オバマ政権の "NEWSPEAK" !?、 [パキスタン] CIAのビンラディン暗殺作戦で「ポリオ」患者が激増!、 [ハイチ] 国連部隊の「治安?」維持活動で「コレラ」患者が激増し六千人が死亡!

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出典:Labornet Japan、左側の写真は国会を包囲する「人間の鎖」、
右側の写真は開成山野球場を埋め尽くす郡山市の県民集会、下の動画は「ニューヨークの集会」


動画(約9分) "311 First Anniversary 2012 NYC, No Nukes Action"
http://www.youtube.com/watch?v=K8I2kvartK8&feature=youtu.be

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前回のブログを書いてから、もう20日も過ぎてしまいました。相変わらず『Voices of a People's History of the United States』の「索引づくり」と格闘していて、まだ先が見えません。

正直言って、このような苦しみから一刻も早く脱却したいと思っているのですが、「そうは言っても、やはり手抜きはできない」と思い直して、70歳に近づいている老躯に鞭打っている次第です。

というのは、今は亡きハワード・ジンがこの本の編集に心血を注ぎ、それが今日のアメリカにおける Occupy Movementの隠れた礎(いしずえ)を築いたことを考えると、もう「ひと踏ん張り」しなくては、という思いに駆り立てられるのです。

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ブログを「お休み」している間に、実に多くのことが起きました。昨日(3月11日)は福島原発事故1周年ということで、国会を包囲する「人間の鎖」で1万人集会、「福島県民大集会」には1万6千人など、全国で多くの集会が開かれました。

最近は「毎日」どころか「一日数回」の地震が日本のどこかで起きています。ですから、今すぐにでも原発は「廃炉」にする宣言をしなければ「日本沈没」は目の前に迫っているはずなのですが、相変わらず政府も議員も事態を真剣に凝視していないようです。

最近のチョムスキー論文を読んでいると「アジアで注目すべき国」として韓国と台湾があげられていて、日本は全く視野から落ちてしまっています。日本の現状を見ると、当然のことだと思いますが、寂しいかぎりです。

(チョムスキーが日本のことで唯一つ注目しているのは、「沖縄の民衆運動がどれだけアメリカの圧力を跳ね返すことができるか」だけでした。韓国「済州島」も、いま軍事基地化されつつあり、それにたいする民衆の抵抗運動にも、チョムスキーは熱い視線を注いでいます。)
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<註> Chomskyの論文については下記のZNetを御覧ください。
American Decline in Perspective, Part 2 ―The Iranian “Threat” and the Nuclear Issue
http://www.zcommunications.org/american-decline-in-perspective-part-2-by-noam-chomsky

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他方、イラン情勢も、ますます「イラク侵攻」直前の雰囲気に似てきています。「大量破壊兵器WMD」を騒ぎ立ててイラク侵略に乗り出したわけですが、それと同じように、今は「核兵器」を口実にした戦争開始、というわけです。

あの当時、イラクは国連による徹底的なWMDの査察と廃棄処分で「丸裸」にされたあと侵略攻撃を受け、あっという間に崩壊しました。それと同じく、今回イランも IAEA による査察を受け入れると言っていますから、イランもイラクと全く同じ過程をたどるのでしょうか。

しかし今のイラクの民衆は、独裁者フセインがいたときと比べてどれだけ幸せになっているのでしょうか。イラクは今でも毎日どこかで爆発事件が起きていますし、イラク戦争で死んだ民間人は「50万人」とも「100万人」とも言われています。

独裁者フセインが化学兵器でクルド人を大量に殺したことで有名になった「ハラブジャ事件」(1988)でも、その死者数は5000人程度です。この数は決して小さい数とは言いがたいものですが、アメリカがイラク戦争で殺した民間人の数(50,0000~100,0000人)と比べれば「ものの数ではない」とさえ言えるほどです。

