食卓にあがる放射能、仙台の大手米卸「ケンベイミヤギ」産地・銘柄を不正表示、文科省「放射線量低く見せろ」要求に応じず解約になったオンライン線量計


新しく現れた日本調ラップ「脱原発ソング」

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Howard Zinn &Anthony Arnove『Voices of a People's History of the United States』の翻訳=再校が思うように進まなくて、なかなかブログに割く時間が取れません。

初校のときに訳の不備を直したつもりが再校でまた新たな不備が見つかり、単に「誤字脱字」だけを点検すればよいと思っていたのに、思わぬ時間を取られています。11月いっぱいに原稿を返送するつもりだったのにまだ終わっていないのです。

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アメリカでは相変わらず「占拠運動」が続き、カリフォルニア大学デービス校ではストライキが提起されていていますし、日本でも経産省前のテント村の「座りこみ」が続いています。冬空に向かう時だけに本当に頭が下がります。

ところがアメリカではオバマ大統領が、ブッシュ氏のイラク攻撃と同じような謀略を用いて、イラン攻撃に乗り出す雰囲気を漂わせていますし、大阪市長選挙では橋本氏当選という不穏な雲行きが日本を覆っています。

ですから、書きたいことは多いのですが、私の方に精神的肉体的ゆとりがないので、最近(といっても、今となってはかなり前になりますが)いただいたメールを紹介し、簡単なコメントだけで今回は終わらせていただきます。

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さて10月23日(日)に、函館に自主避難した読者からいただいたメール“「非情」の福島市、「情け」の函館市、「自主避難」の地から寄せられた痛切なる思い、大きな怒り”を紹介しました。

また10月25日(火)には、その解説として “原爆障害調査委員会(ABCC)と、その後身である放射線影響研究所(RERF)が、広島でおこなったと同じ「人体実験」を、福島でもおこなうつもりなのだろうか?”を載せました。

その「解説」に関して下記のメールをいただき、その10日後に「追伸」をいただきました。そこで、いただいたメールと追伸を一括して以下に紹介します。

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拝復、狐狸庵先生

私の怒りと嘆きの「謎解き」にお時間をとらせて申し訳ありませんでした。「ブログ」という随筆のようなものでも、読者の知識レベルを配慮なされるのにはただ敬服するのみです。私の拙文に時間を割いてお疲れになり病気が悪くなることが懸念されます。ご自愛のほどよろしくお願いいたします。

次回は、いかに「私信」といえども、読む人にとって親切で分かりやすいものを送りたいと思います。お忙しいところとんだ道草を食わせてしまって申し訳ありませんでした。

放射能に関しては、福島の人間同士だとかなり踏み込んだ内容の会話でも、「注釈」は要らないぐらいに個人で熱心に勉強している人が多いのですが、他の都道府県に行くと我ら福島県人は「対岸の火事」の被害者にすぎず「お気の毒ね」と同情をしてもらうのが常です。
 
でも、私は「日本人全員が被害者ですよ。加工食品の原料・産地・製造工場に注意を払いますか」と切り出し。「知らないうちに食わされ内部被曝しています。国家を挙げての殺人です」と畳み掛けます。

さて、福島の昨年までの名産(特に桃・りんご・なし・かき・ぶどう等)を使った加工食品、缶詰・ジュース・ジャム・菓子パン等は危険です。原材料生産地が「不明」もしくは「国産」のみの表示は「チャンポン」が多く、福島の「市場に出回らなかった」果物がいかほど入っているかわかりません。口にしないで下さい。

今年は台風等で落下しなくても「落下果物のブローカー」が大もうけしているとの話を聞きました。「実害」に苦しむ観光農園等から二束三文で買い叩いてトラックで運んで製造工場でギュット絞って100%果汁に化けるのでしょう。これは「産地偽装」ではなく、従来からある「格落ち品」の流通システムなので「規制」をかけることができるのは、農家と企業の「良心」しかないのが現状でしょう。

農民として国の甘すぎる「暫定基準値」などあてにしないで、「危ないものは出荷できない」という「矜持」をもっている福島農民もいますが、国や県の無策ゆえに、自分の生活を守るために、そのような「矜持」を失った福島農民も少なくありません。

ですから彼らにそれを期待するのは無駄と諦めています。いまや果物や野菜を梱包するダンボールは、あらゆる産地のものが入手可能であるそうです。ああ『八百長国家』!!

