味でも、オークランドでの出来事は他人事ではありませんでした。

(その本部は普通の市民の家になっていましたが、この写真は拙著『国際理解の歩き方』に載せてあります。)

そのうえ、カリフォルニア州立大学バークレイ校は、以前に客員研究員として1ヶ月近く滞在したことがありますし、私がヘイワード校で教えていた頃、私の主催する英語教育研究会の「夏の研究集会」を、このキャンパスを借りておこなったこともあります。そして皆と一緒にバークレー校を訪ねたことがあるので、その意味でもオークランド近辺は非常に懐かしいところです。

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ところでオークランドの市長は、この事件について「今度の件を非常に悲しく思っている。これはひとえに私の責任である」と謝罪を表明しました。

Oakland Mayor Quan Apologizes to Occupy Oakland
http://www.democracynow.org/2011/10/28/headlines#1

このDemocracy Now!(2011/10/28)の謝罪映像を見て、不思議に思ったのは、オークランドの市長がアジア系の女性(たぶん中国系アメリカ人)だったことです。

というのは、ニューヨークでも10月14日、公園の掃除を口実に「占拠」を実力で撤去しようとする動きがあったのですが、最終的に白人市長のブルームバーグは、それを撤回したからです。

アメリカの貧困層には黒人・ラテン系・アジア系の有色人種が多いのですが、その悩みや苦しみを白人のブルームバーグ市長でさえ一定程度は理解していたからこそ、「占拠」している民衆を力尽くで排除しようとしなかったのでしょう。

その証拠に、10月11日の段階で、ブルームバーグ市長は「要するに市民は意見を表明したいのだ。法と秩序を守る限り、私はそれを許すつもりだ」と語っていました。

NYC Mayor Bloomberg Suggests Occupy Wall Street Protesters Can Remain Indefinitely
http://www.democracynow.org/2011/10/11/headlines#3

ですから、アジア系の女性市長Jean Quanは、なおさら柔軟に対処するだろうと思ったのです。しかし残念ながら事態は逆でした。

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今のところ頭蓋骨を打ち砕かれたスコット・オルソンの容態は不明ですが、これが死にいたるようなことになれば、アメリカ中が騒然とした状態になるでしょう。

かつてベトナム戦争の時(1970年5月4日)、オハイオ州のケント州立大学で4名の学生が州兵に射殺され、それをきっかけにアメリカ全土で反戦運動が拡大したからです。

エジプトの民衆蜂起も、鎮圧部隊が民衆を力で押さえ込めば押さえ込むほど逆に拡大しました。シリアでもイエメンでも状態は同じで、軍隊がたくさんの民衆を殺し続けているのに抵抗運動は収まる気配を見せません。

ですから、「力の政策」は必ずしも成功するとは限らず、逆効果であることも少なくありません。

11月2日のゼネストがどのような展開を見せるのか、全国でそれに呼応する運動がどのような広がりを見せるのか、予断を許さない情勢です。

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ここまで書いてきたら突然、「佐賀県の玄海原発を再稼働させる」というニュースが飛び込んできました。

事故を起こした福島原発がまだ何の収束も見せていないときに、そして日本中が汚染の被害で苦しんでいるときに、トラブルで自動停止した原子炉を再稼働させるというのは、正気の沙汰ではありません。

東京で「原発いらない福島の女たち~100人の座り込み」アクションが大成功をおさめ、それが更に「全国の女たち」に引き継がれているので、恐れをなした政府・経産省が焦って再稼働を促しているのかも知れません。

だとすれば、抗議の電話・FAX・メールを政府・佐賀県・玄海町に集中させねばならないでしょうし、「もう我慢のゲンカイだ!」と、アメリカのように、東京だけでなく各地での「占拠」が必要なのかも知れない、と考えるようになりました。
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