しかも、この化学兵器は欧米から提供されたもので、当時のフセインはアメリカのお気に入りでした(ラムズフェルド氏が、フセインと、にこやかに握手している有名な写真があります)。つまり、この「ハラブジャ事件」はアメリカ黙認のもとでおこなわれたものでした。

フセインが多くのひとを拷問にかけたこともよく知られた事実ですが、ブッシュ氏がイラクのアブグレイブ刑務所やキューバのグアンタナモ収容所で多くの「無実」のひとを拷問にかけ死に至らしめたことは、今や周知の事実です(オバマ氏になってからもグアンタナモ収容所は閉鎖されていません)。

湾岸戦争のとき、ブッシュ(1世)大統領は「劣化ウラン弾」を使いましたが、その放射能で多くの子どもたちが白血病で亡くなっていますし、今も亡くなり続けています。その後、クリントン氏が大統領になりましたが、そのときの経済制裁で子どもたちが50万人も亡くなりました。薬品も栄養剤も手に入らなかったからです。

このような状況に抗議して、当時の「イラク国連人道調整官」だったハンス・フォン・スポネック氏とその後任デニス・ハリデー氏は二人とも、「これは一種の民族浄化だ」と言って辞表をたたきつけました。

他方、当時の国務長官オルブライトが「50万人と言えば、ヒロシマで死んだ子どもの数よりも多い。これだけの子どもたちを殺す価値があったのか」と大手メディアから尋ねられて、「その価値はあった」と答えて話題を呼んだことも、まだ記憶に新しいはずです。
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<註> 「湾岸戦争後、白血病、ガン、奇形などが多発した」
http://www.morizumi-pj.com/iraq/iraq1/iraq.html
「見えない戦争 経済制裁措置によるイラクの破壊」
democracynow.jp/video/20100901-3

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私がここで言いたかったことは、「独裁者フセインを倒す」ということを口実にしておこなわれたアメリカ歴代大統領の政策が、イラク民衆を救うことに役立つどころか、フセインが殺したよりもはるかに大量のひとを殺しているということです。

[いまイランにたいする「経済制裁」が強められようとしています(そして日本もそれに協力するよう強制されています)が、これはイランの時と同じように、イランの民衆とりわけ子どもや老人に対して多大な死をもたらすでしょう。]

しかし、不思議なことにフセインは処刑されたのに、これだけ大量殺人をおこなっているアメリカ歴代大統領の誰も、きちんとした法の裁きを受けていないのです。

それどころかオバマ氏は、ブッシュ氏の戦争を、さらにイエメンやパキスタンに拡大しただけでなく、最近は「暗殺行為」すら正当化するようになりました()。

ビンラディンをパキスタンで暗殺し、イエメンではアメリカ国籍のイスラム教説教師を暗殺し、その数日後に今度はその息子(16歳)まで暗殺してしまいました。[さらに、無人爆撃機はパキスタンでもイエメンでも多くの民間人を殺しています。]

ところが司法長官エリック・ホルダー氏は暗殺を擁護して次のような奇妙なことを言い始めています。

* Due Process「適正手続き」とJudicial Process「司法手続き」は違う
* Assasination「暗殺」とTargetted Killing「故殺」は違う

オバマ=ホルダー路線によれば、いまアメリカがおこなっているのは、憲法や国際法が禁じている行為ではないと言うのです。つまり、彼らがおこなっているのは、「適正手続き:Due Process」を経ない「暗殺:Assasination」ではなく、「司法手続き:Judicial Process」に基づいた「故殺:Targeted Killing」だというわけです。

ジョージ・オーウェルは小説『1984年』で、支配者は民衆をだますために新しい語彙「Newspeak」を発明すると言っていますが、これこそ、オーウェルも腰を抜かすほどの「Newspeak」ではないでしょうか
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*Eric Holder to Defend Targeted Killings of U.S. Citizens
http://www.democracynow.org/2012/3/5/headlines
*Attorney General Eric Holder Defends Legality of Targeted Killings of U.S. Citizens Overseas
http://www.democracynow.org/2012/3/6/attorney_general_eric_holder_defends_legality

