原発を推進する三つの勢力、愛国心を利用した原発=核兵器開発、エマ・ゴールドマンの「愛国主義――自由への脅威」

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9.9 オスプレイはいらない!沖縄に連帯して1万人が国会包囲、沖縄では10万人集会
http://www.ustream.tv/channel/ryukyushimpo



<鳥のおもい> 佐々木なずな
http://www.labornetjp.org/news/2012/0909sasaki

                           
オスプレイという大きな太った鳥が         
沖縄に住み着き日本の上空を飛ぶという
この鳥、飛ぶには飛ぶが
離着陸がとてもへた
今まで何回も失敗して
何羽も命を落とした

飼い主はアメリカ合衆国
軍隊に雇われて
戦場にも行った               
死にたくないし戦場にも行きたくない
もうこの仕事をやめたい鳥
でも国防長官は許してくれない

9月9日、耳をすますと
人間の声が聞こえてきた
「オスプレイの配備を許すな!」
鳥はおもわず声を合わせた

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前回のブログを書いてから早くも2週間が過ぎてしまいました。書きたいこと伝えたいことが日々、山積していき、苛立ちは募る一方なのですが、残念ながら体が動きません。

そのうえ金沢に住む高齢の義母が、今後のために家をリフォームしたいというので、その手伝いに行っていたため、ますます時間が取れず、やっと昨日わが家に戻ってきたところです。

この間、国外では相変わらずシリア情勢・イラン情勢が緊迫の度合いを強め、ますます死者と難民の数が増え続けています。しかし大手メディアは相変わらずシリア政府が一方的に市民を虐殺しているかのような報道を続けています。しかし、事実はそれと全く異なることを次の報道は示しています。

「ホウラ虐殺の大嘘から化学兵器まで ― シリア報道における欺瞞」 From the Houla Hoax to Chemical Weapons - Deceptions in Syria
http://www.corbettreport.com/from-the-houla-hoax-to-chemical-weapons-in-syria/

「アメリカを初めとする西側諸国はシリアという国を丸ごと破壊しようとしている」 West Seeks Destruction of Syrian Nation
http://tv.globalresearch.ca/2012/09/west-seeks-destruction-syrian-nation

(本当は上記の英文記事を詳しく解説したいという誘惑にかられるのですが、今回は書きたいことが別にあるので、又の機会にさせてください。その代わりと言っては失礼なのですが、当面は次に紹介する藤永茂さんの記事を読んでください。)

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私は今までDemocracy Now!の報道をかなり信じてきたのですが、NATO軍がリビアを爆撃する頃から Democracy Now!の報道姿勢に疑問を持ち始め、シリア報道の頃から、あの信頼していた Amy Goodman 女史すらオバマ政権に遠慮して報道を曲げることもある,ということにようやく気づき始めました。

名著『アメリカ・インディアン秘史』(朝日選書)を著した物理化学者・藤永茂さん[86歳]は、私よりはるかに早く、リビア攻撃とシリア攻撃は本質的には同じ目的でおこなわれていると論じていて、「さすが藤永さん!」と脱帽せざるを得ませんでした。

シリアとリビア(2)
http://huzi.blog.ocn.ne.jp/darkness/2012/09/post_a40c.html
シリアとリビア(1)
http://huzi.blog.ocn.ne.jp/darkness/2012/08/post_58d9.html

この『アメリカ・インディアン秘史』は以前にも読んだことがあったのですが、『肉声でつづる民衆のアメリカ史』を訳出する参考資料として、改めて読み返してみました。そしてアメリカ史を専門とするひとで、これを超える本を書いているひとはまだいないのではないかという思いがしました。アメリカ先住民にたいする思いがこれほど強く込められた本を、私はまだ読んだことがなかったからです。

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さて国内の動きですが、「経産省前テントひろば」の座りこみや首相官邸前の金曜行動を初め、全国の脱原発運動は(いつのまにか「米軍基地反対運動」「米軍機オスプレイ配備の反対運動」とも呼応し始め)相変わらず健在です。

詳しくは下記を御覧ください。9月11日(火)には「経産省前テントひろば」で「テント1周年イベント&アクション」もおこなわれるようです。

9.7 「再稼働反対」官邸前抗議〜官邸裏からドラム隊まで
http://www.labornetjp.org/
http://www.youtube.com/watch?v=D6bFPub5Nqw&feature=youtu.be
9.11 「テント村1周年イベント&アクション」経産省前テントひろば
http://tentohiroba.tumblr.com/
午後1時  プレイベントSTART
3時    「再稼働是非」で国会議員を糺す――アンケート結果記者会見
4時    記念集会>
6時15分 かんしょ踊り
7時    経産省包囲人間の鎖