<追伸>

人工放射線に強い人間なんて誰もいません。

私の方は、あまり気をお使いにならないでください。先生の体調に差し障りのない範囲で結構です。家内はブログで福島の本音が発信されることに満足し喜んでいます。

茨城県は、かなりやられているはずなのですが、3月からずっと放射線被害の実態について報道される頻度が低かったために県民の警戒心が薄いと察します。

我が家では3月から福島・茨城・栃木・宮城・群馬・千葉・東京・静岡・埼玉・山梨・岩手の南部地方産という表示がある野菜・果物は一切購入していません。これは、勘の鋭い福島のお母さん方に伺っても同じでした。

つまり我が家の「用心」だけでなく、政府の発表を信じてない県民の『常識』であると思います。それでも「偽装」されているのではないかと怯えて食生活していたのもぜひお伝えください。

茨城や東京であっても、線量が高いところがあります。もし可能なら、お子様だけでも、ぜひ疎開されることを祈念いたします。

なお、食品については元NTVの記者であった、木下黄太氏のブログが大変参考になると思います。http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/c/28437a365885c2ef56b77f094706d3da

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以上が、函館からいただいたメールと追伸です。

私は「福島県を食べよう」などと呼びかけていると、そのうち日本中が汚染食品にまみれてしまう」と書き続けてきました。

ところが、いただいたメールにも同じことが書かれていて気を強くすると同時に、私が言うよりも福島県人から直(じか)に言ってもらう方がはるかに迫力もあり説得力もあることを実感しました。

そこで、このメールをブログで紹介しようと思ったわけですが、その矢先に、下記のような情報が目に飛び込んできました。

メールで書かれていたことが、そのまま今日の新情報として載っていましたので、これは紹介せずにはいられないと思った次第です。

【食品】仙台の米卸大手「ケンベイミヤギ」産地や銘柄を不正表示、福島県産のコシヒカリやひとめぼれを宮城県産と表示して販売した疑い
http://savechild.net/archives/12920.html、2011年11月29日

【食品】福島県伊達市の米から基準超の放射性セシウムを検出、旧月舘町地区1,050ベクレル/kg、旧小国村地区780ベクレル/kg(9kgが販売済み)
http://savechild.net/archives/12889.html、2011年11月29日

【食品】厚労省11/28公表の茨城県と千葉県の水産物の検査結果、ほぼ全ての品目でセシウムを検出、最高値城県日立市沖のマダラ104ベクレル/kg
http://savechild.net/archives/12914.html、2011年11月29日

この水産物については、11月27日(日曜日)にNHKのETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図4:海のホットスポットを追う」が放送されました。海にもホットスポットが存在することがわかり、生体濃縮がはじまっていることを示しています。

「放射能汚染地図4:海のホットスポットを追う」
http://savechild.net/archives/12898.html、2011年11月29日

この映像を見ていただければ分かりますが、千葉県銚子沖でさえ、高濃度に汚染されているところが見つかっています。これはずっと以前に予測されていたことです。

福島原発を終息させるために絶えず水をかけ続けているわけですし、それを海に垂れ流し続けているわけですから、水産物が汚染されないはずがありませんし、その対策を東電任せにしているかぎり、汚染は深刻化する一方でしょう。

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アメリカの石油会社BPがメキシコ湾沖で石油掘削の爆発事故を起こし、沿岸漁業を壊滅状態に追い込んだことがありましたが、このときのオバマ政権の対応も、政府として責任ある対応をするのではなく、すべてBP任せにしました。その結果、被害がいっそう深刻化したのでした。

そのとき「汚染対策をBPに任せても汚染を小さく見せることにしか金とエネルギーをかけないから、BPを救うのではなく、倒産させてその資産で被害者に補償すべきだし、汚染対策も政府が責任を持って当たるべき」という強い意見がありました。しかしオバマ氏はBPを救う道を選びました。

アメリカでは「Occupy Movement」が全土に広がっていますが、「共和党も民主党も、1%を救うことにしか関心がない。99%の俺たちは切り捨てられている」という怒りがその原動力になっています。その一例がBPのメキシコ湾沖における石油掘削の爆発事故でした。日本の民主党政権もまったく同じ道を歩んでいるように思います。