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先にも述べたように、オバマ氏はパキスタンでビンラディンを暗殺したわけですが、ビンラディンが「911事件」の首謀者だったことは、どこでも証明されていません。

ビンラディンがパキスタンで暗殺されたとき、彼は「丸腰」だったそうですから、捕まえて公の裁判にかけることができたはずです。

そうすればビンラディンが「9・11」の企画・立案・実行の、どのレベルで関わったのか、それとも企画や立案もサウジやドイツでなされたのか、すぐに証明できたはずですが、オバマ氏はそれをしませんでした。

これはイエメンでの暗殺でも同じでした。暗殺されたイスラム教説教師の父親は「息子が暗殺対象とされた証拠を見せて欲しい」と裁判に訴えましたが、却下されただけでした。

オバマ氏はブッシュ氏と同じように、証拠を出すことに何故それほど恐怖するのでしょうか。証拠を出すと何か都合の悪いことも一緒に出てくるのでしょうか。それとも、もともと証拠などないのでしょうか。

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もうひとつビンラディンの暗殺に関わって、恐ろしい事実が最近あきらかになりました。

それはビンラディンを暗殺したときに本人かどうかを確認するための作業としてDNA鑑定をするわけですが、そのためにビンラディンの住んでいるアボッタバード市全体に偽りの「ポリオ予防接種」をおこなったことです。

CIAがパキスタン人の医者の手を借りておこなったこの謀略が原因で、昨年パキスタンでは「ポリオ」患者が記録的な激増ぶりを示したそうです。

アメリカの医療グループが、「このような謀略行為は、人道団体が今後おこなう医療活動に重大な障碍ををもたらすことになり、国際的な人道団体がこれまでおこなってきたポリオ撲滅作戦の土台を堀り崩すことになる」と強い抗議状を送ったのは当然のことでした。
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Aid Groups Criticize CIA for Fake Vaccination Campaign in Pakistan
http://www.democracynow.org/2012/3/5/headlines
  An increase in polio in Pakistan is being linked to a secret CIA ploy used in the hunt for Osama bin Laden. With the help of a Pakistani doctor, the CIA set up a fake vaccination campaign in the city of Abbottabad in an effort to get DNA from the bin Laden family.
  A coalition of U.S. aid groups have written a letter to CIA head David Petraeus saying the covert program has cast doubt on the intentions and integrity of all humanitarian groups in Pakistan and undermined the international humanitarian community's efforts to eradicate polio.    Last year, Pakistan recorded the highest number of polio cases in the world.
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これに関連して思い出すことが、もう一つあります。それは、ハイチが大地震に襲われたあと、コレラが大流行し、6000人もの命が奪われたことです(フセインが「ハラブジャ事件」で殺したとされる5000人と比べてください)。

地震直後、キューバやベネズエラがすぐに駆けつけて援助しましたが、国連はアメリカがハイチの空港を米軍が占拠して援助物資の流通を管理したため、ほとんど実質的な援助を何もしませんでした。

国連がおこなったのは、ハイチ住民が暴動化する恐れがあるからという理由で治安部隊を送るだけでした。ですから、今でも被災地の住民の多くはテント生活を強いられています。

元大統領クリントンが国連から依頼され、復興と援助の責任者だったのですが、彼が送ったトレーラーハウスは、アスベストを利用したもので、アメリカでは販売禁止のものでした。案の定、この家に住んだ住民から病人が続出しました。

Clinton Foundation to Review Haiti Trailers Following Exposé
http://www.democracynow.org/2011/7/15/headlines#9