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さて今回とくに取りあげたいと思ったのは、共同通信社の「原発維持の理由に国防」と題する次の記事(9月9日)です。

「周辺国へ抑止的機能」就任前に森本防衛相/平和利用の原則揺るがす 
http://www.47news.jp/47topics/e/234264.php

この記事によれば、森本敏防衛相は、就任前の今年1月、北海道電力などが関係する講演会で日本の原発維持を主張し「単にエネルギーの問題だけではない」「周りの国から見て非常に大事な抑止的機能を果たしている」と発言していたことが、9月5日に分かったそうです。

森本防衛相は要するに「原発をゼロにしてしまうと将来の核兵器開発ができなくなる。原発があれば、日本の科学力ですぐに核兵器を開発できる」と言っているのです。

この森本氏の発言は、6月に改訂された原子力基本法にいつのまにか「わが国の安全保障に資する」との文言が追記されたことと見事に符合します。

私は以前からこのブログで、原発を推進する勢力には大きく分けて次の三つがあるという仮説を提示してきました。

第1勢力:平和憲法を改悪し(仮想敵国として中国・北朝鮮の脅威を煽り立てながら)日本を核大国=軍事大国にしたいと思っている政治家その他

第2勢力:原発を輸出することによって巨大な利益を得ようとしている巨大企業(これは同時に日本を兵器輸出ができる国にしたいと思っている勢力です)

第3勢力:「原子力ルネサンス」というスローガンを掲げながら、ブッシュ氏ですらやらなかった原子力産業に乗り出したアメリカ=オバマ政権


森本氏の発言は、原発推進の「第1勢力」という私の仮説が、もはや「仮説」ではなく「事実」だということを証明してくれました。

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いずれにしても、森本氏の発言は、当然ながら平和憲法に背くものですし、非核三原則を堅持するしてきた政府方針を真っ向から踏みにじるものです。このようなひとを防衛大臣にする野田首相の見識も厳しく追及されるべきでしょう。

と同時に、このようなひとを防衛大臣にすえる日本政府は、アメリカと一緒になって北朝鮮やイランにたいして経済制裁(まして武力行使)をおこなう資格などないことになるでしょう。

というのは、北朝鮮やイランが「原子力の平和利用をしたい」と言っているのにたいして「核兵器開発につながる恐れがあるから許せない」とするのであれば、同じことばがそのまま自分に跳ね返っているからです。

ところが最近の日本は北朝鮮やイランにたいする敵視政策だけでなく、愛国心をあおりたてながら中国敵視政策をますます強めつつあります。その先頭を走っているのが石原東京都知事です。

日本の大手メディアは、まるで中国が反日感情を煽り立てているかのような報道の仕方をしていますが、実態は全く逆です。アメリカによる中国包囲政策の一貫でしょうか、黄海で日米韓の軍事演習を繰り返したり、沖縄列島の南端に自衛隊基地をつくり魚釣島などを国有化する動きは,その典型例です。

同じような行動を中国がアメリカ近海(太平洋)でおこなったらアメリカがどんな行動に出るか、想像してみるだけで、自分たちがどんな行動をしているかすぐに分かるのではないでしょうか。

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日本の行動が、皮肉にも、逆に中国・台湾・香港の愛国心に火を付ける結果になってしまったことは、今までは一枚岩ではなかった中国・台湾・香港の民衆が一斉に魚釣島めがけて同一行動を始めたことからも分かるはずです。

ところが日本の大手メディアは、逆にこの事態を利用して日本の愛国心を掻き立てようとしています。「東アジア共同体」が形成されることを何が何でもくい止めたいアメリカとしては、これほど好都合な事態はないでしょう。

(ただ一つアメリカにとって困った事態は、韓国の李大統領が国民の愛国心を利用して支持率の極端な低下をくい止めようと自ら竹島に出かけたことでしょう。これでは日本の反発を招き、中国包囲網の一角が崩れてしまうからです。)

しかし、いずれにしても「愛国心」というものが政治的にいかに利用価値の高いものかがよく分かる例ではないでしょうか。

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<註> 魚釣島および尖閣列島にたいして日本はどう対処すべきか(それにたいする中国の基本姿勢)を見事に分析した本に、孫崎享『不愉快な現実――中国の大国化、米国の戦略転換』(講談社現代新書)があります。同じ防衛大学の関係者なのに、森本敏氏とは何と大きな違いでしょうか。