汚染水を海に垂れ流すことをくい止めるためには「原子炉建屋の地下にたまった汚染水を巨大タンカーで新潟県にある東電の貯蔵施設に運べばよい」など、幾つかの案が以前から出されているのですが、東京電力は費用削減のためか、一向に取り組む様子が見られません。

また現場で働く作業員の被曝量も尋常ではありません。

ですから、東電は「倒産」させて、その資産で被害者に補償すべきですし、原発の終息作業も、政府が責任をもって有能な人材を全国から集め、一刻も早く迅速な対応を進めるべきなのです。

ところが政府の目は「再稼働」と「原発輸出」にしか向いていないようです。それを証拠づけるような事件が最近ふたつもありました。

【放射線】数値が高く出ることに怯えた文科省は、線量計の数値が低く出るよう仕様変更することを強硬に要求(事実なら記者会見を!そして600台の落札額も知りたい)
http://savechild.net/archives/12809.html、2011年11月27日

【汚染】原発から飛散した放射性物質は東京電力のものではない(セシウムはだれのものか、という所有権ではなく、責任の問題では?)
http://savechild.net/archives/12871.html、2011年11月28日

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最初の事件は、政府の目が国民を救うことではなく、「再稼働」と「原発輸出」にしか向いていないことを絵に描いたような事件でした。その詳報は下記を御覧ください。

関連:文科省「放射線量低く見せろ」、要求に応じず解約になったオンライン線量計
http://www.j-cast.com/tv/2011/11/24114166.html?p=4、11月24日

このことが示している最大の問題点は、文科省が発表している放射能の線量は人為的に操作され、低く出るようにせよとメーカー側に要求し、それを飲まなければ切るという理不尽とも思えるやり方をしていることです。

朝日新聞は、「測定精度が低く、結果の送信ができないなどのトラブルで納期が守られなかったためと説明している」ようですが、相変わらず御用新聞ぶりを発揮していることが、上記の記事でよく分かります。

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さて2番目は、福島県二本松市の「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」が、8月に放射性物質による汚染の除去を求めて仮処分を東京地裁に申し立てたという事件とでした。。

この会社が検査機関に依頼して検査したところ、13日には1キロあたり23万5千ベクレルの放射性セシウムが検出され、17日には芝や土から1キロあたり98ベクレルの放射性ストロンチウムも検出されたそうです。

これだけ汚染されているにもかかわらず、東京地裁(福島政幸裁判長)「営業に支障はない」と判断し、賠償請求も退けました。

私はゴルフというのは「森林破壊」だと思っていますので、この企業にあまり味方はしたくないのですが、それでも、この判決は「裁判所は国家や大企業を守る機関だ」ということを明確にさせたという意味で貴重な判決ではなかったかと思います。

それより、もっと驚いたのは東電の主張でした。「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東電は除染に責任をもたない」。

やはり東電は「倒産」させて国家管理するしかないようです。

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<追記> アメリカの民衆は "Wall Street Bailed Out, Main Street Sold Out"「金融街の連中(1%)は庶民の税金で救われたが、税金を出している俺たち民衆(99%)は家を奪われて売り飛ばされた」と、全土で行進し「占拠」しています。
 他方、新しく大阪市長に当選した橋本氏は、政策を見ている限り、非常な右派でありながら民衆の要求を先取りするふりをして見せるという点で、アメリカで言えば、Tea Partyに近い人物だと思います。
 橋本氏は教育政策でも、学校に競争や市場原理主義を持ち込むという点で、 "No Child Left Behind"(落ちこぼしゼロ」政策)を掲げたブッシュ氏に似ていますが、オバマ大統領はそれをさらに「チャータースクール」へと押し進めて教育の貧困化に拍車をかけています。
 しかし民主党とオバマの政策に愛想をつかしたアメリカ民衆は、一時は中間選挙で共和党を勝たせましたが、既成政治家の誰にも希望を持てないと知って、今度は自力でOccupy Movement を始めました。
 早晩、橋本氏も同じ運命に会うものと思いますし、そのような運動を創り上げない限り、日本の未来はないでしょう。

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