それよりも、もっと恐ろしことは先述のコレラ発生でした。このコレラは国連軍(平和維持部隊)として派遣されてきたネパール軍が病原になっていることを、しぶしぶながら先週やっとクリントン氏は認めました。
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Haiti: Hundreds March to Demand Cholera Reparations
http://www.democracynow.org/2012/3/9/headlines#10
  In Haiti, hundreds have marched in the capital Port-au-Prince calling on the United Nations to pay reparations for the cholera epidemic that's killed more than 6,000 people.
  Some 450,000 Haitians have also been sickened since the cholera outbreak erupted in October 2010.
  This week, former President Bill Clinton, the U.N. special envoy to Haiti, acknowledged that the outbreak likely originated with a battalion of Nepalese troops with the U.N. peacekeeping mission.
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コレラの発生源はネパール軍であることは、ずっと以前から知られていたことで、既に昨年11月に被害者は国連を裁判にかけろと訴えていました。

Thousands of Haitian Cholera Victims Sue United Nations
http://www.democracynow.org/2011/11/9/headlines#11

要するに、アメリカも国連もハイチを救うことには余り興味がなかったのです。そもそもハイチとは全く風土が違うネパールから、なぜ軍隊をハイチにまで連れてこなくてはいけないのでしょうか(実は日本の自衛隊までも!)。

キューバやベネズエラなど、中米や南米には援助しようと待機している国がたくさんありました。ところが国連(すなわちクリント)は、わざわざネパールや日本から軍隊を連れてきて、援助ではなく「監視」「治安」に当たらせたのです。

しかし、よく考えてみれば、これも当然のことかも知れません。なにしろハイチでクーデターを起こし、民衆から絶大な信頼を寄せられていたアリステイド大統領を拉致して飛行機に連れ込み、中央アフリカ共和国の空港に投げ捨てて置き去りにしたのは、アメリカ政府でしたから。

アリステイド氏は、7年ぶりで亡命先の南アフリカ共和国から帰国しましたが、氏を支持する最大野党も彼自身も立候補や選挙活動を許されていません。これがハイチの現状です。
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Haiti: Thousands Mark 8th Anniversary of Aristide Coup
http://www.democracynow.org/2012/3/1/headlines#5
  Thousands of people marched in the Haitian capital of Port-au-Prince on Wednesday to mark the eighth anniversary of the U.S.-backed coup that overthrew President Jean-Bertrand Aristide.
  On Feb. 29, 2004, Aristide was forced to flee Haiti in what he called a kidnapping by the U.S. government. He was forced into exile in the Central African Republic and ultimately South Africa. He finally returned to Haiti last year after a seven-year absence.
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ですから、私たちは「国連が決めたことだから賛成」だとか「国連が決めたことだから従わなくてはいけない」などと短絡的になるのではなく、立ち止まって吟味してみる必要があるのではないでしょうか。その典型例が「自衛隊のハイチ派遣」でしょう。

自衛隊や国連軍は、ハイチの民衆から求められて、ハイチまで来ているわけではありません。その逆です。ハイチの民衆は「国連軍はハイチから出ていけ!」と言っているのです。

Haitians Demand Ouster of U.N. Peacekeeping Force
http://www.democracynow.org/2011/9/15/headlines#12

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他方、日本国民にはお金が足りないないからという理由で消費税増税を押しつけられかねないのですから、自衛隊の「ハイチ派遣」ほど大きな無駄遣いはないでしょう(昔の累進課税率に戻せば消費税増税はいりません)。

しかも一昔前までは、「自衛隊の海外派遣」が大きな問題になり、国会でも激論がたたかわされたはずでした。しかし今は、国民がほとんど知らないうちに「自衛隊のハイチ派遣」が決まっているのですから、恐ろしい話です。

最近の「海外派兵」ぶりを見ていると、自衛隊は「災害援助」が基本任務になっている観があります。災害援助を自衛隊の基本任務とするのであれば、いっそのこと自衛隊を改組して「救援隊」とすべきではないでしょうか。

そして現在の「人殺し」のための訓練ではなく、「人命救助」のための新しい訓練要綱を制定すべきではないでしょうか。

それが「憲法九条」をもつ日本の、あるべき姿ではないでしょうか。
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