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エマ・ゴールドマンの「愛国主義」を ドラマティック・リーディングする、サンドラ・オー 
Sandra Oh reads Emma Goldman, "Patriotism: A Menace to Liberty"
http://vimeo.com/1274878
動画4分

 

ところで「愛国主義」の本質について、極めて鋭い分析をした人物に、エマ・ゴールドマンという女性がいます。

彼女はアメリカが第一次世界大戦へと動き始めているとき(1908)、サンフランシスコで「愛国主義――自由への脅威」という有名な演説をおこないました。

以下は、その一節です(『肉声でつづる民衆のアメリカ史』上巻、475-476頁)

それでは愛国主義とは何でしょう? 「愛国主義は悪党どもの最後の拠り所である」とサミュエル・ジョンソン博士は言っています。現代の反愛国主義者のレオ・トルストイは、愛国主義を「大規模殺人者の訓練を正当化する原理」と定義しています。あるいは「靴や衣類や家のような生活必需品を製造するより殺人訓練のための、もっと良い装備を強要する商売」「平均的労働者より高収入と大きな栄光とを保証する商売である」とも言っています。

実際、尊大・自惚れ・自己本位が愛国主義の本質です。ご説明しましょう。愛国主義は、地球は小さな場所に分かれていて鉄の門で囲まれていると考えています。そして、ある特別な場所に生まれる幸運に巡りあったひとは、他の場所に住むひとより自分が優れていて、高貴で偉大で聡明である、とみなしています。だから、その選ばれた場所に住むすべてのひとの義務は、自分の優越性を他のすべてのひとに強制するために、戦い、殺し、死ぬことなのです。


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韓国の李大統領は、極端に貧富の格差が広がった社会をつくりだし、その結果、支持率も極端に下がりました。そして支持率低下をくい止める「最後の拠(よ)り所」として「愛国心」に訴えました。まさに愛国主義は「悪党どもの最後の拠り所」だったのです。

他方、アメリカは「911事件」を利用して愛国心をかきたて、アフガニスタンやイラクを破壊した後、その復興事業に乗り出しました。他国を破壊するために大量の兵器を供給することによって軍事産業・兵器産業は大儲けをしました。

ところが破壊した後に復興事業として乗り込んでいったのも、同じアメリカの大企業ハリバートンやベクテルでした。地元の企業は何一つ復興事業に参加していません。そこで雇われていたのはアメリカその他の下請け企業であり、安く使える外国人労働者だったからです。

要するに破壊する過程で儲け、復興する過程でも儲けるのです。こんなに美味しい商売はないでしょう。それに貢献するのが「愛国主義」なのです。

他国を破壊するためには愛国主義を「大規模殺人者の訓練を正当化する原理」として使わねばなりません。

その結果、兵器産業は「生活必需品を製造するより殺人訓練のための、もっと良い装備を強要する商売」「平均的労働者より高収入と大きな栄光とを保証する商売」として繁盛します。

同じ企業が破壊も復興も手がけるのです。今や大企業は何でもやってのけるマルチ企業なのです。

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アメリカは「大量破壊兵器があるから」という口実でイラクを侵略しました。それが嘘であることが分かったとき、急いで「イラクに民主主義をもたらす」という口実に切り替えました。

イスラム教は遅れた野蛮な宗教であるから、イスラム教徒に民主主義を教えてやろう(できれば彼らをキリスト教徒に改宗させよう)というわけです。

さらに、イスラム教にもとづく経済ではなく「アメリカ流の進んだ経済」の手ほどきをしてやるということも目標に掲げました(それは国有化されていた企業をアメリカ資本に開放することが真の目的でしたが)。

今のリビアやイラクは、この方向で運営されていますし、できればシリアも同じ方向で破壊=復興したいのでしょう。シリアが破壊されれば次はイランの番です。

こうしてアメリカ流の「愛国主義」は、エマ・ゴールドマンの下記の定義に、みごとに合致することになりました。
 尊大・自惚れ・自己本位が愛国主義の本質です。
 そして、ある特別な場所に生まれる幸運に巡りあったひとは、他の場所に住むひとより自分が優れていて、高貴で偉大で聡明である、とみなしています。
 だから、その選ばれた場所に住むすべてのひとの義務は、自分の優越性を他のすべてのひとに強制するために、戦い、殺し、死ぬことなのです。


かつて満州国は同じような狙(ねら)いで建設されました。日本の「愛国主義」は、今後どのようなかたちで利用されていくのでしょうか。私たちは、それをしっかり監視していく必要があります。
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狐狸庵居士(田舎の国立大学を2010年に定年退職)

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